山を駈ける風になれ’99年11月号

'99 11月 5日
島田一志様

お元気ですか。いつも2.5万図を片手にレポートを拝読しております。ボツボツ、パソコンを
購入したいのですが、我が家の「大蔵省」の認可がなかなかおりず、もう少し子供が大きく
なるまで辛抱かなんて思っています。島田さんのレポートは貴重な参考資料としてファイリング
しております。
 正法寺山、ビックリしました。同山は、私の田舎、八幡町宗佐から目と鼻の先にある山。
小学校の頃、夏休みになると決まって田舎へ遊びに行ったものですが、三木線の車窓から
正法寺山が大きく見えてくると下車する準備をしたものでした。
 ツーリングの途中で鄙びた駅舎や列車を見かけると、鉄道マニアでもないのになぜか
カメラを向けてしまいますね。石野駅、機会があったら立ち寄ってみて下さい。数年前までは
昔のままの風情のある駅舎が残っていたように記憶しています。
 また、正法寺山のENEにある大村坂は、その昔追いはぎが出たと、子供の頃母からそんな
話を聞かされた記憶があります。昭和30年代の終わり頃でも十分にそんな雰囲気を持った坂
だったのを覚えています。

島田さんが8月29日に登られた入畑山(817.2m)は、大阪低山跋渉会では「筆頭帽子」の
名で97年1月にやはり果樹園マークに?と思いながら登っています。ご自分で山名も調査
されようという姿勢、頭が下がります。

また、10万件のホームページのアドレスが紹介されている本で、島田さんのホームページを
見つけました。これを見てマウンテンバイカーが増えてくれるといいですね。

 さて、近況報告です。

10月2日(土) 花折山〜金剛童子山(2.5万図 有馬)
 初めての北神戸の山。宝塚から近いのに足を向けなかったのは、行き帰りのアプローチが
どうも好きになれないから。交通量の多さ、ニュータウンの中の走り等。山には何の罪も
ないのだが...そこで食わず嫌いもいけないと北の淡河町野瀬から南の谷上へ抜けるコース
を走ることにする。中山大池までは、だだっ広い舗装路をひたすらガマンして上る。池から
南に伸びる志久道を行く。巾のあるハイキング道で、一部荒れているところもあるが全般に
走りやすい。50分程で丹生山縦走路に合流、東へ折れてひと上りすれば花折山。展望は
殆どないが静かな山頂だ。小憩の後NEにのびる山道を下り林道に合流。金剛童子山を目指す。
登山口がわかり辛いが(入ってはいけないように見える)5分程で頂上に。ここも展望は無い。
山頂で軽食休憩を摂った後谷上へ下り、神戸電鉄沿いの道を有馬へ。白水峡から蓬莱峡を越えて
宝塚へ下る有馬街道では追い風にも助けられて爆走。カーブの多い同コースをMAX62km/hで
クリア。更に、と行き込んだが若葉マークの車に追いついてしまいジ・エンド。
(本日の走行距離60km)

10月9日(土) 五台山(2.5万図 黒井)
 昨年10月の愛宕山〜五台山縦走からちょうど1年ぶりで同山域の主峰五台山を目指す。
本当は紅葉の美しい時季に岩滝寺渓谷と併せて登るのがベストなのだろうが、距離と山道の
長さを考え合わせれば少しでも日の長い時季に走りたい。午前5時35分、薄暗い中をスタート。
R176をひたすら走り、霧の鐘ケ坂トンネルを越えて柏原へ。氷上のローソンでサンドイッチを
買って午前9時、岩滝寺渓谷に到着。剣豪浅山一伝斉兵法修行の地という独鈷の滝を横目に
MTB山行修行者がひたすらMTBを「担ぎ」上げる。沢沿いの道、植林帯の道を「押し」、
「担ぎ」、所々「乗る」。40分ほどで小峠に。ここから支尾根に乗るが山頂まではまだまだだ。
頂上手前の急坂を登れば尾の鼻展望台との鞍部に到着。ここまでくれば山頂はすぐだ。10時
13分、文殊菩薩像の建つ山頂に立つ。ベンチが4つ、展望台も作られている。予想以上に
眺めはいい。(個人的な話で申し訳ないがこの山で北摂、丹波MTB山行通算99座となった。)
下山は北にのびる稜線を鴨内峠まで下り、市島町鴨坂へ。鴨内峠までの道はこれまでとはうって
変わって雑木林の中の気持ちのいい道でなんと全線乗車可能の快走シングルトラックだ。
じっくり走りを楽しみながら下っても、35分で上鴨阪に着いてしまった。市島ー黒井ー栗柄峠
ー篠山ー三田と走る帰路は追い風にも助けられ、予定より大幅に早く帰宅。
(本日の走行距離161km)

10月10日(日) 自宅周辺の三角点巡り (2.5万図 宝塚)
 3連休の中日。しかも晴れの特異日で朝のうち2時間ほど空いている。となればどこかへ
走りに行かずにはいられない。というわけで以前から温めていた標題の企画を実行することに。
まずは、生瀬高台の西にある185.1mの三角点へ。山頂に鉄塔が建っている。自宅から直線距離で
約1km、生瀬高台の住宅地の南西隅からのびる林道を利用すれば簡単に着けそうだ。宝生ケ丘の
住宅地の中を上る急坂を「押し」て登り(とても乗れるような坂ではない)、生瀬高台の南西隅に
着いてみるとどうだ。土地管理会社の金網で完全封鎖されている。山はすぐそこに見えているのに
・・・。いきなり断念。
 次は同じく生瀬は木ノ本地蔵尊の裏山にある128.5mの三角点だ。一旦、生瀬駅まで下りR176を
走って木ノ本で国道と別れる地道を進み、三角点のある山の西側へ回り込む。踏跡と思しきところ
を辿って雑木ヤブの中を20mほど行けば4等三角点に。円筒形の三角点で四周をコンクリートと
石で囲ってある。
 まだ7時を少し回ったところ、もう1ヶ所行けそうなので、逆瀬川は野上5丁目にある138.2mの
三角点を目指す。地形図上では道路の上にマークがあるが、住宅地の中なので苦戦しそうだ。
現地に着いてみると案の定、地形図には無い道がたくさん。それでもどうにか軌道修正を重ね
辿り着いたところには「野上幼稚園」が。この中らしい。またしても断念。結局、3打数1安打。
7時45分帰宅。(本日の走行距離17km)

10月17日(日) 篠山周辺巨木めぐり (2.5万図 福住、村雲)
         〜安田の大杉、藤坂の大桂〜
 暑さが去ると北摂もサイクリストが目立って増えます。軽やかにレーサーを走らせる彼らに倣って
3ヶ月ぶりにレーサーにまたがる。午前5時55分出発。川西能勢口から一路北へ。泉郷峠、天王峠
を越えて福住に入る。安田の大杉はR173とR372の合流点にある丹波最大級の杉。高さ35m、目通り周囲
8.4m。根元にレーサーを立てかけて記念撮影。大きくうねる表皮に800年の生命の躍動を感じる。
次に藤坂の大桂に向かう。R173を板坂峠手前で藤坂方面に左折、3kmほど行くと標識が現れる。
田んぼの中を通り、山の中に入って行く林道を標識に従って行くこと10分ほどで、突然大桂がその
巨体を現す。植林帯が続く山中に忽然と現れる様は、もののけの森の木の精のようで畏怖さえ抱く。
10数本の桂の集合体で高さは20〜38m。古い巨木が朽ちて周囲を若木が取り囲みながら成長したよう
に見えるが、何とも異様な姿だ。下から見上げた姿はガウディーのサグラダ・ファミリア教会の尖塔群
のようにも見える。下山してきてまだ9時過ぎ。丹波の実りの秋を愛でながら天引峠ー八田峠ー一庫
ダムと快走ツーリングを楽しんだ。(本日の走行距離132km)

10月23日(土) 小和田山 (2.5万図 妙見山、埴生)
 8月に一緒に走ったH氏と午前7時半に川西能勢口の交差点で待ち合わせ、亀岡の半国山を目指す。
スタート直後こそ快調に飛ばしていたH氏であったが、向かい風に悩まされ徐々に遅れ始め既に阿古谷
でかなりバテ気味。亀岡の広野に着いたところで協議。行き先を小和田山に変更してツーリングを続ける
ことに。長い休憩をエネルギー補給をとったお陰かH氏何とか息を吹き返し千ケ畑の登山口に到着。
ここまでくれば頂上との標高差200m少々、全般になだらかな気持ちのいい道で、途中何度か休憩を入れ
ながらも午前10時50分頂上に着く。小和田山は5年半ぶりだが、シカよけの黒いネットが張られて
おり、山頂につきものの開放感がない。気温、13℃、少々肌寒い。軽食休憩も早々に切り上げSE尾根
を七宝寺方面に。いきなり背丈よりも高いススキとイバラのヤブに突っ込む。最近は歩く人も少ないのか、
延々とヤブこぎが続く。「ヤブこぎ時々乗車」を繰り返しているうちに釈迦ヶ岳の西を巻く地点まで
来てしまった。5年半前は快走できたのにと思いつつ強引に下っていると、H氏谷側に転落。運よく
ヤブにひっかかり事無きを得る。シカよけネットが登山道を遮断しているではないか。どうりで道が
荒れているハズだ。通行不能になっていたのだ。おまけにネット越しに見慣れない林道まで通っている。
あまりの変わりように暫し唖然。ネットを乗り越えて工事中の林道に降り立つ。ちょうど12時。
最後は何ともあっけない終わりかたとなってしまったが、H氏にとっては強風、ヤブこぎ、転倒、
ネット越えとハードな一日となったことだろう。(本日の走行距離86km)

10月30日(土) 虚空蔵山 (2.5万図 藍本)
 9月26日大ヶ谷登頂に失敗し、10月9日の五台山が通算99座目に繰り上がってしまった為、
改めて北摂、丹波MTB山行通算100座目に選んだのが三田、旧今田境界に聳える虚空蔵山。
丹波の中ではメジャーだし、「ふるさと兵庫の50山」にも選ばれている。自身の100座記念にする
にはまずまずか。自宅から最も近い丹波の山なのに今まで登ったことがなかったのは、ハイキング道が
整備されすぎているのでは、という印象があった為。今日は、久しぶりに立杭の里をのんびり走って
みたかったので、藍本から山頂に立ち、陶の郷に降りる一般ルートを行くことにする。午前6時出発。
4時30分裏参道登山口到着。舞鶴自動車道高架下の分岐でいきなり道を間違え50分のタイムロス。
8時20分、正しい裏参道ルートを登る。「押し」易い道で20分ほどで虚空蔵堂に。お堂の右手から
山頂を目指す道は急登もあるが、さほど辛いということもなく9時15分、丹波岩の露岩を過ぎ山頂に
到着。西側にベンチとイスが設置されている。露岩に劣らずここも眺めがいい。途中のコンビニで買った
サンドイッチとミルクティーで一人100座達成記念を祝う。下山は陶の郷方面へ。いきなり擬木階段
の連続だ。山を自転車で下る物好き人間を考慮して整備してくれとは言わないが、ハイカーだって
うんざりするだろうというほど階段が続く、やっと乗れるようになったと思ったら陶の郷。まだ10時
をまわったところだ。立杭の里を眺めながら、上小野原、本庄、平木と和田寺山麓を周回、梅木峠から
大川瀬ダム湖を回って帰路に着いた。(本日の走行距離93km)

丹波岩
丹波岩にて

と、以上のようなところです。  日頃、百名山ブームや登った山の数を数えることに批判的なことを言いながら、北摂、丹波通算100座 を意識するというのもヘンな話ですが、こと当エリアに関しては「登った山の数=同エリアへの愛着度」 ということで許して頂きたい。  近況報告の中でも紹介した自宅周辺の三角点巡り。宝探し的な楽しさもあって結構面白いですよ。 私の場合、自宅から半径1km毎に半径3kmまでの中にいくつ三角点があるか調べることから始めました。 半径3kmといっても標高30mの武庫川河畔から同573mの砂原山まで起伏に富んでいます。  結果、半径1km以内に2つ、2km以内に6つ、3km以内に6つの計14ヶ所。内4つが小中学校の敷地内、 1つが宝塚市役所の庁舎の屋上にあり自転車同伴では侵入は不可能。浄水場施設付近にあるものも侵入 不可能かも知れないし、岩倉山(488.7m)の3等三角点は既登。というわけで対象は半分の7ヶ所。 この7ヶ所も実際に走ってみると幼稚園の中にあったりして、ハッキリ言って山の中の三角点のようには 簡単に行きませんでしたが、また機会があればチャレンジしてみたいなと思っています。 1999.11.1

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