山を駈ける風になれ2000年2月号
2000 1月31日
島田一志様
お元気ですか。2000年最初の報告です。いい正月休みが送れましたか?昨年は年度後半、
週末好天に恵まれたこともあって45回のツーリングを含む年間総走行距離5,720km、
初めて登った山31座といずれも過去最高を記録、充実した1年を送ることができました。
今年も大いに「走り」、「登り」たいと思っています。
北摂ラリーはいかがでしたか?16日は雨が降って大変だったでしょう。毎年2日間の内
1日は雨のように思いますが...どんなコースでどんなレース状況だったのか島田さんの
レポートが楽しみです。
さて、私の方は大晦日の夜から発熱、5年ぶりというしつこい風邪に悩まされ続け、Y2K
問題で出勤した他は、せっかくの正月休みとハッピーマンデー3連休をふとんの中で過ごすという
情けない状態になってしまいました。いまだに完全復調とは言えない状態で、家人からは、
「治りが遅いのは年のせい」とおもいっきり言われています。(本当のところは治りきらない内に
走り出して、また体調を崩すからなのだと思っているのですが、でも治りが遅いのも確かです)
鳥脇山の実走レポート、送って頂きましてありがとうございました。1月23日楽しみにしていた
のですが朝から雨で中止となってしまいました。
そんなわけで、非常に不本意なスタートとなった1月ですが、長いMTBライフ、こんなことも
あるさと来月以降に期待をしています。
さて、近況報告です。
1月15日(土) 篠山/法連坊山(2.5万図 宮田)
風邪の為に新年初走りが今日になるという自身始まって以来の遅いスタートとなり、予定を大幅に
変更して標題の山を目指すことに。とにかく100km程走れる体力を回復することが主眼だ。6時
38分薄暗い中をスタート。R176をひたすら北に走るが、いきなり赤坂峠の登りで大幅なスピード
ダウン。MTBがやけに重たい。しばらく乗っていない内にさびついたのかなとも思ったが、何のこと
はない自分の足が回っていないだけだ。いつもより3分近く遅れて赤坂峠を通過、その後も鈍足ペース
は一向に改善されない。平地を走っているのに坂道を走っているような感じだ。それでも9時10分
どうにか西麓の打坂に到着。打坂峠への道を求めて入っていくと、車が何台も停まって無線で何やら
しゃべっている。島田さん達の無線ではない。猟銃を肩に担いだハンター達である。それにしても
半端な数ではない。どう考えても目的地は同じ方向だ。こんな体調の悪いときに無理してハンター達
の間をかいくぐって山頂を目指すこともない、とあっさありあきらめ、ユニトピアささやま側に回り、
池のほとりでゆっくりと軽食タイムを摂り、帰路についた。(本日の走行距離109km)
1月22日(土) 三田/小柿山(2.5万図 木津)
三田の小柿山は「お大師さんの山」として多田繁次氏の著書に紹介されている山である。いつか
ゆっくりと登りたいと思いながらなかなか果たせないでいた。今でも地元の人達によって手厚くまつられ
ているのだろうか。
前日までの寒波の影響で積雪が予想される中、いつものごとく6時38分自宅を出る。体調がまだ
戻っていないことは走り出せばすぐにわかる。特に右足に力が入らないのは何とも辛い。川西能勢口
を回り、多田神社あたりまでくると道の両脇に雪が現れ出す。杉生を過ぎ杉生新田への登りにかかると
積雪量は一段と増す。道路上に雪はないが、半分凍結した状態なのでペダルを踏み込まずにソーッと回転
させて登る。杉生新田までくると一面の雪景色、北摂ラリーが今日だったらかなり面白いだろうな、などと
考えながらここで西峠からの下りに備えてレインパンツを履く。気温マイナス2度。西峠は10センチ
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雪の西峠 |
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程度の積雪だが、道路の中央部は圧雪状態の部分と半凍結状態の部分が交互に現れ、思いきった下りは
出来ない。特に先月末転倒したばかりなので必要以上に慎重になる。おかげで後川上のドライブインに
着いたのは9時、いつもより30分近くも時間を要してしまった。ここで早々と軽食タイムを摂る。
小憩の後出発。通る車とてないモノトーンの世界の中を羽束川沿いに小柿へ下る。小柿までくると路面に
雪は無い。さて、小柿山だ。
氏の著書では、北安の共石GSで西に折れるとあるが、GSは何年か前になくなっている。北安橋の
手前を西に折れ、集落を抜けて墓地に着く。「ブロ谷川砂防工事云々」と書かれた看板が立っている。
もう石仏の道は無くなってしまったのだろうか。MTBをデポして墓地の南側を回る道を行く。すぐに
砂防ダムに着く。(墓地の北側の広い道を行っても砂防ダムがある。)幸い山道はダムを過ぎても西に
向かって続いている。間違いなく地形図上の破線の道である。雪に埋もれてはいるが植林帯の中のよく
踏まれた道であることはわかる。さて、石仏はどこだと探しながら雪道を進んでいる内に、傾斜が急になり、
赤い境界杭に緑のビニールテープを張った道に変わり、Ca360mの鞍部に着いてしまった。北安の
集落から15分、鞍部には反対側からも道が登ってきている。がどうした。ここで88ヶ所18番札所の
石仏が現れるハズなのだが、どこにも見当たらない。いやここまで全く石仏に出会わなかった。石仏の
道は別にあるのだろうか。今回の目的は424m標高点の小柿山、石仏の件は一旦おいて鞍部を南に
尾根沿いに進む。小さなコブを越え滑りやすい傾斜を登って10時15分山頂に到着。雑木に覆われて
抜群の展望とはいかないが、樹間越しに真っ白な天上畑、峰ケ畑、大船山等が見える。せまい頂上だが、
新雪の積もった山は静寂に包まれて気持ちがいい。テルモスに入れた紅茶を飲みながらしばらくあたりの
雰囲気を楽しみ、元来た道を辿って北安に下り、猪ノ倉峠越えで帰路に着いた。石仏はまた仕切なおしだ。
(本日の走行距離112km)
1月29(日) 宝塚北部/竜王山〜馳渡山 (2.5万図 木津、武田尾)
今日はシングルトラック(S/T)と林道をつないでガンガン走ろうという趣向。元々正月休みに走る
予定だったコースにプラスαしてS/T部分を追加した。ふだんなら近場すぎて走ることはないが、体調
不十分ながらも冬枯れの雑木林の中を走りたい、という時にはうってつけのコースとも言える。既走のコース
もあるが、未走のコースもある。エスケープルートも多いので、途中でいくらでもリタイア可能、コース
変更可能の変幻自在コースである。 6時40分、自宅を出発。川西能勢口から県道を北に走り、屏風岩
近くのコンビニで食糧補給する。ここまではオンロードだ。まずは万善から銀山方面に抜けるS/Tに入る。
登り口は新興住宅地の裏の空き地から。マイナス3度℃、霜柱を踏む感触がいい。すぐに小崩壊地に出る。
北に堂床、竜王、三草の各座が広がる。マツタケ山の為立入禁止のロープが山道に沿って張り巡らされて
いるのが目障りだ。10分ほどで峠に着く。山道を下りきると林道巾の道に合流する。山陽自然歩道である。
ここからしばらくはこの道を走る。金山彦神社の南で右折し、ソエ谷峠方面へ向かう。8時30分、一の谷池
で小憩。城山へも寄り道しようかと思ったが、先の行程を考え、再び出発。いつもながら荒れていて乗りにくい
道だ。おまけに「バイク、自転車乗り入れ禁止」の標識まで現れる。「押し」て進む。9時02分峠着。
全身の汗をぬぐってから竜王山に向かう。「辰年」だから登っておこうというわけだ。快適なS/Tを上り
下りしている内、竜王山への分岐を行き過ぎ、更に一つ東の谷に下りる分岐まで行き過ぎてしまう。戻る。
竜王山へは山道の両脇の木に白いテープが巻かれているところを北に折れる。すぐに山道が崩れ落ちている
ところが現れるが慎重に進む。と右手尾根からいい山道が合流してくる。快走区間が続くが、最後の一登りの
ところでヤブがひどくなり「押し」が入る。赤と白の測量用ポールを見つけ山頂に着く。9時44分。
行き過ぎたりしたのでえらく時間がかかってしまった。4等三角点の周りに陽だまりが出来ている。少々早いが
軽食タイムにする。見上げれば雲一つない快晴、最高だ。10時3分下山にかかる。北へ下りる破線の道は
とらずに西へ尾根筋を行く。踏み跡程度の道だが、黄や青のテープがあり、しっかり辿れば迷うことはない。
15分ほど西に行ったところで広場にポンと飛び出した。広場の中央に赤い鳥居と石組みの台座の上に2つの
祠がまつられている。なんだろう。何にも書かれてはいないが「竜王」の山名と関係があるかもしれない。
きれいに掃き清められている。予想外の発見をした喜びを胸に抱いて参道を下る。農道を辿って県道に飛び
出せば東部南口バス停のすぐ南だった。(10時30分)
さて、次はしばらくオンロードを走り、宝塚最北の香合新田へ。鳥飼山と南の482mピークをつなぐ鞍部
を越え、大舟寺の前に下りてくるS/Tを走る為だ。上佐曽利でドリンクを補給して香合新田へ。11時08分、
鞍部に着く。香合新田から約10分、本日の最高点である。ここからの下りは快適の一言。雪が残るS/Tを
爆走する。95%乗車可能であっという間に波豆川のバス停まで下りてきてしまった。それにしてもポカポカと
暖かい。サドルバックに付けた温度計は10℃を指している。ここで靴の中に入ったドロや落ち葉の掃除をして、
オンロードを再び南下、西谷から玉瀬へと走る。
ここから本日のハイライト、武田尾まで山中縦走に入る。12時丁度、玉瀬のバス停のところから、南に細い
道を下り、突き当たりの家を左に折れる。「ダムはそっちじゃないよ」と親切に声をかけてくれるがもとより
承知だ。猪垣をまたいでなおも南へ。林道巾の道が続く。10分ほどで左手山側から更に巾のある林道に合流。
このままこんな広い道が続くのだろうか。さらに5分ほど走ったところで分岐が現れた。農機具小屋がある。
地形図の水田マークを忠実に左へ行くと、道は薄暗いジメジメした森の中に消えてしまった。あたりの様子を
探ったがどうも怪しい。一旦農機具小屋まで戻り、分岐を右にとるとすぐ左手に「武田尾、馳渡山へ」という
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玉瀬から馳渡山へ向かう林道 |
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標識と「SKT」と書かれた白テープが現れた。「これだ」ここからは、この2つの目印に導かれながらS/Tを
どんどん南下する。ぬかるんだ道を進んでいると、何本ものMTBのタイヤ痕を発見。こんな所を大勢で走るのは
北摂ラリーくらいなものだ。今年はここを走ったのだろうか。13時20分馳渡山を目の前に見渡せるガケ地で
休憩。暑い。温度計は16℃まで上がっている。テルモスに入れてきた紅茶を飲むと汗が噴き出す。さあ、最後の
ひとふんばりだ。すぐに分岐が現れ、右に折れる。6分ほどで頂上に。馳渡山の3等三角点は雑木の森の中に眠って
いた。「お疲れさん」と三角点を軽くたたいて下山に入る。武田尾への下りは地形図では激坂のように見えるが、
実際はジグザグで結構乗れる。山頂から10分少々で武田尾に下る。14時、小憩の後大峰山の北側を回って
十万辻に向かう。林道の初めはひどいダートだ。「押し」でなんとかクリア、ヘロヘロ状態で十万辻に着くと、
一気の下りで帰路に着いた。(本日の走行距離66km)
と、以上のようなところです。
2000.1.31
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