山を駈ける風になれ2000年3月号

2000 3月 5日
島田一志様

お元気ですか。いつもながら読み応えのあるレポートありがとうございます。私も負けずにレポートを
充実させたいのですが、島田さんほどの内容のあるツーリングをやってないので、1回分、1/2〜1
ページのペースで行きたいと思います。

 虚空蔵山縦走、私もそのうちにと思っていましたので、参考になりました。

 大瘤ヶ岳が半分無くなっているとのこと。ずいぶん変わってしまったのでしょうね。ゴルフ場造成
工事中の頃に走ったときには、茅谷の三角点も残っていたのですが・・・。4月中旬、コバノミツバツツジ
が満開になる頃に、柏野山〜内ケ蔵谷山〜海見山あたりを周回しようかと考えています。 

 鎌倉山、いいですね。是非一度行ってみたくなりました。また、島田さんの石仏に対する造詣の
深さにも感心することしきりです。

 北摂ラリー、資料まで送って頂きありがとうございました。向井さんのレポートから、いつもの
調子で楽しまれた様子が浮かぶようです。ところで、大回転、クラッシュと一人大活躍された遠藤さん
は大丈夫だったのでしょうか。私の以前、リアのリムがハート形になるクラッシュをして、1ヶ月近く
MTBに乗れなかったこと(身体ではなくMTBが修理からなかなか戻ってこなかった)があります。

 カヤマチ山の縦走ですが、いいですね。私も5月頃に挑戦予定ですが、結果を是非教えて下さい。
もし時間があれば、麓の達心寺にも立ち寄られることをお勧めします。

 私の方は、お手軽コースが多い月となりまして、こんなことでは鈍ってしまうなと最後に一発気合の
入るコースにしたかったのですが、予想外の積雪に阻まれて山頂折り返しとなってしまいました。
でも久々に雪遊びを堪能しました。

 さて、近況報告です。

2月 5日(土) 篠山/御狩山(2.5万図 篠山)
 実戦に使う地図が古い、ということはよろしくない。いつまでも古い地図のままもどうかと新しい
(2.5万図 篠山)を購入。と、どうだ。三角点がえらく増えているではないか。本日の御狩山も
そうした山の一つ。旧版(S63)では499m標高点の山だったが、新版(H11)では、
501.3m三角点のある山になっている。500m台にまでなったとあっては登らずにはおられない。
ところでこの山は登路が不明だ。どこから攻めるか。取り敢えず不来坂を越えてすぐ北にある鳥居マーク
に行ってみることに。甘南備なら鳥居マークの奥に道が続いていてもよさそうなものだ。坂を越え最初の
民家が現れる手前を5mほど右、山側に登ったところに木製の小さな鳥居、奥に小さな社が一つある。
冬枯れの木々に包まれ、車の往来が激しい峠の上であることを忘れられる。目を転じると北東側の2本
の木に青ペンキが塗られている。どうやらこれらしい。MTBをデポ、8時45分、山登り開始。
青ペンキは5〜10m間隔で現れる。正解だ。これで難なく頂上に着ける。5分ほどで旧町界尾根に
乗るが、踏み跡すら定かでなく下山時はいささか不安。青ペンキも下りの時には見えない。棒切れで
地面に印をつけながら9時10分山頂に到着。周囲の木が伐採されて明るい。小広いスペースもある。
4等三角点はすぐ北のヤブの中だ。真北に白髪、、松尾の両山が聳え、樹間越しに四周の山々が見渡せる。
陽射しが暖かい。しばし軽食休憩。下山は案じていた通り、いつの間にか一本西の尾根に入り込んでしまい、
地面につけた印も役に立つことなく、強引にヤブを漕いで麓に下りた。(本日の走行距離85km)

御狩山
御狩山北西麓の池の畔

2月13日(日) 宝塚・川西/鳥脇山〜岩根山(2.5万図 武田尾、広根)  鳥脇山はハイキングの対象としてみると魅力に欠ける山だが、MTBでシングルトラックを走るとなると、 俄然輝きを増す山である。近場なので午前7時出発。川西能勢口回りで広根、切畑と走り、8時27分 榎峠から登り始める。この山は450mポイントを過ぎると乗車可能となる。20分足らずで山頂に。 テレビ中継塔が増えており、7年前と随分変わっている。ここで川西清和台から喜多というダウンヒラー 達に出会う。川西でショップをやっているという人を中心をした4人組でこれから西尾根を下るという。 毎週鳥脇山を走っているというこの山の主達で枝道にも詳しい。  彼らと別れて北ルートを下り、岩根山を目指す。急坂を下ってすぐのところで林道が崩壊している。 慎重に通過、331m標高点の左を巻いて林道が大きく下るところで、左側尾根筋に続く小径に入る。 5分ほどで岩根山に到着。反射板が立ち、見通しはよくない。小憩の後鳥脇山に戻る。10時ちょうど 本日のメイン西尾根下りに入る。いきなり500m連続乗車できる下り、紅白の鉄塔が建つ442m ピークへも快適な走り、続く下りも思わず叫びたくなるような走りで、あっという間に406mピーク との鞍部に着く。ここで少し「押し」が入るが、すぐに下りに入りbU3の鉄塔に。山頂から2.1km、 30分弱。一気に走ってしまうのがもったいない。夢のようなS/Tはもう終わり。県道に下ると 十万辻を越えて前を行く車を煽りながら帰路に着いた。(本日の走行距離43km)
鳥脇山尾根から
鳥脇山西尾根も終点近く
城山方面が見えるビューポイント

2月20日(日) 川西/釣鐘山〜石切山(2.5万図 伊丹、広根)  今日は慶佐次先生率いる大阪低山跋渉会の例会山行きに同行する予定であったが、昨夜来の雨で 例会は早々に中止となり、家の中でグズグズ・・・。と、昼前には雨は上がり晴れてきた。窓を開けると 風は強いものの暖かい。昼食を済ませ、こういう時の為にと用意していた表記のミニコースを行くことに。  春のような陽射しを背に受けながら川西能勢口を回り、釣鐘山の入り口である「慈光林」への急坂を 登る。入り口から頂上までは延々石段の登りが続くが、MTBを担いでゆっくり登っても10分ほど。 頂上で汗をぬぐい石切山へのハイキング道を下る。道はすぐ登りに変わる。雨水で深くえぐられた個所が 多く、傾斜の割に「担ぎ」が多い道だ。コースの左手に宝塚造形芸術大の所有地であることを示す囲いが 続く。13時43分石切山山頂に。釣鐘山から20分ほどで到着。3等三角点のある山頂は雑木に囲まれ 展望はないが、すぐ南に大阪湾が臨める展望ベンチが設けられている。頂上から北西尾根を下る。 先週の鳥脇山西尾根にも似た快走コースだ。500mほど行ったところで長尾台に折れる地形図の破線の 道が現れるが、ここは尾根筋をまっすぐに行く。2度ほど軽い登りをクリアすれば、あとは満願寺霊園の 北出口まで全線乗車、20分ほどの山道走りが楽しめる。満願寺に立ち寄った後、再び北に道をとり、 湯山台から多田神社に抜ける山道を走りぬけ、西多田から家路についた。(本日の走行距離30km)
石切山ST 頂上
石切山北西尾根のシングルトラック釣鐘山山頂。眼下に川西、池田市街地
かすかに生駒も

2月26日(土) 柏原/譲葉山(2.5万図 柏原)  譲葉山は、西多紀アルプスから北西方向にのびる連山の最高峰である。2年前「鬼の架け橋」の上から 見た堂々とした山容に、一度登ってみたいと思いながらなかなか果たせないでいた。氷上郡の山へ日帰り MTB山行きとなれば、140km以上の走りになることから例年日照時間の長い5月以降に走ることに しているのだが・・・・。  6時25分出発、R176を柏原目指して走る。相野あたりから道路脇に雪が、丹波大山辺りからは 植林がクリスマスツリーのよう。鐘ヶ坂トンネルからの下りを慎重に走り、9時03分柏原に到着。 駅の待合室で小憩、暖かい。ここまでズッと氷点下の中の走りだった。昼の弁当を買って奥村川沿いに 林道を走る。山頂近くは雪雲に覆われて麓からは見えない。登山口は「キリスト教式の墓」、「小川に かかる細い橋」、「消えかけた道標」のあるところと、大阪低山跋渉会の例会報告から予備知識を 仕入れていたので、わけなく見つけることができた。墓地の横を通り、植林帯の中に入る。といきなり 4本組の丸木橋が現れる。雪が積もっているので慎重に通過。9時30分大安寺観音堂に到着。 登山口から案外に近いのに驚く。ということは山頂までは距離が長いということだ。「山頂まで1960m」 とご丁寧な標識まで立っている。  植林帯の積雪は5cm前後、ジグザグの登りが続くが傾斜のゆるやかなところは乗車可能だ。巾1.5mほど の谷筋を、MTBを放り投げるようにして渡り、更にジグザグに登り、観音堂から30分ほどで尾根筋に 合流。ここからは傾斜の緩やかな雑木林に変わるが、積雪は15cm前後になって「押し」あげるのも だんだん辛くなってくる。山頂まであと300mくらいのところで展望のいいところが現れる。ペースが 落ちてきたので小憩。最後のひとふんばりと「押し」あげるとマイクロウエーブの反射板の前に出た。 西面が借り払われており凄い眺望だ。粟鹿山から篠が峰、千が峰と真っ白な山々が延々と連なって見える。 風がまともに吹きつけてくるので眺望もそこそこに頂上を目指す。ここから頂上までほとんど高低差はない。 積雪は20cmを超えるとこともあるが、乗車できるところもある。人力2輪スノーモービルといった感じで 面白い。処女雪を踏み分けていくのは格別だ。ラッセル疲れが出てきた頃、目の前に写真で見覚えのある お堂が現れる。10時56分、頂上に到着。1時間半もかかってしまった。お堂の入り口に腰掛けて 弁当タイムにする。気温マイナス3度℃、積雪20〜25cm、ジッとしていると箸をにぎる手つきが 怪しくなってくる。11時15分、腹ごしらえを済ませ、岩尾の三角点を目指して出発。吹き溜まりに なっているのか、更に積雪は増してくる。尾根筋を快走する筈だったのに、現実は35cm近い積雪。 MTBはタイヤの半分以上が埋まり、「押し」ても動かない。こんな調子では岩尾から567mピークを 越えて清水峠までどれだけ時間がかかることやら判らない。残念だが、この先は後日ということにして、 元来た道を戻ることに。下りは「痛快」。ブレーキ回りの雪が凍りついてほとんどきかない。 杉の木にラリアットをかませたり、頭の上から雪を被ったりしながら、12時10分柏原総合庁舎前まで 下りてきた。下界は気温2度℃、なぜか一人暖かさを感じていた。(本日の走行距離145km)
植林 山頂
雪の植林帯譲葉山頂上の権現堂

2月27日(日) 宝塚/竜王山〜城山(2.5万図 武田尾)  『兵庫丹波の山』の慶佐次先生からご案内を頂いていた表記の例会に同行する。MTBは家でお留守番だ。 完璧なハイキングだが、たまには西谷地区を歩くのもいい。それに城山(2等三角点 404.7m)は登った ことがない。   阪急宝塚駅で合流、8時30分発のバスに乗り込む。今日は私を含めて11人、9時09分松葉屋バス停 に到着。挨拶の後、小川を渡り、林道を東に歩き、南西麓にある「みぶこ地蔵」の右から谷筋に続く山道を 進む。突き当たりで道はなくなるが、尾根筋まではあと一息、ヤブを漕いで登れば山頂から西に伸びる尾根に 乗っかり、ほどなく4等三角点のある竜王山山頂に到着(9時58分)。雑木越しに先生と山座同定を行うが、 もやっていて大野山以北の山は判然としない。本日の参加者の中に辰年生まれの方が2名おられ、万歳三唱で お祝い、記念の集合写真を撮る。小憩の後ソエ谷峠へ。時間に余裕があるということで、コンパスを使って 現在地の確認。「お勉強」の後、一の谷池の西にある城山登山口まで山陽自然歩道を下る。通り慣れた道だが、 歩くと何と長いことか。南へ伸びる道の途中から左手にある関電の巡視路に取り付き一気に高度を稼ぐ。 北摂ラリーの時、この急坂を登ったのだろうと思うと、ラリーのハードさを改めて認識させられる。 途中眺めのいい鉄塔に寄り道したりしながら、11時52分城山の頂上に。三角点の横にケルンがある。 昔の山城跡で石垣などは残っていないが、地形がそれと教えてくれる。ここで昼食。今まで快適な陽だまり ハイクだったのに、こんなときに限って雪がちらつく。まあ昨日(譲葉山)のことを思えば、今日は全然 寒さを覚えない。おいしいコーヒーなどを頂いたりしながら会のみなさんと話が弾む。下山は南に尾根筋を 辿る。地形図の破線は間違いだらけだと先生はしきりにぼやいておられる。城山を巻くようについている道 と合流するところからは、気持ちのいい散策路に変わる。13時10分、猪渕と切畑をつなぐ県道に出ると、 切畑の売店でビール休憩。ゆっくり休んでも次のバスまで2時間以上もあることから、武田尾まで歩いて 電車で帰ることに。「今日は舗装路歩きが多くて・・・・」をしきりに恐縮されておられる先生であった。 と、以上のようなところです。   2000.2.28

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