山を駈ける風になれ2008年 6月号

 
2008年5月4日(日)播州/坂越~赤穂(5万図 播州赤穂他)
GW特別企画。3年連続で今年もまた播州方面へツーリングを行なう。今年は走るのが主体。JR西日本のハイ キング企画人気No.1になった坂越の街並みを訪ねてみたいというのが動機。6年ほど前に相生から高取峠越 えで赤穂に入った時、わずかにかすったが、その時はノンストップで通過している。 5時31分スタート。勿論ロードである。半袖だと少し肌寒い。先日きれいに掃除したせいか、軽快なペダリン グで赤坂峠を越えると、追い風にも助けられて快走。1時間ちょうどで淡河本町の交差点を通過すると、1時間 半で加古川市に入り、8時過ぎには姫路城前に到着する。 ここで少し早めの食料補給を行い、南西に走ってR250に乗る。揖保川、中川を過ぎると旧御津町。岩見港か らは海を左手に眺めながらのサイクリングと変わる。ふだんは海を見ながら走ることが無いのでいやがうえにも スペシャル・ツーリングであることを実感する。
室津

七曲りを越えると室津である。もう上りは無いと思っていたらまだまだアップダウンは連続する。相生湾に入っ たところにある公園で小休止、相生大橋を渡り、相産高前交差点を左折、相生湾の西側を通って坂越湾に出るル ートを選択する。 トンネルと高い橋を繋いで走るこのルートもなかなか雰囲気がいい。日ノ浦トンネルを抜け、少し上りにかかっ たところで、前方に頑張って上っているオヤジ・サイクリストを発見する(自分もだが)。追いついて声をかけ る。赤穂まで行く予定だとの事。お互いの無事を祈って先行する。
日ノ浦トンネルから坂越へ向かう

進路を南から西に変え、するするっと下ると坂越である。海が近い。海に向かって鳥居が立っているのが生島か。 湾の西端から千種川に向かって歴史的景観の街並みが続いている。潮の香りに相俟って広がるこの風景は瀬戸内 以外の何ものでもない。
坂越の街並み

法事でもあるのだろうか、村の人達が数人喋りながら迎えのクルマを待っている。大きな門構えの家の横に自転 車を停めて街並みをカメラに収める(10時06分)。山の中腹にお寺があるのが見える。澄み切った日なら播 磨灘の素晴らしい景色が眺められようが、連日の晴天続きで絶景は期待できそうにない。 街並みをポタリングした後、千種川沿いに出る。どこへ行くか。地形図を広げる。赤穂海浜公園の突端にある唐 船山を訪ねることに決める。川沿いを南下していくと、手持ちの地形図には載っていないトンネルが現れ、海浜 公園の正門に着いてしまう。一旦バックして進路を変更、潮干狩りやバーベキュー客でごった返す浜辺の先に小 山を見つける。 唐船山である。“登山口”に唐船山の説明板がある。標高19m、兵庫県で一番低い山だそうである。面白い。 説明板を読んでいると家族連れがやって来て説明板の前にバーベキューのコンロを置き始めた。彼らにはそんな ものはどうでもいいのだろう。 自転車を担いで山頂に登る(10時35分)。登るといっても多めにみて所要時間1分。山頂脇にはスピーカー が置かれていて、ヘタな歌手の歌が流れている。潮干狩り客の喧騒を気にしなければ標高19mとは思えない風 景が広がっている。
唐船山山頂からの眺めです

県下一の低山を制覇したところでこの賑やかな場所を離れる。これまた地形図に無い橋を渡って右岸に。気温2 7℃、5月上旬とは思えないくらいに暑くなってきた。向い風が強い千種川沿いを北上、有年の駅舎の中で水分 補給休憩、R2回りで今日の宿泊地である妻の実家に向かう。 やや追い風基調になってきた。快調に走っていると、前方にかなり走りこんでそうなサイクリストを発見、追走 する。旧揖保川町に入ったところでようやく捉えられそうなところまで来た。と、その先にどこかで見た後姿を 発見。日ノ浦トンネルの先で追いついたあのオヤジ・サイクリストである。片手を挙げて追い抜き、合わせて前 を行くサイクリストも追い抜く。あのオヤジ・サイクリストは気付いてくれただろうか。 調子に乗って飛ばし過ぎ分岐を間違えるご愛嬌も。姫路のサイクリスト達とも楽しめたところで、本日の宿泊地、 妻の実家に向かった。     (本日の走行距離162km) 2008年5月12日(月)箕面/六個山(2.5万図 伊丹、広根)
自宅の庭で育てている“戦友”が開花した。ヤブ漕ぎでしばしば苦しめられるノイバラ(野薔薇)である。この 時季山野のそこここで小さな白い花をいっぱい咲かせるので、低山歩きの楽しみの一つにされておられる方も多 いのではないだろうか。 ノイバラはご存知のとおりハマナスなどとともに日本原産のバラの原種であり、その後のバラの品種改良の歴史 に房咲き性を伝えたバラである。 昨年6月、近所の雑木藪から枝を1本切ってきてビニールポットに挿し木を作り、発根した2本の苗を、徐々に 鉢増ししながら育ててきたものである。15cmぽどに切った小さな1本の枝から1年も経たない内に花が咲く までに成長するとは思いもよらなかった。
鉢で育てているノイバラ

何でも自分でやってみればよくわかるようになるものである。ノイバラに関してもそうだ。園芸の本などには落 葉性低木とあるが、わが家のある宝塚近辺の気温では常緑のまま越年すること。真冬でも休眠せず成長を続ける こと。原種バラは7枚葉と言われるが、今春伸びてきたシュートには9枚葉も結構交じっていること。勢いよく 伸び続けている途中のシュートにはトゲが殆ど無いこと、トゲは小葉の茎の裏にも付いていること(だから思わ ぬところでひっかかる)、その他同じ枝から作っても植え付けた場所によって葉の形や色が異なるなど変種しや すいこと、蕾は昨年の間に伸びた枝に付くこと等々。 しかし、育ててみて何よりも感じたのは秋から冬にかけてのトゲの色の美しさである。透き通るような小さな深 紅のトゲにはどんな大論の花を咲かせるモダンローズやオールドローズも持ち合わせていない自然な美しさを覚 える。“相手”を知ると見方も変わる。今日の低山巡りでは満開のノイバラを見ることができるだろうか。 さて、六個山である。箕面にあるこの山にはまだ登ったことがない。朝のうちしか時間が取れない今日のような 日には距離・アプローチの時間ともピッタリな山である。 午前6時08分、ロードで出発する。旧R176を東進、そのまま池田の古い街並みを突っ切り、箕面まで走り、 箕面駅でターンして新稲2丁目の交差点を右折、北上してキャンプ場入口横をくぐり、激坂を上ると、すぐに左 手に西尾根コ-ス入口に着く(7時03分)。
西尾根コース登り口

“ここは標高184m”の札が立てられている。仕度を済ませて歩きはじめる。階段も整備された全くのハイキ ングコースである。野鳥の囀りをBGMに聴きながらの森林浴が楽しめる。256mポイント、279mポイン トなどを過ぎ、最後の一登りで山頂に着く(7時23分)。
六個山山頂

適当に木々に覆われた憩いのスペースが作られている。山頂直下はキャンプ場になっている。清清しい5月の風 を感じながら暫し休憩する。 下山は東尾根コースから。梅田の高層ビル群が霞んでみえる“見晴らし展望台”に立ち寄り、中尾根コースとの 分岐まで戻り中尾根コース、林道と下って、デポ地に戻る(7時55分)。
展望台から梅田方面の眺め

ゆっくり戻っても9時前には帰れそうだ。山本から巡礼街道をポタリングしながら家に帰った。    (本日の走行距離 33km) 2008年5月16日(金)九州/大分~宮崎
(5万図 大分、佐伯、延岡、都農、宮崎他) 本年特別企画第2弾。九州を走る。せっかくの休み、ふだん走っているエリアから遠く離れたところをたっぷり 走ってみたいということで九州をチョイスする。南国の青い海を見ながらご機嫌な走りが出来そうな表記のルー ト、日本の「ミラノ-サンレモ」と勝手に呼ばせてもらおう。 フェリーを利用して周回せずに走れる表記のルート、六甲アイランドを前夜に出発すれば、朝7時には大分港に 上陸、大阪南港行きのフェリーが出る19時までに宮崎港に着けばOKである。ロードマップで距離を測ると2 00km少々。    3月、4月にそれぞれ200km級の走りをやっているので距離的には問題ない。しかし、途中昼食も摂れば休 憩もするし、何ヶ所か決めたポイントには立ち寄ってみたい。そんなこんなを含めた平均速度を20km/hと 計算すれば10時間と少し。う~ん、途中でメカトラが発生した日には宮崎でもう一泊してもうちょっと足を伸 ばしてもいいか、くらいのノリで走った方がよさそうだ。
出航前(後ろは岡本太郎の絵ではありません
さんふらわぁ です

16日(金)フェリーは定刻に大分港に着岸する。さあ、3年半ぶり2度目の九州上陸である。気負いこんでロ ードを停めていた3Fに降りる。自転車やバイクは大体トラックと同じフロアに停めることが多い。まずトラッ クの車止めをはずし、総て出た後での出発となる。この待ち時間が勿体無いが仕方がない。結局自転車とバイク がフェリーを出たのは7時26分、着岸してから26分後となった。 いきなり約30分のハンデである。北東寄りの風に乗って、この遅れを前半100kmの間に吸収できればいい が・・・。3台のバイクに続いて大分港に下りる。今日のルートは95%R(国道)10号線、旧日向街道を走 る。とにかくR10に出さえすればあとは道なり。 ところが、結構広い道が多くてなかなかR10に出られない。おまけに朝の通勤時間帯とぶつかって、路線バス が前を塞いだり、ストップ・アンド・ゴーの繰り返し。市街地では信号にひっかかることが多いので、平均速度 を遅めに設定してはいたが、いつまで経っても市の中心部から抜けられない。気持ち的にはあせるところである。 ようやくR10に出る。“宮崎195km、延岡109km”の道路標識が出る。うわー、見たくない・・・。 小倉から131kmか・・・。 スタートから30分、10km少々走ったところで市街地を抜け、走りやすくなる。北東寄りの追い風である。 日向灘に入れば東からの海風が吹く横風区間になるのがわかっているので、この追い風区間を如何に上手く利用 できるかが、スピードアップの鍵を握っている。 長距離トラックのスリップストリームも利用しながら30km/h台前半をキープした走りが続く。手持ちの地 形図には無い10号バイパスが現れる。バイパスは市街地を避けて設けられている為、アップダウンはあるが、 信号が少ないのと距離が短いメリットがある。今日の追い風を利用すれば緩い上りは30km/hで簡単にクリ アできる。 内陸部に向かっている割にはそんなに上りは感じない。道路右手を流れる大野川の川幅がちょっと狭くなってき たな、と思ったら犬飼大橋が現れる。 え?最初に決めていたチェックポイントはあそこか?と思いながらも走り抜けると、前方に“吉四六の里”のか わいらしい案内が立っている。自転車を停めて現在地を確認する(8時35分)。旧野津町の入口まで来たよう である。走り出し僅か1時間09分で26分のハンデはほぼ吸収、ちょっとキャッチアップが早過ぎたかなとい う感じ。ところで“吉四六さん”って何だっけ、と記憶が戻らないまま再びクルマの流れに乗って走り出す。
吉四六さんの里

野津市を過ぎ、やや上りになったかなと思えばもう目の前に中ノ谷トンネルが現れる。平均速度が落ちないまま 標高190mまで上ってきていたようである。下り勾配のトンネルを抜けると8kmほどの長い下り、最初の休 憩ポイント『道の駅やよい』に到着する(9時33分)。 ここまで56km、2時間07分。いいペースだ。水分補給を摂って再び走り出す。 佐伯市街地を前方に見ながら右折、番匠川を渡ってR10は再び海から離れ山の中へ。今度はしっかりとした上 り基調の道が続く。旧直川村に入ると久留須川、日豊本線と何度もクロスしながら山間部に分け入っていく趣の ある道に変わる。 斜度はそれほどでもないが、一本調子の上り基調が続く。本日初めてフロントを39に落し、ゆっくりゆっくり ペースで峠を上りきったと思しきところで本日2回目の休憩を摂る(10時30分)。暑い。
佐伯市大原、本日の最高地点

木陰に座って地形図を広げて現在地を確認する。宇目へ分岐する大原の付近のようである。標高218m、どう やらここが今回のツーリングの最高地点のようである。ぐっと炭酸を飲み干し、峠をカッ飛んで下る。 トンネルとカーブが連続する新緑の谷間を下っていくご機嫌コ-ス、傍を流れる川も鎧川に変わる。交通量も少 ないし、道路と平行する日豊本線を走る列車の音だけが聞こえる山間部の下り、丹波の川代渓谷の下りの森をも っと深くしたような感じである。
宗太郎随道宮崎県に入りました

宗太郎隋道を抜けると(10時42分)いよいよ宮崎県境、多少の上り返しはあるが、力で押し切ってしまえる 程度のものばかり、そのまま勢いで下りきって、本日の昼食休憩ポイント『道の駅北川はゆま』に到着する(1 1時33分)。
何度も日豊本線と交叉する日向街道昼食ポイントに到着(道の駅北川はゆま)

大分から102km、半分を超えた。当初計画よりも1時間近く早い昼食ポイント到着、足も快調である。「は ゆま」とは「早馬」のこと。昔の日向街道時代に早馬の中継地点だったのであろう。それにちなんで馬のモニュ メントがある。時計台で到着時間を確認していると、 「12時になったら、時計の下が開いて○○が出てくるよ」と、地元のおばちゃんから声をかけられる。○○は 聞き取れなかったが、どうやら馬のからくり時計になっているようである。 とにかく飯だ。地鶏南蛮の定食を注文する。確か宮崎名物だった筈だ。だがここは宮崎といっても県最北部、宮 崎市までは100kmも離れている。独特のタルタルソースが走る身にとってはちょっと胃に重い感じはするが、 しっかり食べて、おかわり自由の熱いお茶も飲み干して(冷たい水の方が有りがたかったが)、午後の走りスタ ート。 まずは道なりに10kmほど走って延岡市の中心部に入る。旭化成の工場が延岡に来たことを実感させてくれる。 市の中心部は国道の西側を走るJRの更に西側なので、意外とスムーズに抜けられる。延岡大橋を渡るところで 日向灘が視界に入ると同時に横風区間に入る。 いつもそうなのだが、私の場合走り始めて110~130kmくらいが一番しんどい時間帯である。昼飯を食べ た後、ということがあるのかも知れないが、とにかく1km進むのが長く感じられる。おまけに今日は変化の無 い一直線の広い平坦道路を横風を受けながらの走行とあっては、ひたすら忍の一字で走らなければならない。 それでも1時間も我慢していれば門川町の中心部に入り、やがて走行距離も130kmを超えると、それほど横 風も気にならなくなり、海岸線沿いのアップダウンを楽しみながら、海水浴場をいくつか通過、タフ(木へんに 鹿)峠という小さな峠をクリアして本日3回目の休憩ポイント『道の駅日向』に到着する(13時37分)。
日向灘の見える展望ポイント

海の眺める展望台があるが直射日光が暑くて沖ゆく船を眺める気にはなれない。結局水分補給をして少し休憩し ただけで、橋を渡り、美々津の街に移動する(13時50分)。 美々津は江戸時代廻船業で栄えた街で白壁格子戸民家群が並んでいる歴史ある街である。今月4日に訪れた坂越 の街並みを髣髴とさせる。違っているのはどの家の郵便受けにも同じ木彫りの古代の船が付けられている。
白壁格子戸民家が並ぶ美々津の街並み日本海軍発祥の地の碑立磐神社(注連縄の掛かっている岩が御腰掛岩)

この船は「おきよ丸」といって神武東遷の神話に出てくる船をモチーフにしたものである。この美々津は神武天 皇が大和に向かって船出をしたところといわれる。河口に面したところにある立磐神社には神武天皇が腰掛けた といわれる御腰掛岩や、神社の入口前には『日本海軍発祥の地』の碑を見ながら街並みを散策する。 さて再びR10に戻り一路南下する。海岸線から500m~2km内陸に入ったところを走り続けるコースとな る。海抜も30~60mと台地の上を走るような感じで、川を横断する度に一旦下って、また台地に上り返すよ うな、こまかなアップダウンが何度も現れる。 14時28分、川南町黒坂を通過、本日の走行距離が160kmを超えたところで、アイスクリーム休憩。体を 中からクールダウンさせる。 15時を回った。R10は2~3度大きくカーブしながら小丸川を渡り高鍋町へ。新富町三納代(「みのしろ」 と読む)で180kmを超えると一ツ瀬川に架かる日向大橋を渡る。依然平地30km/hの巡航速度はキープ 出来ているし、“信号変わり目スプリント”では40km/hも出せる。足の調子はまだまだいい。道路脇の小 倉からの距離表示も300kmを超えた。 橋を渡りきったところに「宮崎市」の標識が現れる。15時37分、いよいよ宮崎市に入った。平成の市町村合 併で市域が拡大したのでまだゴールまでは20kmある。 新名爪の交差点でバイパスを避けて旧道を宮崎神宮方面へ向かう(15時58分)。さすがに信号に何度もひっ かかりスムーズな走行とは行かなくなってきたが、一つ信号をクリアする度に市の中心部に向かっているのを感 じる。 再びR10に合流し、道の両脇に大きなフェニックスの並木が現れてくればもう中心部。橘通3丁目交差点で今 日1日走り通してきたR10と別れる。200kmを超えた。1ブロック南まで走り左折して今話題の宮崎県庁 に着く(16時27分)。
宮崎県庁

県庁前は露店が並び、野外ステージのセットが組まれライブが始まるらしい。平日だというのにいつも県庁前は こんな風なんだろうか。 予定を大幅に上回る余裕で宮崎に着いたので、ゆっくり観光したり、夕食を摂ってからフェリー乗り場に向かう ことができそうだ。
本日の走行距離これに乗って帰ります

早めの夕食を済ませ最後の一走りでフェリーターミナルに到着する(17時30分)。本日の走行距離205. 63km、乗船手続きを済ませ、ハーレーやBMWの大型バイクが並ぶ乗り場へ。旅の情報を交換しながらフェ リーに乗り込む。南日本快走ツーリングの充実感に包まれながら九州をあとにした。        (本日の走行距離206km) 2008年5月21日(水)北摂/能勢妙見山周辺を走る(2.5万図 広根、妙見山)
朝から清清しい天気、こんな日は新緑の山で思いっきり森林浴を楽しみたい。そうだ久しぶりに能勢妙見山方面 へ行ってみよう。しかもできるだけ山の中を走って・・・。 午前5時40分、自宅を出発。今日の相棒はMTB。この時間帯だと平日でも交通量は少ない。川西能勢口の交 差点を直進、突き当たりを左折、更に木部でR423に乗り、余野川沿いの渓谷を眺めながら豊能方面へ。下止 々呂美手前、N鉄鉱業分岐を左折する(6時25分)。 ここから吉川峠まで長い林道走りをするつもり。ところが、入口こそ地道の林道ながら、すぐに舗装路が現れる。 えらくきれいになったものだ。2kmほどご機嫌ペースで北上を続けていると、突然「進入禁止」のゲートが。 え?と思いながら近づくと、「歩行者の方はこの道をお通り下さい」といきなりシングルトラックの山道に誘導 される。
舗装路が突然シングルトラックに変わる

オオタカの保護のため、とあるが、じゃあ何でここまで中途半端な舗装路を通したのか、と問いたくなる。そも そも以前の林道は一体どこなのか全く判らぬまま、山の中にMTBを担ぎ上げる。10分ほど山の中を走ったろ うか、突然前方の視界が開ける。眼下をびゅんびゅんクルマが走っている。
突然・・・ここはどこ?!

これが例の箕面グリーンロードか?でも道路の両脇に付けられた歩道を出勤に向かうのであろうサラリーマンが 南へ歩いている。あの人はどこへ行くんだ?どこかにバス停でもあってそこから箕面へ出るのか?山の中の広い 舗装路と背広姿の違和感を覚えたまま、その舗装路へ下る。 この道を北に向かえばどこかに出るだろうと走り出せば、すぐに住宅地の中へ入る。最初に現れた交差点を右折、 東に上り詰めると東ときわ台小学校の前に着く(7時01分)。これで現在地が確認できた。(オオタカ保護区 入口手前に右に分岐する道があったが、それが吉川峠への林道だったようだ) 東ときわ台5丁目の奥から公園の中を抜けて貯水タンクのある吉川峠に出る。10年ぶりに訪れると案内標識も きれいに整備されている。『青貝山、トンボ池へ』というのを見つけ、せっかくここまできたのだから訪れてみ ようと峠を下る。 ところが調子に乗って下りすぎて分岐を行き過ぎる。気付いて元に戻り、青貝山の北を巻く破線路に。ところが またまた飛ばしすぎて西コース分岐を通り過ぎ、「この先行き止まり」のテープが下がる谷まで入ってしまう( 7時42分)。 何か今日は完全に調子が狂っちゃってるなあ。でも正面の枝尾根を強引に登れば青貝山には行けそうだ。MTB をデポし、踏跡のようにもみえる枝尾根の斜面を登ること5分で箕面市と豊能町の境界尾根に出る。
強引に登った尾根筋から高代寺山を眺める

尾根には明快な山道が付いていて歩きやすい。どうやらこの尾根を北東に行けば天台山までつながっているよう である。天台山とは反対方向に歩く。3つほどコブを越えたところで、背の低いササが現れ、青貝山山頂に到着 (8時00分)。
青貝山山頂

中央に埋まる3等三角点の向こうには、本来辿る筈であった「西コ-ス」の標識が立っている。どうして、簡単 な山をわざわざ難しく登るのだろう、と1人おかしくなる。西コ-スから降りたのではMTBの回収に林道を歩か ねばならないので、元来た道を辿ってMTBを回収し、林道を爆走して吉川峠を通過、R477に出る。
ケーブルには乗りません

さて、妙見山方面に向かおう。峠を越えて黒川のケーブル前へ。水分補給を摂ったところで、駐車場を直進し、 大堂越コースに入る(8時44分)。地形図からはもっとガレた谷を詰めるルートを予想していたのだが、意外 に整備された山道で、20分で大堂越に到着する(9時05分)。
大堂越に到着

せっかくだから振野(547.3m)にも登ってみたい。地形図でみてもわかるとおり堂々とした山容、本当は ちゃんとした名前があるに違いない。登りはじめはまばらな植林帯の中を行く。はっきりとした踏跡があるわけ ではないが、さりとて迷うような踏跡でもなく、10分ほど歩けば平坦になり、更に2分でササが刈り払われた 山頂に着く(9時17分)。
振野山頂

ここも青貝山同様展望は無い。ホオノキが大きな木陰を作っている。森林浴にはもってこいの山頂である。雑木 林を揺らす風の音を聞きながら持ってきたチョコレートを頬張る。幸せな時間が広がる。 さてエネルギー補給を済ませたところで大堂越まで戻り、今度は妙見山を目指す。ジグザクに切られた山道をM TBを押すこと15分でケーブル乗り場からの林道と出会い(9時48分)、更にリフト乗り場を横目に見なが らペダルを回せばバス停前、ついでだから妙見山の三角点にも“詣でる”(9時59分)。
林道分岐に出ました妙見山4等三角点
稲荷神社から妙見山山頂を臨む判りやすくなた天台山分岐

再び戻ってバス停前から舗装路を南下する。光明山分岐を見送って下っていけば天台山登山口が現れる。昔は何 も表示が無くて地形図とにらめっこしながら登った天台山だが、こんなに整備されれば、頭を使わなくても山歩 きが出来てしまう。 よし今日は思いっきり山道走りを楽しむぞ。斜面をいっきに押して登り、あとは吉川峠へ向けてご機嫌の尾根道 ダウンヒル。気がつけば天台山山頂へ立ち寄るのも忘れ、これでもかというほどの“だだ下り”を楽しんだ。        (本日の走行距離 62km) 2008年5月22日(木)京都/嵐電沿線散策(番外編)
嵐電沿線には超がつくほどの有名寺社がずらりと並んでいますが、1日フリーチケットを買い、こだわりの散策 を楽しんできましたので報告します。自転車なしの本当の散策です。 1.山の内庚申 猿田彦神社(最寄り駅:山ノ内、嵐電天神川)   天孫降臨の道案内の神話から、道案内の神、転じて人生の道案内の神として祀られるが、嵐電のパンフに書か れた略図の位置が間違っており、いきなり道迷いになってしまった(何のこっちゃ)。  社殿の中には狛犬と三猿の石像が並んで鎮座している。狛犬はえらく胴が短い。
山の内庚申 猿田彦神社社殿内の狛犬と三猿

2.蚕ノ社 三角鳥居(最寄り駅:蚕ノ社)  正式には木島神社というが、境内に蚕養(こがい)神社があることから、通称の蚕ノ社の方が有名になってし まった。蚕―>機織―>とくれば、勿論秦氏、ゆかりの神社である。(となりの太秦広隆寺には秦河勝夫妻の木 像がある)。  ここで珍しいのは三角鳥居。三方から御参りできる?珍しい鳥居。残念ながら現在は柵で囲まれくぐることは できない。
蚕の社にある三角鳥居

3.帷子ケ辻 九相図写生現場(最寄り駅:帷子ノ辻)  嵯峨天皇の后、壇林皇后の遺体が置かれた帷子ケ辻は、今の帷子ノ辻駅付近と言われる。かの「九相図」は壇 林皇后の遺体が朽ち果てる様子を9枚の絵で描いたものと言われる。
帷子ノ辻駅

4.車折神社 駅から3秒?!(最寄り駅:車折神社)  「くるまざき」と読む。駅下車3秒で神社入口の鳥居に達する、私の知る限り日本で一番駅から近い神社。商 売の神様で債権回収のご利益があるという。境内の中に芸能神社があり、芸能人が訪れるとの紹介がTVなどで されるようになったことから、最近ちょっとメジャーになってきた(嵐山にあるのは分社)。  
車折神社

  いかがでしたか。ちょっとマイナーな“エリア限定京都案内”。やまあそさんならとっくにご存知の仏像の自販 機(太秦広隆寺駅)など、この他にも面白いものがいっぱい。「やまあそ」読者の方々に楽しんで頂ければ幸い です。 織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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