山を駈ける風になれ2008年 12月号

 
2008年11月1日(土)園部/殿谷~宮谷(2.5万図 埴生)
月初からいきなりの3連休。昔は3連休といったら正月3ガ日くらいしかなく貴重なものだったが、今は年に何
度もあるのでありがたみが薄れた感は無きにしも非ずだが、この3連休は好天が続くとのことで、雨で家の中で
じっとしていると体の調子がおかしくなる私にとっては大変ありがたい。

今日は北摂の紅葉の進み具合をチェックしながら、南丹市(旧園部町)にある表記の低山を訪ねることに。宮谷
は点名。本当の山の名前は知らない。
午前5時51分、夜が明けるのを待ちきれないかのようにロードで出発する。いつものように川西能勢口回りで
県道を北上、杉生で水分補給を摂り、杉生新田、泉郷峠、天王と走り、岡牧場を横目に見ながら峠を越えて、琉
璃渓の通天湖に着く(8時06分)。

紅葉はまだそれほど進んでいない。時間に余裕があるので、通天湖の南側に広がるハイキングコースを歩いてみ
ることにする。橋を渡って瑞専寺方面に折れ、最初のカーブのところからハイキングコースに入れるようになっ
ている。
コースを少し入ったところに立っている“クイズNo18”のところにロードを立てかけて停める。“鉄塔No”
をご存知の方は多いと思うが“クイズNo”とはクイズを解きながら山を散策してもらおうと琉璃渓少年自然の
家が立てた3択形式のクイズが書かれた立て札である。ちなみにNo18はタンポポ、コスモス、ヨモギの中で
食べられないものを問う問題。うん、さすがに子供向けだ。さあ朝の散策を楽しむことにしよう(8時10分)。
ハイキングコースから深山を振り返るずっとこんないい道

通天湖の南東の谷をぐるっと取り囲むように尾根伝いに付けられた散策路は幅も広く、山もよく手入れされてい て気持ちがいい。最初の一登りでNo19のクイズが現れる。京言葉で悪ふざけを何と言うかという問題。え? いきなり難問やないの。早くも2問目でアウトか。そして改めてここが京都府であることを実感する。 このあとクイズNoは突然3から昇順に次々と現れ出す。590コブで亀岡との境界尾根を東に歩き、本日初め ての“登りらしい登り”をこなすと、最高点650山山頂に着く(8時35分)。樹間から深山、天狗山、高岳、 横尾山など北摂ベスト10に入る高峰を見ることができる。実に嬉しい瞬間である。
650山へ最後の一登り650山山頂付近は天然の枯山水

枯山水然とした山頂に別れを告げ散策路を下る。山の上から通天湖が眺められるのかと思っていたが、結局ほと りまで下って来なければ見えず、こちらの方は少々残念。結局1時間近くゆっくり散策してデポ地に戻り、再び ロードにまたがって、琉璃渓をあとに、本日の目的地殿谷へ向かう。
青空を写す通天湖山影を写す通天湖

高速の下りが続くのであっという間に八田、そして八乙女回りで殿谷へ。知らない間に改修されて広くなったR 477を北西に走り、登山口に決めていた鹿嶋神社の前に着く(9時33分)。道路が広げられた時に境内が削 られたのだろうか、きれいに改修された拝殿が立っている。休憩所には『大江山』の歌詞が掲額されている。何 の関係があるのか。
鹿嶋神社

さて、神社の後ろの広場から谷に向かって歩き始める。すぐに小さな堰堤、倒木が倒れ掛かったその下をくぐり 抜けて山に入る。あたり一帯に甘酸っぱい匂いが漂っている。何の実だろうか。踏跡はすぐに判然としなくなる。 ヤブを避けて左に沢を渡る。左手よりしっかりとした山道が現れる。 どこで尾根筋に乗るのだろうと思いながら谷筋を進んでいくと、やがてガレガレの広い谷地形の急登と変わり、 大汗をかきながら谷を詰めるともうそこは山頂から東に30mほどのポイントだった。
宮谷Ⅳ△

9時59分、4等三角点の埋まる山頂に着く。401.3m。この小さな山塊は北にある高山が有名だが、標高 ではこの山の方が高い。地形図では西に快適な尾根道の存在を思わせる尾根が続いているが、実際はもうヤブに 還りかけている。 点名「宮谷」が今登ってきた谷の名前であろうことは容易に推測できる。しばらく山頂に憩い、東に踏跡を辿っ てみるが、やはり判然とした道は無く、山崩れで出来た先ほどの谷を辿って下山する(10時28分)。 気温が高くなってきた。ウィンドブレーカーをウェストバッグにしまえば、半袖ジャージ1枚で夏と同じ恰好。 走るにはちょうどいいがもう11月。これも温暖化の影響かと考えれば複雑。やはり季節はメリハリがあった方 がいい。そんなことを考えながら柊峠回りで帰路に着いた。        (本日の走行距離104km) 2008年11月3日(月)名塩/見岩Ⅳ△(2.5万図 宝塚、武田尾) 3連休の最後は朝からどんより重苦しい空模様。でも雨は降りそうになさそうなので、久しぶりにMTBで近場 の山を走ることにする。 見岩は先週訪れた名塩東山の北約1kmにある305.5m4等三角点のあるコブの点名。CH系図では武田尾 渓谷を眼下に臨む林道上にある。「見岩」という名前も対岸の絶壁から付いたものだろう。今も絶景を見る事は できるのだろうか。 午前6時46分、いつもよりゆっくり目にスタートする。昨日朝から夕方までガーデニング三昧をしたせいか体 がだるい。日頃自転車に乗っているとはいっても使う筋肉は決まっているので、それ以外の筋肉を使うと、フツ ーのオヤジと同じ状態になる。 そんなわけで清瀬台から最短コース狙いで走る。新興住宅地の中の辛い急坂を上りきり、対岸へ渡るポイントを 探すが見つからない。手持ちの1万図では階段がある筈なのだが、それと思しき場所は管理地になってフェンス で囲まれて入れない。住宅が立ち並んでしまって、谷に下りることすらできない。 散歩のおじさんを捕まえ訊いてみるとここから対岸の山には登れないとのこと。一番奥の長い階段を登ると東山 台に出られるというのでコース変更、よく走る武田尾-名塩ハイキングコースをいつもとは逆向きに走ることに 決める。 MTBを担いで長い階段を登ると東山台住宅地のメイン道路に出る(7時25分)。スタートして40分も経つ のにまだ6kmしか進んでいない。だいぶ住宅地の中でタイムロス。まあ今日は長距離を走るわけではないので 気分ものんびりしたもの。そのままメイン道路を西に走ってよみうりGCからハイキングコースに入る (7時50分)。
ようやくハイキングコースに辿り着く

猪除けの電流柵をまたいでハイキングコースを爆走する。いつものロードと違って路面の荒れを気にしなくても いいからガンガン飛ばせる。簡易舗装路を60km/hで下ると浮遊感が出る。あっという間に目的地の林道分 岐。右に取って両脇がきれいに植林されたダブルトラックの林道を進むと、やや登り基調で地形が東に膨らむポ イント。 どうやらこの斜面の上だな、と見当を付けたところの5mほど手前に赤テープ。確信を持って山の中に入るとち ょっと古びた三角点と測量ポールが立つポイントに(8時11分)。「見岩」4等三角点である。
見岩Ⅳ△MTBを停めている斜面の上あたりに三角点がある

残念ながら雑木と植林に囲まれて渓谷美は見えない。場所を移動して植林帯の切れ目を狙ったが、標高差にして 200m下を流れる武庫川の川音は聞こえて来るものの断崖の絶景は望めず。 再びハイキングコースに合流、あちこち脇道を探索しながら家に帰っても、まだ9時だった。        (本日の走行距離 27km) 2008年11月15日(土)亀岡/犬甘野530山(2.5万図 法貴) 犬甘野530山は仮称。本当の山の名前は知らない。霊仙ケ岳の南西約1.5kmに位置する標高530mの山 である。2.5万図を見ると名も無い山にしては、山頂から5方向に破線の道が拡がっており、何か謂れがあり そうな様子に以前から訪ねてみたかった山である。 「朝から1日中雨」とは昨夜の天気予報。いつもなら予報を信じてお休みモードに入るところだが、何故か信用 する気になれなくて早めに就寝、夜明け前に起床して夜明けを待てば、曇空ながら天気はよくなりそうな気配。 おまけに天気予報も平気な顔して「今日は晴れの1日」と言っている。雨の予報に山歩きを断念したハイカーも たくさんいるのではないか。7-8時間前に言っていたことが180度変わるような天気予報なら無い方がまし だ。 明るくなりはじめた午前6時21分、ロードで自宅を出発、川西能勢口から猪名川を渡り、余野川沿いにR42 3を豊能町、亀岡市と走り、柚原で北西にターン、西別院町犬甘野に着く(7時43分)。正面奥に見えるのが 530山だろうか。まずは1枚とデジカメで写真を撮ろうとしたらバッテリー切れ・・・そうだ今日は充電しよ うと思ってたことを思い出す。どこかで雨の予報を信じていたのかも知れない。今日は写真なし。 集落を奥へ進み、鳥居マーク(松尾神社)の横に付いている破線の道を辿って、鉄塔の立つ尾根に登る作戦。と ころが、地形図に無い舗装路を鳥居マークに続く道と勘違いし、1本西の谷から登りはじめる(判ったのは下山 後)。 広い林道が北に向かって伸びている。山の入口は孟宗竹の林。ロードをデポし、電流策をリングに上がるプロレ スラーよろしくくぐって山奥へ分け入る。ところが松尾神社は一向に現れない。そうこうしているうちに道は西 の方向へ振り始め、峠に着く(7時58分)。 予定のルートと違うことは途中から気付いていたが、さてここは一体どこだろう。でも間違えたお蔭で高さ70 cmほどの自然石に彫られた道標に会う。 『右 やま 左 ○や○』・・・右は言われなくたって山なので、結局どこへ行く道なのか皆目判読できない。 おまけに道は3方に分かれている。左は明らかに西へ下っていくので、山の西斜面を巻くように付いている道を 進むことにする。 しっかりしたいい道が続いているが、ずっと巻き道のような感じ。更に分岐点が現れる。どちらを行っても先で 枝尾根に乗っかりそうなので左の道を行く。と、突然墓地が現れ行き止まりになる。こういうことはよくあるこ とである。 落ち葉に埋もれかけてはいるが、墓石は比較的状態がいい。近年のものかとそのうちの一つをチェックすると何 と『享保』の年号。雑木林が風雨を遮ってくれたということか。これには驚く。 墓地の裏から強引に分岐した道に合流し、先を進むがどんどん標高が下がっていく。一旦先ほどの峠まで戻り( 8時16分)、一番右の“やま道”を行く。 踏跡があるといえばあるという程度の山道、石標が示した道では無さそうだが、狙い通り3等三角点の埋まった こんもりした山に着く(8時25分)。標高484.6m点名「犬間野」(集落の名前は「犬甘野」)である。 松を主体とした雑木山で展望は無い。化学肥料の袋が落ちている。 しかし、これで現在位置がはっきり確認できたということで、あとはこのまま尾根筋を辿っていけば530山に 着ける。 こまかいアップダウンを繰り返しながら499山(8時40分)、少し東に振って下降して宮ノ奥からの道と合 流し峠の鞍部(8時42分)、すぐ目の前に見えている赤白鉄塔下に着く(8時45分)。能勢線No.7の鉄 塔である。 鉄塔から先は明確な山道へと変わる。歩行が捗る。鉄塔から10分ほどで本日の目的地530山に到着する(8 時56分)。すぐ北東側にあるゴルフ場越しに霊仙ケ岳を眺める展望を期待していたが、全くの雑木ヤブで展望 はない。 地形図では山頂から5方向に伸びる破線の道も北、北西方向への道は判然としない状態。誰も歩かなくなると自 然に還っていくのは当然の帰結。山頂には境界を示す四角い石しか無い。東に山道を辿りながら、南の寺ケ谷方 面へ下りることにする。 歩き始めて1-2分のところに巨岩が点在するポイントを通過する。雰囲気がいい。徐々にゴルフ場を走るカー トの音が近くなり、やがてはプレーヤーの声まではっきりと聞こえるほど近くなる。山道は所々ヤブに還ってい ることもあるが、全般にはっきりしている。南寄りに振って入る筈なのになかなか下降点が来ない。そのうち登 り出して、気がついたら515m標高点山である(9時10分)。 今日はよくよく迷走させられる。ヤブの切れ目から先ほど通ってきたNo7鉄塔の位置を確認、少し戻って、稜 線の鞍部から南に適当に下降する。大したヤブではないので難渋はしない。すぐに本来の破線路と思しき道に合 流、イバラ帯を通過して別荘地のような住宅が並ぶ道に飛び出す(9時18分)。 途中でバブルが崩壊したのか途中で放置されたままの区画もある。殆どの家が犬を飼っているようで、家の前を 通過する度に吠えられる。犬甘野。530山の北隣は曽我部町犬飼。犬づくしか・・・そういえば昔能勢の大原 で「いぬかんのう」と刻まれた道標を見た記憶があるが、あの道はどこだっけ、などと小春日和に記憶まで緩ん でしまいがち。たわわに実るカキの木を眺めながらデポ地に向かった。        (本日の走行距離 69km) 2008年11月22日(土)山南/学所Ⅳ△(2.5万図 谷川) 学所は恐竜の化石発見で一躍有名になったJR福知山線下滝駅の南西約2kmに位置する山。学所は点標名であ る。この川代渓谷の南側には標高こそ低いが姿のいい山が並んでいる。学所もそんな山の一つである。 今月2度目の3連休が始まった。今日明日は天気がいいとの予報に前から計画していたお手軽登山が出来そうな この山を訪れることにする。 午前6時24分、ロードで自宅を出発する。走り出しから体が重い。疲れのせいか、それとも気温が低いせいか。 赤坂峠を越えると更に気温は下がり三田に入る頃には道路脇の気温表示は3℃、この状態は篠山を越えても続く。 大山下の交差点で左折、川代渓谷沿いの県道を谷川方面に下り、畑内で篠山川を渡って対岸の太田に着く(8時 35分)。
太田から学所

東に送電線の鉄塔の連なる学所が見える。お手軽登山と書いたのは、北のウチガネ方面から篠山川を越えて、学 所山頂付近を通って更に南へ送電線が伸びているからである。つまり送電線の真下辺りに行って「火の用心」の 標識さえ見つければあとは巡視路を登るだけということなのだが・・・。 慧日寺を右手に見ながら東に進む。何と送電線の真下辺りは道路の拡幅工事中である。道路脇の斜面は削り取ら れ、ダンプとミキサー車が動き回り、とても巡視路入口など探せた雰囲気ではない。 仕方なくヨンノク方面から谷沿いの道を探ってみたが、これもあまり期待が持てそうにない。お手軽登山なんて とんでもない。でも丹波の山らしくていいじゃないか。探りを入れる方向を変え、青田の集落へ移動する。 神社を左手に見ながら右折、林道を南に上る。「慧日寺ハイキングコース 7.9km」の古い標識が現れる。 一瞬この山をぐるりと巡ってハイキングコースがあるのかと錯覚する。シカ除けの扉を開けて奥に進む。座禅石 を祀った公園風の場所に着く(9時06分)。 座禅石は足利3代義満の頃、この地に寺を建てた禅師がこの上で座禅を組んだとの謂れがある岩、昭和58年9 月の風水害で土砂に埋まり200m離れたこの場所に移設したという岩である。
座禅石

更に奥へ進む。ハイキングコースはここで折り返しとなる。更に進むと天狗山登山口標識が現れるが、その手前 にダブルトラックの林道と古い山道がそれぞれ南西方向に向かって伸びている。長年の感で古い山道を辿ること にする(9時25分)。
鞍部

道幅こそ人1人が歩ける程度だがしっかりした道である。林道と合流する気配は無い。シカの警戒音がこだます 森の中に続く山道はやがて谷を詰め、学所と南の493山の鞍部に出る(9時40分)。狙いどおりである。す ぐ北側に鉄塔が立っている。南にもいい尾根道が付いている。鉄塔は南斜面の日当たりのいい所に立っている。 No103。西方面に展望が開けている。
学所Ⅳ△山頂手前は気持ちのいい雑木林学所山頂南側からの展望

鉄塔のすぐ背後が山頂である。気持ちのいい雑木林の中を登っていくと4等三角点「学所」が埋まっている(9 時55分)。最初、三角点を見過ごして頂上部の北端まで行ってしまう。頂上部の北端には朽ち果てたアンテナ が立っている。北北西方向に山道が続いている。 日当たりのいい鉄塔の下に戻り、晴れ間が広がってきた山南町の街並みを眺めながら持参のチョコを頬張った。        (本日の走行距離120km) 2008年11月23日(日)箕面/紅葉を愛でてポタリング(2.5万図 広根) 朝の自転車散歩。北摂で1番の紅葉の名所といえば箕面だが、この時季観光客が多くて人に酔いそう。朝早くな らゆっくり紅葉見物が出来るかも知れないと思い立ち出発(6時25分)。 7時過ぎには箕面駅前に着く。滝道はジョギングや散歩を兼ねて紅葉見物をしようという地元の人でいっぱいだ。 うーん、地元の人は計算に入れていなかった。 以下、写真で箕面の紅葉を紹介します。
箕面の紅葉1
箕面の紅葉2・・・箕面大滝。電線が邪魔
燃える紅葉の彼方に滝
ついでに箕面山にも立ち寄りました

       (本日の走行距離 35km) 2008年11月26日(水)篠山/晩秋の風景を求めて(2.5万図 福住・篠山) 久しぶりに平日に休みを取り、泉郷峠から後川奥・曽地奥を越えて篠山盆地を巡ってきました。紅葉は既に終わ りかけていましたが、晩秋の篠山らしい風景を楽しんできましたので以下に写真で紹介します。
晩秋の曽地奥峠越え
これから霧の中に突入します
すっかり葉を落とした日置の大イチョウ
霧が晴れ上がる瞬間
神田神社の紅葉(大山)

(本日の走行距離127km) 織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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