山を駈ける風になれ2000年7月号

2000 7月 3日
6月4日(日) 三田/母子、林道周回 + 内ヶ蔵谷山(2.5万図 篠山)
   最近、週末悪天といいながら直前で好転するパタ−ンが多い。好天は結構なことなのだが、
100km走って山に登るとなると気合の入れ直しも大変だ。5時51分自宅を出発、川西能勢口回り、
西峠越えで三田の永沢寺地区を目指す。峠越えの連続するコ−スで向い風の強い今日のような
日はなかなか辛いものがある。それでもどうにか8時30分には永沢寺に到着、まずは上母子と
柴田ファ−ムとの間にある561.5W△を中心とする山に向う。土地の標高が高い為、山という
よりはこんもりとした森のようなところだが、林道が縦横に交錯している。茶畑をつなぐ仕事道
であることは地形図を見ればわかるが、上母子へ下る県道からは茶畑が広がっているようには
見えない。林道は軽トラが通れる巾で轍もくっきりついている。東側から最高部を目指して森を
抜ければ、おお、なだらかな起伏に一面の茶畑が広がっている。新茶のシ−ズンでもあり、摘み
取りの作業をしている人達の姿が点々と見える。まるで桃源郷のようなたたずまいである。
561.5△へは林道終点から茶畑の横を通って、最高部めがけて踏跡をかき分けて行く。北に展望が
開け、三国ヶ岳、愛宕山が目の前に広がり、美濃坂峠越しに多紀連山が見える。草深く△は見つけ
られなかったが眺望を堪能して、上母子に下る。
  次は内ヶ蔵谷山だ。母子大池へ入る手前のお地蔵さんが立っている横の道から北の小池東岸へ
シングルトラックを抜ける(9時40分)。ここから池の北を西に進む。以前は踏跡も怪しげな細い
山道だったが、今は道の両端を鉄板で補強して大型のブルド−ザ−が通れる林道に変わっている。
一体どこまで続いているのだろう。552標高点北の鞍部を下ったところに立入禁止のネットが張ら
れている。旧道は草深い薮の中を左手に下って行く道のようだ。ネットをくぐって林道を更に進む。
中尾の峰の南麓を地形に合わせながらどんどんと標高を上げていく。キャタピラ−の跡が固まった
地道はガタガタして乗れたものではない。電気工事の為の道とはいうが、ここまで大掛かりに山の
斜面を削らないといけないものだろうか。もうどのあたりを進んでいるのかわからなくなってしま
った。稜線の鞍部とほとんど標高差のない箇所も現れる。池から進むこと35分、大きなパワ−ショ
ベルが止まっているところで林道は途切れた。10時15分だ。随分と長い「押し」であった。大きく
湾曲した稜線の端には伐採された小山が見える。あの上に立てば現在地が確認できそうだ。ひとまず
おにぎりで腹ごしらえをした後、小山を目指す。歩きやすい場所を求めて稜線に登る。何としっとり
としたいい小径が続いている。
難なく稜線を辿って小山に登れば、北西に白髪岳が間近に見える。木々の間から住吉台の住宅地まで
見えるではないか。南東方向は三田北部の山々が広がり、巨大な2基の鉄塔が立つ峰ヶ畠がいい目印になる。
ここで現在地を確認。内ヶ蔵谷山の南のCa580あたりに立っているようだ。ということはすぐ目の前に
見えているのが内ヶ蔵谷山、ということで今辿ってきた小径をバック、更に進んで頂上に着く。
頂上とはいっても展望のないピ−クだ。しかし中尾の峰の方にはいい道が続いている。この道を辿って
戻ろうかと考えたが、林道を爆走するのも面白そうなので、オフロ−ドライダになった気分で豪快に
母子大池めがけて駆け下りた。 (本日の走行距離 104km)

茶畑
母子 茶畑 新茶の香り

6月18日(日) 巨樹探訪/天王のアカガシ(2.5万図 福住)  昨夜の予報では、午前中まで雨とのことだったが、起きてみると何のことはない、いい天気じゃないか。 どうして昨夜の今朝のことが当たるらないんだ。何となく雨は降らないんじゃないかと予想していたので、 モチベ−ションを保つことができたが…     とは言っても山の中に入るとビショ濡れになりそうなので、昨年10月以来の巨樹探訪をしようかという わけで、表題の天王のアカガシを訪問することにする。アカガシの巨樹にはお目にかかったことがない。 果たしてどんな大木なのだろうか…。 午前5時54分自宅を出発。いつもの川西能勢口周りで杉生から泉郷峠越えで天王を目指す。先週久しぶりに 走らなかったのが災いしたのか、微熱と両足に発疹が出て歩くのも辛い状態だったが、どうやらまずまず 戻ったようだ。向かい風にも拘らず、7時52分天王に到着する。私の持っている地形図「福住」にはアカガシ は載っていないが、今の地形図には所在地が示してある。天王第1トンネルの入り口手前の広場でロ−ドを 停め、左手雑草に覆われた階段を上がると「天王のアカガシ 100m」という木の標識と大阪府と能勢町の 教育委員会の説明板が立っている。説明板の奥には石の鳥居が立ち、トンネルの真上に位置するCa540mピ−ク に向かって参道が続いている。鳥居をくぐるといきなりモミの巨木、続いてクロマツの巨木もあり、何だか 巨木の森に迷い込んだみたいだ。さすがにこの辺りはまだ山にガスがかかっていて、余計に幻想的な雰囲気を 醸し出している。頂上部には「天王稲荷」と書かれた祠が祭ってある。割と新しい祠である。祠の周囲を一巡り して、アカガシを探しに軌道修正する。ようく見ると北西麓から祠の左手に登ってくる別の道が付いている。 これを下れば当たるかも…と下って行けば、ドンピシャ大当たり。根元に小さな祠が建つ「天王のアカガシ」と すぐ東側に一回り小さいアカガシの大木との間に降り立った。 根回り5.2m、樹高22m、堂々としたアカガシの巨木である。雨に濡れて木肌が黒光りしており、辺りに堂々と 存在感を示している。暫く巨木を眺めながら休憩する。ここはCa540mピ−クと西の606m標高点との間の谷間に なったようなところで、天王峠からの林道の終点部になっているが、北西側山の斜面、植林帯の中にシングル トラックが続いている。いったいどこに向かって続いているのか気になるところだが、今日はロードだ。探検は またの機会にということにして、林道を天王峠入り口まで戻り、ここへ来たときはいつも休憩ポイントに決めて いる喫茶店で休んだ後、籠坊温泉経由で木器、千刈と周回、追い風に乗って快走を楽しみながら帰路に着いた。 (本日の走行距離106km)
あかがし
天王のアカガシ 幹周り5.2m 高さ22m


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