山を駈ける風になれ2009年 6月号

 
2009年5月3日(日)播州/室津~揖保川~太子界隈の低山を巡る(2.5万図 網干・龍野)
恒例のGWスペシャル。今年も海の景色を求めて播州エリアを走る。
午前5時37分、ロードで出発。天気図をチェック。気圧配置から前半は東南の追い風基調、後半は南西の
風に変わると予想、今日の行程にはもってこいの風となりそうだ。
いきなり赤坂峠を今年1番のスピードで通過すると天上橋を左折、中国道に乗ろうとするクルマを横目にみ
ながら県道三木三田線に入る。深谷のあたりから予期せぬ向い風に苦戦するも、三木市に入ったあたりから
追い風に変わり、快調に走って加古川の堤防へ。上荘橋で川を渡り、高御位山の北側を回って姫路市内に入
りコンビニで軽食休憩を摂る(8時24分)。

再びスタートの後は、姫路市内を南西に走りR250に出る。信号待ちをしているとトライアスロン・バイ
クに乗った人が西へ走っていく。青に変わるのを待って追走する。すぐに追いついて挨拶を交わす。岡山の
八塔寺なんとか村まで160km走るという。元気な人だ。
しばらく並走する。お互い相手のペースを気にしながら走るのはしんどいもの。岩見への小さな上りで少し
ゆさぶりをかけ、七曲りが始まると一気にスパートをして引き離し、そのまま室津街道入口に(9時30分)。

目指す目的地は嫦峨山である。去年この道を赤穂まで走った時、地形図にその山名を見つけ、次回はこの山
を訪ねてみようと決めていた山である。室津街道(地形図の屋津坂)を鳩ケ峰まで歩き、そこから尾根通し
に山道でも付いてそうと勝手に決め込む。
室津街道入口ほぼ平坦な道です

ロードは入口近くの竹やぶにデポし歩き始める。初めは竹林の中を進む道も次第に道幅が広くなりほぼ水平 な歩きやすい旧街道の趣のある道へと変わる。30分近く歩いてようやく鳩ケ峰に着く。峰とは言っても平 坦な分岐である。右手に「嫦峨山へ」と標識が付いている。もうこれで安心である。緩い斜面を会社敷地の 境界柵伝いにまっすぐ登り、ほぼ90度曲がってまたまっすぐ登れば山頂に着く(10時08分)。
大浦湾の眺めがいい嫦峨山山頂

残念ながら海は見渡せないが、涼やかな風が吹き抜ける山頂である。わずか265mの山とはいえ、ほぼ0 mからの登りなので結構足にくる。今回のツーリングはこの周辺の山を回れるだけ回ろうと考えていたが、 これはいきなり軌道修正した方がよさそうだ。 MTBなら快走の室津街道も、ロードを入口に置いてきたので来た道を戻り、地形図を広げて次の行先を検 討する。5kmほど北に「揖保川町金剛山」という地名があるのを見つける。ということは背後の200m 前後の山を金剛山と呼ぶに違いない。 こんなところに“クムガンサン”?!があったとは知らなかった。破線の道もたくさん付いているのでこの 時季でも登れる山かも知れない。破線路が一番多く分岐している北側の学校マークのところから取り付くこ とにする。 一旦岩見まで戻り、岩見坂を越えるとほぼ直線の豪快な下りが待っている。今年自己最速の62km/hを 出して馬場へ。ぐるっと山裾を北側に回り込み神部小学校に着く(11時20分)。横から山に向かうと「 ヤッホの森」と名付けられた公園として整備されており、入口にあるどんぐり広場では子供づれの家族が遊 んでいる。 案内図を見ると、この小さな山塊に40もの古墳があるようで、破線路の道は古墳巡りの自然歩道として整 備されているようである。この地域は何故こんな古墳の宝庫が多いのだろう。 案内図でルートをチェックして「金剛山21号墳」方面コースを歩き始める(11時25分)。谷筋沿いに 15分ほど歩くと亀岩と呼ばれる21号墳に着く。破線ロの一番南の辺りである。7世紀に作られた古墳と いう。瀬戸内の眺めがいい。
亀岩生憎瀬戸内海は霞んでいます

ここからは尾根伝いのコースを歩く。河内小学校への破線路分岐にあるのが20号墳、北に進むと201m 標高点に着く(11時55分)。山津屋1号墳がある。数メートル間隔で古墳が点在している。まるで古墳 のミニ88ケ所巡りである。
ここが201m標高点ポイント?黍田富士に向かう

ここから北に一旦下る。登り返すと黍田富士(166m、12時08分)。大した標高差ではないが、既に かなり足にきているのでえらく堪える。山頂には展望台と塔が建っている。たつの市街地方面の眺めがいい。
山頂からの眺め

どんぐり広場に下ってデポしたロードを回収し、揖保川を渡ってコンビニで昼食休憩を摂る(12時40分)。 広い駐車場で高カロリー・メニューを食べながら次に登れそうな山を物色する。京見山の西側には小さな山 がいくつかある。なかでもひときわ小さな太子山(47.6m)に登ることにする。 川を渡って太子町に入る。予想どおりの南西の風に助けられ、30km/h台後半のスピードもラクに出せ る。歩くと足が痛いのに不思議だ。でも自転車に乗ったまま山頂に上れるので助かる。山全体が公園風にな っている。3分もあれば山頂に着く(13時01分)。中央に聖徳太子の像が立っている。
聖徳太子がお出迎えの太子山山頂朝日山境内から山門越しに海を眺める

もう一つくらいいけそうか。南に下って朝日山(88m)に登ることに決める。網干駅のすぐ北側にある小 山で山頂にお寺がある。一度登ってみたいと思っていた山である。南側に山頂の境内に通じる車道がある。 登り口こそ激坂だが、距離は30mとない。いっきに上り、あとはギアを軽くして境内に上る(13時18 分)。 一段高いところに歓喜天を祀ったお堂が立っている。隣にある戦死者を祀った碑の立っている場所がこの山 の最高点のようである。この山にはミニ88ケ所巡りの石仏が配されている。境内から山門越しに沖に浮か ぶ家島群島の景色を楽しむ。まだ2-3ケ所登る予定でいたが、今回はここが限界。また来年の楽しみとし て宿泊地に向かった。         (本日の走行距離122km) 2009年5月16日(土)北摂/十万辻~西谷(2.5万図 宝塚・武田尾) この週末は土日とも天気が悪いという。9時頃には雨が降り出すとの予報に予定を変更、十万辻から西谷地 区を周回するショートコースで我慢することにする。 5月中旬にもなると新緑も一段と色を深め、初夏の花々が里山を華やかにしてくれる。去年は2房、30輪 ほどだったわが家のノイバラも今年は80房、推計1,500輪ほどの花を付け、甘い香りがミツバチたち を集めている。
満開のノイバラ

5時28分、気持ちゆっくり目でスタートする。生瀬橋東詰交差点からJRのガードをくぐればいきなり斜度 11%のヒルクライム。仕事疲れでいつもよりギアは軽め、上り切ってしばらく走ると道路左手斜面から満 開のノイバラが枝垂れるポイント、モチツツジのピンク、更に足もとにノアザミの紫、と疲れを忘れさせて くれるポイントが続き、いつしか気分もすっかり乗ってくる。 今朝の天気予報番組のBGMで流れていた“Morning Has Broken”のメロディーが頭の中を流れる。キャット・ スティーブンスの名曲だ。高校生の頃、夏休みにカリフォルニアへホームステイしていた友人から土産で貰 ったシングル盤の1枚が”Morning Has Broken”だった。この時初めてアメリカは歌詞カードが付いていな いのを知った思い出がある。日本語タイトルは何だっけ。あの時一緒に貰ったストーンズの“ダイスを転が せ”は日本語で覚えているのに・・・。 そんなことを思いながら走っているとトンネルまであと1kmを切った。最後のひと踏ん張り、斜度12% の坂に差し掛かったところで、後ろからギアを入れ替える音。振り返るとロードにまたがった青年。クール に挨拶をして抜き去っていく。息も乱れていない。強いなあ。 後姿を見送りながらマイペースで上っていく。もうすぐトンネルというところで距離が縮まり始める。トン ネルをクリアして下りに入ったところですぐに追いつく。私を待ってくれていたわけではなかろうが、ゆっ たりと流している感じだ。 しばらく後ろについて下っていたが、どうしても自分のペースと合わないので前に出て加速、切畑手前の上 り返しを40km/h超で越えると、そのままの勢いで古宝山北側の鞍部を通過、やや追い風気味なのも手 伝って西谷の森公園に着く(6時11分)。
西谷の森

かなり大がかりな整備がされ、もうMTBで走ることはできないが、ゆっくり歩くにはいいかも知れない。維持 費も相当かかることだろうから、せいぜい市民には利用をしてもらうよう告知の方法を考えるべきだと思う。 さて、半袖ジャージではじっとしていると寒い。再びロードにまたがり、上佐曽利から峠を越えて笹尾へ下 り、杉生まで北上する(7時00分)。空気に雨の気配が感じられる。この辺でターンをした方がよさそうだ。 ガッツリ走るのはやはりいい天気の日にしよう。        (本日の走行距離 63km) 織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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