山を駈ける風になれ2010年 1月号

 
2009年12月6日(日)亀岡/呉弥山+西山(2.5万図 亀岡)
“今年も残すところ1ヶ月を切った。今日は先週時雨で断念した亀岡方面の未踏峰へ再び挑戦である。
午前6時29分、あたりが明るくなり始めたところで出発する。西寄りの風が強いとの予報に身構えてい
たが静穏である。帰路は向い風となるが、往きは追い風になるので特段吹いてもらっても結構だったのだ
が世の中そう自分の都合どおり上手くはいってくれないもの。

問題はそれよりもスピードが上がらないことである。走りながら原因を考えるが、物理的に体重が重たく
なっていると考えるのが妥当のようだ。走りながら脂肪を燃焼させている間に調子が戻ってくるというこ
ともあるので取りあえず我慢の走りで第1水分補給ポイント(個人的に勝手に決めているだけ)杉生に着く
(7時48分)。

確かにいつもよりタイムは遅いが思ったほど遅くもない。但し当初予定していた山までは無理っぽい。コ
ースを変更した方がよさそうだ。どこにするかはもう少し様子を見た上で決めることとし、中山峠、逢坂
峠、柊峠と越えて亀岡市域へ。
かわいいバス停(逢坂峠にて)

更に宮川から城山の南を東へ下り、9月にも通った月読橋を渡って桂川の左岸へ。愛宕山の山並みが目の 前に大きく迫ってくる風景が気持ちいい。 さて、適当に走っているがどこへ行こうか。古い大きな民家が並ぶ馬路の集落に入ったところで自転車を 停め地形図を広げる(9時15分)。 すぐ北に呉弥山という小さな山がある。わずか164mの山ながら地形図に名前が載っているのだから何 か謂れがある山かも知れないと山の南麓にある池尻天満宮に向かう。 神社の右手に山道がある。辿るとすぐにシカ除けのネットが張られ山道は通せんぼ状態になっている。が、 「重し」の石を動かせばネットの向こうに行けるようになっている。 山頂まで続いていると思った山道は背の低いササ藪の中で消えてしまうが、適当に林の中を登ればすぐに 山頂である(9時30分)。麓から5分の行程である。山頂にはコンクリート製の2階建ての直方体の廃 屋が建っている。何の址だろうか。手持ちの地形図には電波塔マークの記載があるから昔は建物の上にア ンテナでも建っていたのかも知れない。とにかく不気味で長居したくない雰囲気の山頂である。とっとと 下山する(9時35分)。
廃屋が建つ呉弥山山頂

池尻の集落の中を東に走って公園風に整備された池の横に出る。9月に走った時はオニバスの葉が水面を 覆い美しかったが、冬場は取り除かれて泥田のようになっている。写真ポイントに決めていたが、ここは パスだ。 ありがたいことに以前として静穏、小春日和ののどかな空気が亀岡盆地を包んでいる。途中逢坂峠を越え る時はマイナス1℃だった気温も今は相当上がってきていると感じられる。 さて、もう一つ超低山を訪ねてみよう。ターゲットを亀岡の中心部のすぐ西にある西山(206m)に定 める。平和台公園の中にあるようだから上手くすれば自転車に乗ったまま山頂に上がれるかも知れない。 道を一路南下する。大きな橋を渡ると幅の広い道路が真っ直ぐ付いているが、“離合困難”と標識は注意 を促す。とても交通量が多い道路とも思えない(現に一台もクルマが走っていない)のに“離合困難”と はどういう意味なのかわからないが、手持ちの地形図には載っていない道であるのでおとなしく標識に従 ってJR亀岡駅方面への道を取る。 途中でショートカットを試みて旧い市街地に入り込む。が、道がくねくね曲がっていてどこを走っている のかわからなくなる。ようやくの思いで見覚えのある道に出たところでコンビニの看板が目に入り、つい でに食糧補給タイムとする(10時05分)。 腹ごしらえをし、一息ついたところで再び走りだす。市役所の前を通り、R9を横断して京都縦貫の高架 手前を左折、激坂を上れば平和台公園の入口である。 前方に見えているのがこの低山の最高点の西山だろうか。公園といってもふつうにハイキング道が付いて いるだけで遊具施設があるわけでもない。石畳と簡易舗装路の激斜面を上り切れば展望台のある西山山頂 である(10時35分)。
西山山頂手前の激坂西山山頂から京都愛宕山方面の眺め

展望台に登る。亀岡の市街地を眼下に臨み、正面に京都愛宕山を主峰とする山並を仰ぎ見る素晴らしい展 望が得られる。しばらく休んで下山にかかる。冬枯れの山の中は太陽の日差しを浴びてとても暖かく、気 持ちをのどかにさせてくれる。
山頂には出世大明神が祀られている

そんな自然公園を後にし帰路につく。まだ走ったことの無い道を走ってやろうとR423から途中修正を かけてR372に戻ろうとしたが、修正地点を間違えて穴太寺の山門の前に出る。 自転車ツーリングを始める以前にクルマで訪れたことがある。当時は随分遠くまでドライブした記憶があ る。自転車で訪ねると意外に近いのは何故だろう。この辺は出口王仁三郎が出た集落である。西に見える 丁塚山の山中に修行した洞窟か何かがあった筈だが、今日はそこまで立ち寄る元気は無い。 そろそろ西寄りの風が強くなってきた。R372を上り切り、柊峠をどうにか越えると前方に“ご同業” の方が走っているのが見える。追いつくつもりはなかったが追いついてしまう。いいかげんへばっている ところに強い向い風で抜きたくはなかったが、一声かけてかわす。相手もいいペースメーカーが出来たと スピードを上げるのがわかる。自分のペースで走りたいのでいっきにスピードを上げて振り切ったものの “カラータイマー点滅状態”である。 こんな時は一度で終わらないのがこれまでの経験から導き出された法則。案の定、川西能勢口で新たな“ ご同業者”登場。今度は“付きいち”を決めこんで走る。緩い上りで思わず前に出そうになるのを我慢し て走る。 今日は結局調子が良かったのか悪かったのかわからないうちに予定より大幅に上回る距離を走ることにな ってしまった1日となった。 (本日の走行距離126km) 2009年12月12日(土)神出/雄岡山~雌岡山(2.5万図 淡河) この山を神戸の山と紹介するのは些か違和感がある。かといって現住所は神戸市西区なので、昔からこの 地域の呼び名として使われてきた「神出」という地名で紹介させて頂くことにしたい。 このエリアへ自転車を走らせるのは初めてである。三木市出身の母からこの2つの山の名前はよく聞かさ れてきたところではあるが、なかなか山歩きの対象としてとらえることができなかった。北に向かうと天 気が悪いとの予報に、「では」と西に向かうことにした。 午前6時40分、曇り空でまだ暗い中を出発する。異様に暖かい。先週と同じウェアで走りだしたものだ から、赤坂峠の上りでのぼせそうになりヘロヘロ状態で峠を通過する。(何とこの時季としては異常に高 い12℃) 冬なのに汗だく状態という変な状況で全くスピードが上がらないまま淡河を通過、三木市に入って宿原の 交差点で左折、広野GCの横を走り、緑が丘の駅前から高雄台の住宅地に入ると突き当りにある雄岡山の 登山口に着く(8時35分)。 登山口には雌岡山登山会の標識が立てられている。まあ女性上位の方が世の中上手くいくのかも知れない (何のこっちゃ)。住宅地の裏みたいなところにロードをデポして歩き始める。なだらかな山道を歩くこ と5分で山頂だ。
雄岡山はここから登ります山頂にはお稲荷さんの祠があります1等三角点の山に登るのは久しぶりです

山頂に祠が祀ってある。久しぶりの1等三角点にタッチして汗を拭っていると途中で追い越した地元の方 がやって来て祠の横にある仮設トイレのようなボックスの中に入っていった。見ていると記帳をしておら れる。毎日登山の記帳所のようである。 昨夜の雨の影響でガスっていて展望はよくない。5分ほど山頂に滞在しただけで下山、雌岡山に向かう。 雌岡山へは金棒池の角を北に向かい古神から登ることにする。手持ちの地形図には無いきれいな道路が延 びているが迷うことなく登山口に到着(8時59分)、ロードを担いでまずは雌岡山登山路の途中にある 愛宕山に登る(9時04分)。広場のようなスペースにお堂と灯篭が立っている。お堂の横奥に4等三角 点「古神」が埋まっている。
愛宕山の祠と灯篭

広場を更に奥に進む。少し下ってコンクリート・ブロックで作られた階段を登ると雌岡山山頂である(9 時20分)。山頂には神出神社が鎮座している。南に展望台が設置されており、朝から登ってきた人達が 談笑している。麓からの参道はいくつもあるようでいろんな方向から続々と地元の人達が登ってくる。
雌岡山山頂に鎮座する神出神社雌岡山から雄岡山を眺めます

下りは舗装路を使って下る。ロードを担いで山頂に登ったのはそのためである。ぐるっと半周するような 格好で南側に下る。ようやく日が差してきた。これから更に気温が上がりそうだ。気がつけば今日はまだ 朝から全く水分補給をしていない。のぼせ気味になっているのもそのためか。 先ほどの金棒池から北に向かう道を走り地形図に載っていない新しい道を直進すれば結局、志染の駅前に 出る道。北風が吹き始める中、吉川回りで帰路に着いた。 (本日の走行距離103km) 2009年12月27日(日)篠山/藤岡ダム(2.5万図 宮田) 本年ラスト・ラン。ここ2週間ばかり週末の度に時雨れ、消化不良気味の走りが続いていたので西ケ岳の 麓にある藤岡ダムまで足慣らしの走りをすることに決める。
さすが篠山ならでは。猪の供養塔

午前6時50分ロードで出発。昨夜の予報とは裏腹に朝からどんより曇って外はまだ暗い。弱い冬型の気 圧配置らしいが風は無い。ウェアのせいか休養十分な筈なのにえらく遅いタイムで赤坂峠を通過、下りに 入ってもスピードが上がらず、どこで調子が戻ってくるのだろうと思いつつ走っているともう篠山、年の 暮れの二階町通りを通り、熊谷の交差点を北に上がって、岩屋観音の分岐を左手に見送り、最後の一登り で藤岡ダムに到着する(9時02分)。
藤岡ダムに到着季節が良ければ眺めがよさそう

県の篠山川流域灌漑排水事業で作られた4つのダムの一つで(あとの3つは佐仲ダム、鍔市ダム、八幡谷 ダム)、満々と水を湛えたダム湖の背後に懐かしい西ケ岳が顔を覗かせている。 ダム湖の西側は舗装されていて途中に東屋や藤棚なども設けられていて、季節には華やかな表情を見せて くれるのであろうが、今日は気温2℃、ときおり時雨に見舞われ、ダム湖見学には生憎の天気である。 ダム湖の終点には、「一級河川xx川起点」の石柱が立っているが、xxの部分が削除されており、何川 の起点か不明である。水系的には一級河川加古川の支流の支流だが、何とも中途半端な石柱である。
どこの川の起点なの?

ダブルトラックの林道が奥に向かって続いているが、じっとしていると寒く一向に天気が回復する気配が ないので今日はここまでと諦めて帰路についた。(午後になって晴れた) (本日の走行距離106km) 織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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