山を駈ける風になれ2000年8月号

7月1日(土) 猪名川/大野山(2.5万図 木津、福住)
  不調に喘いでいた体調もようやく金曜日に直り、様子見を兼ねて大野山に登ることに。大野山は
阪神間の最高峰として親しまれている山で、山頂付近は大野山アルプスランドがあり、キャンプや
テニスが楽しめるようになっている。そして更にこの時期楽しみなのが、同ランド一帯に広がる
アジサイの花。最近ではシ−ズンになると朝早くからレンズに収めようとカメラを抱えた人たちが
やってくるようになった。曇りの予報ではあったが、既に薄日が差す中を5時31分出発。熱が出た分、
足がいまいち重いが、ロ−ドということもあって何とか軽快に走る。25km地点の屏風岩では今年1番
といってもよさそうなほどまでペ−スアップするが、やはり体は正直だ。次第にペ−スダウン、杉生
からの登りではヘロヘロ状態になる。7時10分柏原に。本当の登りはここからだが、腰痛再発。乗車
したままで山頂まで登るのはとても無理な状況になってしまった。山頂までは3.4km、私の実力では
乗って上がっても、押して上がっても10分ほどしか変わらない。というわけで全線「押し」という
なさけない状態で7時51分山頂に到着。あいにく山頂はガスに覆われ展望はないが、南から次々と
流れてくるガスの中に身をまかせると、冷たくて気持ちがいい。一息ついたところで大野山アルプス
ランドまで戻る。アジサイは満開とまではいかないが、それでも青い濃淡の花がしっとりとした緑の
中に浮かび上がる様は見事である。ゆっくりとアジサイを楽しみながら山を下りた。
(本日の走行距離81km)

あじさい
大野山 アルプスランドのあじさい

7月9日(日) 青垣/岩屋山(2.5万図 大名草、黒井) 青垣町の岩屋山は、北麓に紅葉で有名な高源寺を抱き、山頂に建つ紅白の大中継塔がいい目印になる 山である。パラグライダ−の基地もあり、大空を悠然と舞う姿を楽しむことができる。台風の影響に よる風が収まることを見越し、土曜をパスして日曜日にスタ−ト。距離が長いので5時30分出発する。 全行程約170km、今日の目的は月末近くに予定している1泊ツ−リングに向けて「足慣らし」と「暑さ 慣らし」をすることにある。スタ−ト直後こそ抑え気味に走っていたが、赤坂峠をまずまずのタイム で通過。三田付近でことごとく信号にひっかかるという不運もあったが、途中からはゴ−ル前スプリ ントのM.チッポリ−ニ(=ツ−ル・ド・フランス、ジロ・ディ・イタリアなどで区間30勝近くを挙げ ている世界最強のスプリンタ−)よろしく信号が変わりかける交差点の駈けぬけを繰り返す。予想外 の涼しさにも助けられて、篠山盆地、鐘ケ坂Tを越え、7時48分柏原を通過、8時05分、氷上北にある コンビニでおにぎりを買う。さすがに暑くなってきたが、青垣町まではもう少し。この辺りは殆ど平坦 なので「流し」ながら走っても30km/hをキ−プできる。8時28分青垣町西芦田。ここで県道と別れ、 丹波少年自然の家から岩屋山山頂へと登る道に入る。水分補給の後走り出すとすぐに右手に青垣ワイ ナリ−の建物が見えてくる。続いて道の両側に自然の家の広大な敷地。常にどこかの小学校が利用して いるようで、たくさんの子供達の姿が見える。緑濃い木立の中に続く道は別荘の無い軽井沢といった ところ。前方にレンタサイクルだろうか、若い女性が2人サイクリングしている。緩やかとはいえ 上り坂なのでみるみる内に追いつく。スピ−ドをあげていっきに抜き去る。後方で驚きの声が上がって いる。ロ−ドでママチャリを抜いても何の自慢にもならないが、前を走っている自転車を見つけると 抜かずにはおれない悲しい性。この余計なアタックは本格的な上りに入った途端、ツケとなって回って きた。8時45分山道に入って1回目の休憩。西芦田の交差点から3.2kmも走ってきたのに稜線は遥か彼方だ。 腰痛の不安もあるので急坂では無理をせず、押したり乗ったりを繰り返しながら高度を稼ぐ。救いは 森が深く、林道が日差しから守られていることだ。パラグライダ−を積んだ車が何台も追い越して行く。 8時57分、林道はここで東に大きく方向を転じる。コ−ナ−に「山頂まで4.5km、1時間30分」の標識。 「エッ!? まだ4.5kmもあるの?」と声が出そうになる。ここはひたすら我慢、「乗車4割、押し6割」 のペ-スは牛歩並。9時15分「青垣の杜」の案内板が立つカ−ブで2度目の休憩。登るに従い徐々に展望が 開け、氷上、市島町界の山々から福知山方面の山々が現れる。9時35分パラグライダ−の基地を横目に 見ながらNTTドコモの施設ゲ−ト前に。横の隙間から入る。ここから先はジャリ道。「押し」てもこれ までのように軽々とは進んでくれない。一旦北側に回りこんだ道は南東側に回り込み最後に北西に転じて 頂上に着く。9時44分、無線中継所の門の前にロ−ドを立てかける。中継塔越しに丹波最高峰、粟鹿山が 見えている。日陰を求めて建物の裏側に回り、軽食タイムを摂る。正面に粟鹿山が雄大に迫る絶景ポイントだ。 2年前登ったのを思い出す。あの日も暑かった… 軽食の後、施設の北隅を少し下がったところにあるV△に。ツルツルの御影石の(ような)新しい△だ。 718.3m、慶佐次 盛一氏の『兵庫丹波の山』によるとこのNTTの施設ができる前は727mあったそうだが、 今はどうみても施設の建つ最高部でも△より3m程度高いだけ。ということは6mも山を削って平坦にしたと いうことになる。 10時10分下山開始。ゲ−トまでは「押し」たもののゲ−トを越せば舗装路の始まり。1時間以上もかけて 登ってきた道も下れば僅かに15分、森林浴のシャワ−を浴びながら一気に下る。西芦田10時34分。再び 水分補給の後谷川(山南町)まで一路南下、丹波大山への登りで向い風に苦しめられたものの体に当たる 風が意外に涼しく、途中昼食休憩を摂ったり、水分補給を摂ったりしながらも14時39分予定より大幅に 早く家に帰り着いた。(本日の走行距離178km)
岩屋山
岩屋山山頂の鉄塔

7月16日(日)能勢/竜宮山 (2.5万図 妙見山) 能勢町南部の竜王山を目指す。1座だけでは物足りないと竜宮山(392.2m)とセットで攻めるとこに。 今日の目的は1泊ツ−リングに備えて、MTBの「重さ慣らし」をすることにある。何しろMTBにまたがる のは6月4日の内ケ蔵谷山以来だし、「担ぎ」となると2ヶ月ぶりだ。午前5時の段階で26.4℃とムシムシ する中を5時25分出発、川西能勢口経由で阿古谷へ。冬場寒天作りで有名な所だが、夏場は暑い。全身 汗だく。水分補給をしっかり摂って民田への急坂を登る。古丹州街道の説明板を右に見ながら、いっきに 下りR173に合流、トンネルの手前で右下に下り、道が右カ−ブするところで、正面の草深い林道に入る (6時51分)。ここが竜宮山の登山口である。「私有地に付…」と鎖で塞がれているが、またいで入る。 枝道はあるが地形図通り、迷うことはない。15分位登ったところでクリ畑に突き当たり林道は終わる。 地形図よりも少し短いようだ。細い稜線伝いに回りこむように登ろうとしたが、胸元まで伸びている草と 昨日の雨でグッショリ。これはかなわんと軌道修正、山頂東側斜面の植林帯に飛び込み、直登を試みる。 心持ち南側に移動しながら稜線に乗り、大きなヒコバエが現れる雑木のヤブの中をクモの巣と格闘しな がら7時30分頂上に着く。風も通さないほど雑木が密生しており、あたりは薄暗い。蒸し暑い頂上だ。 止まっていると汗が噴出してくるのですぐに下山にかかる。最短距離を狙ってヤブの中に突っ込んだ つもりが、少しでも通れそうな所を選んで下っている間に北側にふってしまったようだ。小川の流れる シダの密生地帯に下りつく。下り過ぎたようだと南に軌道修正、ヤブを漕いで支尾根を越え、頃合いを 見計らって下りきると、林道終点の手前300mあたりに出た(8時03分)。滝のように流れる汗をぬぐいながら MTBをデポしたクリ畑まで戻り、林道を下って登山口に戻る。思わぬヤブ山との格闘と、湿度の高さに ヘロヘロ。もう竜王山に向かう気力もなく、清水口のバス停でドロドロになったTシャツを着替え、 帰路についた。(本日の走行距離 55km)
竜宮山
全くのヤブ山だった竜宮山

7月28日(金) 生野高原1泊ツ−リング(その1)         〜三国岳 (2.5万図 大名草)〜  週末マウンテンバイカ−の年に一度のささやかな1泊ツ−リング、今年は兵庫県の中央部に広がる 生野高原を縦走することに。ストレ−トに行ったのでは時間が余りそうなので兵庫丹波第2位の高峰、 三国岳登山を入れる。日中の暑さを少しでも避けるため午前5時10分出発、R176を北上する。奄美大島 付近でウロウロしている台風6号に吹き込む南東の風(追い風になる)に期待するも今一つ、それよりも 右足が重たくペ−スがあがらない。あせっても仕方がないのでじっくりペ−スを刻むことにする。 幸いなことに空一面に薄雲が広がっており暑い思いをしないで走れる。7時49分、柏原のはずれにある 喫茶店でモ−ニング休憩を摂る。20分ほど休憩の後出発、途中「道の駅青垣」やコンビニで昼食を買い ながら播州峠の登りに入る。記憶していた峠のイメ−ジとは違い播州トンネルまでの道のりがえらく 長く感じられたがなんとかクリア、9時38分三国岳への登山道の一つである山寄上コ−スの分岐に到着する。 これから向おうとする大玉林道をシカ除けの電流柵が塞いでいる。MTBが柵に触れないように持ち上げ、 柵を跨ぐ。小柄なハイカ−だったらちょっと大変だ。大玉林道は幅のある林道で脇を水量豊かな川が流れて おり気持ちがいい。傾斜も緩くズンズン距離が稼げる。20分、2kmほど林道を進んだところで、 「三国岳こちら、1600m」と書かれた分岐が現れる。ここからが本日一番の正念場、急登に入る。足元を クマザサが覆い隠す細い山道でMTBを担ぐ肩にもグッと重みが増す。ジグザグに支尾根を登る道を休憩を 交ぜながら登る。10時41分、青玉林道からの登山路と合流するポイントに到着。MTBに取り付けた積算距離計 では0.6kmの距離を稼いでいたのであと1kmだと期待していたら何と「1300m」と書かれた札が立っている。 おまけに「5合目」と書かれた札もあるではないか。これだけ登ってきて5合目はないだろうと一人ツッコミを 入れながら気を取り直して登ること15分、大きな看板が視界に入り峠に到着した。「三国峠」だ。昔は播州と 但馬を結ぶ交通の要衝であったらしいが、今はその面影はない。山頂までは「あと900m、4合目」と相変わらず わけのわからない合目札が出てくるが(頂上から1合目、2合目とカウントしていく珍しい札だ)、標高差は わずかなので再びスピ−ドアップ。「御手洗池跡、播磨おどり場」と書かれた平坦地を過ぎれば頂上はすぐ、 11時23分V△の埋まる山頂に着いた。   南東側が伐採されており眺めがいい。眼下に山寄上の集落を臨み、正面に鳴尾山が見える。更に稜線を南に 辿っていくと竜ヶ岳から篠ヶ峰、東にはカヤマチ山から水山への稜線も重なって見える。視線を遥か先に 移せば多紀連山、摂丹界の山並み、一番南にはうっすらと六甲も見えるではないか。展望を期待して いなかったので喜びは100倍、丸木のベンチに座ってゆっくりとおにぎりを頬張る。ここにきて南寄りの風が 強くなり、渦曇ということもあって気温は22℃、ジッとしていると肌寒い。11時50分下山にかかる。三国峠 までは100%乗車のうれしいシングルトラックと変わり僅か6分で峠に降り立つ。ここからは生野町長野に 下りる道を行く。下り始めの300mほどはヒザ上までクマザサが覆い被さる足元の見えない道だが、それを 過ぎると植林帯の中の快適小径に変わり、林道の終点にヒョイと飛び出した。林業作業中の車が3台停まっている。 お昼寝タイムと見えてめいめい車の中で気持ちよさそうに眠っている。こちらも山場を越したところで一安心、 ボトルに残っていたお茶を飲み干して林道を下る。はじめ地道だった林道はやがて舗装路となりR429に合流する。 横を流れるのは源流部の市川だ。なおも下り続けると銀山湖、途中で写真を撮りながらも13時03分生野ダムに 着いてしまった。予定より2時間ほど早い。下山に手間取ると計算していたのが思いのほか早かったことなどが 影響している。生野の市街地まではもうすぐだ。奥銀谷を通り、口銀谷の白壁の町並みに生野銀山華やかなりし 頃の姿を想像しながらゆっくりと下っていけば「駅前広場」と大層な名前の割には可愛らしいJR生野駅に到着 (13時25分)。列車の時間待ちの高校生が5〜6人にぎやかにやっている。時刻表を見るとあと小一時間待たなくては ならないようだ。時間調整をしなければならないのはこちらも同じ、暫く駅の待合室で水分補給をしたり、 ツ−リングメモをつけたりしていたが、どうしても退屈してしまうので中心部の散策に出かける。それにしても やたらとお寺の多いのに驚く。14時15分、それでも小さな町なので回りきってしまい、今日の宿泊地でもある 生野高原を目指して出発する。R312を横切り西に上っていくと何と大河内町方面に抜ける新しいトンネルが 出来ているではないか。持っていた地形図ではかなりハ−ドな峠越えを覚悟していたのだが…助かった。 全長1083m、ほぼ直線につけられたトンネルは交通量もほとんどなくひんやりしていて気持ちがいい。 自転車乗りにとって気持ちがいいトンネルなんてのはそうそうない。トンネルを抜けると本日最後の登りに入る。 登り口に「ゴルフ場2km、カッセル3km」の標識、やったあと3kmだ。と、これがどうだ。強烈な登りではないか。 今までさんざん走ってきた上にこの坂はきついものがある。乗っても押しても殆どスピ−ドが変わらなくなった ところで「押し」て登って行くことに。「但馬牛の○○(名前は忘れた)」と書かれた車が1台追越して行く。 あれは今日の私の晩飯の食材を運ぶ車か…。旧国民宿舎分岐近くで若干傾斜が緩くなったので再びMTBにまたがる。 ゴルフ場の前を過ぎればあと1km、ラストスパ−トというには程遠いスピ−ドながら14時55分今日の宿泊場所である カッセルに到着。15時チェックインということでピッタシ、玄関の内側にMTBを置かせてもらって今日の予定終了。 (本日の走行距離 124km)
三国峠 三国が岳
三国峠三国が岳

7月29日(土) 生野高原1泊ツ−リング(その2)         〜段ヶ峰−達磨ヶ峰縦走(2.5万図 神子畑、但馬新井)〜 今回の1泊ツ−リングは今迄のツ−リングとはちょっと違う。スペシャルナビゲ−タ−として当HPの持ち主 島田さんが同行してくださるのだ。播但界の山を走るのに島田さんの案内が頂けることほど心強いことはない。 昨夜の天気予報では昼から雨ということだったが、朝起きてテレビのスイッチをつけると何のことはない、 晴に変わっているではないか。それにしては800mくらいから上の山はガスに包まれている。本当に晴れなら もうガスはどんどん晴れ上がってもよさそうなものなのだが… 7時半カッセルの前、と待ち合わせ場所を決め、朝食を済ませてチェックアウトの手続きをとっていると MTBにまたがった島田さんがホテルの前に到着。ピッタシだ。挨拶もそこそこにMTBにまたがり2人並んで出発。 まずは林道を千町峠に向かう。幾分荒れたところもあるが傾斜は緩やかで話をしながらでも登って行ける。 3kmほど行ったところでMTBを下りて押して歩く。幅のある道だが左手は深い谷が何度も現れ迫力ある景色が広がる。 ガスは徐々に晴れているようだ。千町峠まで残り僅かというところで頭上にトラック、工事現場が現れる。 島田さん曰く、県の縦断林道工事がここまで伸びてきているとのこと。一体何のためにこんな道がいるのだ。 憤慨しながら登るときれいな林道が交錯する千町峠に到着。9時丁度。カッセルから7.4km、1時間半。 さて、MTB登山の始まりだ。段ケ峰との標高差は僅かに130m、登り始めに2度ばかり短い「担ぎ」をこなせば、 左手前方に段ケ峰頂上が見渡せるクマザサの大草原に出る。素晴らしい眺めだ。MTBも乗車OK、シカ除けネットを 2度くぐり方向を北西に転じれば頂はもう目の前。3つ目のネットが登山道を塞ぐが、左手から回りこめば なんなく通れる。9時30分、あっけないほど簡単に頂上に立つ。台風並の風が雲を吹き飛ばしてはまた次の雲を 運んでくる。頂上を雲に隠す南西側の大きな山塊は千町ケ峰、北に見えるのは須留ケ峰だと島田さん。 これから向かうフトウガ峰はガスに包まれて見ることは出来ないが、大展望の気配は十分に感じとれる。 気温22℃、無線を試みる島田さん。加美町側から竜ヶ岳に登るという人と交信がつながる。晴れているとのこと。 こちらはジッとしていると寒いので先を行くことに。まず、50mほど北にあるU△を確認、フトウガ峰へと ススキの大海原の中に続く稜線直下のシングルトラックを走る。右手谷側から吹き上げてくる風にあおられ ながら痛快な走りが続く。ハ−ドな状況になればなるほど楽しくなるのは島田さんも同じだろう。方向を 南東に転じ、一旦下って軽く登り返せばフトウガ峰の頂上。何度も止まって写真を撮りながら30分で着くの だから如何に乗車率が高いかわかろうというもの。360度の大展望、アルプスの少女ハイジ状態の草原、 と聞いていた頂上はホワイトアウト状態。風の音に自分の声もかき消されそうだ。気温は20℃だが体感温度は ズッと低い。展望は望めなかったがこれもまた自然、結局強風を避けるかのように達磨ケ峰へと続く植林帯 めがけてMTBを飛ばす。達磨ケ峰との最低コルまではこれまた高い乗車率、ブレ−キレバ−から指を離せば ジェットコ−スタ−状態。島田さんも前方を快走している。10時30分、最低コル。「南東ヘ達磨を経て生野荘90分」 と書かれた標識が立っている。聞けばここを先ほど縦断林道がクロスするという。このままでいいじゃないか、 車で山に登ったって何の感動も生みやしない。TVできれいな景色を眺めていた方がよっぽどましだ。 更に先へ進む。達磨ケ峰へは何度か小さなコブを登り返しながら徐々に高度を下げていくので相変わらず 結構乗れる。ただ何度となく現れる背丈も没するススキの中を進む内に切りキズで二人共足は真っ赤になる。 いつしか頭上には青空が広がり夏の日差しが顔を覗かせ出した頃、達磨ケ峰の頂上に到着(11時12分)。 ここからの展望もまたいい。目の前に高星山、そして平石山、遠くに見えるのは笠形、七種だと教えて頂く。 名前がわかるのとわからないのとでは大きな違い、さすがはスペシャル・ナビゲ−タ−。この頂で軽食タイムを 摂り最後の下りに入る。急坂に加え、石がゴツゴツ、おまけに滑りやすいときているのでさっさとあきらめ 「押し」て下りるが、島田さんは奇声を上げながら乗ったままで下っていく。 まだまだ続くと思われた下りは意外と早く終わりを告げ、「突然」という感じで国民宿舎前の広場に下り立った。 11時55分、約4時間半のMTB山行はここに終わりを迎えた。しかし、北摂や丹波の山では味わえない高原の長距離 シングルトラック走を存分に堪能することができた。帰りは途中まで車で送りましょうか、という島田さんの ご好意に甘え、昼食を摂りながら丹波大山まで乗せて頂く。14時30分、ここから自宅までは50km弱、今回の ツ−リング、とりわけ今日の生野高原縦走の余韻に浸りながらゆったりとペダルを回し帰路についた。 (本日の走行距離 63km)   

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