山を駈ける風になれ2010年 6月号
2010年5月1日(土)加古川/サイクル三角点遊び(2.5万図 三木、加古川)
99,962km。息子の3歳の誕生日プレゼントに自転車を買ったついでに自分用にMTBを買い求めて
以来走った積算の走行距離である。今日38km走れば10万kmの大台に乗ることになる。GWは長距離
ツーリングを行う予定であったが事情により中止、変わって記念ツーリングは故郷加古川で未踏の山を使っ
て“サイクル三角点”に挑戦する。
5時19分、雲ひとつ無い青空の下、ロードで出発する。冷え込んではいるが先週のような寒さはない。西
寄りの向い風ではあるが、快調に赤坂峠を越えると一路県道を西へ。三木の宿原で本日の走行距離が38k
mになる。積算10万km到達である。19年と1カ月、よくも飽きずに走ったものだ。更に西へ。加古川
に架かる万歳橋を渡って市場(小野)に着く(7時18分)。
“サイクル三角点”とは1回の日帰りツーリングで1等三角点から4等三角点まで総ての種類の三角点を巡
ること。野球のサイクルヒットをサイクルツーリングでやろうというようなお遊びである。
今日は加古川右岸の低山群を巡って未踏の山4座に挑戦である。手始めは市場駅のすぐ北にある小倉山。百
人一首に出てきそうな名前だが、こちらは標高わずか56.1m4等三角点の山である。
カーブを曲がって民家の横から山に入る。山頂に導いてくれると思われた道はすぐに墓場でエンド。あとは
全くのヤブ漕ぎ。150m進むのに8分もかかって4等三角点に辿り着く。戻るのも一苦労、歩きやすいと
ころを選んで歩いていると全然違うところに下りてしまうおまけ付き・・・。
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まずは小倉山4等三角点 | 次に沢戻山を目指します |
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ロードをデポしたところに戻って次の山に向かう。西南西2kmのところにある沢戻山が次の山である。山
頂の南西100mのところに鉄塔が立っているので、巡視路を見つけさえすれば何とかなりそうだ。
白沢の集落から山陽道をくぐって地道の林道に。林道と高圧線の交わる辺りで巡視路を探すが見つからない
(8時05分)。諦めかけてもう1本南に林道と交わる高圧線があることに気づき南に向かう。
「火の用心140」の巡視路入口発見。しかもいい径が続いている。こんなMTB初心者向けの快適な巡視
路は初めてだ。これで沢戻山登頂は楽勝だなと多寡をくくって鉄塔に着く(8時15分)。が、鉄塔から先
はまたしても完全なヤブ。北摂や丹波の山なら踏跡があるものだが甘くないのが超低山。100mを5分か
けて進んで沢戻山山頂(163.4m)に到達する(8時20分)。
2等三角点のある山であるが、5cmほど地上に顔を出しているだけで殆ど埋まっている。落ち葉が堆積し
ていたら見つけられなかったであろう。
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沢戻山2等三角点 |
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西寄りの風が南西に変わり更に強くなってきた。ヤブ2連発で疲れた。次の3等三角点の山はラクに登れそ
うな山にしようと神吉八幡神社のある宮山に向かうことにする。途中コンビニへ立ち寄りエネルギー補給を
したところで神吉八幡まで走る(9時32分)。
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神吉八幡神社の裏山が宮山 | そして宮山3等三角点 |
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背後の宮山(87.6m)は神社の境内の奥に続いているものと歩いていったが、西側に遊歩道があるとの
こと。改めて登り直して宮山山頂に着く(9時45分)。この山にはいくつか古墳があるようだ。
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竜山が近くに見えます | 800m走も見える特設?展望台 |
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南の眺めがいい。黄砂で霞んでいるが高砂の竜山が近くに見える。それもそのはず直線距離で6kmほどし
か離れていないのである。隣の運動公園では陸上競技の大会が行われている。立派なトラックだ。高砂や加
古川の小学校が強い理由はこの環境にあるのだろう。山の上から6年生女子の800m走を見ながら下山す
る。
これで2等、3等、4等の三角点を登った。最後は1等三角点のある山に向かう。志方城山(271.3m)
である。
ここからは追い風が使える。南西の風は簡単に細工所まで背中を押してくれる。安楽寺から東へ。城山登山
口の標識を見つければあとは簡易舗装路を登るだけ。低山だが4座目になると足にくる。最後の400mは
階段状の登山道になっているので舗装路の終点にロードをデポ、一歩一歩踏みしめるようにして山頂の本丸
跡に到着、公園風の広場に堂々と「鎮座」している1等三角点にタッチする(10時30分)。
赤松氏の居城で中道子城という7万平方メートルに及ぶ東播一の規模を誇る城だという。新緑のモミジが美
しい。15分かけて上った坂道も下れば3分だ。
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最後は志方城山1等三角点 | レンゲ畑に心がなごみます(平荘町で) |
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スタートから75kmを超えた。予想以上の距離となった。レンゲ畑に心和ませ、追い風に助けられながら
帰路についた。
(本日の走行距離138km)
2010年5月8日(土)三田/中山(2.5万図 藍本)
5連休に続きこの週末も天気がいいという。今日は三田方面の未踏を登る計画。しかしダイレクトに三田ま
で走ったのでは距離が短いので篠山の大手前広場まで走ってから折り返して訪問のすることに。
夜が明けるのが早い。5時前には明るくなるので前日どんなに遅くても目が覚めてしまう。年齢のせいだろ
うが、昔からそうだったといえばそうだった。そんなわけで今日も出発は午前5時20分。Tシャツの上に
半袖ジャージで走るが、気温7℃の赤坂峠の下りは寒い。
R176を北上する。私にとってR176はこれまで10万km走ってきた中で最も走った回数が多い国道
である。年に20回走るとして通算で400回は自転車で走ったことになる。10万kmを記念してこのG
Wの間、国道に絞って過去の走行データを分析してみた。
・これまでに自転車ツーリングで走った国道の数:49(内3桁ナンバー国道:35)
R1からR502迄番号は広範囲。R1は1kmしか走っていないという珍記録のおまけ付き。
・全線走破した国道の数:3
R29,R171,R372の3本。R171はR2と重複する三宮東口終点まで完走。
単独区間に限ればR427も完走。
・走った距離が最も長い国道:R10の230km。
意外にも地元ではなく九州。04年と08年のツーリングで別府-宮崎間を走行。
この記録にR9の196km、R178の162kmが続く。
・走った距離が最も短い国道:R318の0.02km。
倉吉市内で渡った橋の部分がR318と重複していた。
その他の統計の披露は次回にするとして本日の走りの続きである。
いつものように古市で水分補給を行い、7時17分篠山城址大手前広場に到着。さすがにこの時間では小西
の黒豆パンの店も開いていない。妻入り商家が立ち並ぶ河原町まで足を伸ばしてからUターン、途中コンビ
ニで“ブランチ休憩”を挟み、三田市内まで戻ってくる。
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まだ誰も活動していない河原町 | こんな山ですが地形図に名前が載っています |
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焼山、西鎌倉山を眺めながら武庫川の流れに沿って東へ走る。当初の計画では上本庄の北に聳える奥山(
580m)に登るつもりであったが、足に余裕がないのでパス。そのまま南下をして須磨田の南に小さく盛
り上がる中山(307m)に登ることに変更する。
小さな山だが地形図に名前が載っている。南北に長い山で北側の山と南側の山から成っている。急遽予定
を変更したのでどこに取り付きがあるのかわからないが、県道を北側から西側に登れそうなポイントを物色
しながら走る。北西側から山の方に向かう農道に当たりを付ける。山はシカ除けフェンスで囲まれているが、
当たりを付けた道の先には扉が付いている。もうこれで取り付きを見つけたのも同然である(8時50分)。
扉はフェンスの下半分だけが開くようになっているもので腰をかがめて自転車ごと中に入り鍵をかけて山
道を歩き始める。
1m幅のしっかりとした道が付けられている。ものの5分も歩けば南北に長い尾根筋に合流、北の端に祠
が祀られている。道はこの祠への参道のようである。しっかりとした作りでそう古くはないようである。
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いい道がついています | 祠に着きました |
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お参りを済ませ尾根筋を南に向かう。踏跡は残っているが、近年あまり人が歩いた形跡は無く、倒木やシ
ダで覆われたポイントが何度も現れる。木々の葉は昨日の雨露を含んでおり結構冷たい。祠から15分ほど
で地形図の中山307m標高点ポイントに着く(9時10分)。
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この辺がピークです | 足元にはヤマツツジの花が・・・ | 唯一の展望ポイントから天神岳(手前左)と奥山(その奥) |
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特に何も無い雑木山の細長い尾根上の1地点である。311.6m三角点のある場所は少し下って登り返
した南側の山の最高点であるが、あまり長居をしている時間が無いのでこの中山だけをチェックして下山す
る(9時28分)。
なんだか今月は超低山ばかり登っている。そうだ。いっそのこと超低山月間と決め込むのも悪くはないな、
などとどうでもいいことを考えながら帰路についた。
(本日の走行距離107km)
2010年5月15日(土)北摂/はらがたわ峠折り返し宝山(2.5万図武田尾他)
はらがたわ峠折り返しで周回するトレーニングコースを走る。昨夜は10時に帰宅したというのに4時半に
は目が覚める。仕事で疲れていても土曜日の朝は別という体内時計が作動しているようだ。
そんなに遠くまで走るわけではないのに5時16分にはもう走りだしている。我ながらどうなっているのか。
さすがに序盤は体が重かったが、30km前後からいいペースが戻ってくる。杉生新田まであと1kmとい
うところで対向車線を下ってくるサイクリストと出会う。こんな早朝に既にこの辺を走っているのは自分だ
けだと思っていたが、“早起き鳥”は他にもいたようである。
泉郷峠を越え寺田橋(天王)からはらがたわ峠に向かう。朝から野菜を配達?しているおばちゃんのミニバ
イクをパスする。後ろから「自転車の方が早いねえ」と感心の声。
峠の頂上直前で南から上ってきたサイクリストとすれ違う。今日はみんな行動が早いようだ。7時20分、
はらがたわ峠到着。水分補給とフィトンチッドを吸いこんで天王へ折り返す。本日の最高速を狙ってダウン
ヒルするも、前を走る軽トラに追いついてしまいアウト。
籠坊-後川-木器と走り継いで千刈貯水池の北を走る。ここでいつもとコースを変えて、宝山寺方面へ入る。
8時34分宝山寺山門前に着く。山門の前を走ったことは何度かあるが、お寺に立ち寄ったことはない。地
形図で見ると丸い小さな山の上に建物が描かれている。今月は超低山立ち寄り月間、とばかりに階段マーク
の通り石段を通って本堂のある山頂部に登る。
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宝山寺本堂 | 山門は茅葺 |
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地形図に階段マークがあるので長い登りを覚悟したが短くて助かる。登り切ると円形の頂上部。半円の境内
の奥に本堂が建っている。無住の本堂だが意外に大きい。ぐるっと一回りして下山する。山門越しに見る西
谷地区の風景はいつものどかで心和むものがある。
気温もぐんぐん上がってきたようなのでウインドブレーカーを脱いで半袖ジャージになり、新緑の空気を満
喫しながら帰路についた。
(本日の走行距離107km)
【通算10万km達成企画】
国道編(その2)
・あと僅かで完走出来ていない国道:R173
池田から綾部までのうち、質志トンネルを挟む前後7.2km区間だけ未走。
・兵庫県内を走る国道なのに走ったことのない国道:R172
神戸港へ通じるわずか0.2kmの国道だが、この先も走ることはない(だろう)。
・国道番号連続走行記録:7。
R175からR181まで。3桁番号の国道は隣接しているので連続記録を作りやすい。
2桁番号の国道ではR25からR29までの5連続が記録。R25,R26は南港のフェリー乗り場まで
走る時に記録。
2010年5月29日(土)北摂/天王折り返し宝塚の超低山(2.5万図武田尾他)
今日も能勢の天王折り返しのトレーニングコースを走りながら宝塚北部の超低山を巡る。今朝も4時半に目
が覚めたというのに二度寝してしまい5時起床(それでも十分早い)。ちょっとひんやりする中、5時34
分スタートする。
今日はスタートからまずまずの出足。30km付近から向い風が強くなったが、それでも今年最速タイムで
杉生に到着。水分補給の後、杉生新田-泉郷峠と越えて天王に着く(7時30分)。曇空で肌寒い。まるで
晩秋のような天気だ。ウインドブレーカーを着てきて正解だった。ここからの折り返しは暫く下りが続くの
でウインドブレーカー無しでは風邪をひきそうだ。
それでも羽束川沿いに木器まで南下する頃には太陽も顔をのぞかせ徐々に温まってくる。千刈貯水池の北側
の県道を東へ走っていると、宝塚自然の家方面からの道がクロスするところで通行止め。迂回を指示され仕
方なく宝山坂を上ると見せかけて集落の間をパスして県道に戻ったが、その先でも通行止めになっており、
結局2回も迂回をする羽目になって大原野を通過する。
おっと、超低山を登る予定だったことを思い出す。長谷まで来たところで地形図を広げる。鶴見台の方にあ
る点名「東村」(251.3m)が一番近い。よし、ここを登ってみよう。
県道から鶴見台方面に左折、すぐの分岐を左へ。200mほどで地形図には無い分岐が現れる。住宅地の横
に急な林道が山に向かっている。これを辿るのがよさそうだ。近くに自転車をデポし、林道を歩き始める。
と、すぐ脇の山の中の木に蛍光ピンクのテープがぶら下がっているのが見える。
何気に中に入ってみると更にその奥にも蛍光ピンクのテープがぶら下がっている。どうやらこれを辿ってい
けば山頂に登れそうだ。行き止まりになりそうな林道を止めてこのテープを追っかけることにする(8時5
5分)。
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東村Ⅳ△ |
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踏跡等無い全くのヤブだが、結果的にはこれが大正解。やがて山の北側から頂上に回り込むポイントを通過
してからは歩きやすい径となり、4等三角点のある山頂に到着する(9時00分)。ピンクのテープはここ
で終わっている。
察するに最近三角点に黄色いバッジのようなものが取り付けられているが、これを取り付けるために国土地
理院の担当者が迷わないように下げたテープではなかったか。
三角点のある周囲は雑木に覆われて展望は無い。スペースも無く軽食タイムとするような雰囲気でも無いの
でさきほどの林道まで下って近くの水田から聞こえてくるトノサマガエルの声を聞きながらチョコを頬張る。
本当に今月はお手軽山歩きの連続だった。来月こそは山歩きらしい山歩きをしよう。
(本日の走行距離106km)
織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。
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