山を駈ける風になれ2010年 11月号

 
2010年10月2日(土)北摂/天王折り返し宝塚の超低山(2.5万図武田尾他)
能勢天王折り返しのトレーニングコースを走りながら久しぶりに宝塚北部の超低山を巡る。夜が明けるのが
ずいぶん遅くなった。外が白んでくるのを待ってスタートする(5時48分)。

結構冷え込んでいる。丹波は霧の季節を迎えたことだろう。珍しくほとんど信号にひっかかることなく川西
を通過、北寄りの風にスピードダウンを余儀なくされながら杉生で水分補給休憩。後、杉生新田-泉郷峠と
越えて天王に着く(7時45分)。
籠坊から天王に向かう途中では気温11℃、上りでかいた汗で風邪を引きそうになる季節がまたやってきた
ようだ。天王でUターン、籠坊温泉から羽束川沿いの道を木器方面へと南下する。
ヒガンバナの咲く道を行く更にヒガンバナの咲く道を行く

ヒガンバナが満開である。確かに今年は遅いようだ。ヒガンバナとソバの花とコスモスが奏でる三重奏の風 景を楽しみながら走れば南東の風に変わった向い風も気にならず、宝塚自然の家方面への分岐を左折、あと 僅かとペダルを踏み込みダンシングの態勢に入ると、道路右手に『ギフチョウアート→』の文字が目に飛び 込む。 矢印の示す先には稲刈り前の田んぼしかない。?。自転車を降りて導かれるままに田んぼを正面から見下ろ せる場所に移動すると、『おお!』納得・・・。
ギフチョウだそうです

モスラ・・・じゃなかったギフチョウ・アートを鑑賞の後、100mほど先にある宝塚自然の家の入口の前 にロードをデポする(9時20分)。  今日のお目当ての超低山はこの宝塚自然の家の背後にある254.3mの山、4等三角点「法泉寺」である。 地形図では頂上近くまで林道が続いている。林道が途切れたあとはどうなっているのかわからないが、せい ぜい標高差30m程度何とでもなる。 以前から簡単に登れそうな地元の三角点山とチェックはしていた。が、自然の家の敷地内なので許可が要る のではと思っていたところ、もう何年も前から市民は無料で入れると聞き、それならと行動に移した次第。 林道は散策コース兼アスレチックコースの入口になっている。5分ほど道幅も広く歩きやすい。まだツクツ クホウシが鳴いている。5分ほどで林道の終点に着く。そこには山に向かって『ラクラク山荘へ』の表示。 更にアスレチック施設もあるようで、自信の無い方はこの道を引き返して下さい、とある。 案内に従って『ラクラク山荘』に向かう。今日初めての山道である。1分ほどで砦のような山荘へ。その1 0mほど先のシダヤブの中に4等三角点が埋まっている(9時25分)。
法泉寺山頂展望台から千刈方面の眺め

山荘からの眺めはなかなかのものである。風が気持ちいい。ザレ場の斜面にロープが垂らしてある。MTB でも下れそうな斜面だが、空身の今日はおとなしく元来た道を引き返す。 急に空腹感を覚える。秋の風景を満喫しながら走ったが空腹を満たすことはできなかったようである。久し ぶりにハンガーノック気味になりながら、6km先にある一番近いコンビニまで走った。 (本日の走行距離106km)   2010年10月23日(土)北摂/大野山ヒルクライム(2.5万図福住) 絶好のサイクリング日和が続く。しかしながら今日もゆっくり時間が取れないので眺望を楽しみに大野山まで ヒルクライムすることに決める。1年2カ月ぶりである。昨年は川西まで戻ってきたところでトラブルに遭い、 おまけに最後は豪雨で国道が川のようになり、池で白鳥のボートを漕いでいるのかと思うような事態に遭遇し たが今日はハプニングなしで走りたい。 午前5時56分、周囲が明るくなるのを待って出発する。気温17℃、この時季にしては暖かい。10月下旬 にして半袖半パンで走れるなんてどうよ。 中山付近で前方にサイクリストを発見、挨拶をして交わす。“季節サイクリスト”にしては朝早くから走り出 すなんていい心がけだ、などと心の中で偉そうなことをつぶやきながら川西能勢口回りで北上し、杉生で水分 補給を摂る。 向い風の中、先週より約1分遅れはまあまあか。“お蔭”で続く柏原への上りで足にくる。ここまで標高を上 げてくるとかなり冷え込んでいるが、一人汗だく状態。ゴルフ場へ向かう車を2台見送って、ラスト3.4k mの上りにかかる。 夏場と違ってまとわりつく虫に悩まされることもなく景色を楽しみながら淡々と上る。斜面の草刈りがされた からか、それとも草が枯れたかで、林道脇の無線中継所への距離を示す標石がやけに目立つ。『オノヤマ・・ ・』と刻まれているのは、山頂にある中継所の名前が『尾の山無線中継所』があるからということは知ってい たが、大野山 (おおやさん)を『おおのやま』と読めば『おのやま』->『尾の山』と転じることに初めて気 が付く。もう30回近くも上っていながら今時分気が付く自分が情けない。 そんなことを考えながらゆっくりとペダルを回していると無線中継塔が目の前に見えてくる。数組のキャンパ ーがいる。気温7℃。明け方は相当冷え込んだに違いない。 ダウンジャケットを着て暖を取りながら朝食の支度をしているみなさんの目の前を半袖半パンの男がペダルを 回して上っていく。
大野山山頂

最後の一担ぎで頂上に立つ(8時03分)。篠山の森公園への下り口周辺がえらく伐採されて様変わりしてい る。必要以上に手を加えないでもらいたいものだ。しかしそのお蔭で多紀連山の眺めが抜群である。遥か亀岡 盆地方面は深い雲海に包まれているようである。
亀岡盆地の雲海(最奥部です)

天文台の方に移動する。ここは北摂の山々の大展望台である。風になびくススキの穂越しに広がる北摂の山々 は息を飲むばかりに美しく、まさに一幅の絵である。
山頂から南を眺める

この景色を見ることができるから大野山にまた来たくなる。の美しい山々の広がりがあるから北摂を走りたく なる。そして山に登りたくなる。20年通いつめても飽きない理由を再認識できた今日のヒルクライムであった。 (本日の走行距離 82km)   織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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