山を駈ける風になれ2011年 1月号

 
2010年12月4日(土)篠山折り返し/三田周辺街中三角点訪問(2.5万図 三田)
今年も早いものでもう12月に入ってしまった。今日は足慣らしで軽く篠山まで走ることに。
6時34分、明るくなり始めるのを待って出発。それほど冷え込んではいない。風はおさま
っている。昨日でなくてよかった。上空の雲は西から東へ足早に流れているが、地表付近で
はほぼ無風。おまけに7時半頃から南西の追い風に変わり、まずまずのタイムで篠山城大手
前広場に着く(8時35分)。5分ほどの滞在で、すっかり年の瀬の風景に変わった二階町
通りを抜けて帰路に着く。
「せいもん払い」の幟も見える歳末の篠山メインストリート

このまま帰るのは勿体ないほどいい天気になってきた。 9時30分、四ツ辻にあるコンビニで軽食補給しながら地形図を拡げる。ウエストバッグの 中に入っていたのは2.5万図「三田」。これといった山の無いエリア。手軽に訪問できる 街中超低山三角点の山を訪問することにする。 まずは新三田駅の西1km少しのところにある、206.2m3等三角点の「貴志」へ。三 田市民病院のすぐ西側に公園に上がる階段がある。ロードを担いで階段を登るとけやき台。 自然の起伏を残した広い公園がある。公園の北側入口から回り込むように南に入ると「奈良 山7号古墳」に突き当る(10時05分)。この古墳のすぐ手前の雑木林の中に三角点「貴 志」はある。「貴志」はこの辺り一帯の地名。 ちなみにこの奈良山一帯には合計14基の古墳がある。6世紀後半の朝鮮渡来系のものらし い。古墳があったおかげで宅地化されずに山の名前がということか。
奈良山7号古墳(手前),奥の森の中に三角点がある 3等三角点「貴志」

次に南下して道場南口から中国道と山陽道が分岐する辺り南側に小さくうずくまるような低 山、243.2m4等三角点「有野」に向かう。県道から山頂に向かって7~800m破線 の道が付いている山である。すぐ南にある八田神社を目印に南下していくと、何と「田園ス ポーツ公園」なるものが現れる。 手持ちの地形図は平成11年発行のものだったので、山がスポーツ公園に変わっていること は想定外。それでも公園西側の入口にある案内図を見てみると手持ちの地形図にある2つの 溜池が確認でき、点名「有野」も野球場の北側に削られずに残っているよう。 公園の中の道路をカーブを繰り返しながら上っていく。野球場の北側に小さな山が残されて いる。特に遊歩道の類いは付けられていないようである。どこから登るか。「危険、登るな」 と書かれているところから登るのが一番よさげである。(よい子はマネをしないように。と いってもこんなヤブ山に登るのはもの好きなその道のマニアばかりか) サルトリイバラを避けながら歩きやすそうなところを適当に歩くと3分ほどで山頂部に着く (11時00分)。雑草に覆われ足元が見えないが、狭いながらもちょっとした平坦地にな っている。昔は村人が何らかの目的を持って登って来ていたのではないかと推測されるが、 地形図の西側から登ってくる破線の道は完全に消え失せておりただの雑木藪に還ってしまっ ている。
かろうじて山頂付近だけが残った4等三角点「有野」

三角点は地表面すれすれに埋まっており、隣に白いポールが無かったら見つけるのは容易で なかったかも知れない。こりゃあ新しい地形図を買わないといけないな。西風がいよいよ強 く吹き始める中、帰路についた。 (本日の走行距離103km)   2010年12月12日(日)北摂/深山ヒルクライム(2.5万図 埴生他) 昨日は昼過ぎに雨が降るというので走りを今日に変更してのスタート。本日の走りは年賀状 用の写真ネタ探しも兼ねている。狙いは「川霧」と「雲海」。胸のすくような雲海に出会お うとするなら北摂の最高峰深山に限る。そういうわけで夜がまだ明けきらぬ6時36分、ロ ードで出発する。 寒くない。放射冷却もいまいちだったようだ。ふだんなら寒くないのは大歓迎なのだが川霧 と雲海を狙おうと思ったら思いっきり放射冷却が効いていたほうがいい。 それでも川西の中心部を過ぎ、川霧撮影ポイント近くまで来ると森の向こうから霧が流れて くるのが見える。やった。そこそこ期待できるかも知れない。 現場に行ってみるといい感じで川霧が出ている。川面近くまで下りて撮影すればもっと神秘 的な絵が撮れたかも知れないが、そこは走りをメインに置いているので道路脇からの撮影 (下りるのが単に邪魔くさいだけともいえる)。それでもまずまずの湯加減?といった感じ で川霧を撮ることができた。 
そこそこの湯加減?! 猪名川の川霧

雲海を求めて北上する。ほぼ無風ながら筋肉が温まっていないせいかスピードに乗らない。 杉生で水分補給、気温2℃の杉生新田、泉郷峠を越えると天王に向かう日陰の道路は今年も 凍結間近を思わせる寒さだ。 天王着8時42分。ネタを探しながら走っていたのでいつもよりかなり遅い。はらがたわト ンネル方面へ走り、トンネル手前を左折し府道732号亀岡-天王線へ入り、朝から忙しく 動き回るトラックの音が聞こえる岡牧場前の分岐で本日2度目の水分補給を摂る(8時56 分)。 ひと息ついて路面の荒れた急坂区間を上り始めると後ろからワンボックスカーがやってくる。 追い立てられてもこれ以上スピードは出せないので、道を譲って先に行ってもらう。部分的 に激斜面のところも現れるが、マイペースで上がればそのうちクリア、NTT専用路入口脇 から入り、なおも上るとやがて傾斜も落ち着き深山山頂に到着する(9時10分)。
深山山頂から丹波高原方向の絶景

何度訪れてもこの高度感はたまらない。あいにく霧は晴れたのか出なかったのか無し。しか しそれを補ってあまりある大展望を楽しむことができる。丹波高原方面から強烈な風が吹き 付け、汗がいっきに引いていくのがわかる。 誰もいない山頂で、風を避けられる日向の斜面に座って景色を眺めながらチョコを頬張る。 最高の贅沢な時間が流れていく。枯れていたクマザサも徐々に戻りつつあるように見える。 久しぶりの深山、ひとつひとつ確かめるように見ながら山を後にした。 (本日の走行距離100km)   2010年12月23日(木)宝塚/中山~天宮山(2.5万図 武田尾、宝塚) 通勤時、いつも気になっていた山を目指す。宝塚駅から川西池田駅までJRは中山連山を左 手に見ながら走るが、中山寺駅を過ぎた頃、三角錐の形のいい山が現れる。 なだらかな山容を見せる中山連山にあって、ひときわ存在感を放つ山を一度訪れてみたいと 予てより考えていたところ、地元のコミュニティー紙にその山は天宮山という名前の山であ ること、聖徳太子修行の地であるとの記事を見つけ訪ねることに。 午前7時、今日はお散歩程度の距離なのでゆっくり目に出発する。中山といえば清荒神、中 山寺、十万辻などからハイキングコースが整備されているが、最近専らロードの私はヒルク ライム・プラン。中筋から標高400m弱の中山桜台の最奥部までいっきにロードで上り、 あとは少しだけの山歩きで山頂を目指そうというものである。 身体が重い。忘年会のせいか、それとも先日の能勢連続峠越えサイクリング(レポートなし )のせいか、はたまた近場とあって気合が入っていないせいか、まあ体調が悪いこともある な、などと頭の中で自分を納得させつつ走るうちに中山中筋の交差点。左折して山頂近くま で延々続く住宅地の中の上りに入る。 斜度が緩いなと思ったのは阪急線を過ぎたところまで。すぐに10%程度の上りに変わる。 このくらいの高低差は有馬や豊能の高山まで走る程度なのでいつも経験してはいるが、宅地 開発で作られた道路はクルマの利用しか想定していなく、緩急の変化もなければ景色の変化 もなく、どこまでも続く一本調子の上りに思わず“踊り場”くらい作ってくれよと文句をい いたくなる。 中山桜台2丁目からは住宅地の中を蛇行しながらの上りに変わり、大阪平野の景色が広がり だすとスピードもアップ、最奥の住宅地を抜け、水道施設の裏手の舗装路終点に着く(7時 42分)。えらくしんどかったが実際にヒルクライムをしていたのは20分ほどだ。
住宅地をひたすら上ると山が目の前に現れる ここからハイキング道を行きます

終点から奥にハイキングコースが続いている。冷たい北寄りの風と時折り時雨る中、ロード をデポし、山道を歩き始めれば5分ほどで東尾根稜線コースに合流。そこから3分ほどで中 山最高峰頂上に着く。北の方の山々に雨雲がかかっている。
まずは中山山頂へ

稜線を元に戻り、中山桜台7丁目分岐を過ぎ、天宮塚に向かう。中山寺駅方面への分岐を左 に折れればすぐ天宮塚に着く(8時08分)。地形図のCa440コブ、このコブが麓から 見ると三角錐に見える山である。コミュニティー紙では稜線上の461m標高点を天宮山と しているが、461標高点山は麓からは見えない。
天宮塚です白龍大神も祀られています

塚には「天宮塚」と刻まれた石柱が立っている。聖徳太子がこの地で天神を遥拝し、仲哀天 皇の形見代と如来舎利を埋め、歴代の皇霊を祀ったとい場所で、中山寺では毎年この塚に卒 塔婆を収める行事が取り行われているという。 天宮塚の隣には「白龍大神」と刻まれた石柱も立っており、この塚の横からは大阪平野が一 望できる胸のすくような眺めを楽しむことができる。
大阪平野の眺め
地元紙ではこちらが天宮山とある

眺めをたっぷり楽しんだところで稜線まで戻り、461山に登る。何を作ろうとしているの か腰かけにちょうどいい大きさのコンクリートの土台が数個並べてある。 あまり天気もよくないのでデポ地へ戻る。時計はまだ8時半にもなっていない。いくらお散 歩でもこれでは走った気がしないので、長尾山トンネルを抜け、いつものホームコースを走 り、多田銀山跡まで足を伸ばした。 (本日の走行距離 50km)   織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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