山を駈ける風になれ2000年9月号

8月5日(土) 北摂東半周周回 
  昨日大阪では37.7℃と今年一番の猛暑を記録、今日も暑いという。真夏の日中なんてとても
走れたものじゃない。といわけで今日は表題のコ−スをロ−ドで流し、途中いつも立ち寄る店で
モ−ニングを食べて戻ってくるというお気楽コ−スを行くことにする。5時30分まだ涼しい内に
出発、川西能勢口回りで杉生を通り泉郷峠を目指す。山間の道を行くので殆ど日陰を行くことになる。
泉郷峠への登りに入ったところでマムシが道を横断しているのに出くわした。マムシを見るのは
久しぶりだ。峠を一旦下って天王へ。7時27分まずまずのペ−スだ。福住に向かって一気に下り、
天引峠、八田峠、ひいらぎ峠と連続で峠越えをこなし能勢へ戻ってくる。8時40分、ここを通る
ときはよく立ち寄る店でモ−ニンング休憩。サラダ、ハムにスクランブルエッグが付いている。
ゆっくりと新聞を片手に優雅に休日の朝を過ごす。ここまでコ−スの半分以上は日陰、標高も
そこそこあるのでそれほど暑さは感じない。9時、再び走り出す。あと家までは30km少々、いい
調子で走っているとこんどはシマヘビが体をくねらせながら道を横断中。今日はよくヘビに
出くわす日だ。車に轢かれるなよ、と無言の声をかけ一路南下。一庫ダムを過ぎればもう川西、
さすがに日差しが強くなってきたが、10時30分無事ゴ−ルイン。
       (本日の走行距離 107km)


8月12日(土) 六甲/有馬三山(2.5万図 有馬、宝塚)
今、六甲といえば「フ−テンのクマさん」こと迷走グマの話題で盛り上がっているが、今回の
ツ−リングはクマを見に行こうというものではない。今日明日と予定が建て込んでいて自由に
なるのが今日の朝の内だけということから表記のコ−スになったものだ。いわゆる裏六甲縦走路と
いうやつで、有馬側から登っていくのだが、うまくいけばずっと木陰の中を走れるかも知れない。
5時25分、少しでも早い内にと出発、R176を大多田橋で左折、有馬街道に入る。秀吉が通った頃の
道ではないが、蓬莱峡を左手に見ながらグイグイ登って行く辛い道だ。登り初めから汗が噴出し
スピ−ドダウン、船坂を越える頃には既にバテバテの状態で有馬に入る。温泉街はまだ静寂の中に
眠っている。地図を広げて登山口を確認していると旅館の従業員がやってきて自転車で行くなら
ドライブウエイの方に行かないとだめだよと言う。裏六甲縦走路を走るのだといっても、そんな
ところは自転車で行けない、あれは登山道だ、せめて紅葉谷を登れという。山を走るからマウンテン
バイクなのに、どうも世間の認識がついてきていない。親切だけはありがたく頂戴して旅館総合
案内所の前で水分補給をして登りに備える。6時23分、まずは落葉山を目指す。案内所と兵衛本館の
間にある妙見山道と書かれている石段が登り口だ。落葉山まではずっと階段だといっていた先ほどの
従業員の言葉通り延々「担ぎ」が続く。それでも途中からは西国33ヶ所の石仏が順番に現れる道に
変わり、石仏と眼下に広がって行く有馬の町並みを楽しみながら登ることができる。少し傾斜が緩んだ
ところで、目の前に立派な石段が現れ登ると、そこは妙見堂の建つ落葉山山頂。登り口から20分だ。
お堂の裏に回るとこれから目指す灰形山と湯槽谷山がよく見える。
灰形山を目指して下降に入る。結構乗車したまま下れる。所々狭い険しい道になったりもするが、
よく歩かれている縦走路なので、倒木やヤブに塞がれている普段のコ−スからすれば快調そのものだ。
マムシが寝そべる木の根っこを横切り、急な階段を登り7時08分灰形山の山頂に到着。予定よりえらく
早い。山頂には△は無いものの、W△に似た神戸市のV等多角点のほか界標のようなものが埋まって
いる。じっくり休憩しながら調べようと思ったが、とにかく蚊が多い。少しでも動きを止めると足に
3〜4匹の蚊が止まる。とても耐えられないので先を急ぐ。
灰形山から湯槽谷山との鞍部に至る下降道もまずまずの乗車率である。が、鞍部を過ぎると急登に
入る。ハイカ−のためを思って階段を作ってくれているのだが、大タワから三岳への登りを思わせる
ような段差の大きな階段も現れ、辛い登りを強いられる。救いは直射日光が木々に遮られ涼しいこと、
困るのは止まって休もうとすると蚊が集まってくること。というわけでロクにゆっくりもできないまま
7時47分湯槽谷山山頂に到着。標高801m、気温22℃。台風の影響か東寄りの風が強く、気持ちがいい。

湯槽谷山
有馬三山 湯槽谷山山頂

展望はないが落ち着ける山頂だ。ここでしばし休憩。とりあえず有馬三山制覇、しかしここから極楽 茶屋跡に出る番匠屋畑尾根コ−スはこれまでの道のりほどの長さがある。おまけに湯槽谷峠への下降口 から見る凌雲台(展望台や遊園地のあるところ)は深い谷の彼方に聳えている。 湯槽谷峠への下りはかなりの急降下道である。逆コ−スだったら辛いかも知れない。高尾山方面の 分岐を見送り南東の道を行く。短いが急な階段を登り返せば752.0mW△のあるピ−クに。凌雲台が少し 近くなった。ここから乗車率の高い道がしばらく続く。階段がなければ下りの反動で登り返せるコブは もっと多いだろう。最後に標高差70mの急坂の階段を登る。予定よりもかなり早いのであせることはない。 途中に休憩を挟みながら登り平坦地に出る。少し進めば紅葉谷コ−スと合流、いよいよこのコ−スも 終わりかと思ったらバイクの音が間近に聞こえ東の方に走り去って行く。8時50分極楽茶屋跡のドライブ ウエイに出た。今までずっと木陰の中を進んできたので山上のほうが暑い。極楽茶屋跡でボトルの中の スポ−ツドリンクを飲み干し帰路に着く。 アップダウンの激しいコ−スだったので「足」に余裕はないものの、蚊に急き立てられて「時間」には 余裕があったので極楽茶屋跡から1.3kmほど東へ行ったところにある西お多福山(867m)に寄り道(下から 登ってくるのだったら大変だろうが、上から行くので何の苦労もなしに行ける。山頂付近の森の中では 酸性雨調査のための測量機械がマツの木に取り付けられていた)、一軒茶屋からは阪急逆瀬川駅までまさに 風となってス−パ−ダウンヒルを楽しみ帰り着いた。(本日の走行距離 35km) 8月16日(水) 春日/三春峠周回(2.5万図 宮田、市島) 兵庫県氷上郡春日町と京都府天田郡三和町との境にある三春峠をメインに周辺の峠を周回して戻ってくる コ−スを走ることに。三春峠とは三春駒を連想させるいい名前だ(場所は全然違うが)。全線オンロ−ド なので5時25分ロ−ドで出発。
雲海
雲海かかる 譲葉山〜向山連山

連日35℃を超す猛暑が続くが、早朝に走り出せば結構涼しい。R176を三田、篠山と北上し、7時36分には 早くも栗柄峠に着き春日町への下りに入る。驚いたことに鋸山、三尾山には丹波霧がかかっている。正面の 向山連山も霧の中だ。東中山の交差点を右折、上三井庄から三春峠への登りにかかる。原を過ぎ1kmほど 北に上ったところにある西唐戸というところから本格的な登りが始まる。植林と雑木に覆われた木陰の中を 登って行く林道で傾斜も緩やか、気持ちよく標高を稼げる道だ。眺めもいい。 8時30分、三春峠(Ca450m)に到着。写真を撮りながらも西唐戸から20分という時間で着く。峠には春日町と 三和町の標識が向かい合って立っている。ここで三春峠の名前は両町の頭1字ずつを取って着けた名前で あることに気がつく。追い討ちをかけるように「三春峠」と彫られた記念碑にそのあたりのことが書かれ ている。三和町側に休憩所が設けられている。周辺にはハイキングコ−スもあるようだ。それにしても 全然車に出会わない。林道改修は両町民の悲願であったと書かれてあったが本当なのだろうか?
三春峠
公園風に整備された 三春峠

10分の休憩の後、峠を三和町側に下る。R9出会いの辻まで標高差350mを一気に駆け下る。楽しい下りは あっという間に終わりR9に合流する。Uタ−ンラッシュはまだかR9は意外にもすいている。次は箱部峠 (210m)だ。菟原下で府道710号に入り南下する。ここも山間部を緩やかに登って行く緑陰の道だ。旧西紀町 に入る。峠手前は少し急になるが距離は短く9時22分箱部峠を通過、本郷へ下る。新しいバイパス路が 出来ており、本郷の集落に入る手前を右折すればそのまま鼓峠(332m)への登りにつながっていく。 鼓峠から本郷への下りは何度も経験済みだが逆ル−トは始めてだ。ここの傾斜はわかっているのでじっくり 登るだけだ。日差しも強くなってきた。峠手前に「分水嶺鼓峠光秀古戦場」の立て札。どこにいったのかと 思ったらこちらに移動していたようだ。9時45分なんとか鼓峠をクリア栗柄峠に向かう。2時間少々で栗柄峠に 戻ってきた。思ったほど暑くなく快走できたので予定よりかなり早い。途中で軽食休憩を摂りながら来た 道を戻り、12時30分ゴ−ルイン。     (本日の走行距離 150km) 8月26日(土) 柏原/大新屋峠(2.5万図 柏原)  秋になれば走ろうというコ−ス、計画は目白押しだが、これだけ残暑が厳しいとMTB担いで山に入る気には なれない。朝の涼しい内にロ−ドで走るに限る、というわけで今日もロ−ド。前回に続いてまだ走ったことの ない表記の峠越えをすることに。峠の名前は仮称。丹波悠遊の森から奥野々に抜ける地形図の実線の道である。 地道の林道くさいがその時はその時、と5時30分出発。 寝苦しい熱帯夜だったが外に出てみると爽やかな風が吹いている。いつもの通りR176をひた走り、7時50分柏原 の町外れにある喫茶店でモ−ニング休憩。ここまでずっと薄曇だったので楽勝。20分の休憩の後ちょっとバック して石の大碁盤がある石見神社、新井神社と寄り道。続いて本日のメインコ−スに入る。 悠遊の森の中に入り、池を左手に見ながら簡易舗装路を進むと何と2つ目の池を過ぎた途端に地道の林道に変わっ てしまう。しかたなくロ−ドを「押し」て進むとこんどは1分もしない内に林道の真中が深くえぐれたガレた山道 になる。予想もしなかったロ−ドの「担ぎ」。慎重に歩みを進めて行くとシキミ採りに来たという地元の人に会う。 道のことを尋ねると去年の台風で山道の脇につけてあった側溝が氾濫し、林道自体をえぐりとって流れたのだという。 言われてよく見るとバラスがひいてあった跡や、簡易舗装の跡も断片的に見とめられる。20年以上前は石戸部落の 小学生がこの峠を越えて新井小学校まで通っていたという。何とこの荒れ果てた道はその昔通学路だったのだ。 石戸は山南町側に向かって開けているが、行政区画上は確かに柏原町である。 少しの間一緒に話をしながら登ったが途中で別れ、再びガレた道をロ−ド担いで黙々と登る。植林帯の中をジグザグに 登っていく道は薄暗く、風の通りも悪くたちまち滝のような汗が流れ出す。足元をマムシがするすると通り抜けていく。 このところマムシとのご対面が続いている。8時40分峠に到着。Ca350 何の変哲もない荒れた峠だ。石仏との対面を密かに期待していたのだが…。写真だけ撮って、すぐに下りにかかる。 こちらの方が少し道の荒れ具合はましだ。 途中で「丹波の森公苑」と書かれた分岐が現れる。どうやら「丹波の森公苑」の背後の山にできたハイキングコ−スに つながっているらしい。手入れの行き届いたシングルトラックが続いているが、今日はロ−ドだ。ハイキングコ−スの 整備もいいが、集落をつないでいた道も整備して欲しい。 峠から下ること15分で左手に大きな堰堤が現れる。道はカ−ブしながら堰堤の下に出る。とそこは石戸最奥の家。 道端のススキの中に丹波石の道しるべが立っている。ススキをかき分けて見れば、「右山みち、左石ト山」と読める。 どうも方角が逆である。この謎はすぐに解けた。10mほど下ったところで石戸山からの林道が合流する(地形図の154 標高点)。分岐には土砂が積み上げてある。昔はここに立っていたものを採石作業で動かしたと推測される。 ようやく舗装路が目の前に現れる。後は谷川までいっきの下りだ。9時15分、10分ほどで谷川駅横の観光センタ−に 着くと、冷たい健康茶、丹波の水を頂いて帰路に着いた。 (本日の走行距離 132km)

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