山を駈ける風になれ2011年 10月号
2011年9月10日(土)南丹波/八木〜篠山周回(2.5万図 殿田他)
来週に控えた1泊ツーリングの足慣らしトレーニング。先週は台風の影響で全く走れなかった
ため、やや長めの距離を標記コースの通り半時計回りでゆっくり走ることにする。
5時22分出発。2−3日前までは涼しかったのに熱帯夜の朝となった。出だしこそは快調に
走っていたが、ものの5kmも走らないうちに足が疲れてくる。この歳になると1週間「走り」
をお休みしただけで足の筋肉が衰える。ゆっくり走るのを心がけなくてもゆっくりしか走れな
さそうだ。
それでもまずまずのペースで余野川沿いを余野まで上り切ると(6時26分)、今日の上りは
大半が終了したも同じ。やまあそさんお名前の密かに経営される(?)会社の前を通ると亀岡
盆地までしばらくは快走下りのラクちんタイム。
亀岡方面からのサイクリストが対向車線を上ってくる。挨拶するも返事無し。上りで余裕が無
いのかなあ。
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余野の棚田 |
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亀岡盆地に入ると、東に進みR9へ。ここからはR9を北上、月読橋で東に折れて桂川を渡り、
堤防沿いの道を北上、南丹市(旧八木町)を進む。交通量の少ない平坦な直線路で走りやすい
が足が疲れてきた。まだ40kmちょっとしか走っていないのに。まあもう少し走っていれば
足が回りだすだろう。
この道は地元のサイクリストの練習コースのようで次々とすれ違うが誰も挨拶を返さない。亀
岡のサイクリストは礼儀も知らんのか、と頑固おやじになりかけたらホンマに歳なのかも知れ
ない。
船枝を過ぎると一旦離れていた桂川が道路と並行に流れる景色のいい区間に入る。山間の区間
を抜けるともう旧園部町の中心部だ。腹が減る前に宮町にあるコンビニで本日1回目の軽食タ
イムを摂る(7時59分)。
小腹を満たしたところで再び出発。道路脇の気温表示は26℃と走っていれば暑さを感じない
が、止まると蒸し蒸しと暑い。小金色に色づく稲穂が広がる府道園部能勢線を天引まで走る。
何年ぶりだろう。昔はここをよく走ったものだ。
天引からトンネルを抜けるとホームコースの篠山市域である。風もやや追い風に変わり足も快
調に回りだす。
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収穫始まる竹井地区(園部町) |
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安田(福住)にあるコンビニはもともと休憩ポイントとしてサイクリストの姿が見られるとこ
ろだが、今日はやけに多い。彼らの出発と入れ違いに駐車場に着く(8時52分)。高校生ら
しきグループがまだ残っていて話を聞くと明日の播磨中央公園のレースの選手&大会関係者ら
しい。明日の活躍を祈って一団を見送る。
再び走りだす。安田の大杉の下で休んでいたおじさんサイクリストと挨拶を交わす。80km
を過ぎて足の回転がよくなってきた。筋肉が回転運動を思い出してくれたようだ。細工所から
泉へと走る。泉で水分補給をしていると店のおじさんが出てきていろいろと言葉を交わす。や
っぱり篠山は走っていて気持ちのいいエリアである。
もうここからはいつもの周回路。篠山盆地を西に走り、R176に合流すれば後は道なり。
10時を過ぎると30℃を超える暑さでさすがに足も疲れてきたが、まずまずの走りで正午ま
でには余裕を残して帰宅することができた。
(本日の走行距離140km)
2011年9月24日(土)−25日(日)
但馬/床尾林道〜東床尾山(2.5万図 出石、直見他)
雨で延び延びになっていた今年の1泊ツーリング。今までの悪天を一気に晴らすかのような絶好
の行楽日和の3連休となった。今年も和田山での1泊をベースにルートを策定、昨年に続き林道
を使って但馬地方の名峰を訪れることに決める。
途中までは昨年と同じコ−スなので特別レポートに記すこともないだろうと思っていたが、アク
シデント、トラブル、ハプニングが連発するツーリングとなった。
5時20分、まだ夜明け前の薄暗い中をスタートする。寒い。先週は熱帯夜だったのに今日は一
気に10℃以上も気温が下がって半袖半パンの夏仕様では体が温まるまで我慢が必要だ。おまけ
に運の悪いことに2−3日前から腰痛気味でサドルにまたがっているのもしんどい。
シッティングで重いギアを踏むと腰が痛いので時折りダンシングを混ぜて腰を伸ばしながら赤坂
峠をクリアする。夜半の放射冷却の影響で北六甲台から霧の中に突入する。
三田で霧は晴れたが、市街地を抜けると再び霧の中。道路脇の気温表示は今シ−ズン初の1ケタ
温度、9℃だ。寒いは・腰は痛いは・前は見えないは、の3重苦の走行が続く。
いつも水分補給地点に決めている古市の自販機暖かいドリンクを買おうとしたら、自販機も季節
の変化の早さに対応できておらず総て冷たい飲み物しかない。
篠山盆地に入ると霧は一層深くなる。結局霧が晴れたのは栗柄峠への上りにかかった辺りから。
視界は晴れたが変速機に異常が起こる。フリーホイールのワイヤーの調節具合がよくないようだ。
先月ディレーラー回りを交換したが、ちょっとズレてきたのかも知れない。どこかで調整し直さ
ないといけないが、とりあえず鼓峠を越すまではだましだまし走ることにする。
鼓峠を越える。フロントをアウターに戻しカッ飛んで下る。気が付けば変速異常は収まっている。
このまま兎原へ出、R9を福知山へ。きれいになった駅舎を横目で見ながら、店内に食事スペース
があるコンビニでブランチ休憩をとる(8時55分)。
10分ほど休憩の後登尾トンネルを目指してスタートする。またぞろ変速の調子が怪しくなりは
じめる。どうもフロントをミドル(私の自転車は前3枚)に落すと調子がおかしくなるみたいだ。
総てアウターで上り切れれば問題はないのだが、そういうわけにもいかない。
どうにかこうにか10時前には登り尾トンネルを越え、但東町(豊岡市)に入る。たまごかけご飯
の美味しい店は外まで行列が繋がっている。去年より家を20分遅く出たので半ば諦めていたが、
やはり10時10分では相当待たなければならないようなのでパス。出合市場まで一気に走り抜
ける。
10時28分、出合市場に着く。さてここから今回のメインコース、床尾林道が始まる。当初は
1ヶ月前に走る予定だったので、出合市場にある自販機コ−ナーでペットボトルを何本確保しよ
うかと考えていたが、気温15℃の今日は記念碑のある鞍部までで1本、山頂までで1本の計2
本もあれば十分。去年ここへ辿り着いた時よりも21℃も低いと疲労感も全然違う。
さて床尾林道である。県道56号を1kmほど南下、日殿橋を渡る手前を右に折れたところから
始まる。
いきなり「通行止め」の看板が立っている。しかし微妙に道の左に寄っており、「全然駄目とい
うわけではないよ」と語りかけているように見えるので、そのまま“語りかけ”に甘えて「押し」
て入る(10時40分)。
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床尾林道入口 | 東床尾山が見えてきた |
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涼しいとはいえ、距離7.6km標高差560mの砂利道を歩くのは辛い。30分間隔で展望を
楽しみながら休憩を入れ、1時間40分かかって鞍部手前にある展望台「峰遥」に到着する(1
2時20分)。夏場だったらもっとかかっていただろう。
展望台では単独行のハイカーが弁当をしまいかけるところだった。訊けば鉄鈷山に登って来たと
のこと。和田山側からここまでクルマで来てピストンということらしい。この付近の山はあちこ
ち登っておられるようにお見受けした。
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展望台「峰遥」に着く | ブナの大木がある尾根筋をいく |
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さて自転車をデポし東床尾山への取り付きを探す(12時30分)。背丈ほどもあるススキの間
にそれらしきところがあるが、半袖半パンなのでなるべくススキは遠慮したい。ちょっと横から
崖の斜面をよじ登って稜線に立つ。
踏跡を見つければあとは簡単、いわば一本道である。HPで見たどなたかのレポートには展望台
から所要時間70分とあったが、ゆっくり楽しみながらの時間であろう、43分で山頂に着いた
(13時13分)。
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もうすぐ頂上です(760m付近) | 東床尾山頂です |
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さすが1等三角点の山だけのことはある。360度の大展望が自宅から8時間近くかけてやって
きた疲れを癒してくれる(標石の座り心地もいいが)。すぐ西には西床尾、そして遥か奥には氷
ノ山に連なる山々。東は大江山か。南は肉眼では微かに多紀連山の三嶽も見えている。
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山頂からの展望(西床尾山方面) | 山頂からの展望(有子山と出石方面)
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しばらく絶景を楽しむ。少し雲が出ておりじっとしていると肌寒い。十分に景色を目に焼き付け
たところで下山にかかる。展望台には14時前に戻り、再び支度を整えて和田山側への下山にか
かる。
和田山町側に入ると突然見違えるような舗装路に変わる。カッ飛んで下るのは勿体ないので、ゆ
っくり下っていく。糸井の大カツラへの分岐辺りで簡易舗装路に変わるが、引き続き調子よく下
れる。どんどん下るほどに傾斜も緩くなり、集落が現れ出す。それでも下り基調なので快調だ。
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和田山町側に入るとご覧の通りの快適な舗装路に |
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けたたましいサイレンを鳴らしながら消防車が追い抜いていく。とあちこちから何事だろうと村
の人達が道の方へ出てくる。平和な村だということがわかる。われわれ都会人は消防車のサイレ
ンなんか日常茶飯事で、誰も関心を示さない。上空に報道陣のヘリが旋回し始めて何か事件があ
ったのかなという程度だ。
そんなことを思いながらふとハンドルバーに目をやると5cmくらいの小さなムカデが指に乗り
移ろうとしている。指ではじく。左後方に消え去っていく。
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竹内隕石落下の地の碑 |
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突然、「竹内隕石落下の地の碑(隕石落下日本第1号の地)こちら」という案内が現れる。予定
よりかなり早く宿泊の予約をしている和田山のホテルに着くので立ち寄る。
碑文を読むと明治13年2月18日、この地に隕石が落下、その落下の衝撃で起こった光が大阪
・京都からも見えたという。(落下した隕石の重さは0.7kg。できた穴は直径5mだったら
しい)
寄り道をしたといっても道路から50mほど離れたところへ行っただけなので、15時前には宿
に着いてしまった。
(本日の走行距離 147km)
翌25日、2日目は深い霧の朝を迎える。夜明けの時間を迎えても和田山の街は薄暗い。コンビニ
で朝食を摂り5時50分帰路へのスタートを切る。気温13℃、矢名瀬の集落は幻想的な風景の中
に眠っている。こんな日は“天空の城”は見事な姿をみせてくれることだろう。だがそんなことに
気付いたのは遠阪峠もほぼ上り終えた辺り。今更この峠を戻るのはしんどい。
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遠阪峠 |
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丹波に入るともっと霧が深いかと覚悟していたら意外や青垣町は全く霧が出ていない。コ−ナーを
攻めまくって一気に峠を下る。もうこのあとは上りらしい上りはない。
後ろからトラックが一台追い抜いていく。竹田家具のトラックだ。サンテレビ・エリアしかわから
ないおかしさ。日曜の朝7時前なのにもう仕事しているの?
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柏原方面雲海発見 |
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青垣から氷上、山南町和田へと続く県道はほぼフラットな快走路である。遥か前方高見城山方面に
雲海の気配。結局雲海を避けて走るような形で谷川駅に着き、丹波大山方面に向かう県道77号に
入る(7時55分)。
下滝を過ぎ、恐竜化石発見場所見学用の駐車場分岐を越えた辺りで「県道77号、大雨」の電光表示。
「え?!」
一瞬身構えるも対向車のフロントガラスに水滴が付いてる様子もなく、結局雨には遭わず大山の交
差点を通過する。
今度は車イス・マラソン通行止めの看板が現れる。
「あ、今日か」
9時になるとコースに当たっている道路は封鎖される。道路封鎖まで15分、篠山市内をつっ切れ
るか。なんとか5分残して篠山口駅南の交差点からR176へ出る。
三田方面に南下するに従って南東風が強くなる。今回のツーリングは退屈しないで面白い。途中千
丈寺湖岸を走ったりしながら11時06分なんとか家に帰りついた。
(本日の走行距離113km)(今回の走行距離合計260km)
織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。
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