山を駈ける風になれ2012年 1月号

 
2011年12月17日(土)京都丹波/八木〜園部周回(2.5万図 殿田・園部他)
最近、週末になると寒波がやってくる。先週は寒さ慣らしの走りをしたが、足が回らず全く走れな
かった。まあ毎年寒波初襲来時の走りはそうなのだが・・・。さて今日はどうだろう。今冬一番の
寒気が南下するという。京都南部には雪マークの予報も出ている。ま、“雪見走り”と気楽に構え
るのがいいかも知れない。 

6時45分出発。天気はいいが西寄りの強い風が吹いている。この調子だと前半戦はどこまでも追
い風で走れそうだ。というわけでまずは川西能勢口駅前を更に東へ。木部でR423に乗って余野
方面に向かう。
木部の時点で気温0℃の表示、止々呂美−1℃、金石橋−2℃と標高を上げるにつれて道路脇の気
温表示は下がっていく。先週の「寒さ慣らし」の効果か、追い風ということもあってこの気温にし
てはいいペースで余野に着く。水分補給を摂り更に標高を上げて亀岡市に入り、長い下りで亀岡盆
地に入る。

進行方向前方の京都愛宕山方面は雪雲に覆われている。交差点を左折してR9を北上、月読橋を渡
って桂川堤防沿いの道を北上するコースは先月、園部の天神山に登った時と同じ。ただ違っている
のは堤防の東側に広がる集落の屋根に雪が積もっていることである。
路面もさきほどまで吹雪いていた形跡が残っている。ただ雪雲は去って青空が広がり始めている。
走り的にはありがたいが、写真的にはこの冬初の吹雪く中の走行も撮りたいところ。
うっすら雪の積もる諸木山

気温は依然0℃前後ながら日が差すと暖かい。北上するにつれて雪の形跡も無くなりいつもの冬の 走りに変わる。幸いなことに風はほぼ無風になる。平坦地の走りの連続に退屈してきたので園部中 心部にあるコンビニで軽食休憩(9時25分)。といいながらしっかりトンカツ弁当を食べる。 ブランチで717キロカロリーも摂取したら、しっかり消費しなければならない。10分後には再 スタートを切って船阪へ。いつもはその前を通過するだけの九品寺に立寄る。道路沿いからでも三 十六歌仙の寺とか何とか書いてあるのは見えるが、印象深い山門と可愛い仁王像を見ているうちに すっかりそっちの方は忘れて寺を後にする。
うっすら雪の積もる諸木山

風は北寄りに変わり、またしても追い風基調の走りが続く。周回しているのに追い風基調が続くこ とは滅多にないことでありがたいが、ともすればペース配分を乱しそうになる。背中を押されるよ うにして柊峠を越えたと思ったら向い風に変わる。 摂津と丹波では風向きまで違うようだ。全般に道は下り基調なので向い風でもなんとかやり過ごせ る。一庫まで戻ってくるとサイクリストの姿がグンと増える。 一昔前なら12月の中旬を過ぎると自転車に乗っている人はまず見かけなかった。それだけ自転車 愛好家が増えているということか。最近町中では自転車が絡む事故が急増していると報道されるこ とが多くなった。いい意味でも悪い意味でも注目されることの多くなった自転車。われわれのよう な人間がお手本を示していかなければならない。ちょっと背筋を伸ばして走るとするか・・・。      (本日の走行距離114km) 2011年12月23日(金)北摂/杉生新田雪景色(2.5万図 福住) 3週続けての週末寒波。しかもクリスマスに向けてどんどん寒気が南下してくるという。では今日 走るのが一番まし、ということか。先週に続いて園部方面へ、今日は未踏のヤブ山に登ることに決 め6時51分自宅を出る。 西寄りの強い風が吹いている。思ったほど寒くない。追い風ということもあって快調に川西池田経 由で県道を北上する。 徐々に向い風が強くなりスピードが落ちてくる。広根を過ぎたあたりからちらちら白いものが舞い 始める。杉生を過ぎると白いものは道路脇にも現れ、降りもしっかりと・・・。園部は諦める。 8時30分、杉生新田で休憩。雪を払い落し、再び自転車に跨る。泉郷峠への上りは完全に雪化粧。 気温が低くない(0℃)ので路面に雪は無い。左手の植林のクリスマスツリーを、右手に冬枯れの 雑木林の雪景色を見ながらの上りは、辛い人には辛く、楽しめる人には楽しく映る。
左手は立ち並ぶクリスマス・ツリー右手は雑木林の雪景色

  泉郷峠を越えると路面にも雪が現れるのはいつものこと。気持ちよく下って籠坊温泉へ。老舗旅館 だった『羽束の湯』が取り壊され、地ならしの工事をやっている。2週間前通りかかった時、建物 を壊し始めているところだったが、もう跡かたも無い。 95年12月に自転車仲間2人と『羽束の湯』に泊り、3人でぼたん鍋を食べたこと、雪の弥十郎 (ケ嶽)から旅館に着いた時はトレッキングシューズの中までぐっしょりで、ボイラー室の中に靴 を並べさせてもらったこと、女将さんからいろんな話を(ここは源泉から引いているので有馬同様 赤茶色に濁っていること等)聞いたことが思い出される。 あの頃の積雪はこんな半端なもんじゃなかった。今はロードで走れるのだから温暖化が進んでいる ということの証拠なのだろう。 一面の雪景色も後川あたりまで下ってくるとすっかり姿を消し、大船山を正面に見る頃には太陽が 顔を覗かせ始める。風は追い風基調に変わり、調子よく走っているうちにもう万善(10時10分)。 コンビニに立ち寄り軽食休憩タイムとする。 郵便配達の人がやってきて話をする。以前は同好の士であったようだ。三田・能勢方面のルートを 紹介しても、さすがに職業柄よくご存知だ。情報交換をして別れる。 10時半を回り暖かくなってくると対向車線を走るサイクリスト達の姿が増えてきた。100km 程度の時は、昼までに走り終えて、「ちょこっと昼寝」の至福の時を過ごしたい自分には考えられ ない時間帯の走りだしだが、待ち合わせて集団で、となるとそうもいかないのだろう。 さあ、帰って昼寝をしよう・・・。      (本日の走行距離100km) 2011年12月30日(金)北摂/才の神峠〜仁部W△(2.5万図 木津) 2011年の走り納めはやっぱりホームグラウンド、北摂の里山を巡りたい。そういうわけで久し ぶりに才の神峠から竜王山の南にある点名「仁部」(387m)を訪ねて今年を締めくくることに する。  6時51分、夜が白んで来たところでスタート。若干曇っている分、寒さは感じない。それでも県 道を北上、多田を過ぎる頃から雪が舞い始める。屏風岩で右に折れ、三草山を見ながら北上すると やがて仁部の集落に。 雪が強くなる。枝に残ったわずかな柿が寒々しい。ようやくの思いで植林帯の中へ逃げ込めば懐か しい才の神峠(8時20分)。寛文10年(1670年)の銘がある道標を拝むのも久しぶりだ。
雪が舞う仁部の谷才の神峠

  さて、才の神峠から南西に延びる林道を行く。実はこの林道を走るのは初めてである。これぞ北摂、 といった林道で幅広のタイヤを履けばシクロクロスよろしく走れる。ちょっと道が荒れてきたとこ ろで下り、ゆっくり押して行くと南に延びる尾根の入口が現れる。
これぞ北摂の道(背後は三草山)麗しの小径

  しっかりと歩かれた道でまさに極上のMTBコース。入口から5分ほどで4等三角点が埋まるコブ に着く(8時50分)。点名「仁部」387.0mである。樹木に覆われて展望は利かないが、大 きな石が山頂付近に散在し、いい雰囲気を醸し出している。
点名「仁部」山頂長谷、棚田の冬景色

  南南東に踏跡を求めたがどうやらここまでのようである。才の神峠まで戻る(9時10分)。来年 のツーリングの安全祈願を兼ねて竜王山にも登る予定だったが、生憎時間が無いので辰年になって から、ということで長谷側へ下って今西から中山峠を越えて杉生回りで帰ることにする。 長谷に出ると雪も上がり晴れ間が広がってきた。うっすらと雪を頂いた剣尾山が眩しい。日差しは 暖かだが風は冷たい。 今年も無事ツーリングを楽しむことができた。また来年も元気で走り回れるようにと能勢の山々に 挨拶しながら帰路についた。      (本日の走行距離 75km) 織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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