山を駈ける風になれ2012年 2月号

 
2012年1月8日(日)春日/圓行寺+多田行者山(2.5万図 黒井)
正月3ガ日で増えた体重を早めに戻すには距離を走るに限る。3連休中篠山以北も天気が安定して
いるとの予報に標記の場所を訪ねることにする。多田行者山は丹波市在住で地元の山に精通してお
られる“たぬき”さんのレポートを通して知った山。登山口からすぐに山頂に立てて、積雪もなさ
そう。LSDトレーニングがてら走るにはちょうどよさそうだ。 

6時53分スタート。R176を北上する。赤坂峠の気温0℃。晴れている割には冷え込んでおら
ず既に汗だくの状態。無風というおあつらえ向きの条件に、スパートをかけたり、ゆっくり走った
りしながらいつもより遅めで最初の水分補給ポイント古市に着く。
天気がすっきりしない。北の方の空は更にどんよりしている。更に北上を続け栗柄峠に(9時10
分)。ようやく雲の合間に青空がのぞき始めるが、春日町側に下るとまた鉛色の空の下の走行とな
る。
栗柄峠、春日町側の下り東中交差点手前より五台山?

  融雪剤が撒かれているので道自体は凍ってはいないが、道路脇の雪の塊から融け出した水が凍って いるので慎重に下り、野村・七日市と走って多田の圓行寺に到着(9時47分)。ここは城山の登 山口の一つでもあり、地元の方が登山道をきれいに整備されている。天気も悪いし時間も押し気味 なので少しだけ登って下山、多田行者山の登り口に移動する。
行者山登山口

「行者山登山口」と大書された登り口は、植栽と庭石、小さなお地蔵さまなどが配置され、ちょっ としたお寺の庭のような雰囲気に作られている。が、門をくぐるとすぐにシカ除けフェンスが張り 巡らされたいつものヤブ山に戻る。 フェンスの傍に自転車をデポし、扉を開けようとレバーに手をかける。動かない。え?錆ついてい るのか。両手を使って持ち上げるようにしても動かない。仕方なく少しお行儀は悪いが、足で軽く 蹴るとレバーが回って扉が開いたので中に入る。 はっきりとした踏跡があるわけではないが、ところどころ伐採整備されており、また黄色い荷造り ヒモの目印もあって10分ほどで頂上部に着く(10時18分)。
役行者が祀られている祠多紀連山の大展望

  中央に石組の祠があり、中に役行者が祀られている。東から南に胸のすくような展望が開けている。 しばし西ケ岳、鋸山、三尾山、黒頭峰等うっすらと雪化粧の多紀連山の山々を眺める 頂上部から北西の方に歩けるようであるが、予報に反して天気もあまりよくないようなので下山す る。緩く掛けた筈のフェンス扉のレバーがまた開かない。どうにも相性が悪いらしい。反対側なの で足を使うわけにもいかず、結局フェンスを乗り越える。 10時40分。腹がすいてきた。晴れ間を求めて篠山のコンビニまで戻って軽食を摂ることにする。 今日は完全な折り返しコース。栗柄峠まで戻ってくると太陽の日差しが。風も追い風気味でペース アップ。前半抑えていたこともあり、新年早々にしてはえらく速いペースの復路となった。        (本日の走行距離141km) 2012年1月14日(土)北摂/才の神峠〜中山峠回り、干支の山巡り (2.5万図 木津、武田尾) 正月の〆飾りが取れる前に干支の山を登っておこうと昨年末にプランをしていた能勢(長谷)の竜 王山を訪ねることにする。 6時55分、薄暗い中をスタートする。天気予報に反してどんより曇っている。その分冷え込みは きつくない。いつものように川西能勢口回りで県道を北上、屏風岩の先で右折、仁部方面に向かう。 頭の中を「タルカス」のメロディーが流れる。まさか40年の時を超えてEL&Pの曲が「大河ド ラマ」で聴けるなんて思わなかった。タルカス・パワー? 年末に走った時よりも上れる。 仁部の集落を過ぎるときつい上りに。どんよりとした冬空から細かな雪が降ってくるのは年末と同 じ。8時25分才の神峠に着く。クルマが一台停まっている。三草山登山者か。一息つく間もなく 北へ下り始める。細かな雪が降り続く。剣尾山方面はもう白くなって見えない。 調子よく下っていると気が付けば竜王山への登り口になる八坂神社分岐を過ぎてしまっている。こ の雪の中戻るのも面倒くさいので、他の竜王山に登る事に変更する。 神山経由で今西まで下り、中山峠を越えて杉生へ下る。中山峠の下り、変電所の前辺りで、北摂ラ リーの一団とすれ違う。今年も牛の子山周辺のシングルトラックを走るのかな。まだスタート直後 なので、それほどバラつきもなく走っている。 杉生について、休憩をしながら行き先を検討、西谷地区の2つの竜王山に登ることに決め、リスタ ート(9時01分)。 ようやく薄日が差し始める。あまり気温が上がらず寒い。笹尾峠の上りで体を温め、上佐曽利から 南下して境野へ。西谷の森公園に着く(9時37分)。公園入口から一番奥に見えている布見竜王 山(368m)を登る。 この山にはまだ公園が整備される前の2004年にMTBで訪れている。里山公園として整備され てしまった今となってはMTBで走ることも出来なくなったが、どのように整備されたのかも見て おきたいという気持ちをずっと持っていた。 池の畔にロードをデポして池の西側から黒岩展望台を目指す。朝から峠越えの繰り返しをしてきた 身には整備された階段はしんどい。それでも15分ほどで312コブに着くと展望台は指呼の間。 元気よく踏み出せば何と“馬が背”と呼ばれる1枚岩の巨岩の背に支柱が埋め込まれロープが張ら れている。
312コブから黒岩展望台馬の背に転落防止ロープは必要?

  ここまで安全策を講じる必要性はあるのだろうか。溜池の周囲にフェンスが張り巡らされていなか ったからとの理由で管理責任者が訴えられるご時世ではあるが、露岩に転落防止策が無かったから 落ちた責任を、と管理者に訴える前に己の未熟な技術と体力を恥じるべきであろう。 こんなことをしていたらそのうちハイキングコースの危険個所には警備員を立てないといけないこ とになるかも知れない。おかしな国になったものだ。8年前この岩を巨鯨の背に見立て、MTBに 乗ってクリアした者としては、鯨の背に銛が打ち込まれているようで痛々しく見えてならない。も う2度と訪れることは無いだろう。
展望台から布見竜王山

黒岩展望台で展望を確認した後、布見竜王山に向かう。「コース外」と書かれた看板の横を過ぎる と、いつもの里山歩きの世界に戻る。展望台から5分ほどで布見竜王山の山頂に着く(10時07 分)。
布見竜王山山頂の祠

山頂にはビニールの波板に保護された祠が祀られている。雨乞いの祠に向かって今年のツーリング の祈願をする。正しい参道は北側から上ってきている一度正式ルートで登らねばならない。北道を 引き返す。途中で1組のハイカーに会う。干支の山ということで登っておられるとのこと。 池の東側の尾根を辿って公園管理棟に戻る。自転車を回収して次の竜王山に向かう。次は長谷竜王 山(279m)である。 実は長谷へ向かう途中の大原野にも竜王山(365.6m)がある。布見ケ岳の北にも波豆竜王山 がある。この狭い西谷地区に竜王山と名の付く山が4座もあるのは、いかにこの地が水の確保に苦 しんでいたかを伺わせる証でもある。 長谷竜王山は去年に続いて2度目の訪問。民家の裏手から参道を登ること5分で祠が祀られている 山頂の境内に着く(10時55分)。小さな祠にお参りして山を下りる。
長谷竜王山の祠

帰路につく。万善へ下る道でゼッケンの付いたMTBに乗る2人組とすれ違う。この辺もコースに なっているのか? ちょっと訊いてくれればアドバイスできたかもしれない。 11時を回った。腹が減った。万善の交差点にあるコンビニに立ち寄る。北摂ラリーのスタッフが 2人チェックをしている。声をかけると明るく楽しそうな声が返ってきた。彼らを見送り軽食補給 タイムを摂る。 道をロードにまたがったサイクリスト2人組が結構なスピードで走り去って行く。さて彼らを追う か。        (本日の走行距離 87km) 織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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