山を駈ける風になれ2012年 7月号
2012年6月10日(日)北摂/西半周周回トレーニング(2.5万図 福住他)
昨日梅雨入りをした近畿地方。梅雨入り宣言翌日は雨が降らない、という勝手なジンクスを作って
いつものトレーニング・コースを走る。この時季、正直晴れは期待薄。雨が降らなければよしとし
ようというくらいの気持ちで走るのがちょうどよい。
5時06分自宅をスタートする。特段早くも遅くもないスピードで川西能勢口から県道を北上、杉
生で水分補給休憩を摂るのはいつもと同じ。
水分補給の後、更に県道を北上する。と前方道路中央に茶色い大きな塊が横たわっている。イノシ
シだ。この道を走って20年になるが初めての経験。2車線路の真ん中でイノシシが転がっている
なんて何てワイルドなトレーニングコースだろう。
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瑞々しい緑の海がホームコースです |
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杉生新田から泉郷峠を越え、能勢の天王に向かう道は、いつ走っても緑いっぱいの気持ちのいいコ
ースだが、雨の多いこの時季は特に緑が濃さを増し、幾重にも重なる海のようで、体に沁み透るよ
うな感覚を覚える。トレーニングコースといいながら、心の垢を落とせるコースといった方がいい
かも知れない。
そんなことを思いながら、はらがたわ峠で折り返し、コース後半戦は下り基調。籠坊−木器回りで
帰路についた。
(本日の走行距離106km)
2012年6月23日(土)−24日(日)
北近畿/三峠山〜西舞鶴(2.5万図 和知他)
梅雨の晴れ間を狙っての1泊ツーリング。目指すは京都丹波、旧和知町の名峰三峠山。今から17
年前の95年、MTBで北近畿をぐるっとワンデー・ツーリングした時にその姿を拝んで以来、い
つかは訪れてみたいと思っていた山である。
とはいえ、自走で三峠山に登るとなると日帰りでは無理。林道を利用して山頂を目指す時間短縮策
を取っても登山口までどれくらいかかるのかわからない。去年秋に質美街道を走っておおよそのタ
イムスケジュールを策定し、宿泊地を西舞鶴に決めて本格的に暑くなる前の6月を決行の時と決め
て待つ。
午前5時、自宅を出発。R176回りで篠山まで走り、鼓峠−鎌谷奥と走り継いで水原でR9に合
流、R173と交差する和田にあるコンビニで軽食休憩を摂る(8時02分)。ここまでずっと曇
空だが、雨が降る心配は無さそう。
ひと息ついたところで再び出発。R173を保井谷で右折、峠を越えて下山からR27を走り、和
知トンネルの手前を左折、金刀比羅橋に着く(9時02分)。
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金刀比羅橋を渡って林道入口へ | 林道起点の標識 |
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三峠山の林道入口はこの橋を渡って由良川左岸の道を1.2kmほど行ったところ。驚いて一目散
に走り去るキツネの後を追うように進むと錆びた欄干のある橋に着く。山頂に向かう林道はこの橋
の手前を左だ。最悪全線未舗装路を覚悟していたが、取りあえず上り口は簡易舗装されている。
さて、行けるところまで乗っていってみよう。とロードに跨ったはいいが、いきなりの激坂にすぐ
に足が売り切れる。舗装路なのに押して進む。いや、途中からは押して歩いてもしんどい急坂にな
る。わが家の近くの斜度15%の坂の比ではない。
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ようやく傾斜が落ち着きました |
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林道入口から1kmほど行ったところでようやく傾斜が落ち着く。地形図を広げて確認する。標高
差160mを上ったことになる。平均斜度16%、部分的には20%を軽く超えているということ
か。道理で・・・。
こんなとんでもない坂も標高300mを越えたあたりから快適な山道に変わる。連続して乗車でき
るようになる。このまま舗装路で距離と時間を稼いでいきたいという思いとは裏腹に、林道入口か
ら3.1km、道が大きく右へヘアピン気味にカーブするところで舗装路終了・・・。
皮肉なことにここからは下りもある平坦路が始まる。が、ロードなので乗れない。押して進む。
前方からバイクの音と共に5人組のライダーが現れる。ロードを押して歩く人間が奇異に映ったか
も知れないが、挨拶をして通り過ぎて行く。
林道を歩くこと1時間が過ぎた。ちょうど5km進んだ。去年8月の一泊ツーリング床尾林道は和
田山町側が全線舗装路と判っていたので「押し」も我慢できたが、今日はこの先舗装路が現れる保
証はどこにもない。
そんなことを考えながら歩いていると前方に高低差30mくらいの森が現れ、林道がやがて北に振
り始める。どうやらこのコブが三峠山山頂らしい。地形図を広げて確認する。登り口を探して進む
と山の斜面に赤いテープを巻いた箇所を発見。稜線の東側から登ろうと考えていたが、どうやら行
き過ぎていたようだ。
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ここから山頂を目指します | 意外と登頂標が少ない三峠山山頂 |
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自転車を登り口の斜面にたてかけ、ヤブの途切れた間から山の中に入る。頂上部を目指して密生す
るクロモジの林をかきわけ、足元に隠れる倒木を乗り越えて山頂部に飛び出す。植林に覆われた中
央部に2等三角点が埋まっている。10時30分、三峠山山頂(667.8m)に立つ。
残念ながら展望は皆無である。有名な山の割に登頂標が少ない。林道から5分で山頂に立てるので
ハイカーには魅力が無いのだろうか。林道からすぐに山頂に立てるという点では、4年前に登った
郷路山に似ている。
2等三角点にタッチをして林道に戻る。林道入口からここまで5.8km。林道は西の草尾峠の方
に続いているが、延々「押し」では時間が読めないので、元来た道を戻る。林道入口には11時3
2分に下り着く。
ツーリング再開。道の駅手前でR27に合流、昼食休憩を綾部と決めて西へ走る。この道を西に向
かって走るのは初めて。下り基調なので快適に走れる。市街地に近づけばもう丹波大橋、R27は
綾部市の中心部を北へと方向を転じる。日差しが出て暑くなってきた。
そろそろ腹が減ってきたが意外にも国道沿いにコンビニが無い。ようやく1軒のコンビニを見つけ、
食糧補給を摂る(12時25分)。
10分ほど休憩を摂り、本日の宿泊予定地西舞鶴に向かって走る。道路標識で現れる舞鶴までの残
り距離と実際の残り距離が7kmほど違う。舞鶴市域へ入る手前になって道路標識は東舞鶴までの
距離であることに気が付く。
そんな残り距離の計算ミスもあって予定より大幅に早い13時15分に西舞鶴駅前に着く。宿泊予
定のホテルのチェックインは15時。あまり時間潰しにはならないが、日本で4番目に短いR17
7を端から端まで走ることにする。
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今日の宿泊地、西舞鶴に到着 | 大手交差点、R177は直進 |
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とはいっても全長700mほどの国道である。14年前、東舞鶴に向かう時に半分ほど走ったこと
があるが、その時は“半分も”走っているとは知らず、今回残りの半分を走ってR177完走を達
成しようという・・・ほど大したことではないのだが・・・。
大手交差点。ここはR177の終点である。信号待ちの間に終点の写真を撮り、北に直進R177
に進む。他のクルマはみんな左右のR27かR175に散って、誰もR177に入って来ない。
すぐに国道を現す「逆おにぎり」型の標識が現れる。結局「177」と書かれた「逆おにぎり」型
標識はこれ1枚。「貴重な」標識であることに加え、真横に「R177」という名前の付いたコー
ポの看板まであるということで、ある意味マニアックな写真になる。
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唯一の国道標識?! | 舞鶴港。手前の漁協分岐がR177の起点 |
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道は緩やかに左カーブし、すぐに起点の漁連(京都府漁連)分岐に達し、起点を越えて港の突端に
着く(13時30分)。この間わずか数分。
漁連の建物に人影は見えない。倉庫の上に留まっている鳶の鳴き声が長閑な昼下がりを演出してい
る。適当に時間潰しをしてホテルにチェックインする。
翌朝。ホテルの人に用意してもらった“朝食セット”を頬張り出発する(5時31分)。気温14
℃は涼しく快適。なるべく周回となるようルートを決め、大手交差点を左折しR175を走って滝
尻峠を越え、大川橋手前を左折して由良川右岸を福知山方面へ走る。
北風が強かった昨日と変わって今朝は無風、霧が立ち込める幻想的な中を一路南下する。霧がよう
やく晴れだした頃、福知山市街地に繋がる音無瀬橋に到着する(6時48分)。地元の女性サイク
リストから元気のいい挨拶を受ける。朝から気持ちがいい。
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福知山まで戻ってきました |
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橋から福知山城が見えるのに気付く。何度も通っている橋なのに新たな発見があるのが面白い。今
回の1泊ツーリングもあと残すところ85km少々。
塩津峠を越すとホームグラウンドの兵庫丹波。残り距離を惜しみながらの走りが続く。意外なこと
に足に疲労感が無いので栗柄峠への上りも快調だ。きっと気温が高くないからかも知れない。行き
に使ったR176をなるべく使わないルートを選びながら走っても日曜の朝は交通量が少ないので
いいペースで走れ、帰り着いたらちょうど11時だった。
(今回の総走行距離268km)
織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。
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