山を駈ける風になれ2012年 9月号
2012年8月18日(土)南丹/文覚池〜新庄城址(2.5万図 殿田)
少しく収まっていた猛暑が昨日あたりからまた復活し始めた。今日もまだ登ったことが無い超低山を
登りに行くとしよう。
というわけで選んだのが掲題の新庄城址(Ca230m)。旧京都府船井郡八木町、JR吉富駅の北
東約2kmにある小高い丘のような山ながら地形図にも「城山」と名前が記載されているれっきとし
た山である。
その名のとおり山の上には中世井上氏の居城があったということで、取り付きを東麓の文覚池と決め
て午前5時18分出発する。
早朝から蒸し暑い。5時過ぎだというのに気温は27℃以上ある。走っていても朝の爽快感がない。
猪名川を渡りR423に入る頃からようやく涼しくなり始める。出発からちょうど1時間で余野。こ
こまで標高を稼いでくると気温も22℃まで下がり、亀岡盆地に下り着くまでは極楽の快走区間が続く。
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霧が晴れる(後方の山は朝日山か) |
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幸いなことに亀岡盆地も朝曇基調。それほど暑さを感じないうちに室橋から文覚堂の横を通り、文覚
池に着く(7時34分)。朝の出勤時間なのだろうか、文覚池の南側にある工場に向かうクルマの列
に驚く。
文覚池の北東隅に立つと池の畔に池の由来を記した石板がある。要するに寺領見廻りでこの地を訪れ
た文覚上人が水不足に苦しむ村人に、溜池を造ることを提案、自ら指揮を取って作ったのがこの文覚
池ということである。
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文覚池畔の怖い顔をした蛙の像 |
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石板の上にはちょっとおっかない顔つきの蛙の像が乗っかっている。肉眼で見ると赤い眼が光って見
えるから不思議だ。蛙の姿をした竜神だろうか。
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前方の小山が新庄城址 |
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それはさておき、城山である。土手の正面に二つのコブを突き上げている。右が本丸のあった最高峰、
左が南丸のあった三角点が埋まっている南峰である。土手を直進、農作業小屋の横を抜けるとシカ除
けのフェンス。扉を開けて中に入る(7時43分)。
しっかりとした踏跡が続いている。時季柄ジョロウグモの大きな巣が数メートルおきに現れる煩わし
さを除けば快適に歩を進めることができ、7−8分で本丸の東肩に出、そこから1分で本丸である
(7時52分)。
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本丸に立つ説明板 | 結構広い本丸址 |
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本丸跡には平成5年3月に地元の小学生が卒業記念に作った新庄城址の説明板が立っている。丹波の
小守護代井上冶部の居城であった事、南北300mに及ぶ城郭があった事、亀岡の城山の主、内籐氏
の配下だった事などが簡潔に纏められている。
本丸でゆっくりしたかったが、蚊の大群に取り囲まれ、写真もそこそこ、南丸にも行かずに早々に退
散する。
文覚池の畔に出てくると雲に隠れていた太陽が辺りを照らし始める。暑くならないうちにどこまで走
れるだろうか。例のユニークなネーミングで一躍有名になった豆腐屋さんの工場の前を通り、吉富か
ら園部へ。
園部でエネルギー補給の後はいつもの周回コース。いつもより気持ちゆっくり目の省エネ走行で帰路
についた。
(本日の走行距離114km)
2012年8月25日(土)〜9月1日(土)イタリアの5都市を巡る
夏休みを取ってイタリアの5都市を巡ってきました。名画鑑賞ツアーなのでサイクリングはしていま
せん。とはいえイタリアといえば自転車。ジロ・ディ・イタリアを筆頭に自転車ロードレースは数えき
れず、プロの選手層が厚い国。加えて有名どころの自転車工房は殆どがイタリアにあるという事情もあ
ってとっても楽しみ。
旅の途中で見つけた自転車関連の写真を中心に紹介します。(ジロ・ディ・イタリアのレースの写真は
「サイクリングタイム」のフォトグラフィックスを使用させて頂きました)
1.ミラノ(8月26日)
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DUOMO(ミラノ大聖堂) |
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DUOMO広場 |
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2011GIRO最終ステージ |
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ツール・ド・フランスと並び称される自転車ロードレースの最高峰ジロ・ディ・イタリア。ツールの
ゴールがパリ、シャンゼリゼなら、ジロのゴ−ルはここ、ミラノのドゥオモ広場。何しろ完成まで50
0年以上もかかったというのだから、ちょっと日本人とは時間軸のスケールが違う。
ドゥオモの中も凄かったが、最終ステージの舞台となる広場に立てたのは感激。ロードレーサーで広
場を訪れている人もいたりしてきっと同じ思いでやって来ているのだろう。広場の石畳は結構でこぼこ。
ここを50km/h以上のスピードで駆け抜けるのだからさすがにプロは凄い。
2.ベネツイア(8月27日)
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サンマルコ広場の大鐘楼 | ガゼッタ紙 |
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前日ベネツィアでは20年ぶりの暴風雨に見舞われたとかで今朝は一転して雲一つない晴天。安物の
デジカメなのに何を撮っても絵葉書のように綺麗に撮れるというプロ泣かせ?状態。
午前中ベネツィア観光を楽しみ、明日の観光地であるフィレンツェに向かう途中、ボローニャ郊外の
ドライブインに立ち寄った時に買ったのが、このガゼッタ紙。
ジロがガゼッタ紙の販促の催しとして始まったことは周知のところ。総合首位のリーダージャージの
マリア・ローザもガゼッタ紙がピンク色の紙面を使っていることによる。とはいえ、この時季イタリア
国内で大きな自転車レ−スが開催されていないこともあって、自転車ロードレースに割かれたのは1ペ
ージだけ。ちょっと寂しい気もしたが、フィリップ・ジルベールとホアキン・ロドリゲスが握手しなが
らゴールする写真が大きく載っているヴエルタの第7ステージの記事を思わず食い入って見てしまった。
ちなみにガゼッタ紙、お値段は1ユーロ20セント。
3.フィレンツェ(8月28日)
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フィレンツェの街並 |
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フィレンツェの紋章入りのマンホールの蓋 |
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フィレンツェもよくジロのコースに組み込まれる街である。ミケランジェロ広場から見た街並は中世に
時間が逆戻りしたかのような見事さ。絵になる街だけにコースによく登場するのも当たり前。石畳の上
の散策も3日目となると足首が疲れてくる。
下を向いて歩いていたら見つけたのが花を象ったフィレンツェの紋章が入ったマンホールの絵柄蓋。『
フィレンツェ』という街の名前は『フィオレンティーナ』、「花」という意味の言葉から来ているそう
だ。ダンテやミケランジェロが活躍した当時のフィレンツェは、まさにルネッサンス文化が花開いた都
だったのだろう。
4.ナポリ(8月29日)
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カプリ島 青の洞窟一周クルーズ案内板 |
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緑の洞窟 |
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左の写真の案内図にある“GIRO”という単語と“AZZURRA”という単語に反応した方は相
当な自転車ロードレース好き、といいたいところだが、これは『青の洞窟 カプリ島巡り』の案内図。
「ジロ」は「周る」という意味だし、スプリント賞ジャージの「マリア・アッズーラ」も「青ジャージ」
という意味なので「グロッソ・アッズーラ」で「青の洞窟」という意味になる。
現地の人に言わせると青の洞窟人気が高いのは日本人だけだそうである。この日は波も穏やかで待ち
時間も殆ど無く青の洞窟に入れるという幸運に恵まれた。おまけに時間が余ったのでカプリ島ほぼ一周
のクルーズのおまけ付き。
緑の洞窟、白の洞窟、赤の洞窟、夫婦岩(イタリアのはでかい!)と案内をしてもらった。とにかく
海の色と景色がきれい。「ナポリを見て死ね」とは昔から言われた言葉だが、身を持って実感。ちなみ
に右の写真の緑の洞窟はイタリア語で「グロッソ・ヴェルデ」。
5.ローマ(8月30日、31日)
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教皇の祭壇(サンピエトロ大聖堂) |
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コロッセオ |
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イル・テンポ紙 |
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2009年のジロはコロッセオがゴールに |
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ローマの休日 |
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ローマの中心部は都市全体が博物館であるかのようだ。ヴェネト通りなどは街路樹までが巨木で風格が
ある。大阪ミュージアム構想は、ローマの都市景観に着想を得たのかも知れないが、少なくとも100年、
200年先を見据えた政策が必要だろう。
ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂で『最後の審判』を鑑賞した後、コロッセオに向かう。誰が見てもロ
ーマと判る1枚だ。2009年のジロはここコロッセオがゴール地点に選ばれた。ローマは7つの丘に建
った都市、というように平坦地が殆ど無くアップダウンが多い。10センチ四方の黒い石畳はクルマのタ
イヤでツルツルになっている上に、ところどころ抜けていたり、隙間が広がっていたり、ここでのタイム
トライアルは見ている方は面白いが、走っている方は大変だったろうと改めて思う。
トレヴィの泉からスペイン広場に歩いて行くと映画『ローマの休日』でオードリー・ヘップバーン演じ
るアン王女がジェラートを食べた有名な1シーン、スペイン階段が現れる。ローマは連泊。ゆっくり休暇
を楽しむとしよう。
ホテルに戻ったらイル・テンポ紙が置いてあった。一般紙なのでさすがにヴエルタの記事は小さかった
が、テレビではスポーツニュースでケシヤコフやコンタドールの力走を伝えていた。
織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。
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