山を駈ける風になれ2000年11月号

10月1日(日)篠山/多紀連山西半周周回(2.5万図 宮田、村雲) 
 シドニー五輪も今日で終わり。自転車のロードタイムトライアルを見るべきか、朝から走りにでか
けるべきかと悩んだ昨日は、結局朝から雨で考えるまでもない結果に終わってしまった。どうもここ
のところ休みになると雨になる。午前5時半の段階で天気は急速に回復に向かっているようなので、
今日は篠山の秋を満喫しようと5時46分ロードで出発する。
 明け方前まで雨が残っていたものと見え、道路上はスリッピーな状態。いつもより下りやや遅い目
のスピードで走ればまずまずの走りで7時56分栗柄峠に到着。鼓峠を越えて本郷に下るつもりだったが、
足に余裕もあったので、まっすぐ北にのびる細い道を行くことにする。10分ほどで左手に溜池が現れる。
杉谷池だ。水面は周囲の緑の木々を鮮やかに映し出している。ゆるやかに登っていた道もだんだんと
傾斜を強め、苦しくなってきたところでCa400mの鞍部に到着する。道の両脇が切り通しになって
いるだけで、峠の名前を書いた標識も何も無い。休憩もとらずにそのまま本郷をめがけて下りに入る。
右に左に急カーブが連続する。路面が濡れているので飛ばせないのが残念だが、なかなか気持ちのいい
下りで8時30分本郷に到着。
 予定より早いのでここで小休止。峠の頂上で飲むドリンクをボトルケージに押し込んで再び出発する。
これから目指すのは三岳と小金ケ嶽の鞍部、大タワだ。藤坂峠へ向かう道を1.5kmほど進んだところを
右に折れ本日一番の登りに入る。
 急坂を喘ぎながら上がってくる自転車の音に気づいた地元のおばあさんから声援を受ける。途中まで
は傾斜もそれほどではないのだが、道が南に向くところから急坂が始まる。ここへきて先ほどの峠で
使った足がこたえる。ほとんど止まりそうなスピードで上っているとリアタイヤの方からシューッと
いう音。パンクだ。大タワまであと1km弱というところでなんということだ。先ほどまで雨雲に覆われ
ていた三岳の中腹は、まだそこいら一面濡れており、座ってパンク修理できる場所がない。仕方なく
大タワまで押して上がる。
 9時13分大タワに到着。押して上ると何と長いことか。結構肌寒いので日当たりのいい場所に陣取って
パンク修理にかかる。と、そこへ昨夜から大タワでキャンプをしているというおじさんが現れ、パンク
修理の見学をさせて欲しいと寄ってきた。適当に相槌を打ちながらチューブを引っ張り出しパッチを当て
エアーを入れたが、まだどこからか空気が漏れている。時間がかかりそうなので、バッグに入れていた
新品のポリウレタンのチューブを取り出し交換しているとおじさん何やら礼を言いながら去って行く。
俄然仕事がはかどりだし修理完了。すっかりぬるくなってしまったドリンクを飲み干し一服する。
 9時50分、続々と大タワにハイカー達のクルマがやって来たのを潮時に火打岩へダウンヒルを開始。
登ると辛い火打岩からのコースも下りに使えばあっという間。大タワで足を休めていたのがよかったのか、
帰路は少し追い風にも助けられて爆走。ラスト50kmを平均32km/h強で走りゴール。(ちなみにパンクした
チューブは何と4ヶ所もいかれていた。一度に4ヶ所もパンクするようなところに突っ込んだ覚えはない
のだが。) (本日の走行距離 133km)

10月7日(土) 氷上・市島/五台山〜鷹取山(2.5万図 黒井)
 98年の連休は愛宕山から五大山、99年の連休は五台山と氷上、市島町界の山行が続いている。それなら
3年連続で行っちゃえと五台山経由で氷上槍こと鷹取山を目指すことに。鷹取山から先のコースを考える
とMTBはきつそうなので歩きで行くことにする。従って現地まではロードだ。
 5時38分まだ暗い中をスタートする。半そでのジャージでは少し肌寒い。無風で快走、8時には氷上町
に入る。今日はあちこちで秋祭りがあるようだ。氷上北のコンビニで食料を調達、8時35分独鈷の滝に
到着。駐車場横の細い木に自転車をワイヤーロックで固定し、まずは五台山へ登山開始(8時40分)。
 昨年と違い「押し」、「担ぎ」がない分スイスイ歩ける。不二の滝、藤の目、一ツ岩と通り20分少々で
小峠に着くとあとはもう少し。9時21分五台山山頂に立つ。1時間13分かかった昨年より断然早い。
手ぶらなのと、ロードレーサーで来たので足の負担が少なかったからと思われる。まずは山頂で展望を
楽しみながらおにぎり休憩だ。少しかすんでいるのが残念だがいい眺めだ。
 続いて少しバックしてもっと素晴らしい眺望が楽しめるという小野寺山(645m)に登る。五台山の
山頂から東へ5分ほどのところにある。本当に素晴らしい眺めだ。北は目の前に親不知、奥には三岳山から
大江山連峰、福知山市街の向こうに鬼ケ城が見える。兵庫丹波の山はといえば盟主粟鹿山、青垣岩屋山から
十九山、竜ヶ岳、篠ヶ峰と山並みが果てしなく続いて見える。方位盤まで設置してあり、それによると京都
愛宕山まで見えるらしい。
 眺望にばかり時間をさいていては本日のメインディッシュにありつけない。9時45分展望台を後に
鷹取山を目指して出発する。ハイキングコースから一転、兵庫丹波の山歩きに変わる。まずは雑木林の激
下りだ。少し傾斜が緩んでくると植林帯の中の歩きに変わる。ただ、しっかりとした踏跡がついている上に
赤テープも結構マメに付けられており迷うようなことはない。展望台から下り始めて25分、突然鷹取山
頂上への登りに変わる。氷上槍の名に恥じない強烈な登りだ。コースに沿ってロープが垂らしてある。
立木に掴まって進まないと登れない。
 10時18分鷹取山山頂に到着。激登りではあるが距離が短いので10分とかからない。展望は南に少し
開けているだけ。4等三角点と「雷御大神」と彫られた石柱が建っている。眺望はないがきつい登りが
満足感を与えてくれる。さて下山だ。赤テープの巻かれた切り開きは南の美和五大山まで続いているよう
だが、今日は空身、独鈷の滝まで戻らねばならない。頂上から西に張り出している尾根を辿って下りることに。
うまい具合に西に向かって切り開きの道があったので、これは助かったと思ったら何のことはない、南へ
カーブし愛宕山方面へ下っていく。磁石で確認をしながら忠実に西へと尾根筋を辿る。植林帯の中に踏跡が
残っており楽勝ペースだ。20分ほど軽快に尾根筋を辿ったろうか。いよいよ踏跡も消え、倒木もひどく
なってきた。ここで怪しくなってきた尾根筋を離れ北側のゆるい谷地形の方へと下っていく。ルートが
判然としないところでは尾根筋を下るのが鉄則だが、この山塊に関してはとんでもない絶壁の上に出てしまう
可能性がある。適当に高度を下げておくのも必要なのだ。
 ヤブをかき分け細い流れに沿って下っていくとはっきりとした山道に出た(10時58分)。アンコ谷
からの下りの道らしい(アンコ谷はひどく荒れている)。キンチャク谷と書かれた字名を左手に見ながら
山道を下っていくと更に広い山道に合流(11時03分)。「十蔵口」と書いてある。「保安林」の立て札
も立っており一瞬ハイキングコースに戻ったのかと思ったが、目の前にでかいコガネグモの巣が行く手を
阻んでいるを見て違う道であることを知る。軽トラでも通れそうなほどの道なので歩行も捗る。と右手から
ハイキングコースが合流する(11時07分)。独鈷の滝から200mほどのところ左手「五台山頂上へ」、
右手「市島町前山方面へ」の標識がある地点だ。市島町の前山とは鷹取山を指すのか小野寺山を指すのか
知らないが、道としてはハイキング道よりも古く、昔はこの道が五台山へのメインルートだったのではと
思わせるものがある。(美和峠古道といいこの道といい探検してみたい道がこの山にはたくさんありそうだ。)
あとはもと来た道を戻るだけ。岩滝寺前で少憩の後石生−黒井−栗柄峠経由で帰路に着いた。
(本日の走行距離 156km)

10月 9日(月)山南/イタリ山〜石金山(2.5万図 谷川、中村町、丹波和田)
先月、道を間違えて山頂ピストンに終わってしまった石金山へリトライ。今日は『兵庫丹波の山』の著者で
ある慶佐次盛一先生率いる大阪低山跋渉会の例会山行にお邪魔させて頂いての山登り、純粋な「歩き」である。
昨日からの雨が心配されたがどうやら天気はもっている。
 8時24分宝塚から福知山行き列車に乗り込む。先生達もこの列車に乗っていらっしゃるはずだ。じっと
座っているだけで谷川まで運んでくれる。これは楽チンと思っていたが、三田あたりから列車が国道と並走する
ようになるとやっぱり走り出したくなってしまう(一昨日五台山まで156kmを走ってきたばかりなのに)。
9時37分谷川駅着。今年に入ってこの駅前に立つのは8度目、早々にバスに乗り込んで井原へ。秋祭りの太鼓
の音に送られイタリ山麓の登山口に着く。ここであらためて挨拶、私を入れて14名、加えて今日は山南町観光
協会会長以下同協会のみなさん10名がご一緒下さるということで総勢24名のにぎやかな山登りが始まった
(10時10分)。山頂までは一本道で歩きやすい幅の道が付けられているが、ジグザグの繰り返しが少々長い。
それでもNHKの中継塔が見えてくればもう頂上、10時35分イタリ山山頂に立つ。標高は低いが名前の通り
稜線のEND(至)に当たる山、展望は申し分ない。南東隅に3等三角点が埋まっている。山名のプレートに
書かれている標高の間違いを発見、指摘する(職業柄数字には細かくなってしまっていけない)。
 汗も引いたところで先を進む。まずはいっきに下って308m標高点へ登り返し。ここにも中継塔が建って
いる。黒田庄側の眺めがいい。誰かが三角形をした小山をおにぎり山と呼んだ。お昼が近くなってお腹が減って
きたか…。尚もアップダウンは繰り返されるがよく整備されていて歩き易い。また実際にルート整備に携わった
方との山行というのもそうそうないので伺うお話も興味深い。
 11時39分急な道を下り田高坂に着く。「通年の谷風」と協会作成のマップにある通り、北から絶え間無く
涼風が吹き上げてくる。傍らには寛政8年の銘が入ったお地蔵様が立っていらっしゃる。往時が偲ばれる佇まい
である。少憩の後またしても急坂をいっきに306m標高点まで登りちょっと下ってすぐの登り返しのところで
昼食タイムに。ジャスト12時。麓から聞こえてくるのは正午のサイレン。各自思い思いのところに陣取って
食事を摂る。
 大体食事が終わりかけた頃ツバメが数羽慌ただしく稜線を越えて北に飛んで行くのが見えた。続いてトビも
旋回をしながらやがて風に乗って北へ飛び去る。遠くで雷鳴、妙見山(山南町の)の頂上部を覆っていた雲が
一段と厚みを増し出したかと思うと真っ白な雨のカーテンが迫ってきた。全員急いで雨具を着け始める。麓から
雨の音がせり上がってくる。と次の瞬間カーテンが頭上を包み込んだ(12時30分)。
 稜線歩きとは言え樹林帯の中なので降りはさほど強くは感じられないし、雷も気にならない。それでも軽装
だったので靴の中はあっという間にズクズクになる。アップダウンの多かった道も「山頂まであと700m」
ポイントにある展望台あたりからは平坦な道が多くなり、13時30分最後のひと登りで石金山山頂に到着する。
 真っ白で幻想的な山頂だ。(実はこのとき南の西脇市では時間雨量50ミリを超す雨が2時間にわたって降り
続き床上浸水の被害が出ていたこと、また落雷により工場が全焼したこと、加古川線も一時不通となっていた
ことを後で知る。)晴れていれば兵庫丹波屈指の展望が楽しめる頂上だが、雷の標的になるだけなので、慶佐次
先生の言葉に従い508.7m3等三角点に順にタッチした後は全員樹林帯の中に逃げ込み小新屋観音目指して
下る。樹林帯の中は薄暗い上にガスっていてよく見えない。やがて先月間違えた分岐まで下ってきた。ここで
間違えたんですねと慶佐次先生から改めて確認のチェックが入る。観光協会の会長にももっとわかり易い標識を、
と申し入れて頂く。
 14時24分、小新屋観音まで下ってきた。先生に続いて観音様に断りを入れお堂の上に土足で上がらせて
もらい着替えを始める。ここで当ホームページを通して私をよく知っているという観光協会の女性の方と
しばらく島田さんの話題で盛り上がる。ひといきついたところで小新屋観音を後にする。さあ、あとは薬草風呂
が待っているだけだ。雨も小降りになってきた。今年5月のオープンしたばかりの施設ということで、入浴に
訪れる人も多くなかなか盛況のようである。15時過ぎに着いたのに風呂に入れたのは16時前、風呂に入って
さっぱりしたあとは協会の方々と話がはずむ。最後には思いがけず谷川駅まで車で送って頂くという心温まる
もてなしに、山南町が身近な存在に感じられるようになった一日であった。

10月14日(土)篠山/燈明寺山(2.5万図 村雲)
 2.5万図「村雲」を眺めていると、真中より右よりの下の方、標高約450mの山中に卍マークを見つけた。
山頂に寺が在った、という過去形のものは多いが、現在もこれだけの高さのところに寺が存在するのは篠山
周辺では珍しい。しかも卍マークに向かって南北から破線がのびている。しかもすぐ西側には461標高点の山も
ある。慶佐次先生の『兵庫丹波の山』(下)で調べてみるとお寺は燈明寺、無住。標高点は燈明寺山とある。
先生が歩いておられない参道を通って燈明寺に登ることにする。未知の石仏との対面があるかもしれない。
 5時50分少し風が強い中を出発。今日もシングルトラックは走らないのでロードで所要時間の短縮を図る。
川西能勢口回りで県道川西篠山線を北上、泉郷峠、天王トンネルを越えて福住に入る(7時57分)。風がある
ことを考慮すればなかなかの快走である。安田の大杉の近くにあるコンビニで食料補給し村雲小学校のところで
右折、草ノ上の集落に入る。集落の中を抜け小川を渡り北麓の溜池を目印に進む。道の右手に赤っぽい色の
屋根の納屋が建っている。この手前が燈明寺への登り口である(8時20分)。(地形図では少し登ったところ
にも建物マークが記されているが、この納屋以外は廃屋である。)水田の跡のようなところを進むと道は竹林の
中へと入って行きやがて植林帯の中を登りだす。いつかの大雨で流されたのであろうか、少し道は荒れ細くなる
が、それもつかの間でやがて雑木林の中を登り始めるころにはまたしっとりとしたいい道になる。
左にカーブするところに「一番 釈迦如来」と彫られた2体の石仏が現れ、続いて二番、三番と現れる。お寺
の参道らしくなってきたと思ったらそこでプッツリ。ホオノキの大きな落ち葉を踏みしめながら更に登って行く
と井戸の跡が現れ続いて、「おお」、左手山側に石仏が20体くらい立っている。燈明寺である。
 石段を登れば「丹波山上」の石柱が立つ燈明寺の境内に到着。8時42分、20分少々だ。檀家から寄進された
石仏、石碑があちこちに立てられ、苔むした境内と調和している。お堂の左手には道が続いており背後の
Ca460ピークに登れるようになっている。ピークは城跡のように平坦に削られており、きれいに掃き清め
られている。西側に「万光坊」と彫られた寄進の明王像が立っている。いずれも年代的には新しいものだが、
それだけにいまだに土地の人々の信仰心が厚いのがわかる。ここで軽食タイムを摂り8時57分燈明寺から
西へ燈明寺山を目指す。
 寺の西側一体は竹やぶになっている。下草も生えていない竹やぶは歩き易く、途中から尾根筋に乗ればある
かないかの踏跡。小さな登りをこなせば燈明寺山山頂だ。赤い界標が埋まっているだけの静かな山頂である。
勿論展望はない。9時10分、燈明寺からは10分ほどの距離だ。
もときた道を戻り燈明寺から再び草ノ上の集落に下山すればまだ9時30分、今日は麓の神社の祭礼がある
らしい。蔵から出された大きなお神輿を見ながらゆっくりと村の中を抜ける道を走り福住まで戻ってくると、
あとは天引峠−八田峠−ひいらぎ峠とガンガン攻めながら秋の丹波路を満喫した。(本日の走行距離 119km)

10月21日(土)宝塚/奥ノ焼山、鳥脇山西尾根(2.5万図 武田尾)
 本日のメインはH氏を案内しての鳥脇山西尾根コース。H氏と走るのは丸1年ぶり。堺に転居されたので
誘いにくくなっていたのだが、阪神高速を飛ばせば結構早いとのことでH氏のリハビリも兼ねて表題のコース
に決める。10時鳥ケ脇交差点の集合だが、その前に未踏の頂を一つやっつけておこうと奥ノ焼山を目指す。
奥ノ焼山とは聞きなれない名前だと思う。玉瀬から馳渡山へほぼ真南に無かう山道と東西に走る送電線が
クロスするすぐ西にある346.7mの山だ。この辺りは林道、シングルトラックが多く適当に遊びながら
時間つぶしができる。昨夜の雨も早々と上がり、朝から絶好の行楽日和だ。いつものごとく6時前には出発、
川西能勢口回りで北上、屏風岩のコンビニ風の店で食料を調達し、木津―上佐曽利―大原野と走り継いで
7時36分玉瀬に到着する。集団登校する小学生達とすれちがう。宝塚市の3分の2の面積を占める西谷地区
には小学校がひとつしかない。さて、少憩の後細い田舎道を南にとり、猪垣を乗り越え左手から林道が交差
するポイントまで進む。林道の右手に「火の用心No184へ」と書かれた標識が立っている。ここが焼ノ奥山
への登り口である。雑木林の中に明快な道が続いている。一本道だ。
展望が開けてくるともう頂上近く。ちょっと下がって薄暗いシダの森を抜けると鉄塔の建つ頂上に着く。
8時ジャスト、登り口からわずか10分の距離である。鉄塔の南西側、一段高くなったヤブの中に4等三角点
が埋まっている。雑木越しに見えるのは三田のフラワータウンか。展望に恵まれない山頂なので先程の見晴し
のいい東側に移動する。古宝山を眺めるベストポイントである。こんなに堂々としている古宝山を見たのは
初めてだ。しばらく眺望を楽しんだ後再び登り口まで戻り、林道を北東方向に進みゲートボール場の横を摺り
抜けて玉瀬南の県道に出、待ちの鳥ケ脇ヘ向かう。
 鳥脇山のコースは素晴らしいシングルトラックの連続コースだが、島田さんのレポートでも紹介されているし、
最近メジャーになってきているし、特記事項もないので書くつもりはなかったのだが、報告せざるを得ない
大異変が…。10時にH氏と合流、榎峠へ案内してみれば何と峠が無い。狭かった峠部分を大きく削って道幅を
広げ、両脇をコンクリブロックで固めている工事の真っ最中。山ははるか見上げる位置に後退。立入禁止で
もう関電の巡視路がどこにいったのかわからない状態だ。仕方なく鳥脇の集落の中から谷沿いに登ることに
変更する。集落を抜け砂防ダムの所で巡視路は二手に分かれる。「No50へ」の右の道を辿る。薄暗い森の中に
しっとりとしたいい小径が続き、すぐに支尾根に乗るとNo50の鉄塔。更に直進、すぐにNo51の鉄塔に着く。
谷沿いの破線の道でないことはわかっているが、どこに辿りつくのか興味深々で支尾根を進む。小径はやがて
有るか無きかの踏跡に変わりヤブ漕ぎに突入する。誰かが残した赤テープは続いているが、MTBの幅よりも
狭い踏跡の連続でH氏にとってはまたもや辛い「押し」となってしまった。40分かけてメインルートに出て
みればそこは頂上から南へ150mの地点。山頂で一休みのあとはH氏も満足の稜線コース爆走を楽しんだ。
 (本日の走行距離 62km)

10月29日(日)篠山/グルメ・ツーリング(2.5万図 篠山、村雲、宮田)
 マツタケ、栗、ヤマノイモ、黒大豆枝豆etc、秋の丹波篠山は味覚の宝庫だ。今日は篠山の秋を楽しみながら
走ったあと、火打岩の「いわや」でおいしい料理を堪能しようという贅沢ツーリング。一度くらいこんな
ツーリングがあってもいいだろう。本日の企画の立案者は横浜出身で関西はまだ4年といいながらも北摂を
こよなく愛し、将来篠山に住めたらいいなというK氏、なにしろ地元の人から犬の散歩をまかされちゃうくらい
北摂密着度は高い。3年前から情報交換をしているが、一緒に走るのは初めてだ。大学時代、選手としてロード
レースをやっていたそうで、さすがに今日は置いていかれることはあっても「待つ」ことはない。
 10時篠山城北側の広場で待ち合わせ。私は自走、西宮に住むK氏はここまで車だ。こんなときでないと登る
こともない城下町付近の山を周遊するつもりでいつもと変わらない時間にスタートすることに。
明け方まで雨が残って心配される天気ではあったが、曇り(降水確率30%)の予報を信じて出発。三田を
越えたあたりでポツリときたが、その後雨があがったので安心して走っていると古市あたりでまたしても
ポツリ。篠山盆地に入ると本格的な降りになってしまった。8時21分、東吹にあるコンビニの前で少し休憩
したのち雨具を着けて東城山(289m)を目指す。南にあるため池を回りこんで山頂に向かう破線を辿ろう
としたが、山の中は夕方のように薄暗く、雨脚は一段と強くなりぬかるんで山道を雨水が流れ出したので中止、
そのまま北側のため池へ出て県道に合流、篠山市民会館の中に逃げ込んだ(9時)。
 雨は一向に止む気配を見せないまま待ち合わせの10時に。K氏途中の道路が混んでたと20分遅れでやって
くる。この状態では当初予定していた多紀連山周回+大タワ越えは無理と判断、取り敢えず先に「いわや」で
食事をすることに。その内に雨が上がってくれることを願いつつ火打岩まで走る。10時50分いわや着。
K氏の車が到着するのを待って店に入りお食事タイム。
 12時40分、食事を終えて外に出てみれば雨が止んでいるではないか。とは言っても山はガスっているので
K氏があまり知らないという旧西紀町側のお寺巡りをすることに変更。というわけでK氏の車の先導を受けて
再び篠山市街に戻ってくる(横浜ナンバーなのに枝道にえらく詳しい)。駐車場に車を停めて自転車を組み立て
13時30分、さあ自転車ツーリング開始だ。
小柄なK氏は軽いギアをクルクル回しながら走る。いかにもヒルクライムに強そうな走りだ。一方当方は重い
ギアを踏みこむ走り、ときおり先頭交代をしながら旧跡を巡り15時35分三度篠山中心街へ戻ってくる。
走行距離25km、それでも一時は雨で全くダメかと半ばあきらめていたのでよしとするべきか。
このあとK氏が篠山に来たときは隠れ家にしているというおやすみ処でコーヒーを飲みながら(なんとご主人
のご好意で黒豆ご飯までいただく)篠山談義。16時22分K氏の車に同乗、宝塚の鳥脇まで送って頂き、真っ暗
になった十万辻からの下りを攻め17時40分帰り着いた。    (本日の走行距離 106km)




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