山を駈ける風になれ2013年 2月号
2013年1月13日(日)山南/下町稲荷〜蛇山(2.5万図 丹波和田)
2013年になりました。年初から体調を崩していたので実質的には今日が新年走り初め。蛇年にち
なんで「蛇」の名前が付く山を登ることにする。と言っても「蛇」が山名に付く山は少ない。この近
辺だと六甲の「蛇谷北山」か、山南町の「蛇山」くらい。
どちらも既に訪れているが、12年前の正月早々登り口を間違えてえらくハードなMTB山行になっ
た「蛇山」を当時と逆ルートで歩き、どこで間違えたのか検証を兼ねて訪れることにする。
6時54分スタート。朝から好天の予感。放射冷却で気温は低いが先週“寒さ慣らし”で走ったので
問題なし。おまけにR176赤坂峠を記録的な遅さで通過するも、体調万全でないので気にはならな
い。マイナス4℃台の表示が続く三田市内を抜け、古市で水分補給、大山下で左折、県道77号を走
って谷川駅前を通り、井原から霧の中を走って和田の下町稲荷前に着く(9時40分)。
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下町稲荷登山口 |
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「岩尾城跡縦走コース 和田下町登山口 2.1km」と書かれた大きな看板が立っている。クルマ
が1台停まっている。干支の山ということでハイカーも多いことだろう。
支度を済ませて歩き始める(9時45分)。鳥居をくぐって歩くと直ぐに小さなお稲荷さんの祠。更
に進んでシカ除けフェンスの扉を開けてハイキング道を歩く。ガスっているので超低山なのに深山幽
谷の趣きがある。
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最初のビューポイントから雲海を眺める |
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標高を稼ぐほどに視界はクリアになり、振り向くと見事な雲海に思わず感嘆の声をあげる。258ピ
ークを越えて一旦下り、登り返すと小さな岩場。ここからは北・東・南と3方向に雲海が眺められ、
しばしその神秘的な景色に見とれる。ここまで走ってきた甲斐があった、と思える瞬間である。
先を行く。山城の遺構が現れたら山頂は近い。最後のひと登りで天守台西側の土塁の上に出る(10
時35分)。置かれているベンチに腰掛ける。実はこの土塁の上がこの山で最も標高が高い場所であ
る。
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山頂 東の展望ポイントからの眺め | 岩尾城址 |
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見下ろす天守台の上では、10人ほどの中高年ハイカーのグループが天守台を占拠して賑やかに飲み
食いしている。私は12年前に一度登っているから構わないが、今日初めてこの山を登った人は天守
台の上に立って記念にカメラにでも収めたいだろうが、あんなに占拠されていたのでは割り込みにく
い。もう少ししかるべき配慮があってもよさそうなものだが、遠足気分の彼らにそんなことを望むの
は無理かも知れない。
あの山は何山だ、いや何々山だ、と口々に言っている。何故地形図とコンパスで山座同定し、論理的
に説明しないのか。更にメンバーの中に今月が誕生月の人が2人いるらしく、お祝いの唄まで始まり
だした。どうしてこうも日本人は群れたがるのか。宴会やるなら下界でやって欲しいものだ。静かな
山歩きを楽しんでいる人もいるということに思いを巡らせるべきだろう。
土塁の上から天守台越しに雲海を撮ろうと狙っていたが、雲海は既に消えかかっていて却って幸いだ
った。
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さて、どっちに行こうかな |
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15分ほど山頂周辺をぐるぐる回り、南方向へ下山する。前回は殆ど山頂直下でハイキング道に合流
したので、今下っている道は初めて歩く道である。途中で親縁寺方面へ下る分岐が現れるが、前回ど
こで間違ったのか検証するための歩きなのであくまでも小学校ルートを下る。と、そのまま小学校の
敷地内に下りる。
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和田小学校裏の下山口 |
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野球の練習をしている小学生たちを眺めながら校庭の北側を西へ横切り正門から北に伸びる道に出る。
判った。前回は正門から真っすく北に向かった。まさか小学校の中で間違っていたとは・・・。なる
べく早く小学校の敷地内から抜け出ようとしたのが間違いだったようだ。でも、難しいなあ。
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達磨岩 |
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原因が判ったところで和田の街並を眺めながら歩く。山側を見上げると崖の上に注連縄を張った岩が
今にも落ちて来そうに顔を出している。
「達磨岩」というらしい。親縁寺コースを辿ればあの岩に行けたのかも知れない。また宿題が出来て
しまった。さて、今度もまた12年後か?!
(本日の走行距離135km)
2013年1月19日(土)能勢/宮峠北の尾根を歩く(2.5万図 木津、妙見山)
去年12月、18年ぶりに能勢の竜王山を訪れた時に宮峠から北に伸びていた心地よさげなシングルト
ラックが気になり、今日改めて歩いてみることにする。この山域は随分MTBで走りまわったものだが、
実は宮峠から牛の子山南の鞍部までの間の尾根筋は辿ったことがない。いったいどんな道が待っている
のだろうか。
6時55分自宅をロードで出発する。気温マイナス1℃。ということは能勢ではマイナス5℃くらいだ
ろうか。すっかりこの冬の気温にも慣れ、この時季らしいペースで川西能勢口を回り、県道を北上、屏
風岩で右折、槻並、仁部と徐々に斜度がきつくなる山道を上ってまずは才の神峠に着く(8時31分)。
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雪が残る才の神峠 | 長谷に向けて下る |
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月曜日の雪だろうか、路面の積雪は1センチといったところ。上りでかいた汗を拭い、下りに備えてヘ
ルメットの下の帽子を被り直す。今年初めての雪上走りを楽しんで、宮峠への登り口である八坂神社の
石段下にロードをデポする。8時56分。何度も停まっては雪道走りの写真を撮っていたのでえらく時
間を食ってしまった。近場だと道草できる余裕も生じる。
支度を整えて荒れた林道を登って行く。落ち葉の上に雪が積もっているので歩き辛いが、途中で拾った
枝をダブルストックにして進めばいいペースで歩ける。
9時04分、宮峠着。宮峠の「宮」とはさきほどロードを置いてきた八坂神社のこと。八坂神社の説明
板に『宮山の中腹に鎮座する・・・』といった内容の記述があったように記憶している。「宮峠」を経
て向う「宮山」とはどこだろうか。広く捉えれば竜王山、狭く捉えれば宮峠すぐ北の476m標高点山、
といったところだろうか。そうであるなら尾根通しでまず476山を押えておきたい。北に向かって尾
根筋に足を踏み入れる。
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宮山山頂 |
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地形図上では破線路は尾根上を通っているが、実際は尾根の西側に水平に付けられている。歩き始めて
4−5分で476山(仮称狭義の「宮山」)に着く。予想通り何もない雑木藪の山頂である。ここで心
持ち下って登り返すところで尾根筋は北西に方向を転ずる。
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極上のシングルトラック登場 | 更に極上の道は続く |
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そしてすぐに左手からさきほどの水平道と合流、極上のシングルトラックの連続となる。ダブルストッ
クなのでしぜん足取りも軽く、ノルディック・クロカン風になる。
ちょっとした登りをこなすと地形図のCa480コブ。ここは木々の間から雪を被った高岳が神々しい
輝きを放っているのが見える。北摂の山は冬がいい。じっとしていると寒くなってくるので先を進む。
この辺りは地形図の破線路通りである。
地形図の460コブを下ると445鞍部。山道は左に下っている。直進して460コブに登る。昔牛の
子山南の鞍部に立った時に南から下ってくる踏跡があったので、てっきりストレートに下る道があるだ
ろうと思ったが、藪で判然としない。諦めて445鞍部に戻り、460コブを回り込むように付いてい
る山道を辿って牛の子山南の鞍部(Ca415m)に着く(9時44分)。
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牛の子山分岐 | 楽しい雪道歩きもそろそろ終わり |
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ここからは林道歩きに変わる。東南東へ道なりに歩いて下れば、やがて才の神峠から北に下る道に合流
する。暖かい日差しを浴びて至福の冬の低山ハイク。美味しい空気を胸いっぱいに吸い込みながら長谷
の集落を歩いていけば八坂神社石段下に到着(10時13分)。
再びロードにまたがり下る道にはもう雪の気配はない。「湯小屋の森」の前をとおり府道を西へ。中山
峠を越え爆走の下りを楽しんで杉生に到着(10時37分)。菓子パンを買って休憩すれば腹も満たさ
れて言う事なし。杉生新田方面に向かって走り去る“ご同輩”を見送りながら帰路についた。
(本日の走行距離 75km)
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