山を駈ける風になれ2013年 9月号

 
2013年8月10日(土)南丹/八木〜園部周回 (2.5万図 亀岡、殿田) 
猛暑が続く。今日は37℃まで上がるそうだ。高校野球の球児達もくれぐれも熱中症には気をつけ
て欲しいところだが、サイクリングとて同じで、この気温では基本屋外で運動すべきでないという
ところだろう。そんなわけで朝早くから標高の高いところへ逃げ込もうと、先月筏森山を訪れた時
とほぼ同じコースを走ることに決める。

午前5時04分出発。この時間で既に気分が悪くなるほど蒸し暑い。川西能勢口を過ぎ、猪名川を
渡って木部まで来るとようやく涼しげな空気を感じることができる。とはいってもここからが登り。
汗を滴らせながら、ややゆっくり目のスピードで余野へ(6時12分)。
亀岡方面から3人連れのご同輩とすれ違う。やはりみんな今日は早朝サイクリングに切り替えたよ
うだ。

豊能から亀岡に抜ける山道は気温23℃、辺りを霧が包み快適だ。亀岡盆地への九十九折りの道を
豪快に下っていると、前を行く乗用車に追いついてしまうハプニングもあったが、下りきった盆地
も朝霧に包まれ気温25℃の快適サイクリングを続けることができる。
霧の大堰橋

いつものように月読橋で桂川を渡り左岸を北上、ユニークな形をした鉄橋がある大堰橋を渡り返し て旧八木町の中心部をワンタッチする恰好で、川沿いを北上していると目の前に小山が迫ってきて、 道路は東側を巻くように右へカーブしていく。
後ろの小山が八幡山です

止まって地形図を広げると「八幡山」と名前が付いている。南北に細長い山の中間を横断するよう に破線路が書かれている。登り口を確認してみたくなってぐるっと一周するが、この時季草が生い 茂り、あまり踏み込みたくない感じ。 ただ北端にある神社の祠の裏には急だが踏み跡が付いているので登れそうだ。まあ、涼しくなった ら訪ねてみよう。神社の傍の道路脇には小さな常夜灯があり、『愛宕山』と彫られている。地形図 では「八幡山」と言う名前だが、小山の上には愛宕の祠でもあるのだろうか、それとも、この石灯 籠の『愛宕山』は桂川を挟んで遥か対岸の京都愛宕山を指しているのだろうか。今日のこの霧の状 態では確認しようがない。 楽しみは後日に取っておくこととして園部方面に向かう。まだ涼しい。今のうちにしっかり栄養補 給をしておこうとコンビニに立ち寄り、ブランチを摂る。 7時53分、店を出ると朝霧がすーっと晴れ上がっていく。今日の行程、残り55km。猛暑につ かまるまでにどこまで走れるか。いつものように船阪から本梅を走り、柊峠越えで能勢を下る。緑 の多い山間部の中の走りが続くので結構快適。川西の市街地まで下って来ると急激に気温が上昇し てきたが、これは仕方が無い。帰り付いてみれば10時半、先月よりもアベレージ・スピードも速 目。何とか猛暑が襲ってくる前に逃げおおせた、というところか。        (今回の総走行距離114km) 2013年8月17日(土)能勢/妙見山〜妙見奥の院周回 (2.5万図 妙見山)  猛暑を避けて早朝から山の中に逃げ込む標記コースを走る。能勢妙見山は山頂近くまで舗装路が付 いており、早朝の避暑サイクリングにはうってつけの山だ。妙見山だけではあまりにもあっけない ので、妙見奥の院も訪れる事に決める。 午前5時09分スタート。先週に続き、旧R176を東進。猪名川を渡り、木部からR423を金 石橋まで走り、そこから天台山の脇を通って妙見山に向かう予定だが、一旦水分補給を兼ねて余野 まで走る(6時13分)。 ベストよりは2分以上遅いが、先週に比べると30秒ほど速い。この暑さを考えるとまずまずだ。 喉を潤したところで金石橋まで戻る。下る途中でサイクリスとすれ違う。これだけ暑いとみんな出 足が早くなるのは当然だろう。 金石橋から出世大黒天の前を通って天台山北東の肩を越えていく道は勾配のきついところもあるが、 道幅広く、交通量少なく、高度感を感じながら上れるビューポイント満載ルートで、マイペースで 上れば結構楽しい道である。光明山山頂直下西側を巻く辺りからは下りに入り、MAX50km/h、 汗をかいた体を山の冷気がいっきにクールダウンしてくれる極楽コースへと変わる。 軽快に下っているとさきほど金石橋への下りですれ違ったサイクリストと再びすれ違う。妙見口から 周回で回ってきたのだろうが速い。 野間峠からの道と合流すれば山頂はすぐそこ。約100mほどの高低差を上り返せば妙見山参道前の 広場に着く(6時55分)。
山上駐車場に到着

ゆっくりと辺りを吹き抜ける空気が冷たく気持ちいい。涼を求めてだろうか、中年のカップルがオー プンカーに乗ってやってきた。せっかくここまで来たのだから三角点を拝んでおこうと自転車を担い で三角点に向かう。 20年前に初めて来た時はブナ林の中にひっそりと静まっていた三角点だが、中高年ハイカーの団体 が踏み荒らしたか、下のお堂に石ころでも落としたのか、はたまたバカなカップルがブナの幹に名前 を彫ったか、いつの頃か寺の敷地内に入らないように柵が張り巡らされ、余計なところを歩かないよ うに三角点へ誘導する標識が立てられた。
でかい三角点位置表示板山頂のブナ林

そんなわけでちょっと興醒めな三角点周辺の景色ではあるが、身近なところで見られる夏の朝のブナ 林は清々しく気持ちがいい。 結局20分ほど妙見山で過ごし下山する。下りは豊能町の野間口方面へ。いっきに標高差300mを 下る道をMAX60km/hで駆け下り、妙見口の交差点を左折、一旦亀岡市域に入り、犬甘野から 杉原の集落を抜けて堀越峠(7時41分)、そこから南に林道、簡易舗装路、山道と最後は自転車を 担いで、奥の院に到着する(7時57分)。
でかい三角点位置表示板山頂のブナ林

『本日盂蘭盆会法要の為・・・』、受付窓口はお休みのようだ。ここで石段に腰掛けながら、住職の 奥さんからいろんなお話を伺ったり、湧き水を頂戴したことを思い出す。クセが全く無く美味しい水 だった。あれから20年経つ。今もご存命だろうか。 お堂の裏手の最高部に歩を進めると、いろんな神様が祀ってある。お堂自身も日蓮宗のお寺の筈なの に狛犬があったりと宗教におおらかな日本人の神仏混淆ぶりが窺えて面白い。きっといろんな神様の 名前を並べて祀ることは、沢山の正義の味方のキャラクター達を並べることで、村を悪事災難から守 ってもらおうという願いの表現方法だったのだろう。 暫く休んで堀越峠に戻る。3人組のサイクリストが杉原側へ下って行く、それと入れ違に5〜6人の 集団が野間側へ下って行く。気温25℃。まだまだ涼しい。一口喉を潤し後に続く。何もしなくても 65km/hは出るこの下りは気分最高。ペダルを一度も回すことなく清正公堂前まで下りきると能 勢路をのんびり走って帰路についた。        (今回の総走行距離 83km)

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