山を駈ける風になれ2014年 8月号

 
2014年7月20日(日)北摂/大峰山〜中山最高峰(2.5万図 武田尾) 
前日の土曜。朝8時半、病院の診察受付機で受付け処理を済ませる。31番・・・今年のコンタドール
(のゼッケン)と一緒やな。コンタドールも落車でリタイヤしてしまって今年のツールは早々に結果が
見えてしまったし・・・。明日はリハビリ兼ねて山歩きでもするか。

そんなわけで今日はハイキング。純然たるハイキングは10年以上ぶり。自宅から近い標記のコースを
歩くことに決める。というのも自転車に乗れないから。2週間前に雨で濡れた下りカーブでスリップし
て落車、左肩鎖骨を骨折したのだ。全治1カ月。
同日の朝のネイマールに続いて自分が骨折することになるとは・・・。肩は動かせないが、足は元気な
ので歩くには差し支えない。ここは原点に還って山歩きだ。
武田尾はまだ朝靄の中に眠っています廃線跡のトンネルを抜けると桜の園入口です

午前6時15分、Gパンの上からレインウエアのズボンを穿いて、JR武田尾駅前をスタートする。霧 が残っていて朝の武田尾は涼しい。自転車ツーリングなら、おおよそのコースタイムが計算できるが、 純然たる歩きは検討がつかない。武田尾駅から廃線跡に向かうところで、いきなりミスコース。 工事現場を強引に突破しようとして柵に阻まれ後戻りを余儀なくされる。三角巾で手を吊っているので、 おとなしく引き返して迂回路の指示に従って架設の橋を渡り、大峰山の登山口でもある桜の園の入口に 着く(6時38分)。 いつもせっかちな歩きになるので今日はゆっくり歩こう。雨上がりで湿度が高く、道もぬかるんでいる。 武田尾側から登ったことはないので、案内図を確認、「桜坂コース」を行く。ヤマザクラが満開の春、 燃えるようなモミジの下を走った晩秋の頃を思い出しながら淡々と歩けばやがて終点の東屋へ。 ここで水分補給をしっかり摂って山道を分け入る。丸2週間運動しなかったのでどれだけ足が重いか心 配したが、この程度の山道では大した負荷にはならないようで判別が付かない。自転車と違って空冷効 果が期待できないので水分の消費ペースは速い。
極上のシングルトラックです緑滴る大峰山頂

傾斜が緩んでくると極上のシングルトラック・コースに変わる。MTBでカッ飛んだのも、かれこれ1 0年近く前になるかも知れない。キツツキが幹を突く音を背後に聞きながら歩を速めると、そこは懐か しい山頂だ(7時38分)。 いつも木々が芽吹く前の山登りばかりだったので、今日の緑に覆われた山頂は新鮮だ。ゆっくり休憩を 取ってから再スタート。十万辻の上に出る(8時28分)。 舗装路歩きは暑くてかなわない。三角巾で吊っている左半身は長袖の服を上から羽織っているような状 態で更に暑い。砂防ダムの横から中山縦走路に入る(8時50分)。森の中に入ると涼風が吹きぬけホ ッとする。
MTBでの走りをイメージしながら歩きます中山山頂に着きました

ジグザグに切られた山道をテンポで登り切るとゴルフ場のすぐ裏側に出る。足元に大きな肉厚のキノコ が生えていたので、美味しそうに見えるよう撮影にトライを続けるが、なかなか思ったように撮れず断 念する。 そんなこんなで遊びながら歩いていたので、登り口から30分以上もかかって中山最高峰に到着する (9時24分)。 山頂は風が吹き抜け、適度な木陰があって気持ちがいい。すっかり晴れ上がった北摂の山々の景色を眺 めていると、豊中から来たというご婦人が登ってくる。山登りが目的で登って来ているもの(まあ、ふ つうはそうだろうが)と思っているので、適当に話を合わせる。そうこうしていると、もうひと組ハイ カーが登ってきた。あんまり長居をする山ではなさそうだ。 山本まで縦走するつもりだったが、ペットボトルの水も残り少なくなってきたので中山から売布方面へ 下山する(10時30分)。自転車乗りは歩いて下ることに慣れていない。下りの方が断然足が疲れる。 雲に隠れていた日差しが照りつけてきた。梅雨明けも近そうだ。次、もう一度リハビリ・ハイキングを する時は、足が疲れない長く緩い下りのコースが取れる山にしよう。        (本日の歩行時間 4時間15分) 2014年7月27日(日)六甲/塩尾寺〜六甲最高峰〜有馬(2.5万図 宝塚)  先週に続いてのリハビリ・ウォークを実施。自宅から歩いて行ける最も身近な標記コース、塩尾寺から 縦走路を通って最高峰へ向かうルートは、数ある六甲の登山ルートの中でも最もメジャーなルートの一 つ。 日中ともなればハイカーの往来も多かろうが、そこは地元の利、早朝から歩き出せば、静かな山歩きが 楽しめる筈。鎖骨を折っているのでザックは背負えない。ヒップバッグに最低限のものを詰め込んで5 時半出発する。 夜明け直後で29℃近い“超”熱帯夜。早朝の清々しさは既に無い。5時55分、住宅街を抜けて塩尾 寺に着く。最大斜度25%(どうしても自転車表記になってしまいがち(^^ゞ)の、この寺への急登でど っと汗をかく。 汗を拭って6時ちょうど、六甲縦走路に歩を進める。ここへ来るまで多くのウォーカーと出会ったが、 みなさん塩尾寺折返しの朝のウォーキングの方ばかりのようで、前にも後にも人の姿は無くなる。朝の 鳥の目覚めの時間も、ヒグラシの鳴く時間も過ぎ、山は静寂の時間に包まれる。岩倉山の手前でリスが 幹を伝って下りてくるのを見かける。 6時18分、岩倉山に着く。子供が小さかった頃、ここまでよく散歩に来たものだ。縦走路に戻ってゆ っくり歩く。ここから大谷乗越までは、緩いアップダウンが続くMTBにとっては夢のような快走路が 続く。少しスピードを上げて歩けば風で涼しく感じられる道だ。
岩倉山を過ぎると快走路?が続く

クルマの音が聞こえてきたら大谷乗越だ(6時55分)。少しゆっくり歩き過ぎか。水分補給の後、道 路を渡って大平山方面へ向かう。意外にNTT専用路までが長い。大概この専用路を使って走るので、 この道を歩くのはほんとに久しぶりかも知れない。 NTT中継塔を回り込むようにして大平山山頂に着く(7時20分)見晴らしが良かった記憶があるが、 木々に囲まれて展望は無い。
木々に覆われた大平山山頂水無山へも快走路?が断続的に現れる

小憩の後、縦走路に戻って先を行く。本日山に入って初めて人に会う。トレイル・ランナーだ。船坂峠 を過ぎたところでもトレイル・ランナーとすれ違う。いつものことだが、いつ通過したのか判らぬまま 水無山を越える。クルマの音が急に近くなったと思ったら車道に出る。カーブNo.113の標識があ るポイントである。
舗装路に出ました

立ち止まって水分補給をしていると、車道を下ってきたトレイル・ランナーが横をすり抜けてハイキン グ道に入っていく。トレイル・ラン大はやりのようである。この時間に山に上ってくることができるの ならMTBで下った方が楽しいと思うのは古い世代なんろうか。 ここから六甲最高峰まで車道を歩く人が多いが、私もご多分に漏れず車道の人となる。下界より5℃低 いこの山上では、まだまだアジサイが満開である。ガスが流れる。生憎展望は望めそうになさそうだが、 頂上は踏んでおきたい。一軒茶屋を横目にみながら最後のひと登り。9時02分六甲最高峰に到着する。
山頂付近はアジサイがまだ楽しめます六甲山頂に着きました

山頂には無線の交信をしている中高年の男性が3人。装備をそこいら中に拡げ、わがもの顔なところが 気になるがここは六甲、本物のハイカーも、そうでない一般の迷惑おやじも混ざり合う場所。目くじら 立てても仕方がない。 ウグイスに混じってホトトギスも鳴いている。ガスのせいもあるが涼しい。ハイカーが一人登ってきた が、寛げる雰囲気で無い事を悟ったか、最高峰の標識をぐるりと回っただけで、立ち止まることも無く ちょっと下ったところで一服している。 こちらもリハビリが目的なので、汗を拭って一軒茶屋に下り、水分を補給して魚屋道を有馬方面に下る (9時20分)。 何度も登りに使った道だが、逆向きだと景色も新鮮だ。MTBで走り抜ける箇所などは歩くと全くイメ ージが違ってくるから面白い。さすがにこの時間になるとすれ違うハイカーも増えてきた。頭の中を空 っぽにして淡々と下る。 有馬まであと3分の1くらいまで下りてきたところで雨に遭う。何度か捕まりかけながらも、しのいで きたが、遂に捕まったようだ。傘を広げて雨の森歩きを楽しむ。雨音の割に傘に当たる雨が少ないのは、 森が天然の傘の役目を果たしてくれているからだろう。 10時18分、1時間ほどかかって鳥地獄の前に下り着く。雨は小止みになってきた。バス停に向かっ て温泉街の中をゆっくり下る。さて、来週はどこを歩こうか。        (本日の歩行時間 4時間55分)

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