山を駈ける風になれ2014年 10月号

 
2014年9月14日(日)北摂/深山ヒルクライム(2.5万図 埴生) 
先々週より再開したリハビリ・トレーニング。今日は上りの練習(というか様子見)を兼ねて、北摂最
高峰の深山を訪ねることに決める。

5時27分スタート。2カ月休んでいる間にすっかり秋になってしまった。修理依頼のついでに付け替
えてもらったサイクルコンピュータは、「最も機能がシンプルで安価なもの」という割には、30km
/hを超えても0.1km/h単位で速度が表示されるし、消費カロリーやCO2の削減量など意味の
無い(CO2削減が意味が無い、と言っているのではない)機能まで付いていたりと隔世の感すらある。

いつものとおり川西能勢口回りで県道を北上、杉生で水分補給を摂る。ここまでは何ということはない
が、ここから始まるダラダラ上りにどこまで足が付いていけるか。
泉郷峠への上りで早くも足は売り切れ状態になる。サイクリングお休み中に歩行距離12km前後、積
算標高差1,000m前後の山歩きを3回行ったが、この間体重は増える一方。サイクリングの消費カ
ロリーの大きさを改めて痛感する。

それでも、いつもの平均タイムより10分程度のビハインドで天王に着くと、追い風が吹き始め、テン
ポではらがたわトンネル前まで走り切ると、亀岡方面に左折、どうにか岡牧場が見えてくれば、深山山
頂まではあと2kmだ。
深山分岐への道は、一般車両が入れないように封鎖されている。ハイカーの登山口まで回り、そこから
ハイキング道を上ってCa770コブを越えて、NTTの専用路に合流し、深山宮の建つ深山山頂に到
着する(8時12分)。
深山山頂に着きました

誰一人いない山頂は360℃の絶景を独り占めできる痛快な気分に浸れる場所である。実際、気温13℃、 北からの強風が吹き荒れる山頂は、「涼しい」を通り越して寒いくらいだが、汗をかいた身体には気持ち がいい。 この山頂に立つのは、ほぼ4年ぶり。15年くらい前まではよく上ったものだが、山頂で無線をやる人や 、昆虫採集業者と見られる人達がやってきたりで、あまり訪れたくない山になっていたが、入口を封鎖し てくれたお蔭でヒルクライムを練習するサイクリストには、いい環境が戻ってきた。
雲流れる弥十郎ケ嶽

弥十郎ケ嶽方面を南へ流れる雲を眺めながら15分ほど山頂で休憩した後、再スタートを切る。調子に乗 って下っているうちに簡易舗装路を一気に下ってしまい、封鎖された入口の横から岡牧場の前に出る。 ハウスに取り付けられた送風機が熟成した堆肥の「香り」を運んでくれる。ピンクフロイドの『むかつく ばかりのこやし』を連想するのは私だけだろうか。これもまた自然というシンフォニーを構成するパート の一つ。何とか足も残っている。帰路は殆ど下り。追い風にも助けられ、快走につぐ快走で家路についた。        (本日の走行距離 97km) 2014年9月21日(日)南丹/ラウンドアバウトを体験する(2.5万図 亀岡)  ツールやジロなどヨーロッパのサイクル・ロードレ−スのTV中継をご覧になったことがある方なら、必ず 感じるのが電柱・電線や信号機が無く、街並がすっきりしていることだろう。前者は電線の地中化が進んで いること、後者はラウンドアバウトになっているのがその理由だ。(あと、建物の色に統一感があること、 道路に看板やネオンが溢れていないこともあるが) 電線の完全地中化は、地震の多いわが国では復旧の時間、コストを考えると難しいかも知れないが、ラウン ドアバウトは、確実に信号機の設置コスト・維持コストの削減と、電気代の削減につながる。以前、大阪府 警の担当者に、大阪府下には2万基以上の信号機があると聞いた事がある。使用料、電気代、維持管理費を 考えれば、年間どれほどの額になるのか、これが半分になっただけでも府民の税負担は軽減されるというも のだ。 以前から、どうして日本も新しい道路を作る時にラウンドアバウトにしないのか不思議におもっていたが、 昨年道交法が改正され、交通方法が定められ、この9月から本格的運用が始まることになった。しかもその 一つが何と、わがサイクル・フィールドにあるという。これは是非とも一度体験しておかねば・・・。 その前に「ラウンドアバウト」について簡単に触れておこう。ラウンドアバウトと聞いて、すぐにイエスの ナンバーを思い出すのは我々プログレを聴いて育った世代だけか、と思ったが、最近のTVアニメのエンデ ィングテーマにも使われていたとかで、子供も知っているらしい(そんなことはどうでもよい)。 道交法的には『環状交差点』といい、『車両の通行する部分が環状の交差点であって、道路標識により車両 がその部分を右回りに通行することが指定されているもの』を言う(全日本交通安全協会・警察庁の広報に よる)とあるが、要は3本以上の道路を円形の道路で繋いだもので、出口が複数あるロータリーと思えばい い(ってちょっと乱暴か)。
秋色の亀岡盆地

午前5時35分、今日もリハビリを兼ねてスタート。天気快晴。目指すは京都丹波の八木町。旧176−R 173−R423と走り継いで亀岡盆地に下ると、そこはヒガンバナが規則正しく咲き誇る、まさに秋色一 色の世界。思わず深呼吸をしたくなるような景色である。 いつものように月読橋で桂川を渡り、交通量の多いR9を避けて北上、大堰橋で再び渡り返して八木町の中 心部を北に走ると、おっ、出ましたラウンドアバウト(7時50分)。実は去年、八幡山を目指して走った 時に、ここに新しい道路が作られていたのは知っていたのだが、まさか未走区間の先にラウンドアバウトが あるとは・・・。
ラウンドアバウトの標識発見

行き先を表示する青い道路標識には『ロータリー』と書いてあるのが些か残念。しかしロータリーという言 葉が浸透しているので、こちらの方が判りやすいか。 青いロータリー標識のマークがいくつも立てられ、おまけに『交差点内は右回りで徐行してください』とま で書いた看板まで立てられる念の入れようだ。
ラウンドアバウトです

環状道路の真ん中には植栽が施され、ツールでよく目にするラウンドアバウトと同じだが、少し直径が小さ めなのは、交通量を考えてのことかも知れない。 で、その交通量であるが、日曜の朝ということもあって殆ど無い(だからこんなにゆっくりとラウンドアバ ウトの中で写真を撮っていられるのだが)。最初にやってきたのは大型のトレーラー。ちょっと円形が小さ いので窮屈そうに曲がって直進していく。 次は軽トラと乗用車が続けて2台やってくる。いずれも慣れないからか、かなり徐行して進入し抜けていく。 一通り観察を終えたところで自分もラウンドアバウトを実走体験する。交差点の上を張り巡らされた電線が 無ければ完全に気分はフランスの片田舎を走る、なんだけどなあ・・・。西側から進入し、せっかくだから 1周して北に抜ける。 走った感想はやっぱり徐行して走らないとタイトかな、というところ。 さて、これからこんな交差点がどんどん増えていくのだろうか。サイクリストにとっても信号で停止させら れることなく進んで行けるラウンドアバウトは歓迎するところ。どうぞ交通事故の無いようにみなさん通行 してくださいね。        (本日の走行距離 111km)

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