山を駈ける風になれ2001年4月号

3月3日(土)六甲/ゴロゴロ岳〜東お多福山(2.5万図 宝塚)
 当初丹波方面の山行を計画していたのだが、急遽表題の超近場コースに変更する。単独だとこういう
突然の変更ができるのがいい。東六甲のこれらの山々はまだ訪れたことがない。
 6時35分、自宅を出発。予報では晴ということだが、うす雲が広がっている。仁川のコンビニで食
料を補給、ピクニックセンターへの急坂を登り、甲山大師の前を通って鷲林寺参道口の交差点を直進、
鷲林寺に着く(7時32分)。山号は六甲山、真言宗のお寺でなぜか武田信玄の墓がある。
 少憩の後、観音山へのハイキングコースを登る。寺の北隅から登山道がついている。「パノラマコー
ス、急坂」と書かれた札を見ながらMTBを担ぎ上げる。さほど急な坂ではないが、六甲山系特有の岩
場の間をすり抜けながら登っていく道で結構難渋する。10分ほど担ぎ上げると尾根筋、眺望が開ける。
大阪湾から芦屋の浜が一望できるポイントだ。ここからは短いが乗車できる区間も現れ、少しラクにな
る。そしてちょっとした岩場を担ぎ上げて観音山の頂上に到着(8時03分)。周囲の松の背が低く、
ここも絶景ポイントだ。特に譲葉山から大平山にかけての東六甲縦走路尾根が雄大だ。能勢妙見山の連
山が春霞にボンヤリとしている。どうしても北摂方面に眼が行く。
 再びハイキングコースに戻ってゴロゴロ岳を目指す。ここからは乗車率80%、雑木林の中のハイス
ピード・コースが断続的に現れる。MTB初心者でも安心して飛ばせるいい径だ。よく整備されている
ので、倒木に悩まされることもなく少し物足りないくらいだ。霜柱を踏みしめて走る感触がタイヤを通
して伝わってくる。突然右手に建物が見えてきたらもう芦屋の奥池。三叉路の右手にゴロゴロ岳の3等三
角点が現れる(8時34分)。565.5mの標高から付けられたその名前も最近の地形図では565.
3mに変わっている。

ゴロゴロ岳山頂神戸の市街を見ながら
笹原の斜面を全線乗車

 さて、MTBにまたがって走り出すや、ものの20mと行かない内に舗装路に出る。反対側から来なく てよかった。東お多福山登山口まではしばらく奥池の住宅地の中を行く。芦有道路に出て東お多福山バス 停で、北西に分岐する細い舗装路を登る。「東お多福山へ」と標識のある簡易舗装路を右手に見送り、広 い舗装路を上がっていく。道路は「NOEVIA」と書かれた大きな屋敷の前で行き止まりとなるが、左 手にある芦屋市水道局の建物との間にある隙間を登ると雑木林の中を右手からくる山道に合流、そのまま 左に道をとり、MTBを担ぎ上げれば東お多福山の稜線に出る。  頂上まではあと僅か、最後に階段状に切ってある道を登って東お多福山の山頂に立つ(9時20分)。 登山口バス停から30分弱だ。昨日の雨の影響で登山道はぬかるんでいる。山頂にいた人に写真を撮って もらい軽食ポイントを求めて南へ移動する。草原の大海原を神戸沖目指してダイブする感じだ。途中現れ る階段は短く刈り払われたササの斜面を一気に駆け下ってカット。ちょっと休憩して軽食タイム。うらら かな春の陽射しにウグイスの声、眼下には神戸港。このまま暫く寝転んでいたいようなロケーションだ。  一息ついたところで走り再開。痛快な下りはまだまだ続く。ササ原のコブも下りの反動で上り切ってし まえる。こんな高速で山の斜面を下ったことはない。雨ケ峠で北にターン、本庄橋跡から土樋割峠を目指 す。さすがにこのルートはハイカーが多い。雨ケ峠で休憩中に通り過ぎて行った4〜5人のグループにす ぐに追いつくと、更に前を歩く一団を追い越す。道は若干荒れているが、日頃のコースからするとラクな もの。階段の登りに入ったところで今年初めての山歩きだという人と一緒に暫く話をしながら歩く。六甲 から有馬に向かうというそのハイカーと別れ土樋割峠へ(10時06分)。  そこでは東お多福山を豪快に下っていた時にすれ違ったハイカーと出会う。ぐるっと回ってきたMTB の速さに驚いたようだ。ここから登山口までの下りは全線簡易舗装路。5分ほどで下ってくると後は山道 を走りついで県道に抜け、芦屋川駅目指してスーパーダウンヒルを楽しんだ。         (本日の走行距離 43km) 3月10日(土)能勢/天王稲荷西側山道探索(2.5万図 福住)  セットしておいたはずの目覚まし時計が鳴らず、20分遅れで目が覚める。10日ほど前から原因不明 の腰痛に悩まされているところに、いきなり気力がそがれる寝坊。おまけに寒波襲来で6時現在の宝塚の 気温は−1.7℃という。真冬より寒いじゃないかとグズグズ。やめようかどうしようかと行き先も決ま らぬままMTBをひっこめてロードを引っ張り出し、ご近所でも周回して来ようかと6時45分、ぶらり とスタート。  JR宝塚駅前のロータリーをゆっくりと回りR176に合流、武庫川沿いでも行こうかと考えながら走 っていると歌劇場前交差点の信号が青に変わり、何となく旧R176に入る。と不思議なもので、いつも 川西能勢口回りでホームコースを走る時に使うルート、いつの間にか県道川西篠山線を北上しているでは ないか。天気もよくなってきたし、泉郷峠を越えて能勢の天王まで行ってみようかと決める。ぶらり散歩 のつもりが100kmツーリングになってしまうなんて初めてだ。そういえば最近ショートコースばかり だったから無意識の内に走りたいという欲求が溜まっていたのだろうか。  昨日の雪の影響も特になく、杉生新田までスムーズにやってくるとあたりは真っ白。それでも路面凍結 で苦労した1月末の時とは違い、凍結しているところは殆ど無く、8時51分天王に着く。ゆっくり走っ たわりには結構速い。気温−5℃、頭がキンキンするほど寒い。深山の方から粉雪が吹きつけてくる。モ ーニング休憩と決め込んで時々立ち寄る喫茶店で小休止。窓の外に広がる雪景色を見ながらのコーヒータ イムはなかなかのものだ。  15分ほど休んで昨年6月天王のアカガシを見に行った時に見つけた天王稲荷の西側山腹を巻くように ついていた山道を探索してみることにする。  籠坊側へ少し戻ってから、天王の簡易水道施設の前に続く道を辿り、天王のアカガシの前に出る。積雪 は10cm程度、犬と思しき足跡がこれから探索しようという山道に続いている。MTBで来なかったこ とを悔やんだが、これだけ積雪があれば、シングルトラックをロードレーサーで走るという常識破りのこ とができる。  山道は植林帯の中に明らかに人の手で作られた道で山腹を巻くようにほぼ平坦につけられている。一つ 目のカーブを曲がったところでロードをデポ。ブレーキシュー周りに雪ダンゴができてブレーキが効かな くなってしまった。2つ目のカーブを曲がると右手下方樹間越しに天王第1トンネルの北側出口が見える。 時おり雑木林に変わる山道は、去年柏原の譲葉山雪中山行を思い出させて楽しい。  3つ目のカーブのところに赤い杭、左手尾根沿いに登れば606標高点に行けそうだ。徐々に道は怪し くなってきた。とうとう天王第2トンネルの入り口へ続く手前の谷のところで道が判然としなくなってし まった。雪に覆われている為、道が隠されているのかもしれないが、どうやらこの谷に植林するために付 けられた道のようだ。府県界にまで出れば切り開きがあるかも知れないが、今回の目的はこの山道がどこ まで続いているかということだったので目的完了。再び簡易水道施設のところまで戻ってくると、あとは 籠坊温泉経由で天平時代に創建されたという神社を巡りながら後川上に出、木器、千刈、万善と散歩を楽 しみ帰途に着いた。           (本日の走行距離 106km) 3月11日(日)三田/鳥飼山〜昼ケ岳(2.5万図 木津)  大阪低山跋渉会の慶佐次会長から頂いた例会案内に「3/11 上之岳〜昼ケ岳」というのがあり参加 を思い立つ。個別に登ったことのある山もあるが、つないで歩いたことはない。ただ、最初から山行を共 にしたのでは川西能勢口から六瀬支所前までと、下山口の川原(三田)からJR三田駅前までバスという のが少々不満。やはり自分の足で走ってこその「庭」。電車やバスでパスするなんてうしろめたいという ものだ。そこで下山口近くの十倉に自転車をデポし、大船山の北側鞍部を越えて大磯に出、更に高畑峠経 由で鳥飼山の頂上に登り、山頂で一行を待ち受けることにする。  案内によると7時35分川西能勢口発のバスで六瀬支所前へ行くとある。同支所前バス停着は8時20 分頃。そこから上之岳−高畑峠−鳥飼山と向かう一行の所要時間を過去同行した時のペースから最速で2 時間と割り出し、10時20分までに鳥飼山の頂上に立つように自分の出発時間を逆算して求める。  得られた答より1分早い6時09分自宅を出発。一行に合流後は「歩き」なのでロードレーサーだ。い つもの調子で飛ばせば8時には十倉に着いてしまうだろうが、路面凍結によるペースダウンを考慮すれば これくらいでちょうどいいはずだ。  川西能勢口回りで県道川西篠山線を北上、2日連続で同じコースを走るのは初めてじゃないかな等と考 えながら、途中屏風岩で食料調達。万善から下佐曽利、上佐曽利、波豆と走る。波豆へ向かう時に越える 峠の左手の池が凍っていないのを見て走行ペースを落とす。大坂峠からの下りもセーブ気味に走ったが、 十倉に着いてみれば7時50分、やはりロードは速い。近くの自販機でスポーツドリンクを飲み、大船山 登山道沿いにある長慶寺の脇にロードを置いて8時00分、歩き出す。  3つある溜池の一番下の池が復旧工事中ということで、ぬかるんで歩きにくい林道だが、その内荒れた 山道に変わり20分ほどで鞍部に着く。確かハイキングマップでは十倉−大磯80分とあったはずだが、 これでは30分で大磯に着いてしまう。8年前にMTBで通過したことはあるが、その頃は所要時間を記 録していなかったので、当時どれくらいかかったか記録してなかったのだ。この調子では大磯に着いた頃、 一行はまだバス停近くで柔軟体操をやってるに違いない。 結局30分で大磯に着いてしまうと更に20分後には高畑峠に着いてしまい、その19分後には鳥飼山の 頂上に着いてしまった。9時09分。少し雪の残る雑木林の中に続く道を楽しみながら歩いたのだが…。  結局予定よりも1時間10分早く着いてしまったことになる。一行は多分上之岳の頂上に着いたか着か ないかといったところだろう。天気がいいので暖かいとはいうもののじっとしているとやはり寒い。南か ら直登してくる踏跡を見つけ探索したりしていたが、どうにも時間がつぶせない。その内日も翳り出して 雪が舞うようになってきたので、昼ケ岳まで歩くことにする。  もう歩きだせば一行との距離は開いていくばかりであることはわかってはいたが、こう吹雪かれてはじ っとしていられない。何度も現れるアップダウンをそそくさと歩いて昼ケ岳から内田池へ。途中一旦上が っていた空からまたしても激しく吹雪き出したので、行者山へ向かうことをあきらめ大磯へ林道を下る。 カナディアン大磯まで戻ってきたところで天気快復。次の雪が降り出す前に大急ぎでサンドイッチを詰め 込むと再び大船山北側の鞍部を越えて十倉へ戻る。またしても横殴りに降り出した雪をついて家路目指し て爆走した。           (本日の走行距離 82km) 3月20日(火)篠山/桂山〜仁入道ケ嶽(2.5万図 福住)  桂山、仁入道ケ嶽は篠山盆地南部、弥十郎山塊東端の尾根上に位置する山。R173で天王から福住に 下る時左手に見える山々である。MTBで籠坊温泉出合橋から原へ上がり、奥谷峠から稜線を下っていく 方がいいのだろうが、今日は昼過ぎから所用があり、どうしても14時までに戻らなければならない。万 一籔っていた時のことを考えて、時間が読める「歩き」にすることにし、5時56分アプローチの時間を 短縮しようとロードで出発する。  2〜3日前から急に春めいてきた。今日も18度まで上がるという予報なので出発時の気温6.1℃な がらウエアも春仕様だ。西よりの風が強く悩まされはしたが、ちょうど2時間で天王に着くと豪快なダウ ンヒルを楽しんで福住へ。安田にあるコンビニで食料調達し、小野奥谷に到着(8時15分)。法筐印塔 の説明板が立っているところから竹やぶの中に入りロードをデポ、まずは桂山への登りに入る。  法筐印塔の横からしっかりとした道がついており、すぐに尾根筋に達するとあとは快適な散策路が続い ている。桂山へは20分ほどで着く。3等三角点は北向きに埋まっており、そこだけが小広い空間になっ ている。樹木に覆われて展望はない。北の八ケ尾山が切り開きから少し見える程度だ。更に先を進む。落 葉の堆積した気持ちのいい道が続く。Ca450ピークを過ぎたところ(地形図の崖マーク)に眺めのい い場所があり、飛曽山の堂々とした姿が臨める。  尚も道を辿ると奥谷側にシカ除けのネットが現れ出し、倒木と相まって歩きにくくなる。9時09分仁 入道ケ嶽山頂到着。「川西HC」と書かれた登頂プレートがかかっている。西側は植林で伐採しているの で眺めはいいが、シカ除けのネット越しというのがいただけない。何の変哲もない山頂なのですぐに歩き はじめる。一旦南へ急降下。歩きにくくなってきたので、倒木がネットを倒しているところから奥谷側に 入る。植林のために伐採している分歩きやすいが、イバラも多く結構痛い思いをする。仁入道ケ嶽南のC a510ピークが続くあたりは、ヤブが深く足元が見えないところもあるが、クリアすればまた歩きやす くなる。
仁入道ヶ嶽山頂

 そして急坂を登れば岩マークが斜面についているCa540ピーク。山の上は松林の間に1m前後の岩 が数個、庭石のように配されている。このあたりからは右手斜面は伐採されていて展望の山歩きとなる。 シカの糞も多くネットは無意味のようである。  だらだらと続く斜面を登って632ピークに着く(9時54分)。南西から吹き付けてくる風がゴーゴ ーと音をたてている。休憩もそこそこに再び歩き出す。シカ除けネットを左手に見ながら、ところどころ 現れる赤い界標を辿りながら歩いているといつの間にか北を向いているではないか。地形図で確認すると 632ピークから北西に伸びている稜線を歩いている。界標は奥谷峠に向かって付いているなんて保証は どこにもないのだ。慌ててバック、雑木ヤブ越しに西へ続くピークを認め、適当にネットを越えて軌道修 正完了。  ここから先はまったく踏跡すらないルートだ。落葉がふかふかに堆積した絨毯ルートで雑木も密生して いないのでそう苦労はしないが、コンパスで方向確認だけはしっかりとすることが必要だ。10時28分 突如目の前に巨岩が現れる。地形図のCa630ピークの上に岩マークがついているところだ。これが帽 子岩らしい。てっぺんに立つと抜群の展望。丈山北峰が目の前に聳え、後川新田側が一望の元に見渡せる。 眺望を肴に岩の上で昼食タイム。10分ほど休んで奥谷峠の下りに入る。道の無い山は難しい。あと僅か と気を抜いたらもう北側に張り出した支尾根に踏み出している。軌道修正し10時43分奥谷峠へ下りる。 原側からしっかりした道が登ってきている。何度かミスコースでタイムロスをしているのであまり余裕が あるとはいえない。ゆっくり休むこともままならず、北に向かって下る。はじめは道の上に倒れ掛かった 枝が張り出す、歩きにくいルートに加え、不明瞭な箇所もあり、何度かネットを乗り越えたり、開けたり 閉めたりするところもあったが、林道がかなり奥まで伸びてきており、11時22分デポ地に戻ると、後 は西風との戦い。なんとか14時2分前に帰り着いた。          (本日の走行距離 103km) 3月24日(土)篠山・園部/岩坂山〜原山峠(2.5万図 埴生、園部)  昨年4月に天引峠〜岩坂山ピストンを行ったが、岩坂山から先にも明快な道が続いていたので今日はそ の先を行ってみることにする。最近ぐんと春めいてきたが、今日は最高気温20℃まで上がるという。こ れからは軽装で走れるのがうれしい。午前5時57分出発。  4日前に続いて泉郷峠−天王峠越えで福住まで下る。MTBの分だけ遅い。安田にあるコンビニで食料 調達し8時38分天引峠に着く。関電の巡視路を登って稜線に出る。松の落葉をメインにしたフカフカの 絨毯道で快適そのものだ。2番目の鉄塔の手前は北摂、丹波の展望台。南に深山、北に多岐連山、西の方 には高城山が小さな頭をのぞかせている。8時57分、少し早いがここで軽食休憩。近くでホオジロが鳴 き、ウグイスも鳴いている。いいなあ春の低山は。  しばらく休んでMTBにまたがる。ここから岩坂山山頂直下までは落葉を巻き上げながら豪快に走れる。 5分ほどで岩坂山の山頂に。去年訪れたときよりも北西に続く踏跡が明確になっているようだ。巡視路に 戻り走り出すとすぐに、道が左右に分岐。左は巡視路、右は府県界の切り開きだ。右の方は岩が目立つ上 に倒木も多い。どうせその内合流するだろうと左の巡視路を行く。岩坂山すぐ北のCa410ピークまで は文字通りの快走路、だが、その後は植林帯の中を急激に下っていく階段道で「担いで」下りるという面 白くない状況に。再び稜線に乗っかるどころか、中原山の集落に向けて下ってしまった(9時38分)。  ここで進路修正、再び稜線を目指して地形図の水田マークの南端を東に回りこみ、木材の切り出し作業 をしている横を通って猪垣を越えて山の中に入るが道がない。振り向いて様子を伺っていると積み上げた 材木の後ろに「火の用心」発見。トラックが邪魔をして見えなかったのだ。
岩坂山山頂直下の快走ST中原山の木馬道

 話には聞いていたが初めて見る木馬(きんま)道だ。巡視路の上に「レール」を敷いてくれるものだか らまた「担ぎ」だ。途中「火の用心、No60、61」の標識が何度か現れるが、その標識が指している 方向に道は無い。あくまでも木馬道を伝って、終点から鉄製の橋を3つ渡って道なりに行けば稜線に着く (10時05分)。  地形図のCa350鞍部だ。南から北に向かって小径が続いている。岩坂山の分岐で右にとっていたら 快適な稜線STだったかも知れない。鞍部で少し休憩して北に登り返すと、すぐにNo103の鉄塔。す ぐ北東上空で高圧線がクロスしているところだ。ここから700mほどは連続乗車区間。376標高点ま で一気に走ると下って右に分岐、稜線をトラバースして北に伸びる右側急斜面の細いSTを直進、稜線か ら下ってくる踏跡と合流するところまで面白いように走れる。周りの松を主体にした雑木林の雰囲気とい い、宝塚の鳥脇山西尾根に似ている。  そこから少しの「押し」でNo101鉄塔が建つ376ピークに到着(10時22分)。ここも眺望が いい。北西に山腹がゴルフ場になってしまった三国岳(508m)がすぐ近くに見える。休憩しながらメ モを取ろうとするとボールペンがない。爆走中にどこかへ振り落としてしまったらしい。山道を引き返す こと約200m、落葉の絨毯の上に落ちているのを発見。余計な労力を使ってしまった。それにしても暑 い。サドルバッグに付けた温度計は22℃を指している。もうここまでくれば原山峠まであとわずか、ペ ットボトルのドリンクを少しだけ残して飲み、10時38分走りだす。  と、なんということか。細い切り開きの道は、左側に有刺鉄線の柵、右側にシカ除けネットという最悪 の条件に。おまけにこれまでに比べヤブと倒木が多くなり、1m前に進むのも困難な状況になる。有刺鉄 線とネットがなければ乗ったままでもなんとかクリアできそうだが、特に有刺鉄線はプレッシャーだ。細 いところでは両者の幅が40cm無いところもあってネットに絡まりながら有刺鉄線デスマッチ状態にな る。ようやくの思いで抜けてきた鞍部は原山峠南東300mの地点。原山峠へは明快な道が無くここから 園部側に下りることに。途中まで続いていた広い道は突然山抜けと共に無くなり、後は植林帯の激斜面を 転げ落ちるように下り、峠から下ってくる道に合流、竹井から宍人へ抜け、いつもの北摂周回コースを向 い風と戦いながら家路についた。          (本日の走行距離 110km)

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