山を駈ける風になれ2002年 2月号

 
2002年1月5日(土)北摂/大野山〜渓谷の森公園(2.5万図 福住)
2002年になりました。今年の走り初めは阪神間の最高峰大野山へのヒルクライム+渓谷の森
公園ルートの初探索でMTB山行の幕開けだ。
当初1月3日を予定していたが、この時季にしては異常とも思える寒さ、午前7時現在でマイナ
ス3℃を下回っていたことから今日に予定を変更。6時現在の気温7.1℃は暖かいくらい。テ
ルモスに熱いレモンティーを詰め、6時50分出発。昨日の雨で路面は濡れているが凍結の心配
はない。
走り出して5−6分、清荒神と売布の間を走っていると左手路地から車がいきなり飛び出してき
て衝突。乗用車のボンネットの上をうまく転がって見事に着地、転倒はまぬがれる。ドライバー
のおばちゃんはえらく取り乱してしきりに謝っていたが、幸い何ともなかったので、MTBの状
態をチェック、「大丈夫」と告げてツーリングを続ける。それにしてもここのところ「当り」が
いい。つい40日ほど前にも車とクラッシュしたばかりだというのに。でも今日の受身はスタン
トマン並みだ。でも普通の人なら下手すりゃ骨折だ。いい加減にしてほしい。
さて、何事もなかったかのように笹尾のコンビニで食料を調達し、杉生から大野山の登山口であ
る柏原へ(8時42分)、更にアルプスランドへの上りに向かう。
さすがに林道の両脇には雪が現れる。1月の大野山には6年前、MTB仲間と初日の出を拝みに
登って以来だが、その時は杉生から積雪があり、柏原では10センチくらいの積雪だったと記憶
している。それを考えるとやっぱり今年は暖冬なのか。
思った以上に気温が高いので、全身汗びっしょり状態だ。日陰のカーブは凍結している。リアタ
イヤが何度も空回りする。それにしても随分と景色が変わった。去年8月に来た時に比べ、林道
脇の木が伐採され、雑木の森の深みが無くなってしまった。
あれこれ思いながらペダルを回してきたが、アルプスランドまであと200mというところで雪
が固まって完全凍結。転倒。といっても時速4kmなのでMTBが流れ、ついた足も滑って流れ
たといったところか。凍っている方に視線がいった途端引きこまれてしまった。
ツルツル滑りながらなんとかクリア、アルプスランドに到着すると何だか景色が違う。右手前方
に見えている尾の山無線中継所のアンテナの途中から上が無くなっている。解体工事でもするの
か?そして左手前方には山の斜面を削って建設中の大野山天文台が現れる。
建設中の大野山天文台解体中の尾の山無線中継所

猪名川町が8000万円をかけて建設中の天文台で、直径50センチの天体望遠鏡が設置される ほか、プラネタリウムもできるそうだ。ここなら満天の星を見ることができそうだ。3月完成予 定。 今日のメインはまだ走ったことのない渓谷の森公園ルートだが、ここまで来たのだからと山頂に 登る(9時16分)。気温2℃。積雪は多いところで5センチ程度とちょっと淋しい。相変わら ず抜群の展望、今日は多紀連山もよく見える。深山と高嶽の間遥か奥にひときわ高く見えるのは 京都の愛宕山か。
渓谷の森公園へ下る

ひとしきり展望を楽しんだあと尾の山中継所の下まで戻り広場の先から渓谷の森公園コースに入 る(9時30分)。山頂から北西の谷をジグザグに下るのかと思われたコースはクマザサの間を 東に回りこんで山頂から北北西に伸びる尾根を下っていく林間快適コース。ブレーキシューの周 りに雪を落ち葉の塊が膨らむ度に、止まって取り除く必要はあるが、文句無しのMTB快走コー ス。途中連続600mカッ飛び区間も現れるなど涙が出るほどありがたいシングルトラックだ。 整備されて間もないので倒木の類も殆どない。下るに従って木で組んだ階段が現れるが仕方のな いところか。最後は細い流れを2回渡り返して「丹波 渓谷の森公園」に下りつく(10時00 分)。去年だったか、一昨年だったかに出来たオートキャンプ場。キャンプ場に興味はないが、 おかげでいいMTBコースを走ることができた新春初走りであった。           (本日の走行距離 95km) 2002年1月12日(土)北摂/深山北尾根〜ウドの谷(2.5万図 福住、埴生)  北摂最高峰、深山に天王側から登り、舩谷山を通って北尾根をウドの谷の源頭に下りるという コースを行く。昨年5月、天引峠からウドの谷まで府県界を歩いており、今日のコースを完走す れば北尾根完全走破ということになる。 寒の入りだというのに3月初旬の陽気ということで、日中は15℃まで上がるという。信じられ ないくらい暖かい中、6時50分MTBで出発。風も弱くまずまずの走りで杉生を通過、杉生新 田への上りをちんたら走っているとMTBに乗った人が3人坂を下ってくる。そういえば北摂ラ リーって今日だっけ、と思いながら奥猪名健康の郷の前までくると、たくさんのライダーたち。 籠坊温泉分岐へ入り休憩しているとマウンテンバイカーが一人やってきた。島田さんだ。出走前 だというのにわざわざやって来て頂くとは。ハンドルバーにはコースマップをセットし、234 番のゼッケンもついている。背中のザックにはギャグの小道具も入っている。今年もやるか「3 バカトリオ」…こりゃ失礼! 5分ほど話をしたあとでツーリングに戻る。泉郷峠を越え、天王に向う道は半凍結状態。でも道 端にずいぶん前の雪が残っているだけで淋しい限り。9時15分に寺田橋に到着。休憩の後、氷 の張った道を浅井牧場跡経由でNTT専用道路へ。さすがにここは一面の雪だ。歩けば滑る凍結 した雪面もMTBのタイヤなら何とかクリア、青空に映えるロボットのような雨量レーダーの建 つ山頂に到着(9時50分)。
頂上への林道右手雲海の中に胎金寺山

京都丹波方面は一面の雲海。眼下には特徴ある山頂を持つ胎金寺山も見える。西風が少々強いが 暖かい日差しの中、軽食休憩。10時になったところで北尾根縦走にかかる。北斜面は雪が残っ ているが、去年6月に舩谷山まで縦走した時に比べればササもうるさくなく快適。冬枯れの雑木 林の中の走りを楽しみながら10時15分に舩谷山に着く。 さて、ここからは北北西に進路をとる。青や黄色のビニールヒモ、テープの類がうるさいくらい に現れるので間違いようがない。舩谷山から400mほど進んだところでCa700のコブに着 く。一本の大きな枯れ木の幹に青テープが巻いてある。ここでテープは左右に分岐。府県界は左。 最初は急な斜面で乗車不可能だが、やがて快適乗車区間へと変わり、400m連続の快走が楽し める。深山北尾根は深山側の方が圧倒的に乗車率が高い。 満燈山が雑木越しに見える斜面を下っていると「No4」と書かれた3級基準点が現れる。10 時45分、小さなコブに着く。ここでまたテープが左右に分岐する。ここも地形図通り左へ。乗 車区間はまだまだ続く。枯れ枝に時々ひっかかりさえしなければ本当にラクなコースだ。
北尾根526mピーク

10時53分、「K145」の赤い杭の立つコブに到着。地形図526標高点ポイントだ。南に 15mほど行ったところに「No3」3級基準点があるが、小さな岩場になっていて西側の展望 がいい。今月下旬に縦走予定の桂山から仁入道ケ嶽へと続く尾根の向こうに一段高い飛曽山から 丈山北峰へと続く山が連なって見える。 526標高点から下れば「B89」と「K150」の杭が埋まる細い鞍部(11時05分)、す ぐ右下には植林越しに林道が登ってきているのが見える。目の前に見えるコブを越えれば前回下 った「K153」の鞍部。MTBを担いで強引に林道へ下り立つ。 ウドの谷の源頭だ。深山からここまで体感乗車率は70%、こんなに乗れるとは思わなかったの でビックリだ。さて、ここからは林道を爆走。MTBタイヤを通して霜柱のサクサク感が伝わっ てくる。ハンドルバーに伝わってくる感触を楽しみながら下ると、もうそこはガヨの谷入り口。 天引林道を下りR372に合流すればあとは早春のような丹波路、八田峠、柊峠と回り帰路につ いた。          (本日の走行距離 102km) 2002年1月14日(月)北摂/検見山〜天狗松〜向山(2.5万図 武田尾) 暖かい日が続きます。早春のような陽気。日中は13℃まで上がるという。MTBで陽だまり山行 するにはお誂えむきの陽気ということで、6時50分、MTBにまたがり出発する。今日は宝塚北 部の表題の山々を巡ることに。近場だから帰りの時間を気にしなくてもいい。ゆっくりできるのが 嬉しいところだ。 川西能勢口を少し行ったところにあるコンビニで食料調達。広根から切畑、鳥脇と通過、十万辻ト ンネルをぬけ、ゴルフ場の道からトンネルの上に出る(8時25分)。快晴無風、野鳥の声がこだ まし何とものどかだ。 まずは検見山に登る。ここは最初の階段の「担ぎ」をクリアすれば殆ど乗車できる最高のルート。 登山口から10分ほどで山頂左の鉄塔に着く。ドリンクで口を湿らせ今度は西尾根へ。ここから西 の385標高点手前の分岐まで約800mの間は低い常緑樹の間をすりぬけて走る連続ハイスピー ド区間。北摂を走っているMTBerなら入門コースというか、絶対に押さえておきたいコースだ。 鞍部からは北に。更に連続乗車が続く快適シングルトラック。右手下からの林道に合流すると「カ トリック大司教区所有地」と書かれた札が立つ空き地の横を通って切畑に戻る(9時07分)。 少憩の後県道を北へ。1.5kmほど行ったところ、地形図の245.6水準点のある林道に入り 尾根越えで一の谷池に向う。奥の池は改修工事中か水が抜かれていてカラっぽだ。池の手前のやや 広い幅のあぜ道を東へ。あぜ道の上には堆肥の山。ここは退避、畑の中を迂回して、宝塚市の赤い 境界石標のある山道に入る。 いい山道が続いている。少し登れば城山の姿を最もよく捉えられるビューポイントがある。ここか ら見ると山頂は平坦になっていて、昔砦があったことが窺える。山道は関電の巡視路で、やがて谷 を渡り城山の西肩に続いていく。
城山を見ながら尾根を登る天狗松(東麓から)

9時41分、No33の鉄塔の下に着く。ここから城山山頂に向う山道がついているが、今日はこ のまま下りの道をとる。最初500m連続で乗車可能な快適な道、その後連続「押し」「担ぎ」の 激下りとなり、一の谷池へ(9時51分)。 こちらはすっかり改修工事が完了し、公園風になってしまった。山陽自然歩道はいつの間にか近畿 自然歩道に変わり、池の淵には柵が設けられている。ハイカーが落ちないように配慮したものか、 釣りをさせないようにするために設けたものか。いずれにしても以前の自然な雰囲気が無くなって しまったのが淋しい。 ここで早めの食事を摂る。池の堰堤に出、奥行きがもっとも楽しめるところに陣取り、塩カルビ弁 当を食べる。うららかな日和、ハイカーの一組でも現われるかと思ったが誰一人通る気配はない。 20分ほど休んで自然歩道を東へ、橋の手前を北に林道を進む。とライダーが一人休憩している。 銀山見物のついでにでも立ち寄ったか、でもバイクではせいぜいここまで。この山域の本当のよさ はシングルトラックに入ってみないとわからない。 途中から東宝塚GCの間をぬける道に入る。この道は初めてだったが、イヤになるほどの急坂が続 く。やっとの思いで最高所に出ると、皮肉なことにそこは北摂の展望台。大船山、昼ケ岳、羽束山 といった山群が目の前に広がる。 長谷、大原野と走りついで10時35分、安場池のある松葉屋に。次は天狗松(339.8m)だ。 大原野から南下してくると右前方に形のいい双耳峰が現われるが、天狗松とその南西にある368 峰が重なって見えることによるものだ。 天狗松への登路は知らない。ただ、山頂に中継塔が見えるので、どこかにケーブル埋設道があるは ずだ。東麓の集落から溜池の横を通り、山頂と南のCa320との鞍部を狙ったが全くのヤブ。あ ちこちあたりをつけたがどうやらこちら側には道は無いようだ。でもたかだか標高差100m程度、 ヤブを掻き分けて山の中に入る。最初鞍部を狙っていたが、途中から面倒くさくなり、頂上直登に 変更する。 頂上に近づくにつれシダが深くなってきた。殆ど首まで埋まるくらいのシダの急斜面を強引に登る。 頭上に中継塔が見えてきたと思ったらポンと山道に飛び出した。頂上から5mほど手前のポイント だ(11時03分)。 山頂には「NHK宝塚大原野中継塔」と書かれた塔の他に2本のアンテナ、1本の電柱が建ってい る。名前の由来になる松はない。三角点は小広い広場の隅っこにある。3等だ。三角点のあるとこ ろから北西に切り開きがあり、大船山方面の展望がいい。
天狗松山頂直下にある祠

10分ほど休んで下山にかかる。下山はラクだ。ケーブル埋設道を下る。200mほど下ったとこ ろに祠のある広場が現われる。祠越しに山頂を仰げるようになっている。ここからは昔からの参詣 道に。11時25分宝山寺を正面に見るポイントヘ出た。まっすぐ下りて来れば山頂から10分も かからないだろう。山をぐるっと回ってデポ地に戻る。 再びMTBにまたがり南下、境野で右折、植花夢ガーデンへと道を辿り(11時45分)、酪農セ ンターで乗馬をしている人を横目に見ながら建物の裏に廻り、ジュクジュクした道を南西に進む。 道はすぐにササの深い山道に変わるが、平坦で意外によく乗れる。谷筋の道に変わると一部「担ぎ」 の箇所も現われるが、やがて連続乗車できるシングルトラックになり千刈貯水池東岸に出る(12 時05分)。ここから南下したことはあるので、今日は北上する。この北上コースは文句なしにい い。左下に満々と水をたたえる千刈貯水池をみながらいきなり1.2kmの連続乗車で始まる。少 しの「押し」のあとまた連続乗車。ちょっぴりスリリングで豪快な走りが楽しめるコースだ。難易 度は高くない。
貯水池東岸コース

12時36分、北岸の清の瀬橋に出る。30分のお楽しみコースだった。暫く休憩。次の目的地を 検討する。ここから近くで未踏の山といったら「波豆富士」ことたかつこ山、それに向山だ。時間 を考え波豆の向山(339.2m)に登ることに決める。 千刈貯水池に架かる赤い橋を渡って普明寺へ。急坂を「押し」て本堂の前に着く(12時50分)。 さて、登山口はと地形図を広げて確認していると、寺に飼われているのか白い中型犬が尻尾を振り ながら寄ってきた。犬の相手をしながら登路を探るが、明確な道はなさそうだ。とりあえず本堂奥 横から上に続く墓参道を上っていこうとすると、さきほどの犬が足元をすり抜けて先をかけていく ではないか。 墓地は3段ほどで終わりだが、更に北に向かうと林道が現われ、更に一段高いところに墓地が現わ れる。墓地の最上部からヤブの中に突入する。と白い犬は喜んでヤブの中を先になって走っていく ではないか。まったくのヤブだが、適当に進んでいるわけでもなく見ていると結構理にかなったル ートを選びながら進んでいる。 「牛に牽かれて善光寺参り」ならぬ「犬にひかれて向山登山」だ。これまで数多くの山に登ってき たが、犬に先導されて登るのは初めてだ。犬は10mほど先を行くと立ち止まってこちらが追いつ いてくるのを待っている。声をかけてやりながら後ろから追いかける。 その内に三田市との境界尾根に出た。踏跡がついている。これでメドはたった。落ち着いたところ で先を行く犬を見ると尻尾が2本ある。よく見れば途中から2本に分かれている。これが猫なら妖 怪「猫又」、狐なら「九尾の狐」というところだが、私にとっては神の導きならぬ仏の導きだ。3 回ほどコブを越えたところで、向山山頂に着いた(13時07分)。
向山山頂と先導してくれた犬

4等三角点だ。ヤブに囲まれ展望はない。犬にもチョコを分けてやりながらしばらく休む。下山は どういうわけか、犬の方が後からついて来る。始め境界尾根、途中から右に折れて踏跡のように見 えるところを下ると本堂の一段下の池の前に出た。犬は池でしきりに水を飲んでいる。これも下山 は10分ほど。 13時30分、帰路に着く。犬はどこへ行ったのか姿は見えない。不思議な犬だった。宝山寺から 大原野に入り南下、出合橋から切畑、十万辻と走り、14時39分家に戻った。       (本日の走行距離 72km) 2002年1月19日(土)篠山/火打ケ嶽(2.5万図 篠山) 篠山盆地南部の低山を巡る。先週に続く300m台の超低山だ。超低山=お手軽山行とはいかない ところが、ヤブ山の面白いところ。道さえはっきりしていればあっという間に山頂だが、完全なヤ ブだと、先週の天狗松のようにシダの胞子を大量に吸い込んでしまうことになったりする。 6時現在の気温4.6℃。日中は先週ほど暖かくはならないものの、この時季、この温度はありが たい。6時51分、出発。R176回りで篠山へ。 昨日から右ヒザの調子がよくない。歩くと痛む。R176コースだといきなり赤坂峠越えがあるの で、調子が悪ければすぐに戻ってくればいいや、とどこまでも楽観的。いざ走り出してみると快走 とはいかないが、それでも冬場にしてはなかなかのタイムで峠を通過する。自転車というのはヒザ に負担がかからないのでこういう時に助かる。 三田までは快走を続けたが徐々に北東の風が強まり、向い風に苦しめられる。8時55分、東吹の コンビニで食料を調達、先月歩いた槙ケ峰の北側を東へ走り、南新町からの道とクロスする交差点 を南に折れ、小枕の交差点に着く(9時10分)。 今日はまず火打ケ嶽に登り、続いて東隣の法光寺山を登ろうという計画。小枕の交差点の南東すぐ のところにある神社マークから山頂への道を探ることにする。が、神社に着いてみるとそれらしき 山道は発見できない。 しかたなく、神社の背後、南側の植林帯の斜面をよじ登り支尾根に取り付く。下から見上げると竹 林で歩きやすそうに見えたが、実際は直径10センチほどの竹が一斉になぎ倒されており、通過に 難渋する倒木ならぬ倒竹地帯だ。 倒竹地帯を抜けるとまた植林帯になり、こちらは下枝もきれいに掃除されて、非常に歩きやすくな る。すぐに地形図の荒地マークのコブに着く。実際はきれいな植林帯で荒地ではない。踏跡などは ないが、どこでも歩けるので支尾根をはずさぬように歩く。 すぐに植林と雑木の混合林に変わり、踏跡とは呼べないものの歩ける道が現われる。疎林越しに三 嶽が見える。尾根伝いにちょっと北に振っている。短い急坂を登りきると測量ポールの立つ山頂へ 出た(9時34分)。 雑木に囲まれた山頂だが、山頂の周囲だけきれいに伐採され、落葉が厚く堆積している。三角点は 3等、殆ど落葉に埋もれているありさまだ。平坦で砦跡のようにも見える。しばらく休憩して下山 にかかる。南尾根には踏跡が続いている。試してみたいルートだが、今日は最初のヤブでMTBを デポしてきたのでそうもいかない。 同じ道を下ったのでは面白くない。山頂から北北東側を覗き込むと尾根筋に歩けそうな踏跡が続い ているのが見える。下ってみる。人の手でつけたと思われる道だ。おまけにササが伐採されていて 見晴らしがいい。多紀連山のビューポイントが現われる。手前には四季山が小さく盛り上がってい る。ここで軽食タイムにしようかとも考えたが、今日は曇っている上に北寄りの風が冷たく、その まま北東尾根を下る。
火打ケ嶽山頂北東尾根から多紀連山をのぞむ

途中で左に下る道。道幅1m以上のしっかりした道だ。更に下っていくと右手に金網が現われる。 尾根筋の右側をトラバース気味に下って行く道で、このあたりMTBだと500m以上全線ハイス ピード乗車区間。 右手の金網に扉が出てきたところで、道は左手に下り、そのまま竹やぶを下って行くとR372に。 四季山との鞍部、坂の手前、歩道の柵が途切れたところだ(9時55分)。 MTBをデポした神社に戻る。MTBに乗ってる時はそうでもなかったが、国道沿いを歩くとやは り足が痛い。50km走って家に戻らなければならない。次に予定していた法光寺山はまたの機会 にしよう。神社でMTBを回収すると四季山の周囲を走る破線の道を通り、北上して南新橋から篠 山城下町へ入る。27日に予定のヤブ山歩きで利用するタクシー乗り場を確認するためだ。しっか りと現地確認をした後、追い風を受け篠山をあとにした。        (本日の走行距離 103km) 2002年1月27日(日)北摂/光明山〜天台山(2.5万図 広根、妙見山) 昨日午後から降り出した雨は、天気予報に反して早朝には上がり、青空が顔を覗かせはじめた。と なってくれば走り出さずにはおれない。8時47分、路面がある程度乾いてくるのを待ってMTB で出発。 風は強いが暖かい。川西能勢口回りで北上、紫合から阿古谷に。山間に入っていくにつれ時雨てく る。寒天干しの作業場を横目に稲荷坂への急坂を上リ、一直線にのびる農道をMAX55km/h で下る。道幅がせまいのでスピード感がある。府民牧場の前から再び北上して森上、栗栖、名月峠、 猪子峠と越える。妙見山へのアプローチは野間峠への長〜い上り。 降りしきる雨の中、ようやくの思いで野間トンネルを越えると妙見山へのバス道に入り、11時3 2分、光明山への分岐である車道に入る。自分で峠越え連続コースを設定したとはいうものの、も うこれで車道の上りは無いと思うと気は軽い。 光明山への登山口は3分ほど車道を走ったところ、左手に「火の用心No17、18」の標識があ るところが目印だ。小さく「光明山へ」の標識もある。MTBを押して尾根筋に上がるとしっかり としたハイキングコースがついている。しっとりとした詩情あふれる道で、乗車したまま登れる程 度の斜度だ。植林帯の中、左右に山道が分岐するところは、正面の尾根筋を「担いで」登る。登り きるとまた踏跡があり、乗ったまま11時50分、光明山山頂に着く。
光明山登山口光明山山頂

西は植林帯、東は雑木林だ。3、4枚の登頂プレートがかかっている。展望はない。雲の流れが早 く、雨が降ったり日が差したりと目まぐるしく変わる。気温4℃。風が強くて、じっとしていると 寒いのでチョコレートを齧っただけで、先を行く。 調子に乗りすぎて直進、ヤブに突っ込む。少し戻ると尾根筋に本来のハイキングコースがついてい る。いきなり高速の下り。反動で上り返すと今度は、植林越しに見える車道に向けて直滑降の下り。 このままコントロール不能で車道に激突するのではないかと思うと、車道に沿って爆走の山道。ち らっと見たサイクルコンピューターは29km/hを指している。ダブルトラックの林道の30k m/hでも怖いのに、シングルトラックの30km/hはむちゃくちゃ怖い。スピード感も長島ス パーランドのスチールドラゴン2000に勝るとも劣らないといっても過言ではない。何しろ、こ ちらは失敗すれば、どこかへ飛んでいくのだ。 11時58分、車道に出る。山の中では感じなかったが、車道に出ると雨は強い。水しぶきをあげ ながら車道を走り、右手「天台山へ」の標識に従ってMTBを植林帯へ「押し」上げる。山の中に 入ってしまうとまたも雨を感じなくなる。これも傾斜の緩い道だ。途中光明山、妙見山、野間山方 面のビューポイントが現われる。 妙見山の南斜面には日が当たっており、小さな虹がかかっている。写真を、とカメラを取り出して いる間に雲に覆われ雨のカーテンに白く煙ってしまった。山の最高部にあたる植林の中に三角点方 面を記した分岐が現われる。左に折れて20mほど行くと、大阪府のテレメータの設備。土石流の 観測施設だ。施設の前を右に折れて5mほどのところに天台山の三角点がある。 12時13分。登山口から10分ほどだ。ここも展望はない。頭上に青空が広がってきた。日の当 たる暖かい場所で休憩。一息つく。
天台山山頂南西尾根快走ST

5分ほど休憩の後、先ほどの分岐に戻り、本日のハイライト、天台山南西尾根の下りにかかる。い つも走っている丹波の山から比べれば、夢のような綺麗な山道。またもハイスピードの走りが始ま る。昔と違い、「ときわ台へ」という標識が要所々々にあるので間違いようがない。 2.3km、ほぼ全線乗車(雨に濡れた木の根で滑ってコケたり、飛ばしすぎてトレールからはず れたりしている以外は)の山道は、快適すぎて、もうどのあたりを下っているのかも判らないほど。 快走の末、吉川峠の手前の分岐に着く。今日はオフロード三昧をしたいので、南の下止々呂美への 林道をかっ飛ぶ。雨上がりの林道はぬかるんでいる。R423に合流した時には全身泥だらけだった。        (本日の走行距離 72km)  

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