山を駈ける風になれ2002年 4月号

 
2002年3月2日(土)春日/大野坂〜千丈寺山〜城山(2.5万図 黒井)
昨年11月のヤブ山歩きで、歩き残した表記の行程をMTBで縦走する。すっかり春のような陽
気の中、6時29分スタート。今日は北寄りの風が強くなるとのことなので、少しでも早く現地
まで走りきってしまいたい。
途中、向い風に苦しめられたりもしたが、9時04分、柏原のコンビニで食料調達。9時30分
には前回“怪しい石仏調査団”をやった不動明王の横を通り、9時43分大野坂に到着する。島
田さん、たぬきさん、コンパス姫らとにぎやかに下り着いた大野坂も今日は寂しげな表情を見せ
ている。
一息ついたところで斜面に取り付く。前回、赤テープをチェックしていたので登り口はわかるが、
両手両足を使わないと登れない急斜面、MTBを担いで登るのはなかなか辛いものがある。おま
けに中途半端なところに枝を広げている木があって、急斜面の途中で斜め旋回しながらクリア、
続く倒木も決死の思いでクリアし、なんとか安定した足場に辿り着く。
赤と黄のテープが続いているのでコースを間違えることはないが、それはあくまで“歩き”を想
定して付けられたテープなのでMTB同伴ということになるとそうは簡単に前進できない局面が
連続する。山の中はまだガスっており、ヤブを掻き分ける度に頭の上から“水”をかぶる。
10時、ようやくの思いでコブに着く。地形図のCa270ポイントのようだ。ということは大
野坂からまだ全然進んでいないということだ。ちょっとショック。気を取り直して、少し踏跡ら
しくなった道を進む。部分的に乗車もできる。やがて踏跡ははっきりとした“径”になって千丈
寺山の北側を巻きはじめる。ここで赤テープのあるところからヤブの急斜面をジグザグに登って
稜線を忠実にトレースする。
千丈寺山山頂。大柿プレートが下がる

千丈寺山山頂直下は激斜面だ。でも大柿氏の赤布が下がっている。さすが大柿氏、どんな急斜面 でも赤布を巻きながら登る余裕があるのは驚きだ。溝を切った後を渡り、一気にMTBを担ぎ上 げ、千丈寺山山頂に到着する(10時25分)。千丈寺砦とも呼ばれるこの山頂も戦国時代の山 城の跡で砦上の平坦面は雑木に覆われているが、はっきりと形を見て取れる。 大柿プレートの前にMTBを立てかけて休憩、水分補給を摂った後、東へ急降下する。下りきっ たところに「イナツカ」と書かれた石標が埋まっている。「稲塚」は南麓にある集落の名前だ。 このあたりから“径”はハイキングコースのようないい道に変わり、連続乗車もできるようになる。 2つばかりコブを越えると城山が大きく近づいて見えるようになる。10時50分、鞍部に到着。 南からハイキングコースが上がってきている。また、尾根筋の北側を巻くように平坦な道が西へ 伸びている。これは先ほどの千丈寺山の北側を巻いていた道に合流するのだろうか。 「黒井城址登山道 あと500m」と書かれた看板の前を通り、格段に良くなった道を行くと、 手すりの着いた階段まで現われる。幅が狭く手すりが邪魔でMTB同伴には不向きだ。階段を登 ってすぐのところに展望のいい岩場が現われる。ちょっと景色を楽しむ。 更に滑り易い岩場を登りきると「西の丸」の広場。雑草が生い茂った中を突破、一旦下って最後 の急登に入る。立派な石積みの遺構が残っている。もう目の前は本丸の高みだけ。一担ぎで城山 山頂に到着(11時10分)。
展望の岩から千丈寺山を振り返る城山頂上。背後は五大山

黒井城、別名「保月城」本丸跡である。明智光秀の丹波攻めを受けた赤井氏の本拠地である。東 西170m、南北40mの大きな城址で、東面には高さ3−4mの野面積みの遺構が残っている。 本丸付近一帯はきれいに整備されていて、「保月城跡」の石碑と少し離れて3等三角点が埋まっ ている。 眺望は抜群。眼下に黒井の町並みを眺め、西の方に目をやれば、千丈寺山から今日辿って来た山 々が、そして千丈寺山の奥にはひときわ高い五大山から鷹取山への稜線が煙って見える。愛宕山 は五大山と重なって一つの山のようだ。春のような陽気だというのにこの広い本丸跡には誰もい ない。この景色独り占めを楽しみながら軽食を摂り、ハイキングコースを興禅寺方面へ下りた。             (本日の走行距離 139km) 2002年3月9日(土)亀岡/半国山斜め横断(2.5万図 埴生) 山体の大きさでは北摂ダントツの半国山を横断する。しかも長径を通ってのコース。丸2日かけ て縦走した白馬三山は別としても、連続でこれだけ長いシングルトラックを走れる山は北摂、丹 波にはない。北西の南八田から南東の本梅町井出まで8.3kmは、99年8月の氷ノ山/東尾 根〜頂上〜戸倉峠コースの10.1km以来。しかもただのハイキングコースではない。一体何 時間かかることやら。 6時25分、出発。勿論今日もMTB。泉郷峠、天王、岡牧場前、瑠璃渓と通って南八田へ走る。 北摂最高所越えのコースではあるが、累積標高差を考えると天引峠、八田峠越えで走るよりも少 なくて済む。走り出してみれば、左足に疲労が残っている。それならと気持ちを切り替えてゆっ くりモードで走る。確かに2週間前より遅いが、岡牧場前までの所要時間でわずかに7分差。 瑠璃渓を下りきったところで水分補給をし、なおも下って高圧線の下をくぐり、右手下から林道 が合流するところで、180度ターンして地道の林道に入る。林道が橋を渡って右岸に入ってす ぐのところに「火の用心No112−114」の巡視路入り口が現われる(9時22分)。 登路を見つけたところで一安心、一服して登りにかかる。とはいったものの、登り口には倒木が 微妙な高さで門のようになっており、MTBを頭上に差し上げて倒木の下をくぐらせ、後から体 を運び上げなければならない、といういきなりやっかいな状況。
八田側登山口いきなりスリリングな道

登り始めこそ、植林帯の中を行くが、すぐに気持ちのいい雑木林に変わる。10分ほどでNo1 12の鉄塔に。しばらくジグザグの急登に「担ぎ」が連続するが、更に10分ほどでなだらかな 尾根筋に乗っかり、すぐに396ピークに着く(9時51分)。西側が伐採されていて深山、天 狗山方面の眺めがいい。谷を挟んで西隣の455ピークが形のいい山頂を突き上げている。すぐ 目の前にはNo113の鉄塔が建っている。
396標高点から天狗山(左)と興山(右)

「火の用心」の標識に導かれ先を行く。ここからはかなりの部分乗車したまま行けるので行程が 捗る。ちいさなコブを何度か上り返して10時05分、No114鉄塔に。北麓の埴生方面の眺 めがいい。太陽の方向には557ピークが毅然たる態度で立ちふさがっている。半国山本峰はま だ見えない。 高圧線を左手に見ながら557への登りに入る。ちょっと「押し」が続くしんどいところだ。で も先週の千丈寺山のようにひどいヤブではないので、コンスタントに進める。人の話声が聞える。 え?こんな山の中で誰が?と思いながら「押し」て行くと、山仕事の人達が4−5人、急坂の途 中で休んでいるではないか。挨拶をして「押し」て行く。颯爽と行きたかったが、よりによって 斜度のきついところ。ゼイゼイ言いながらゆっくり「押し」て行く。 ちょっと傾斜がましになった頃、右手に崩壊ポイント。更に景色を楽しみながら進むと557ピ ークだ(10時20分)。小広いスペースはあるが、雑木に囲まれて展望はなし。ペットボトル のお茶を飲む。暑い。抜けるような青空。無風。こういう日は雑木山の中はポカポカ陽気を通り 越して暑いくらいになる。 557ピークを下る。このあたりも殆ど乗車可。下りきった鞍部でまた5−6人の山仕事の人達 に遭う。今度はかっこよく下ってきたので、みんなに感心される。でもすぐに登りに入り、また ゆっくりの「押し」。なんだかんだ言いながら標高を稼いできた。Ca620ポイントは3叉路 に。北へ行くとNo117鉄塔だ。南へ折れる。山道が南東に振ったところで前方に巨岩が数個 現われる(10時48分)。 「かねちゃんのホームページ」でも紹介されていたCa650ピーク手前の巨岩だ。なかなかい い形をしているので、MTBを担ぎ上げて土台のようになっている岩の上に置き、記念撮影。道 は岩の右手を緩やかに捲いて登っている。巨岩のすぐ裏手に回って、登れるかどうか確かめてみ た。手前の木を使えば登れないこともなさそうだが、以外と岩の頂上部は細くて狭く、おまけに 下りる時が怖そうなのでやめる。
Ca.650手前の大岩

11時。Ca650ピークに到着。頂上部は伐採され、ススキの穂がたなびいている。ところど ころに小さな岩が転がっている様は山南町妙見山の東のピークのような佇まいである。違うのは 見える景色。西に深山が天狗山と重なって聳え、正面奥に形のいい横尾山、その左にでっぷりと した剣尾山が見える。そして、これから向かう南には662ピークの奥でひときわ巨大な盛り上 がりを見せる半国山。北摂の屋根を形成する山々の勢揃いだ。738ピークから西に派生するC a720山も雄大にその裾をのばしている。
Ca.650からの展望

いやあ最高の眺めだ。この大パノラマを肴に昼食タイムとする。振り返れば多紀連山も見えるが ちょっと靄っている。そこまで贅沢は言えない。頬を吹き抜けていく風はすっかり春の匂いがす る。サドルバッグに取り付けた温度計は12℃。ちょっと寝転びたい気分だ。 15分ほど休憩して次の662ピークに向かう。最短距離を狙おうかと思ったが、イバラが煩い ので、巡視路をNo118鉄塔手前まで下り、そこで右に急ターンして等高線に平行に付けられ た山道を飛ばせばCa600鞍部に(11時17分)。地形図ではこの鞍部を東西に破線の道が またいでいる。が、どうも今は廃道のようである。進行方向は南。以外にあっさりと662ピー クを通過。すぐに下りに入って着いた鞍部には「杉赤峠」の名前と「半国山ハイキングコース」 の文字。また別の木には「杉ケ沢コース」の標識も付けられている(11時30分)。
杉赤峠

「杉赤」とは言うまでもない南西の「杉ケ沢」と北東麓の「赤熊」から一文字ずつ取ったもの。 ここから俄然一般ハイキングコースらしくなり、個人的には面白くなくなる。ここから山頂まで は標高差にして160m、地形図では決してなだらかとは言えない登りのはずだが、「押し」易 くなったせいか、ずんずん進んでいける。 前方で話声がする。近づいてみると中高年のハイカーのご一行だ。全体で10人くらいか。最後 尾の老婦人は随分辛そうで、他のメンバーからかなり取り残されてしまっている。一番足弱な者 を最後に放ってしまえば、どんどんパーティーはバラバラになってしまう。ご近所の仲良しクラ ブかハイキング仲間か知らないけれど、基本ができていない。 「あともう少しですよ」と声をかけMTB担いでどんどん行くと、やはり2−3人ずつがバラバ ラになって登っている。みなさんが驚いて道を譲ってくれる中、最後はMTBに乗車したまま一 気に頂上へ。結局パーティー全員を抜いて山頂に到着(11時47分)。パーティーご一行様が 来る前に山頂で記念写真を撮る。ちょうどそこへ先頭の人が来たのでついでに撮ってもらい、M TBを端っこにどけて水分補給を取る。 茨木から赤熊コースで登ってきたという中高年パーティーは先着した者から、順にシートを広げ、 昼食タイムに。え、全員揃うまで待たないの、と驚きの連続。慶佐次先生ではないが、ボヤきた くなるのもわかる。基本がわかっていないとそのうち事故る。山頂で食事にしなくてよかった。 ハイカーがたくさんいるだろうと思い、眺望抜群のCa650ピークで食べたのは正解だった。 12時。ご一行に挨拶をして下りに入る。ここからは何度も走ったことのある井手コース(とは いっても直近に走ったのは95年10月だが)、直下は道がえぐれて乗りづらいが、すぐにかっ 飛びコースに。山頂手前分岐で写真を撮りあっていたアベックの前に丸太越えジャンプ一発着地。 驚くアベック。「イノシシじゃないからご安心を」をとジョークを言って爆走モードに入る。昔 なら「今日、山の中で“天狗”に遭った」と言われたかも。下り一本なので気持ちも軽い。宮川 −井手分岐あたりは積雪が残っている。 林間のシングルトトラックをMax25km/hで走り抜ける。笑いが止まらない連続ハイスピ ード乗車区間。7年近くの間に下山口近くが砂防ダム工事でコースが若干変わったように思った が、頂上から20分で林道終点へ。更に10分でR477に出る(12時30分)。 林道含めて11km少々のオフロード遊び。まったくヤブもなく快適そのもの。100%の満足 感。向い風には逆らわず、のんびりと家路についた。             (本日の走行距離 101km) 2002年3月21日(木)北摂/武田尾〜名塩+高座山(2.5万図 武田尾、宝塚) 日本海を低気圧が発達しながら通過、午後から雨、9時頃からは10m/sを超える南風が吹き 荒れるとの予報に表題のショートコースに変更。とは言っても本当にこれだけだと走った気がし ないので、川西能勢口−木津−上佐曽利−武田尾で50kmコースにする。 6時19分出発。朝の気温11.5℃。本当に今年は暖かい。サクラまで咲き始めている。この 時間はまだ弱い風だ。最初は北を向いて走るので、南風はありがたいところなのだが、そういう 時には吹かないもの。その割には快走に次ぐ快走で7時23分には木津に入り、上佐曽利への林 道登りに入る。満開のウメの隣でサクラが咲いている。自宅近くの六甲山系ではミツバツツジも 咲いているし、一体どうなっているのか。まだ春分だ。雑木林の中にキジを見つける。 上佐曽利で水分補給を摂った後、武田尾まで南下する。まだ8時前だというのに南風が強くなっ てきた。最初こそ前傾姿勢で飛ばしていたが、そのうち風に負けて、“どうでもいいや状態”の 走りとなる。玉瀬から武田尾の下りでも40km/h台前半のスピードしか出ない。8時06分、 武田尾に着く。 赤い橋をバックに写真を撮り、橋を渡って右に20mほど行ったところにある「名塩武田尾ハイ キングコース」の標識のところからいよいよ本日のメインコースに入る(8時10分)。まずは 擬木階段の上り。まるで関電の巡視路を登っているような感じだが、すぐに山道は平坦になりM TB乗車可能となる。
写真中央右より入り口快適ハイキング道Ca.270

武庫川を左下に見ながら時計周りにトラバースする道はハイキング道としてよく整備されており、 乗ったまま上っていける。大峰山を真東に見るあたりで山道は北西に尾根伝いに登る道に変わり、 植林帯から解放されて、雑木林の気持ちのいい小径になる。上り着いたところはCa260のコ ブ、8時30分。途中何度か立ち止まって写真を撮ったりしながらでも20分の距離だ。これで 今日の登りは殆ど終了したといっていい。 ここからは東六甲山系のようなアカマツを主体とした雑木林の中の小径を快走する。Ca260 コブから800mばかり山道を走ったところで一旦よみうりGCの簡易舗装路に合流、ドクラ丸 山(346m)の東を捲いて、再びハイキング道に入る(8時50分)。 短い擬木階段を登り、松葉の絨毯道を登りきったところが、唐子大丸(376m)東北東にある Ca360ピーク。山道を乗ったまま下っていると左手下から林道が合流してくる。この林道は 武田尾渓谷の右岸絶壁の上を木ノ本まで走る道だ。 再び簡易舗装路に合流。ゴルフ場の南端を西向いて走る道で爆走できる。ハイキングコースの標 識が等間隔で現われる。ハイキングコースとはいっても長い舗装路歩き、歩けばちょっと退屈な 道だろう。その点MTBならスピードを上げて退屈部分をショートカットしながら爆走できる楽 しみも作れる。今日のコースは乗車率90%、初心者コースとしておすすめだ。路傍にフキノト ウが咲いている。やはり今年は春が一斉に平行して進行しているようだ。
大体がこんなルート高座山山頂から。中山、ラビスタ宝塚

そうこうしている内によみうりGCの正門前に出る(9時15分)。この時間でも次々と車がG Cの中に吸い込まれていく。このままR176まで下って帰るつもりであったが、下っている途 中、山頂に鉄塔が建つ高座山(345m)を見つけ、寄り道を思いつく。高座山の北側に西へ短 く付いている林道はフェンスで立入禁止になっているが、MTBだと横から入れる。そのまま北 側鞍部まで登ると鉄塔の建つ山頂に向けて明確な山道が付いている。勿論「押して」登って行か ねばならないが、あまりにも簡単なルートなので、若干拍子抜け。9時25分、鉄塔に到着。登 り口から7−8分というところだろうか。 三角点を探す。鉄塔から10mほど北側の雑木ヤブの中にあった。No.017679、4等三 角点の石の標柱が埋まっている。すぐ傍の木には登頂プレートが2枚かかっている。再び鉄塔の 下に移動する。東側が開け、ラビスタ宝塚のマンション群が見える。強風はとうとう唸りをあげ はじめ、森の中は物凄いありさま。とはいっても自宅まで10kmもないのは気がラク。ゴーゴ ーという唸りを肴にチョコ休憩を摂った。    (本日の走行距離 53km) 2002年3月23日(土)北摂/高岳北尾根〜奥山(2.5万図 福住) 島田さんからお誘いを受けてかねちゃん主催の低徘MLミニオフ会に、わが「軍団」一の元気 者F代と参加する。島田さんと9時、日生中央駅前で待ち合わせの筈が、8時40分に着いてし まうと島田さんもすでに到着、そのまま車に同乗させて頂くや、9時過ぎには集合場所の奥猪名 健康の郷に着いてしまった。 集合時間より1時間も早い到着となったが、早い人はまだいるもので、島田さんの無線仲間で ある松田さんが既にお待ちかね。そうこうしていると佐竹さん、貴公子さん、やまぼうしさん、 かねちゃんと徐々に集まり、全員揃う。私は島田氏以外全員お会いするのは初めてだがかねちゃ んのHPにコーナーをお持ちのやまぼうしさんとかねちゃんが顔を合わせるのは初めてと聞いて、 ネットの世界の面白さを知る。 さて、出発準備だ。車の中から渋い杖を取り出す島田氏。「マイ・ストック」ですね、と目を 輝かせるF代。全員準備が整ったところでまずは奥西軽井沢別荘地へ向かう途中にある石仏を拝 みに行く。しっかりとした祠に収められたお地蔵さんだ。石仏調査団団長島田氏が前垂れをめく ると下にテントウムシが集団越冬中。 「めくったら絶対何かいるから、こういう前垂れ嫌いなんや」と島田氏。石仏の観察が終わった ところで436標高点へ戻り、関電の巡視路への道を辿ろうとしていると、足早にやって来る人 がいる。こんなレアなところで無関係のハイカーに会うわけはない。矢野さんという島田さんの 知り合いの方だった(島田氏もお会いするのは初めてとか)。 9人になったところで436標高点から南東に伸びる緩く広い谷を登って行く。山へ入る手前の あぜの上に老婆が一人座っている。直前まで気づかなかったのでギョッとする。後ろからF代が、 「ヤマンバですかね」とポツリ。 「…あのなあ」 「でも山の中でよくお婆さん見ますけど…」(=以前、北摂の某山でも見かけた) 「50年もしたらF代も山の中で座ってるかも知れへんで」 「うわあ、いややわぁ」 どこまでも緩く広い谷だ。おまけに手入れが行き届いているので言うことなし。今日は低山ヤブ 山のベテラン揃いなので、すっかりお気楽コバンザメ山行だ。地形図はザックの中に放り込んだま まである。島田氏も同様でデジカメ片手に“さぶ〜い”オヤジギャグを連発している。 免疫が出来てない松田さん、矢野さんには辛いところだ。幸い抗体ができている我々は“聞き流し システム”が作動しているのでノープロブレム。 「あ、雪だ」と貴公子さん。雪まで降らすかオヤジギャグは。ホンマに寒いやないの。 尾根筋に乗っかると更に手入れの行き届いた快適歩きが続く。こりゃあMTB向きのコースだ。 11時26分、655ピーク手前約200mの小広いポイントで昼食を摂る。風は強いし、時折雪 もちらつくので適当に風除け場所を探して食べる。こう寒くてはのんびり食事ともいかず、そそく さと済まして自然と出発態勢が出来上がる。一人コーヒーを片手にうろうろは佐竹さん。さすがに 大物だ。 655ピークを越えてササヤブに入る。刈込されていて歩きやすい。府県界尾根が90度曲がる あたりで一旦簡易舗装路に出る。関電能勢山崎線工事のために作った道だ。この道の存在は知って はいたが、ここまでのびてきているとは知らなかった。 「そのうち、車に乗ったまま高岳山頂に行くで」 「山は逃げない、っていうけれど、北摂の山はどんどん逃げていくんですよね」とかねちゃん。 まったくだ。 しばし簡易舗装の道を歩き、608ピーク手前で再びヤブ尾根に入る。やがて右下から現れたの は天王へぬける昔からの山道。MTBかっとびコースだ。12時50分、奥山との鞍部の無名峠に 着く。 峠で小休止の後、奥山への登りにかかる。6年前単独で登った時は別荘の敷地の柵を乗り越えて 登ったような記憶があるが、礼儀正しいかねちゃんはそんなことはしない。あるかなきかの踏跡を 辿りながら赤テープの巻いてあるルートを登っていく。 今日のメンバーではどうしてもF代が遅れがちになるので、気にしながら歩いていたが、最初はや まぼうしさんが、途中からは貴公子さんも加わり、バックをしっかり固めて頂き安心して前を行く ことが出来る。急登とはいってもやまぼうしさんと最近登って来られた淡路の山の話をしながら歩 ける程度だ。 13時10分、奥山山頂に到着。3等三角点が埋まっている。冬枯れの雑木林、こんなに見通し よかったっけ。ここで集合写真。続いて636ピークへ。どこまでも気持ちのいい歩きができる。 636ピークの南斜面は伐採されており、展望がいい。出発地の健康の郷に駐車しているみんなの 車がはっきり見て取れる。 「赤紫色にグラデーションがかかってますね」と矢野さん。でもその正体はイバラであることはみ んな承知の上なので、誰一人行ってみようとはしない。636から泉郷峠への下り部分で少しヤブ になるが、踏跡はしっかりついている。すぐに峠のやや猪名川町寄りのポイントに下り付く(14 時03分)。これまでに100回以上は通過した峠だ。下りてきたポイントは予想通りの場所。峠 で記念撮影をし、今日歩いた行程を振り返りながら出発地に戻った。かねちゃん、素敵な山歩き、 ありがとうございました。 2002年3月31日(土)氷上/東峰山(2.5万図 柏原、丹波和田) 東峰山は播丹界に大きく根を張る篠ケ峰の北東尾根2.5kmにある標高631.7mの尖峰。春 になったら登ろうと去年から計画をしていたが、先日“丹波のたぬき”さんが篠ケ峰から登られた レポートを読んで、決行を決意する。アプローチの所要時間を考え最短で現地に行ける南側のひか みゴルフ場から登ることに。登路は知らない。行ったとこ勝負だ。 6時にMTBで出発。ウエアもすっかり春衣装に変えたのに今朝はちょっぴり寒い(5時の気温7. 1℃)。R176沿いのサクラはどこまで行ってももう満開だ。ホントに今年は早い。こりゃあ帰 りは花見をしながらのんびりツーリングでもするか、などと考えながら弱い向い風をついて快走、 8時26分には柏原へ。コンビニで食料補給、8時49分新郷に着く。 ひかみゴルフ場の北側を西へのびる道を行こうとして入口に迷う。結局、ゴルフ場の入口から入っ たらいいことがわかり、正門を通っていく。右手に民家も現われるので、村の道なのだろう。でも しばらくすると右手にクラブハウスが現われ、変な感じだ。
氷上ゴルフ場横から篠が峰

林道は中河原川と接するあたりでゴルフ場の中に向かう道と別れ、地道に変わる。取り付く場所を 探しながら西へ進む。と右手の植林帯の中へ道らしきものがある。「本郷区西長谷」と字名を書い た札が架かっている。どこまでいけるか判らないがMTBをデポし山の中に分け入っていく。 すぐに苔むした堰堤が現れる。道はここまで。でも堰堤の左側に踏跡がついている。左に赤い境界 杭がある。踏み込んでみると踏跡が続いている。これで、375.9m三角点ピークに続く尾根に 乗れた。 シダに覆われた急登尾根は小崩壊地が現われたり、大きな露岩が現われたりするルートで振り返る と白山北面がよく見える等展望もいい。ただ、両手両足を使わないと登れないほどの急斜面も現わ れる。9時33分やっとの思いで東尾根に乗る。右手から関西池田記念墓地の所有を示す鎖が上が ってきている。 東尾根はよく刈払われていて歩きやすい。東峰山北東尾根の519ピークがいい形をして聳えてい る。ただ、延々と続く鎖を右手に見ながらの歩きになるのが雑木尾根の雰囲気を心から楽しめない。 古い踏跡が鎖を付ける時に切り開かれた道に追いやられてしまっている。結局三角点の場所もわか らぬまま、9時46分Ca430コブ、西北西に進路を変えて小さな岩が連続する尾根を越えて、 10時03分Ca510コブを通過、樹幹越しに東峰山の尖峰が見える。
Ca.510手前の岩場の登り東峰山山頂

何度も急登が現われる尾根だ。これで最後にしてくれと最後の急斜面をよじ登ると三角点の埋まる 東峰山山頂に(10時20分)。頂上部分は狭く、四方に急斜面を落としている。三角点は端が欠 けて等級の文字が読めない。ここまでずっと続いていた鎖は北東尾根に向かって下っている。これ でようやく解放された。ここで15分間、軽食休憩を摂る。 エネルギー補給が済んだところで出発だ。これから向かう方向にはアンテナが林立する篠ケ峰が見 え隠れする。さて、今日の行程であるが、篠ケ峰まで歩くつもりはない。時間的な制約があるので、 どこか途中から南の林道に下りなくてはならない。しかし、南側斜面はどこも急だし、雑木が密生 していて、そう簡単に下りられそうもない。鎖の消えた尾根筋はホントに気持ちのいい道だ。途中 竜ヶ岳の勇姿が臨めるポイントも現われる。 556標高点手前200mポイントで南に下りる急斜面の尾根を取ることにする(10時43分)。 小さな岩が連続する尾根でヤブも煩くなくシダを掻き分けながら強引に下れる。下からは中河原川 のゴーゴーたる水音が聞えている。どこで雑木ヤブに捕まるかと思いながら下っていたが30分ほ どで植林帯まで下ってきた。ここを下れば林道に出るかと元気よく下ると右手から中河原川に合流 する谷川の前へ(11時20分)。 清冽な流れに木橋が架かっており谷の奥の方に仕事道が続いている。川の水で顔を洗う。冷たく気 持ちがいい。さっぱりしたところで、間伐材が転がる歩きにくい林の中を林道の方へ向かうと、な ななんと…川が行く手を塞いでいるではないか。なるほど地形図をよく見れば300mほど東で川 と林道が入れ替わっている。 水量が少ないときは石を伝って向う岸に渡れるポイントがあるが、今日は水量が多くてダメ。濡れ るのはイヤなので、靴を脱いで裸足になって川を渡る。いくら暖かいとはいえ、3月の氷上の川だ。 水は冷たい。が久しぶりの足裏の感触は気持ちいい。 対岸に渡り、足を拭いて靴を履く(11時31分)。「鍋土」というところらしい。さあ、満足の 山歩きは終わった。ゆっくり林道を東へ歩く。しばらく行くと「東峯」の字名が現われる。ちょう どこのあたりの北に東峰山山頂がある筈だ。どうやら山の名前はこの字名から採ったものらしい。 11時48分、地形図の鳥居マークに着く。ひかみゴルフ場の南北を走る林道が合流するところだ。 「立石不動明王」の幟が立っている。小さな鳥居の奥に不動明王が祭られ、隣には休憩所が設けら れている。中に入ってみる。
篠が峰へ向かう途中の
尾根から竜ヶ岳
立石不動明王

昭和14年に旱魃がこの地方を襲い、村人がこの不動明王に雨乞いしたところ忽ち雨雲訪れて云々 と事情を綴った額が掛かっている。ここは事前に登路の一つとして候補にあげていたところだが、 ここを選ばなかったのは正解だったかも知れない。 デポ地に戻り、MTBにまたがり、再び立石不動明王の前を通り、ゴルフ場の南側の林道を走る。 あれっ?ポツリと雨が…。不動明王の謂れを読んだからか、霊験あらたかな明王だ。12時09分、 鷲住寺分岐の県道に出る。弘浪山の北から黒雲が湧いてきた。雨もしっかりと降り始めた。横風を ついて南に走る。夫婦橋の手前で雨雲を振り切る。上空は日がさして来た。一体なんだったのだろう。 いい加減腹も減ってきたので、井原の手前でスーパーに入り、ジャムパンとスポーツドリンクを買 って駐車場の一角に陣取り昼食タイム(12時38分)。いい調子で食べているとなんだか買い物 客の動きが慌しい。北の方を振り返ると、真っ黒な雨雲がすぐそこまでせまってきている。 これはたまらん。雨雲はずっと南下を続けていたのだ。MTBにまたがって爆走するが、ここから は谷川−丹波大山と東に走ることになる。井原の交差点の手前で早くも雨に捕まる。雷までゴロゴ ロいっている。13時谷川駅前通過。西から強烈な風も吹き始めた。本来ならここからは川代渓谷 のサクラを眺めながらのんびりツーリングをする予定だったが、とてもそんな状況ではない。 稲妻が走る。雷鳴が聞えるまで3秒ある。まだ1kmは離れている勘定か、と考えながら叩きつけ るような豪雨の中をひた走る。ずぶ濡れだが追い風なのが幸いだ。靴の中はとうにグショグショだ。 濡れるのを嫌って靴を脱いで川を渡ったのは何だったのか。東の空が明るく見えていたのが悪かった。 にわか雨なので雨宿りしてもよかったのだが、振り切れると思ったものだから却って濡れるはめに。 結局、丹波大山を過ぎるまで雨宿り場所を見つけることができず、ようやくにして農機具小屋の庇の 下に逃げ込んだと思ったら20分ほどで雨が上がる。調子が狂ってしまった。北寄りの風に変わった ことも幸いし以後も爆走、走っているうちにウエアは乾いたようだ。あ〜あ、今年はサクラをじっく り楽しむこともなく終わってしまった。    (本日の走行距離 147km)  

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