山を駈ける風になれ2002年 5月号

 
2002年4月6日(土)篠山/佐貫谷〜衣笠山〜奥県守(2.5万図 村雲、福住)
地形図「村雲」をみると多紀連山の峠山から南南西方向にのびる長い尾根の上に破線の道が続い
ている。標高500m前後で小刻みにアップダウンを繰り返す破線路は以前から気になっていた
コースの一つ。私の知りうる限りではMTB山行の報告もないようだ。
昨春、衣笠山から眺めた新緑の稜線の美しさに惹かれ走破を思い立つ。しっとりとした径があれ
ばいうことなし。倒木とヤブの連続なら…それもまた良し…か。
5時55分、MTBで出発。午後から天気が急速に悪化するとの予報。先週のような雷雨だけは
勘弁して欲しいところだ。弱い向い風は吹いているが、泉郷峠、天王峠とクリアして8時15分
安田のコンビニで食料調達、まずは佐貫谷から衣笠山を目指す。このルートならMTBを担ぐこ
となく、乗車したまま484mまで標高が稼げる。それに地形図にはないが、行者山の北側をト
ラバースしながら北西に向かう踏跡の存在も確認している。
もうサクラは散りかけとはいいながらも、このあたりはまだまだ満開のサクラが楽しめる。栃梨
の集落のはずれに見事なサクラの木を見つけしばし眺める。衣笠山を眺めながら西本庄、泉と走
り佐貫谷から衣笠山に続く林道に入る(8時41分)。
去年舗装工事中だった林道は工事もすっかり終わり上り易くなった。道端にはスミレが、林道の
両脇には満開のヤマザクラ、コバノミツバツツジ。ウグイスの声が谷にこだましている。どうい
うわけか行者山の方から何やら遠吠えも聞える。コヨーテか。そんなわけないか。でも気になる
遠吠えだ。
そんなこともすっかり忘れた9時07分、衣笠山山頂に着く。空気が澄んでいるのか、篠山盆地
を取り囲む山々がよく見える。ちょっと早いが昼飯にする。メニューは最近凝っている牛カルビ
弁当。食べ終えた後、愛宕神社裏から今日走る予定の新緑の稜線を眺める。どこまでもいい眺め
だ。目の前の谷の上空をゆっくり飛んでいく薄茶色の大きな鳥。トビより色が薄い。あれは何だ。
タカかハヤブサか。いや、あんなゆっくり飛んでいたらハヤブサとはいわないか。
9時25分行者山にむけて縦走に入る。心なしか去年より乗車率が高くなったようだ。強引に乗
ってるだけという説もあるが。9時40分、行者山手前200mの分岐に到着。ここからは更に
乗車率がアップ、気持ちよく北側を捲く道を走り、破線の道に合流する。
道幅も広く、倒木も少なくなった。これは快適な道だ。走っていると道は稜線の左側を巻いてい
く。稜線の方にも道がある。倒木を乗り越え「カ」と彫られた石標の立つCa420岩マークの
コブに出ると(9時55分)、そこは小金ケ嶽の展望台。隠れビューポイントだ。
丹波の春です(栃梨近く)小金ヶ岳の展望台(Ca.420コブ)

右側の谷に落ちないように注意しながらMTBを担いで踏跡を下って行くと、さきほど左に分か れた道と再び合流、すぐに春日江からの峠に着く(10時03分)。人の手で作られたしっかり とした道が横断している。勿論稜線沿いにもしっかりとした道が続いている。 峠から200mほど走ったところで分岐が現われるが、ここは左へ。更に100m行ったところ で再び分岐が現われる。ここも左へ走る。強引に飛ばしすぎ、突っ切れると思った枯れ木が枯れ ておらず、ハンドルバーを取られて体だけ前方に飛んでいく。松葉の絨毯が厚く体積しているの で受身を取っても気持ちがいい。
446ピーク付近の快走区間二つ目の峠にて、更に道は続く

2つ目の峠の手前で連続した倒木地帯が現われる。10時20分ようやくの思いで峠に着く。 Ca420m,ここも春日江から奥県守にぬける峠道が横断している。しっかりとした道はまだ まだ続いている。ここからがハイライトなのだが残り時間を考えると無理っぽいので、続きはま たの機会にして奥県守側の林道に出ることにする。 過去の経験則から言って、稜線の道より集落へ下りる道の方が廃道になっているもの。案の定ひ どいヤブ漕ぎをして、ガケをMTB担いで滑り降りて林道に下り立つ。林道を下ると水田に。も う田植えの準備が始まっている。にぎやかなトノサマガエルの声を聞きながら暫し休憩。向い風 が強くなってきた中、サクラを楽しみながら帰路に着いた。    (本日の走行距離 128km) 2002年4月20日(土)北摂/南八田455峰(2.5万図 埴生) 南八田455峰とは園部町南八田の南西、約1.5kmにある455標高点ピークの山のこと。 山名は知らない。先月八田から半国山を斜め横断した際、396標高点から見た姿の良さに惚れ 込み登って見る事にする。登路は知らない。 5時45分、MTBで出発。午後から天気は下り坂、南の風のち東の風が強くなるという。とい うことは“往きはよいよい、帰りは向い風”ということになる。でも実際走り出してみれば無風 に近い状況ながら軽快な走り。笹尾にあるコンビニで食料調達。泉郷峠、天王を越えて8時07 分岡牧場前の峠(本日の最高点)を通過する。ここまで標高を上げるとまだまだ観賞に耐えるサ クラが見られる。勿論、八重桜は今が満開だ。 瑠璃渓まで下る。さすがにツツジの名勝というだけあって見事だ。全山コバノミツバツツジに彩 られている。早朝なので人影もまばら、瑠璃渓ガーデンの駐車場に2人のライダーがいるだけだ。 思わず立ち止まってカメラに収める。通天湖脇の撮影ポイントにも三脚を立てた人が一人。アン グルを決めかねているのだろうか。これだけ咲いていると確かに難しいだろう。 いつもならここはカッ飛び区間だが、今日はツツジ観賞モード。8時23分、法京からの道との 合流点に到着。目の前には新緑の木々に覆われた大河内557峰が聳えている。去年雫を頭から かぶり、ヤブと格闘しながら登ったのを思い出す。今日はその東隣の山だ。 ところがである。455峰は南西側斜面が山頂から伐採されていて、見るも無残な姿を晒してい るではないか。おまけに東側から見ると天に向かって突き上げるような山容も南西側から見ると ボテっとした里山だ。 変わり果てた姿に、どこから取り付こうかと様子を窺いながら八田峠に続く林道を北上する。2 00mも行かないうちに右手に白いビニールテープが捲かれた木の手前から山道らしきものが付 いているのを見つける。MTBをデポ、支度を整えて伐採地の中に続く細い踏跡を辿る。つい最 近伐採が行われたのだろうか。太い松の切り株からはマツヤニが続々と溢れ出している。
八田455峰。伐採された斜面を行く

どこを歩いてもよさそうなものだが、昔からあったと見える山道を行くのが一番歩き易く歩行が 捗る。やがて道は山頂へは向かわずに東の方を巻いていく様子なので、伐採地と雑木林の境目を 直登、8時40分頂上すぐ西のCa450コブに着く。皮肉にも伐採のおかげで展望は抜群。南 西に天狗山が大きな広がりを見せ、すぐ西隣には557峰が鋭い切っ先を天に突立てている。 弁当ポイントはここだな、と決めておいて、とりあえず455標高点ピークを踏んでおくことに。 雑木林の中に入ると踏跡らしきものがある。わずか1分で455標高点に到着。 雑木に囲まれ展望は無い。山頂中央部に三角点の周りをガードするかのような形で石が配置され ている。展望はないが、瑞々しい新緑の雑木の中にゆったりと身を置くのもいいもの。悩んだ挙 句、さきほどの展望ポイントにもどって昼食タイムだ。
大河内557峰。山頂下伐採地より八田455峰。山頂

ウグイスの声と眼下で農作業する人の姿を肴に15分ほど休み、9時になったところで北西にの びる尾根から西の破線路の峠に向かう。変色した古い赤テープを見つけて驚く。もう踏跡もない。 適当に見当を付けて西に下ったが、すでに行き過ぎていたようで幅の広い谷に下りる。このまま 谷を下れば八田峠に下りてしまう。 結構急な斜面を登り返し、樹幹越しに天狗山が見えるのを確認、適当にヤブを漕いで林道に下り 立つ(9時23分)。ちょっとばかり回り道をしたが、伐採地のピストンでは味わえない山の姿 を見ることが出来た。 デポ地まで歩いて400mといったところか。9時28分、MTBを回収。南八田までコーナリ ングよろしく下ったあとは、向い風と戦いながら帰路に着いた。    (本日の走行距離 100km) 2002年4月27日(土)氷上/方須張山東尾根(2.5万図 大名草) ゴールデン・ウィークが始まりました。天気もいいし、行楽地はどこも人人人でいっぱいだろう。 そんなゴミゴミしたところに行くのはごめんだ。というわけで、氷上は播丹界に聳える方須張山 に行くことに。去年この時期にこの山を登られた向井さんから東尾根は殆どMTBに乗れない、 とのアドバイスを頂いていたので、先週届いたばかりのロードで現地に向かう。 新車である。車種はジャイアントのTCR−0。コルナゴ、チネリといった老舗イタリアン・ロ ードは定年後にゆっくり乗りたい自転車。まだまだガンガン走って乗りつぶしたい私のような週 末サイクリストにとっては、スペック的にはスペシャ(注1)の80万円クラスのレーサーと同 じ“コンポ=オール・デュラ、ホイール=マヴィックのキシリウム”ながら抜群のコスト・パフ ォーマンスを実現しているこのマシンは“嬉しい”の一言に尽きる。 ジャイアントといえば日本では廉価モデルが氾濫しているので、台湾の安物メーカーという印象 を持った人もまだまだ少なくないが、今や押しも押されぬ世界のトップ・ブランド。オンセ(注 2)が98年から契約を続けていることを見ればわかろうかというもの。 (注1)…アメリカの自転車メーカー、スペシャライズド社を“業界”ではそう呼ぶ。 (注2)…スペインのプロ・ロード・チーム。かつてアレックス・ツーレ、ローラン・ジャラベ ール、アブラアム・オラーノという世界のトップレーサーが在籍、現エースのホセバ・ベローキ は昨年ツール・ド・フランス個人総合3位になった他、5位にI・ゴンザレスデガルディアーノ、 9位にマルコス・セラーノが入り、チーム総合2位。第5ステージのチームTTもクレディ・ア グリコールに次いで2位に輝いたグランツール常連の強豪チーム。 5時38分、自宅を出発。まだ、サイクル・コンピューターを取り付けていないので、“数字の 呪縛”からも解放され、久しぶりの軽い走りと相まって気持ちがいい。また、なぜかハンドルバ ーだけチネリというのも面白い。 R176回りなのでいきなり赤坂峠への上りが始まる。スローピング・フレームが威力を発揮し てくれているのだろうか。ふだん乗っているMTBはもともとスローピングだし、そもそも私の ような「へなちょこ脚力」では電動アシスト自転車でもないと、その効果のほどはわからない。 (本当はスローピング・フレームの説明もしなければならないのだろうが、そんなことをしてい ると今日のレポートは解説だらけになってしまうので割愛する。要はトップ・チューブが斜めに 下がっているのだ。ああ、トップ・チューブの説明も要るか…) とにかく軽い。6年前に買った前のカーボン・モノコック・レーサーも軽かったが、更に軽い。 6年間の技術進歩というのだろうか、乗り心地も安定しているし、加速もいい。エアロ形状のホ イール、フロント・フォーク。ホイールの風を切る音がこれぞロード・レーサーという感じだ。 8時08分、氷上北にあるコンビニで食料調達し、安全山の南を回りこんで清住に入り、達身寺 手前を左折葛野峠への林道に入る。シカ除けの柵をくぐったところにロードをデポ、支度をして 歩き始める(8時47分)。 ここに来るのは2年ぶりだ。2年前は葛野峠からカヤマチ山を往復した。林道の両脇に字名を書 いた札が次々に現われる。歩き始めて17〜18分で高座石の前を通過、左手下に水量の豊富な 滝が現われたら林道終点も近い。高座石から13分で林道終点に着く(9時18分)。 本格的な登りはここからだ。「峠の谷」と書かれた字名の横を通って下枝が散らばった植林帯の 急斜面を登っていく。伐採した木を2〜3本ずつ斜面に平行に横たわらせている。あたり一面幅 の広−い階段が設置してあると言えなくもないが、実際は長−いハードルが急斜面の上まで続い ていると言った方が適切だ。
葛野峠

なんとか障害物を乗り越え葛野峠に到着(9時35分)。播丹界を区切る山並みの最北部は氷上 町と青垣町の境界である。一息ついて南へ辿る。2年前にはっきりとした切り開きが南に向かっ て続いていたのを確認している。このあたりから大柿赤布がところどころ現れる。 小さなコブを2つ越えると樹幹越しに方須張山の三角錐がせまってくる。思ったよりも急な登り を強いられそうだ。と、まもなく最後の登りに入る。氷上槍こと鷹取山の登りを思わせる急斜面。 おまけに標高差100m、いっきの登りは鷹取山よりはっきり言ってきつい。勿論ロープはない。 ハムストリングスを伸ばすのにはいい斜面かも知れないが、山肌が柔らかく、土が崩れ易くて滑 りやすく、キックステップで登りたくなる斜面でもある。 ようやく傾斜が緩んできたら頂上だ(9時55分)。中央にプラ杭があるだけの静かな頂上だ。 展望はない。西の船坂峠方面にむかって明瞭な切り開きが続いている。今日はここから東尾根を 行く。東側も黄色いプラ杭が続く緩やかな尾根が続いている。 とりあえず軽食を摂ることに。山頂東端に移動すれば、一本の木に大柿プレートを発見。播州峠 の方から登って来られたようだ。15分ほど休んで、東尾根を下る。さっきの急斜面がウソのよ うな緩斜面。おまけに植林帯の中の切り開きで非常に歩行が捗る。頂上から5分でCa660の コブに着く。赤いプラ杭2本と石の界標がある。南側にも踏跡が付いているように見えるが、こ こは左へ行く。
方須張山山頂東尾根途中から安全山

更に15分ほどで小さな登り返しがあり619mコブに。樹幹越しに紅白の大鉄塔が見えるのは 岩屋山。意外と近くに見えるのでびっくり。地形図を広げて確認してみれば直線距離で3kmも ない。角度を変えればカヤマチ山、水山も見える。 このあたりからところどころ踏跡が不明瞭なところも現われるが、時間的に進行方向の頭上に太 陽があれば問題なしだ。(実はコンパスを持ってくるのを忘れた) 一旦なだらかになって、またちょっと下ると453m標高点(10時48分)。最後まで忠実に 尾根を辿っていくのならここで一旦南に下らないといけないが、雑木が密生していて、適当なル ートが見つからない。逆に植林の木に白いビニールテープを巻いている南東側には踏跡とは言え ないまでも密生度合いが低くて下降し易そうである。ロードをデポした位置を考えてみても、こ のあたりで南東側に降りるのは都合がいい。 植林のためか斜面を大きく削り取ったところを横目に見ながら強引に下り、ちょっと広くなった 平坦な植林帯の中へ下り立つ。林道幅の道がある。行きに使った林道ではない。川の南側の道だ。 ゆったりと東を向いて歩いていくとシカ除けの鉄柵に行き当たる。扉を開けて外へ出ればあたり 一面のレンゲ畑(11時20分)。ちょっと寝転んでカメラに収める。 下界に下りれば空気はすっかり初夏。ロードのデポ地まで戻ると夏用のウエアに着替え、向い風 をついて家路を目指した。    (本日の走行距離 163km) 2002年4月28日(日)篠山/藤坂峠〜大タワ周回(2.5万図 宮田、村雲) ゴールデン・ウィーク2日目は、横浜在住のロード仲間K氏のお誘いを受けて篠山ツーリングを 行うことに。この3連休は篠山に潜入しているとのメールを頂いていた。待ち合わせ時間の連絡 が入って来ないなと思っていたら、朝6時半にTELがあり、とりあえず支度を済ませて6時5 5分家を出る。 昨日、強風の中、新車をいろいろ試しながら走ったので、足がだるい。初めから飛ばすのは諦め てのんびりモードで走ることにする。ところが走り出すと不思議なもので、余力があれば後先考 えずにスピード・アップしてしまう。 昨日とは違って朝の冷え込みもなく、絶好のサイクリング日和だ。赤坂峠まで何キロあるだろう か、名塩ガーデンのあたりで途中休憩している中年サイクリストがいる。挨拶の仕方まで初心者 だ。挨拶を返しながら心の中で「頑張れ」と応援する。 峠を越えると無風も手伝ってか、快走モード全開となる。天上橋交差点を猛スピードで駆け抜け ると前方に4〜5人のレーサー集団を発見。さすがにGW、今日はお仲間によく出会う。あと一 歩とせまったところで、彼らは道場駅方面へ曲がっていった。 8時半古市通過。昨日より5分遅い。でもこのペースでは2時間で篠山城址に着いてしまいそう だ。と、今度は波賀野に向かう上りで前方に大きなザックを背負った3人グループ発見。追いつ いてみると、1台はMTBだが、何と2台はママチャリだ。大学生のよう。 「どこまで行くの?」と訊ねると 「城崎温泉まで行くつもりです」と返事が返ってきた。 「ひゃー、すごいね。頑張って」と声をかけて先を行く。ここから城崎まで地道を走ればまだ1 20kmはたっぷりある。ママチャリでどれくらいかかるのだろう。などと思いながら走ってい るうちに篠山城址に到着する(8時58分)。 K氏はまだまだ現われるハズもなく、周辺をゆっくり流しながら氏の到着を待つ。9時52分待 ち合わせ場所にK氏現われる。自転車を組み立て、レーシング・ジャージに着替えてK氏、準備 完了。10時16分、ゆっくりと流しながらツーリング開始。 いつも運動不足気味のK氏だが、今日は違う。秋のイベントに向けてこれから調整していくとの ことで、3週間前には碓氷峠を登ってきた、という。35km連続の上りだそうだ。関西にはそ んな峠はない。手始めに佐貫谷から東本庄へぬける峠を越える。短いが趣きのある峠で、半端じ ゃないほどのフジの花で満開だ。 続いて鬼坂峠を紹介しようと思ったが、何しろ約10年ぶりなのと、地形図を持ってきていない のとで、道を間違え辿りつけず。2日酔いだといいながらも調子を上げてきたK氏、大タワを北 側から上ろうと言い出す。昨日の今日でとてもついて行けるとは思えないが、とにかく後ろにく っついていくことにする。 田植えの始まった新緑の篠山盆地の景色を楽しみながらもK氏のペダルは軽やかだ。春の大祭が あるのか櫛岩窓神社の幟を横目に見ながら北上する。R173側から藤坂峠を目指すルートは急 坂もなく11時32分軽やかにクリア。あっという間に川坂まで下るといよいよ大タワへの辛い 上りが始まる。 最初はそれほどでもない斜度だが、直線の上りに入る頃からきつくなる。元登録選手だったK氏 は一定のペースを刻みずっとダンシングで上っていく。こちらはといえばもう既にインナー×ロ ー。もうこれ以上軽いギアはない。いくら上級モデルとはいっても一般向けに売るのだからロー ギア23Tはないよな、と一人無言でボヤきながら上る。 K氏のような一定のスピードでダンシングで上っていくことなどできないので、シッティングで 足を休め、ダンシングでいっきに加速ということを繰り返しながら、何とかK氏と並んで大タワ にゴールイン。峠直下の水場で喉を潤す。景色を眺めながら坂を下るというK氏を残し火打岩め がけて爆走、さあ昼飯を食べに行こう。   (本日の走行距離 157km)  

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