山を駈ける風になれ2002年 12月号

 
2002年11月2日(土)山南/西谷528峰(2.5万図 丹波和田)
西谷528峰とは山南町と中町の境界上、大海山と三組尾の間にあるピークのこと。わざわざこんな名前
も付いていないマニアックな山を目指したわけではない。ちょっと欲張った結果がこうなったということ
なのだ。追々告白していこう。
ここ2−3日、めっきり寒くなった。三田の朝の最低気温は5℃だという。この間まで夏用のウエアで走
っていたのに急遽秋冬仕様に変えて走り出す(6時05分)。今日の目的地は山南町は播丹国界にある
「風土記の山」こと大海山(551.8m)である。
冬型の気圧配置が強まり北西寄りの風が強いとの予報であったが、走り出してみれば意外にも無風状態。
風が強くなるまでに少しでも距離を稼ごうとスピード・アップ。つい今しがたまで雨が降っていたかのよ
うなスリッピーな道を篠山、谷川と走り継ぎ、井原の交差点を北西に、蛇山を右手に見ながら富田橋に着
く(8時55分)。
ここから西谷方面へ向うのは初めてだ。姿のいい延命寺山をカメラに収め10分ほどで道は左右に分岐す
る(9時05分)。分岐ポイントには丹波石の道標がある。『右 山、左 杉原』と彫られている。横に
は『日露凱旋記念』の文字が。ということは100年前に作られたものか。誰かこの集落から偉い人が出
征でもしたのだろうか。
日露の勝利を記念して
作られた?道標

詮議はさておき分岐を左へ。左の林道は更に二手に分かれる。大見坂に向う林道を取る。800mほど進 めばまたまた分岐、ここにも道標が立っている。丹波石ではない。『右 をみさか、左 かばさか』と書 かれている。“をみさか”は“大見坂”のこと。“かばさか”はこれから向う牛坂の先にある坂だ。 一本南側を走っている林道の方が牛坂には簡単に着けそうだが、ここに道標があるということは、ここか らでも行けるということだ。川の左岸に踏跡が付いていたので登っていくと堰堤のところで道が無くなっ てしまった。 しかたなく堰堤の上を横切って、南側の林道に出ることに。ご存知のように堰堤は真ん中が低くなってい る。土砂も堆積しておらず、堰堤の両側はかなり高度感がある。ひょいと飛び降りたのはいいが、反対側 に登ろうとしてハタと気がついた。高さは1.6mくらいだが、斜面には一面に水分を含んだ苔が張り付 いている。足をかけてみたが、当然のことながらグリップ・ゼロ。これがクリアできなければ先には進め ないどころか、進退窮まってしまう。昔、裸馬に飛び乗っていた要領で気合一発飛びついてなんとかクリ アする。(1回でクリアできてよかった) 林道歩きを続ける(最初からこっちの道を歩いたらよかった)。ところがである。平凡な林道を歩いてい るとよからぬ考えが頭をもたげる。地形図の342標高点の北東側、林道が南から北に大きく右カーブす るところ、左斜面に「アクタ」と書かれた字名と谷沿いに山道がついているのを発見、入っていく。 奥に入って行くとここにも砂防ダムがある。しかも、また道は無くなる。砂防ダムを横切って西側に行け ば牛坂はすぐだったのだが、南東側の激斜面を登って528ピークをついでに登ってみようと欲を出す。 植林帯だから登るのに難渋はしないが、激登りだ。やっと登り着いたと思ってもそこは単なる支尾根の合 流点、そんなことを繰り返すこと数回、植林と雑木林が交互に現われる踏跡を登っていくうちに今、どの あたりまで来たのか確かめようとコンパスを探せば「無い」。 家に置いてきたようだ。あいにく見通しは利かないし、空は曇っていて方角を知る参考にはならない。も う528ピークだと思った頃、その先にまたピークが見えるという状況。とにかく、一番高いところが5 28ピークだと開き直って登り続け、10時14分ようやく周囲で一番高いポイントに到着。
528ピーク
どこにでもある丹波の山中

528ピークだ。町界の赤いポールと木の幹が赤く塗られている。このまま三組尾に向って歩いた方が判 り易いが、とにかく町界の赤いポールを目印に西と思われる方向に急斜面を下る。踏跡ははっきりしてい る。が、これがクセ者。町界ポールは一直線にどんどん下っている。樹幹越しに池が見えてきた。牧野大 池か。目の前に見える大きな山影は妙見? 下りつけばまたまた堰堤の上(10時50分)。あたりを探索してみたが、地形図には載っていない林道 が縦横無尽に走っている。牛坂の方へ続くと思われた林道も途中で行き止まりに。自分が向っている方向 が牛坂方面に間違いなければ、もう一度植林帯の激登りもやるが、はっきりと現在地が確認できていない 状況ではこれ以上山の中をさ迷うわけにもいかず大海山は断念。またの機会にリベンジすることにして、 林道を延々下る。
大海山の西面を見ながら
中町側に下ってしまう

ようやく展望のいい場所に出た(11時15分)。大海山もはっきりと確認できた。やはり、予想ポイン トに間違いはなかったようだ。でももう今更リトライする気にもなれず、長い長い舗装路歩き。小野尻と 鍛冶屋を結ぶ県道に出ると、小野尻トンネルを抜け、富田橋に。結局約9km歩いて12時40分、デポ 地に戻る。 またまた雲行きが怪しくなってきた。大急ぎで支度を整え走り出す。長い舗装路歩きと空腹状態でスピー ドがあがらない。北西の追風をアテにしていたのに、南西から風が吹いている。西からの雨雲はなんとか 振り切ったが、谷川周辺の雨雲に追いついてしまい、冷たい雨の中を走るハメに。 一時的な時雨であることはわかっていたので駅横の観光案内センターで休んでいると晴れてきた(13時 10分)。再び走り出す。スポーツ・ドリンクを飲みながら騙しだまし走っていたが、上り坂でガクンと 速度が落ちるようになった。 完全なハンガーノック状態だ。14時37分相野近くで遅い昼を食べ、よたよたと家路に向った。        (本日の走行距離 144km)    2002年11月10日(日)北摂/島515峰周辺(2.5万図 木津) 今年は本当に秋を飛ばして冬になってしまった。昨日は柏原方面へ走りに行く予定だったが、六甲に積雪 という異常な寒さのため断念、これからのMTBシーズンに備えて近場に行き先を変更、猪名川町は杉生 の交差点の西側に広がる掴みどころのない山域を訪れることにする。 明け方は今年一番の冷え込みになるとの予報から完全冬支度で6時20分、MTBにまたがり出発する。 空は意外にも曇っていてそれほど冷え込んではいない。久しぶりに乗るMTBの感触は一言「重い」。そ れでも中山から山本に向う途中で女性ローディーを抜き去り、川西能勢口を北上、7時39分に杉生に着 く。 ここで水分調達の後、地形図の「島」の文字の左から谷沿いに西に延びている林道を登っていく。廃屋、 墓場の横を通る。最初の分岐は右に。適当にセメントをぶちまけたような、ガタガタの簡易舗装路を越え、 地形図の破線路が北に分岐するポイントに到着(7時56分)。 雑木に覆われた谷筋沿いの道だが、しっかりとした山道がついている。途中で植林帯に変わり、また雑木 に変わったところで小さな堰が2度現われ、地形図の小さな池に着く(8時11分)。
地形図上の小さな池
東側に道が付いている

破線は池の西側に付いているが、実際は東側に山道がある。池の一番奥で道はヤブっぽくなるが、幸い池 の水が枯れているため池の底を通ってクリアできる。ここからは幅の広い谷状地形の底を行く。はっきり とした道はないが、MTB同伴でそれほど支障がでる道ではない。 地形図の破線をトレースしていたつもりだったが、一つ南の谷を西に進んでいるのに気づく。紅葉がきれ いないい谷だが、いつまでも谷底を歩いていると尾根に乗れなくなるので、右手に崩壊地が現われたとこ ろから、強引にヤブを突破して支尾根に出る(8時46分)。 乗った支尾根には村境のプラ杭があり、なんなく押して登り、515標高点から北北東にのびる尾根に辿 り着く(8時57分)。どの辺に辿り着いたのかわからなかったが、南西に歩き出せばすぐに小崩壊地が 続けて2度現われ、ピークはすぐそこと知る。
515ピーク
三叉路になっている

傾斜が緩やかになり踏跡の中を乗車できるようになったと思ったら515ピークに到着(9時10分)。 西側は小広い平坦なスペースがある。勿論雑木に覆われて展望はない。踏跡を辿って南に一旦下り、Ca 510コブに着く。麓から騒々しいエンジン音が聞こえてくる。山一つ越えただけでこんなにも違うもの なのか。
515ピークから北東尾根を下る

地形図では西に300mほど進んだところから猪名川サーキット方面に下りる激下りの破線が描かれてい るので、西へ進んでみたが、猛烈なヤブに阻まれて進退窮まる。MTB同伴なのであまり強引に下ると、 失敗したときに元に戻れなくなる。しかたなく戻り、こんどは南東にのびる破線を辿って見ることに。倒 木はひどいが結構しっかりした踏跡がついていてこれは、と思ったのも束の間、またしてもヤブに阻まれ MTBを担いで1分1m状態に。 確か、8年前に南の追谷山に登った時、北尾根はひどいヤブだったと記憶している。8年前でヤブならば、 今はもっと凄いヤブ?これもダメか。未練たらしくあちこち踏査を試みたが、どれ一つとして突破できそ うなルートはない。 結局あきらめて元へ戻ることに。小崩壊地を過ぎて本来の破線ルートに乗ったところで軽食休憩、東に振 った尾根伝いに朽ちた大きな倒木を踏み越えたその時、5−6匹のスズメバチが。どうやらこの朽ちた木 と地面の間に巣があったみたいで1匹が威嚇してきた。オオスズメバチだ。進行方向を少し変更し、彼ら から離れて尚も踏跡を辿って下っていくと最初に登ってきた池のところに出た(10時27分)。 結局515ピークの周辺をピストンしただけに終わってしまった。いくらなんでもこれだけでは物足りな い。仁頂寺から旭ケ丘の住宅地を一直線に上り(とんでもない坂だ)、一番奥のSさん宅の左隣の空き地 のフェンスの間をすり抜けて下れば堂床山西の林道に交わる(11時21分)。せっかくだからオフロー ド走りを楽しみたい。ここからは勝手知ったる林道下り。栃原まで長い林道走りを楽しみ、槻並方面へ寄 り道しながら帰途についた。         (本日の走行距離 73km) 2002年11月17日(日)山南/延命寺山〜カザシ(2.5万図 丹波和田) 今月2度目の山南町和田方面へのツーリング。先々週辿り着けなかった大海山へのリベンジはひとまずお いといて、その山容に惹かれた延命寺山に登り北のカザシまで歩くことにする。日照時間と片道70km という距離を考えるとこれくらいが限界か。 午前6時23分、放射冷却のよく効いた夜明け前の空の下をロードで出発する。思ったほど寒くはないが、 意外とスピードが出ない。昨日は慰安旅行だったので疲れが残らないように工夫していた筈なのに体が重 い。途中でハタと気づく。美味しいものをたらふく食ったから本当に重くなってるんだ。 ところで今年はまだ丹波霧に出会っていない。今日あたりはと思ったが、今日も出会えず。古市近くの道 路脇の温度表示は1℃と出ている。いくらなんでもそんなに寒くはないと思うのだが。 ペースが上がらないながらも8時38分谷川駅に到着、少憩の後、井原近くのスーパーで食料調達、9時 05分富田橋を渡り登山口である山本へ。延命寺山を東尾根から登ろうという算段。 集落を抜ける旧道を走り、五ケ野へ渡る橋の手前を西へ折れ、墓場の横に立っている「山本金毘羅神社」 の幟の間に山道を見つける(9時15分)。ロードをデポ、支度を済ませ山道を登っていく。関電の巡視 路のようなプラ階段の道を登って行くと、左手から登ってくる林道と合流、山本金毘羅神社に着く(9時 20分)。 広場に小さな祠があるだけだが、傍には土俵と思われる跡が残っている。以前はここで奉納相撲でもやっ ていたのだろうか。ちょっと小さいので子供相撲か。広場からは左にプラ階段の道が続いている。これを 辿れば延命寺山へそのまま導いてくれるのかと思ったが行き止まり。しかたなく戻ると、さきほどの山本 金毘羅神社から直登するヤブっぽい道に合流、シダを掻き分けて村界尾根を登ると大柿布の歓迎もあり、 なだらかに。このあたりはMTBだと雑木ヤブの間の快走区間だ(地形図の250標高点のあたり)。
山本金比羅神社延命寺山山頂

再び急斜面の登りとなるが、村界を外さずに登り続けると9時53分主稜線に出る。赤テープと赤布があ る。延命寺山山頂までは100mばかりの距離、ヤブ尾根を掻き分けて延命寺山山頂に着く(9時56分 )。樹幹越しに大海山の山並みが見える。標高465m、登頂標など一切ないのがいい。尖峰だけに山頂 に辿り着いたと実感させてくれる山だ。麓との標高差約350m、高度感がたまらない。10分ほど休ん でカザシへの縦走に入る。 一旦鞍部まで標高を落とし、カザシへの登りに入る。樹幹越しに見えるカザシ山頂手前は岩尾根が続いて いるようで登る前からワクワクというところ。この山も標高の割りには存在感のある山だ。紅葉に彩られ た雑木尾根の歩きは気持ちがいい。特に岩尾根から見える千ケ峰方面の山並みを眺めながらの歩きは気分 も爽快だ。
延命寺山下りからカザシを見る延命寺山と三組尾

延命寺山から30分ほどかけて標高450mラインに乗ると「紀念林境」と彫られた石標が現われる。 “紀念”とはどういう意味だろうか。“記念”だったらわかるのだが・・・。岩まじりのヤブ尾根歩きを更 に楽しむこと10分、突然足元に三角点を見つける。10時46分、カザシ山頂に到着だ。標高560. 0m、3等三角点は南向きに埋まっている(ほとんど埋まっている)。シカ除けネットが少々興醒めな山 頂ではあるが、ここで軽食休憩とする。 すぐ東側の雑木ヤブの中を何かが歩いている音がする。何だろう。音のする方を目を凝らして見ていると 3mほど先のアカマツの根元に現われたのは灰色のリス。しばらく目を合わせていたがやがて尾根筋を北 の方に歩いていってしまった。こういう野生動物に遭えるところがヤブ山歩きのよさの一つでもある。 山頂で15分ほど休んでこちらも出発だ。ここからは尾根筋を北西に向う。シカ除けネットが踏跡を分断 しており、苦労する歩きを強いられる。ネットをくぐること数度、とにかく歩き易い方を選びながら51 9標高点ピークに着く(11時15分)。距離のわりにえらく時間がかかってしまった。
カザシ頂上直下「紀念林道」立派な?林道だ

さて、ここで尾根は北東に振る。このあたりヤブっぽいが忠実にトレースすれば大柿赤布も現れる。更に 歩くほどに快適な山道に変わる。5分ほどでCa480コブに。シカ除けネットが無くなったと思ったら 今度は「マツタケ山入山禁止 五ケ野部落」のネットが現われる。 今日の行程はここから東に延びる尾根を辿って林道に下りる予定。ネットをくぐって五ケ野側に入る(マ ツタケを取りに入ってるわけではないので許してもらおう)と上手い具合に尾根に沿ってネットが続いて いる。そばにはしっかりとした踏跡が続いている。地形図でみてもこの斜面は結構急だ。転げ落ちるよう にどんどん下れる。ここまで快調に歩けるとは思ってもみなかった。シダに覆われた部分もあるが全般に 歩き易い。 その内トラロープが連続して張られた急斜面に。ちょっと古いので黄色の部分がはげて汚れたホワイトタ イガーといったところだ。調子よく下りていると突然林道が現われ、飛び降りる(11時37分)。地形 図の林道の最奥部の100mほど手前か。しばらく休憩、林道を下り始める。50mほど下ったところに 大きな谷。「口高ズラシ」という字のようだ。
カザシ山頂付近から千が峰岩屋山本堂への石標

尚も下ると左手から林道から合流してくるポイントに。分岐に石標が立っている。『従是本堂十八丁』の 文字が中央に、『右 いわや、左 やまみち』と両脇に彫られている。岩屋山への参道を指し示している。 また辿ってみたい道を見つけてしまったが、今日の予定はこれで終わり。 林道を下り、山本の集落まで戻ってくる。この地の12時の時報はサイレンの代りに♪野中のバラ。小春 日和ののどかな丹波の山里に流れるちょっとのんびりした♪野中のバラを聴きながら帰路についた。         (本日の走行距離141km) 2002年11月24日(日)北摂/大野山(2.5万図 木津、福住) 予定していたヤブ山歩きが急遽中止となり、どこへ走りに行こうか決まらないままに6時40分ロードで 走り出す。昨夜の天気予報では昼までは晴とのことであったが、朝からいきなりどんよりとした空模様だ。 この分では遠くまで走ると雨に遭うかも知れない。行き先を近場に変更、さりとて「走った」という実感 も欲しいので、阪神間の最高峰、大野山に上ることにする。大野山は8月以来3ヶ月ぶりだ。 どんよりしてはいるが、そう寒くはない。杉生で水分補給をして(7時55分)柏原へ(8時13分)。 さて、ここから山頂まではいいヒルクライムの練習になる。いきなり嫌になるような急坂の上り、ゴルフ 場へ行く道と別れてからも延々斜度10%超の坂が続く。 今年は例年になく紅葉が早かったので大野山周辺はすでに終わりかけ、楽しめる景色とて無く、長い急坂 上りが続くと痛くなる腰を騙しながら山頂に(8時43分)。 晴れているのは南の六甲方面だけだ。じっとしていると寒い。持参した板チョコ(ベルギーのチョコ。1 枚で1000kcalもある)を頬張りながら頭のすぐ上を西に流れていく黒い雲を眺める。 視界は意外とよくきく。京都丹波方面は美山町方面の山まではっきりと見えている。汗が冷えて冷たくな ってきたので天文台に立ち寄ってから裏の林道を下る。8月に来たときはなかった太鼓岩への下り口に丸 木の門ができている。綺麗に整備されたようだ。どこまで続いているのだろうと辿ってみると、少しゴル フ場寄りの林道に再び合流。 こちらは入り口に『祝 大野山岩めぐり道路完成』と木の札がかかっている。だんだん大野山も人手が加 わってきた。自然のまま放っておいてくれたほうが楽しめるのだが、多くの人に楽しんでもらおうとすれ ば致し方のないことなのかも知れない。
岩巡りコース入り口ヒダリマキガヤ

林道を下ってゴルフ場の上へ。ここから今年最速、MAX67km/hで下ると、柏原へ下りる手前を東 へ進む。20回以上も訪れている大野山だが、東の集落へ行くのは初めてだ。どこまで簡易舗装路が続い ているのか、探索しながら進んでいくと道の左手に猪名川町教育委員会の説明板がある。 天然記念物のヒダリマキガヤの説明板だ。現物は道の反対側にある。そんなに大きな木ではないが、その 幹は竜がのたうつような躍動感に満ちている。 ヒダリマキガヤはカヤの変種で樹齢300年くらい、種子(実)の表面の縦すじが左巻きになっていると ころから、その名があるという。日置(篠山)の磯宮にはハダカガヤもあるし、結構変種が多いのかも知 れない。ここのヒダリマキガヤの特徴は木が一本だけでなく、群生しているところにある。その存在を知 ってはいたが見るのは初めて。 しばらく見物して先に向ったが簡易舗装路もすぐに途切れる。MTBならいけそうな林道は続いているの だがそうもいかないので柏原まで戻り、杉生まで爆走する(9時40分)。 さて、このあとは杉生新田−西峠と回り後川へ。なぜか今日は足には余裕がある。いつもより1枚重いギ アで飛ばす。この時間帯になればサイクリスト達の姿も目立つようになってくる。中でも中高年グループ の人たちからは、久しぶりに元気のいい挨拶を受けた。これもサイクリングの楽しみの一つ。結局、最後 までスピードが落ちることなく家まで帰りついた。         (本日の走行距離110km)           織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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