山を駈ける風になれ2003年 2月号

 
2003年1月4日(土)北摂/大野山〜猪村コース(2.5万図 木津、福住)
2003年になりました。本当は昨日が走り初めの予定であったが、朝から雪、その後一日中雨となった
ため今日に変更。雨が夜半まで残ったことを考慮、ヤブ漕ぎをすればずぶ濡れになるのではとの判断から
去年と同じく阪神間最高峰大野山に登り、去年とは違う猪村コースを使って下山することにする。大野山
なら雪遊びができるかも知れない。

朝6時の気温4.7℃。この冬一番の寒気が流れ込んでくるとの予報ではあるが、雨が遅くまで残ったお
かげで暖かい朝となった。6時58分、MTBでスタートする。ほとんど無風だ。今日は西の風が強くな
るという。しばらくはこのままでいて欲しいものだ。
川西能勢口を回り、県道川西篠山線を一路北上する。体が重たくスピードが上がらないのは毎年同じこと。
もう少し食べるのを控えればいいとわかってはいるのだが、正月3が日は食べ過ぎてしまう。学習能力以
上に食欲に勝てない自分が情けない。元日の晩に体重を測ったらベストより2.5kgも重くなっていた。
今はきっと3kg以上重くなっているに違いない。1.5リットルのペットボトル2本分だ。

木津にさしかかったところで対向車線をサイレンを鳴らしながら救急車がすれ違って行く。5分もたたな
い内に今度は後ろから救急車がまたしてもサイレンを鳴らしながら追い抜いて行く。新年早々賑やかなこ
とだ。もちをのどにつめた老人がそんなにも多いのか?なんて気楽なことを想像しながら走っていると、
軽自動車とバイクの接触事故現場に。さきほどの救急車が停まっている。関係者は全員10代と思しき男
女。さいわい命に別条はないようだ。交通事故は怖い。

8時20分、杉生で水分補給など5分ほど休憩して柏原へ向う。柏原口を過ぎてようやく日陰に雪を見る
ことができたが、この分ではあまり積雪は期待できないかも知れない。体が重いところに加えてディレー
ラーの調子もおかしくなってきた。
8時45分、柏原に到着。ここもあまり雪はない。ゴルフ場に向う車が2台坂道を上っていく。ゆっくり
休んでから出発する。アルプスランド方面の林道入口には「本日天文台閉館。積雪のため車進入禁止」の
表示が。
これは期待がもてそうだ。ここから山頂まで3km、カーブを1つクリアしていく度に道の両脇の雪は増
してくる。次第に後輪が滑る間隔が短くなってきた。昨日はこのあたりも雨だったようでおかげで林道の
大半がアイスバーンになっている。空気圧を低めにしてきたのでなんとか走行を続けられる。
『猪名川源流』の看板を過ぎ山頂まであと500mというところで、とうとう乗車不能になる。仕方なく
「押し」が入る。さすがに山頂付近になると積雪量は増す。NTTのゲートの横から頂上に登る(9時2
5分)。
頂上の積雪は5センチから多いところで15センチ、青空の中に映える頂上の風景をデジカメに収め展望
を楽しむ。深山、高岳、弥十郎ケ嶽には積雪は認められないが、多紀連山の三嶽、小金ケ嶽は真っ白な雪
を被っている。
雪の大野山山頂猪村コース下り

展望を楽しんだ後、猪村コースを下る。クマザサの覆い被さる中を掻き分けて入ると雪の中を一直線に下 る道になる。雪がなければ乗車できそうなコースだが、すでにブレーキシューの周りは雪が絡みついてお り、制動不能の状態になっている。 せっかくの下りだというのにMTBを「押し」て下ることに。北面なので積雪は10センチくらい。ロー カットのトレッキングシューズを履いてきたので靴の中に雪が入り込んで冷たい。 それでも時々緩斜面に変わるところではちょっぴり乗車を楽しむことができる。巨岩の脇をすり抜け、広 い尾根筋を左旋回しながら調子よく乗っているとスピードコントロールできずにコースアウト。ズッコケ たところで、立ち上がって傍の木にくくりつけられた札を見ると何やら文字が書かれている。はっきりと は読めないが、「矢印」と「100m」という文字ははっきりと見てとれる。 確かに右(東)の方に向って斜面に平行に踏跡がついている。何があるのだろう。雪を掻き分け辿ってみ ることに。歩いていくに従って水の音が聞こえやがて広い谷が現われる。踏跡は細い流れで遮えぎられて 終わっている。谷の奥に目をやれば落差3mほどの滝がある。雪に覆われた景色と相俟って流れは清冽さ を増して見える。
大野山北面の滝大野山北側の谷

滝の位置は猪村から大野山に向って延びる林道の終点から更に奥に入ったCa570コブのすぐ西側と推 測される。滝のすぐ東側にある広い谷も雑木林を積雪が覆い、いい雰囲気を醸し出している。 大野山の北面にこんな静かな谷があるとは知らなかった。流れを渡って反対側の斜面に取り付き、滝や広 い谷をカメラに収める。いつまでもこの景色の中に佇んでいたいが、だんだん寒くなってきたので、さき ほどの分岐に戻る。 標高を下げるに従って積雪は無くなり、ブレーキの効きも戻ってきた。周囲の植生もいつしか雑木林から 植林帯に変わり右手下方に林道が見えてくるようになってきたらすぐに林道合流点だ。 ここからは約800mで猪村に下り着く(10時05分)。大野山山頂を下り始めたのが9時35分頃だ から時間にしてわずか30分ほどの行程だったが、ササヤブ、巨岩、滝、雑木林と変化に富んだいいコー スだった。 やや西風が強くなってきた。後川上まで下るとあとはいつもと同じ、小柿、木器と走り継ぎ猪ノ倉峠経由 で万膳まで戻ってくるとあとは強風と戦いながら家路を目指した。         (本日の走行距離 90km) 2003年1月11日(土)篠山/南矢代〜音羽山〜文保寺(2.5万図 篠山) 午前7時40分、家を出ようとしていたところへヒウラッチからTELが・・・。 「すいません。寝坊しました。今起きたところです」 「え?」 「7時55分の電車(大阪駅)に間に合いません」・・・そりゃそうだろう。 「次の電車は何時ですか?」・・・そんなの知るかよ。俺は“時刻表”じゃないって−の。 第14回ヤブ山歩き。新春初歩きは新年らしく厳かに、という思いもむなしく今年もハプニング満載珍道 中を予感させる幕開けとなった。 今日は昨年12月に歩いた篠山の音羽山を南矢代側から登り、味間へ降りようという計画。ヤブらしいヤ ブも無くラクラク低山漫歩を楽しもうというコースである。 本日参加のメンバーは昨年7月の木曽駒以来半年ぶりのミセスF、今日もマシンガントーク炸裂するかF 代のFFコンビに、約1年ぶり2度目の参加はテツドン、エリリンのハッシー夫妻。そしてのっけからお 騒がせのヒウラッチ(これまた2度目の参加)の5人である。 我々5人は予定通り南矢代に向かい、高仙寺へ御参りしたりして遅れてくるヒウラッチを待つことに。2 −30分程度の遅れでやってくるとにらんでいたが、何のことはない、結局1時間遅れでヒウラッチ到着 (10時10分)。 改めて初顔合せとなるメンバーの紹介を済ませ南矢代の集落に向って歩き始める。明け方に雨でも降った のだろうか路面が濡れている。空気が冷たく音羽山方面から雪雲のような色をした雲が足早に流れていく のが見える。 「今年は“大殺界”だから口数を減らし慎重に歩くことにします」、とはマシンガントークのF代。宣言 とは裏腹に今日も朝から思いっきりマシンガンが炸裂している。加えてシャベリなら負けていないヒウラ ッチも“睡眠たっぷり”で“舌”好調。ぼそっとつぶやくテツドンのオヤジギャグは掻き消され新年第1 回は“華やいだ”というより“騒がしい”歩きになってしまった。 10時22分火とぼし山の東から南に分岐する尾根に登る登山口に着く。登山口といっても民家の玄関先 をかすめるように山の中に続く細い道に入るだけ。趣きのある竹籔を抜けると植林帯、途中から右手斜面 についている踏跡をいっきに直登する。 尾根に辿りつくまでの区間=標高差にしてわずか90mそこそこの部分のみがいつものヤブ山らしいコー スだが、ここで早くもテツドン、エリリン、ヒウラッチの3人はひと汗をかく(10時30分)。 F代は歩きも喋りも絶好調、ミセスFもいつものマイペースに乱れはない。2度目組の呼吸が整うのを待 って火とぼし山に向って歩き始める。ここからは快適な尾根道歩き。登りに使ってよし、下りに使ってよ し(MTB爆走区間)の松葉絨毯フカフカ・コースだ。 ケーブルテレビのアンテナを過ぎると大沢城址から上がってくるハイキングコースと合流(10時45分) 、火とぼし山への登りにかかる。先頭を歩かせたらとんでもないところへ入り込んでいたF代が今日は不 明瞭な箇所も正確にトレースしている。成長したか。緩い登りとはいえ重い荷物を背負わされていること もあってテツドンに若干の遅れが見られる。 火とぼし山山頂手前は今日唯一の連続階段区間、いっきに登ってしまいたい私、F代、ミセスF。かたや 階段途中で自主休憩はテツドン、エリリン、ヒウラッチの3人組。11時05分、一足先に火とぼし山山 頂に着いて後続を待つ。ここまでくると日陰に雪が見られる。 樹幹越しに音羽山山頂東の鉄塔(No121)が見えている。標高差はわずか30mだと言ってみんなを励ます。 後続組の到着を待って十分に休憩をしたところで音羽山に向う。ここから音羽山までは一投足。快調な足 取りのF代に先頭をまかせる。歩き出すやいきなり下りの連続。せっかく登ってきたのにそこまで下らな くても、とF代の大きなツブヤキが聞こえる。 ひとつコブをクリアすればすぐに鉄塔の立つ頂上東に(11時25分)。切り開かれた鉄塔付近は動物の 毛を思わせる茶色い草があたり一面を覆っている。 「イヌの毛みたいですね」とはF代。 そうすれば、われわれはイヌの背中を歩くノミか・・・。“イヌの毛”の窪みには雪が残っている。あいにく 雲海は見られなかったが、眼下には篠山盆地が広がり、その北側には多紀連山が屏風のように連なっている。 絶景だ。ここで昼食タイムにする。
お昼は最高音羽山から連山

手作り弁当あり、お母さんに作ってもらった弁当あり、コンビニ弁当ありといろいろだが、共通しているの は太陽の日差しを背に受けて食べるのは美味いということ。早々に食事を終えたヒウラッチが食事をしてい るみんなのすぐ後ろにシカの糞が点在しているのを見つけこれは何の糞ですか、と大きな声で訊ねる。まだ みんなは食事をしているというのに“流れ”の読めないヤツだ。 一方、メンバーもそんなことは意に介していない。食事を終え雪の上での撮影会等でひとしきり遊んで出発 する(12時05分)。
残雪に遊ぶ音羽山山頂で

        音羽山の三角点を過ぎるとほぼ平坦な道が続く。雑木林の中を行く明るい道だ。その道も松尾山に近づくに 従って杉を中心とした深い森に変わっていく。味間新に下る分岐を過ぎ、少し登れば肩越えの辻だ。 1昨年6月に白髪岳を一緒に歩いたミセスFとF代もここは覚えているようだ。少憩の後出発。あとは下る だけだ。植林帯の中をどんどんと下っていくと突如視界が開けるポイントに出る。雪が積もる北斜面の谷を 行く道に変わる。なかなかいい雰囲気だ。
肩越えの辻北面の下山路

    雪が融けてぬかるんだ急降下ポイントは要注意箇所だ。ハイカーのためにとロープを垂らしてくれている。 下りには不要と一人さっさと降りたが、ロープを掴んだメンバーは大変。エリリンがズッコける。逆光で撮 れず。昨日買ってきたばかりの手袋が泥まみれになってしまったとミセスFが嘆いている。 尚も“危険地帯”は続く。後ろの方で悲鳴がさかんにあがっている。といって大した積雪があるわけではな く、雪道を楽しんでいるといった方が正解かも知れない。撮影ポイントが多く何度も立ち止まりながらの下 山だったが、やがて雪道ともお別れ、13時ちょうどに文保寺からあがってくる林道に飛び出す。(エリリ ン、ここでもおまけの転倒) 簡易舗装の林道を下りかけた時、左手山側に「役の行者、20m」という案内板を見つけ、山の斜面を登っ ていく。ようやくの思いで下山を終えたメンバー達の頭の中は味間奥の諏訪園で和菓子+お茶、そしてその 後の篠山城下でのお食事でいっぱいか誰もついて来ない。(山のベテラン、ミセスFも最後は“力の抜けた 宇宙人”のような足取りだったから無理なからぬところか。) “20m”というのは距離ではなく標高差のようだ。彼らは敏感に嗅ぎ取っていたのだろうか。杉木立の山 の斜面、アーチ形に彫られた岩の中に行者像が祀られている。“怪しい石仏探偵団”ならここで薀蓄を傾け あうところだろうが、今日のわがヤブ山メンバーは新グルメ部長(エリリン)以下食にこだわるメンバーば かり。食べられない石仏にはこだわらない。
役行者

    再びみんなと合流すると、まずは諏訪園へ。ほっこりし過ぎて大幅時間超過になってしまう一幕もあったが、 その後の予定はきっちりこなし初歩きはメデタク終了したのであった。 2003年1月25日(土)山南・西脇/黒石ダム〜平石(2.5万図 谷川) 先週は走らなかったのでどうしても今週末は走りたい。なのに木曜日になって風邪。嘔吐、下痢、発熱の3重 苦に職場では半分“死んで”いたが点滴と注射の早めの対処がよかったのか、なんとか走ることができるとこ ろまで“復活”した。 当初、黒石ダムから西脇にぬける峠を起点に平石−猿籔−高山と走破するつもりでいたが、そこは快復度合い と相談、ロードで走り峠にデポ、猿籔南尾根を辿って舗装路に下りデポ地に戻る、という方針に変更、6時5 5分出発する。 赤坂峠への上りは体調快復度合いを測るいい指標になる。二日前に38.5℃の熱があったことを思えばまず まずの調子でクリア、スプリント気味に飛ばした天上橋交差点も46km/hを記録、そんなに悪くはなさそ うだ。 とはいっても全般的にはゆっくりモード、8時25分古市でいつもより余分めに休憩を取る。気温1℃、真っ 白に雪化粧した白髪岳が朝日に輝いている。神々しいばかりの姿である。かなりの積雪とみた。味間から西脇 にぬける道路を走ることはできるだろうか。 味間地区に入ると茶畑も雪の帽子を被っている。デジカメを買ってから止まって写真を撮ることが多くなった。 ひとしきり雪景色の撮影を終えてから旧今田町にぬける県道の上りに入る。MTBでフツーに下っても60k m/h出る勾配、おまけに路面はシャーベット状態、まよわずインナー×ローでトルクをかけずにフワフワと ペダルを回す。 9時10分、阿草からの道が合流するポイントに到着。何とかここまで乗って来れた。問題はここからだ。目 の前には白銀の世界が広がる。道はシャーベット状態だが凍結してないので意外と大丈夫。時折り後輪がスリ ップするがその都度走行路線を変えてクリアする。23mmスリック・タイヤのロードでこんなに走れるとは 思わなかった。
小峠への登り白き神々の嶺

    路面を見てなきゃいけないのだろうが、雪景色が楽しくて視線はきょろきょろ、気分は♪白銀は招く、だ。 東に展望が開けるところで、雪を頂いた三嶽の勇姿が目に飛び込んでくる。まさに“白き神々の嶺々”、今日 はこれだけでもう十分だ。 デジカメに収めて再び走りだすとこの県道に入ってから初めての対向車(トラック)がやってくる。超スロー でカーブを下ってくる。こんな雪道を自転車で上がってくるヤツを見て“気でも狂ってるんじゃないか”と思 っているに違いない。確かに“切れ”てるかも知れない。 最初の1台のあと同じ仕事に向うと見られるトラック台とすれ違い、続いて“超こわごわ”運転のオバチャン の乗用車が下ってくる。こんな雪道怖けりゃ上って来なければいいじゃないか、と思っていたが、篠山市(今 田町)との境を越え下りに入って理由がわかった。今田町側は凍結防止剤がきれいに撒かれ全く積雪も無けれ ば凍結もしていなかったのだ。それで走れると思って上がってきたらしい。そりゃあ、反対側から来た車は怖 かったに違いない。 凍結してなきゃカッ飛ばせる。あっという間に黒石ダムまで下ると、西脇方面に向けての上りに入り市境の峠 に到着する(9時35分)。
平石南東の峠山の中はこんな感じ

    峠は切通しになっているので手前のヤブの中にロードをデポし、支度を済ませて登りにかかる(9時40分)。 雑木ヤブで雪が積もっているのでどこが踏跡なのかわからない(もっとも踏跡があるのかもわからないが)。 市の境界杭を見つけ広い尾根筋に乗っかるが、期待した切り開きはない。それでも腰をかがめて歩けば結構歩 ける間隔はある。雪中行軍を楽しむうちにCa470の広いコブに着く。ここからルートは少し下りになる。 背丈を超えるクマザサのヤブ漕ぎが暫く続く。クマザサを抜ければ全身真っ白、雪男状態だ。 踏跡はあるような無いような状況が続く。雑木ヤブで視界は全く効かない。とにかく高みを目指せば山頂に着 くだろうからと適当にヤブを掻き分けながら登っていけば右手から明確な踏跡のある尾根道と合流、すぐに平 石頂上に着く(10時05分)。
平石山頂間違った北尾根

    三角点が雪に埋まっている。雪を払って三角点であることを確認する。4等だ(542.5m)。西に展望が 開けている。視界の先に聳えるのは猿籔(591m)だ。山頂近くの木に大柿プレートが下がっている。去年 の5月に歩かれたようである。確かに5月に歩けば気持ちよさそうなルートだ。 しかし、この積雪量も予想外だった。猿籔方面には尾根通しに踏跡があるようだ(雪が深くてよくわからない) が、この雪では猿籔に着いた後が大変そうだ。こういう時はさっさと撤退するに限る。でもピストンは面白く ないので、さきほど山頂手前で合流した山南町界との尾根筋を辿ることにする。 いい“径”である。軽快に歩行が進む。一つコブを超えたところで右に曲がり谷筋を南東に下りたつもりだっ たが、いくら下っても道路に出ない。植林帯の激斜面を下った時に気がつくべきだったが、そこはMTBを担 いでいない気楽さが裏目に。 おまけに急遽ザックを変えたため、コンパスも持ってきていない。雪道は足跡が残るのでいくらヤブを掻き分 けて登ってきたとはいっても元来た道を戻るのは簡単だったのだが、欲張ったのがいけなかったようだ。晴間 が覗いた時には北の谷筋を下っていることがはっきりする。しかもほとんど下り切っている。 キジが目の前を羽ばたいていった。驚かしてしまったらしい。2羽だ。さきほども2羽のキジを見た。一回の 山行で4羽も見るのは初めてだ。 10時40分林道から簡易舗装路に飛び出す。民家がある。電柱の文字を読む。今度は自分が驚く番だった。 「アクサ」・・・阿草だ。以前谷川の地蔵の森公園から峠越えで阿草にぬけたことがあったが、その時に走った 道だ。 地形図の「奥山」と書かれたあたりのようだ。ロードをデポしたところまで戻らねばならない。ちょっと気が 遠くなる行程だ。9kmくらいはあるだろう。しかもただの9kmではない。いい加減に歩いたバツか。とり あえず腹ごしらえだ。道ばたに座り途中で調達したサンドイッチを頬張り一息つく。遅めのブランチだ。私の ブランチは朝食と昼食の間の食事のことをいうが・・・。 2時間で歩けるか。ま、ウォーキングと割り切って歩くこととしよう。この道は思い出がある。桜が満開の寺 の境内で弁当を食べたことがある。ちょうど近所の主婦が手弁当を下げて集まってきてとなりの桜の木の下で にぎやかにお昼を楽しんでいた・・・。 その寺の前を右手に折れると篠山、今田へ向う県道に合流する。結局10時50分に歩き始めて1時間30分、 ようやくデポ地に到着。たっぷりウォーキングを楽しみ過ぎて拇指丘が痛くなった。自分には20km、30 km歩くことは無理だな等と考えながらR372に向けて爆走を楽しんだ。         (本日の走行距離103km)         織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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