山を駈ける風になれ2003年 5月号

 
2003年4月13日(日)氷上/長都羅志山〜北山(2.5万図 大名草)
すっかり暖かくなった。今日は21℃まで上がるという。先週予定していながら体調不十分(氷上まで走
るだけの気力がない)で、延期した氷上町は三原の長都羅志山から西にのびる尾根筋を歩くことにする。

昨夜8時に寝たので(子供か)睡眠たっぷり。夜明けと同時に目が覚め、5時46分出発する。朝5時の
気温13.9℃はこの間までの寒さを思えばうそのような気温だ。よってTシャツの上にウインドブレー
カーを羽織っただけの恰好で飛び出す。
睡眠をたっぷり摂ったせいか、体もすこぶるいい。赤坂峠を久々のハイペースでクリアするとその後も快
走を続け、藍本手前から強くなってきた向い風にも負けず、古市、篠山口と通過、鐘が坂トンネルを越え
た下りで、今年初の60km/h超をマーク(路面が濡れていて怖かった)、8時ちょうどに柏原駅前を
通り、成松の街中をぐるりと回って8時30分、三原川にかかる松山寺橋を渡って霊園をぬけ、立派な公
孫樹の木の奥にひっそりと佇むお堂の前に到着する。

長都羅志山の南東麓にある地形図では鳥居マークのつけられているところである。お堂の横に自転車をデ
ポして支度にかかる。ここへくる道中でペットボトルを買い忘れたことに気づく。調子に乗って飛ばし過
ぎ、自販機をチェックするのを忘れていた。
松山寺正面の様子松山寺お堂
今日は汗をかきそうな気温だ。水分なしで大丈夫か。とりあえずお堂の隅に水道の蛇口があるのを見つけ、 手で掬って口に運ぶ。生臭い味がする。水自体の匂いなのか、手につけていたグローブの匂いなのか。飲 み終わったところで気にしても仕方がないので、登りにかかる。 登路はお堂の裏からシカ除けネットの向こうに林道幅の道が続いている。ネットをはずして中に入り先を 進む。鳥居マークから北西に谷沿いに登る道だ。2mほどの幅のある道は5分ほど歩いたところで無くな り、あとはひたすら植林帯の中の急斜面登りが待っている。 昨日の雨の影響で足元が濡れておりよく滑る。下枝も片付けられており、松葉の絨毯といった面持ちの林 床は急斜面を除けば言うことない。登るに連れて更に傾斜は急になる。いい加減どこかで東に回りこまな いと、このままでは頂上一気登りになってしまう。 かなり登ったところで、植林の斜面を東にトラバースし、大きく出張った岩を回ってシダの生い茂る斜面 を掻き分け東西にのびる稜線に出る(9時00分)。 306標高点方向からしっかり掘られた山道が通ってきている。たぶん標高400m近くまで登ってきて いるのだろう。306山は遥か下の木々に隠れて見えない。しっかり掘られた山道はシダが深く、歩いた ら頭まで濡れたシダで覆い尽くされそうな感じ。びしょ濡れになるのは御免と深く掘られた山道の脇を歩 いて頂上を目指す。  10分ほどで北からの尾根が合流、東西に長い頂上部を歩くうちに踏跡の左手、少し小高くなった上に3 等三角点を見つける。標高444.3m、長都羅志山山頂である(9時14分)。
長都羅志山頂上長都羅志山西の稜線から
山頂方向を振り返る
雑木と植林に覆われて展望は無い。三角点の標石はかなり古いのか、角が取れて丸くなり、文字も判別し にくい状態になっている。先週予定通りに歩いていたら島田さんとこの頂上でバッタリ出会ったかも知れ ない。 山頂の周囲もまだ乾いていないので座るところとてなく先を行く。道は格段に歩き易くなる。赤や黄色の プラスティックの境界杭を辿る稜線道は小さなアップダウンを何度か繰り返しながら北山山頂に到着する (9時40分)。 419.4mこちらの三角点は4等である。比較的最近設置されたのか標石は新しい。残念なことに三角 点の周りにゴミが散らかっている。こんな静かな山旅を楽しんでいるのに興醒めだ。ここも展望は望めず 先を歩く。 北山から西に下りきる手前の小さなコブで雑木の上に竜ケ岳の堂々とした姿が見えるポイントが現れる。 いつ見ても堂々とした山である。私にとっては数少ない未踏の山でもある。余力があれば足を伸ばしてみ たいが今日のような脚力では無理だ。
北山山頂の雰囲気北山西のコブから竜ヶ岳を臨む
9時57分、425標高点山に到着する。ここも展望はない。いつまでも快適な山道を歩いていたいがそ うもいかない。そろそろ下山にかかるとしよう。 425山から南に伸びる枝尾根を下りようと考えていたが、手入れの悪い植林の枝と雑木がかなり煩そう な状況、一旦西の鞍部まで下って、林道に向かって谷筋を下りることに変更する。 こちらは同じ植林帯ながら枝は煩くない。ただ、激斜面下りで、木に掴まりながら下りていかないと下っ ていけない。足元が乾いていれば駆け下ることもできようが、濡れているのでゆっくり下っても滑る状況 である。 遥か下の方から水の流れる音が聞こえてき始めた。結構な水量のようである。この分ではピンポイントで 林道終点に下りないと裸足で川を渡るハメにならないとも限らない。下るうちに沢が現れ始めた。三方か ら沢が合流、流れはだんだん大きくなっていく。 渡り易そうなポイントを見つけ左右に移動しながら下って行く。と、正面ヤブ越しに林道終点が見える。 ピンポイント作戦成功と喜んで、ヤブを潜ろうとして身動きが取れなくなる。イバラである。 縦横無尽に枝を伸ばしたイバラのヤブだ。細かい棘がびっしり生えたヤツではっきり言って一番たちが悪 い。バンダナや服に絡みつくのは勿論の事、腕まくりした肌にも棘が刺さって絡みつく。振り払おうとし てあげた手が下ろせなくなる。首筋にまで絡みついてくる。イヤ参ったなこれは・・・。 有刺鉄線などは問題外。サルトリイバラより遥かに手強い。こんな経験は初めてだ。とにかく一つずつ外 していくしかない。手と頭に絡みついていたイバラを外すとゆっくり後退、バリバリいわせながらようや く植林帯の中に逃げ込むことができた。久しぶりに腕が血まみれになった。刺さっている棘は追々抜くこ とにしよう(10時17分)。 イバラヤブを大きく迂回して林道に降り立つとあとはゆっくり林道−ゴルフ場の道を辿り、10時50分 デポ地に戻ると、下界は初夏の陽気。Tシャツ一枚になって追風に変わった氷上路を山南町周りで駆け抜 けた。 (本日の走行距離 155km) 2003年4月19日(土)北摂/深山:おぐらタワ〜山頂〜ガヨの谷 (2.5万図 福住、埴生) 第18回ヤブ山歩きの会。雨に祟られ中止続きになった昨年と違い、今年は早くも5回目の開催。北摂最 高峰の深山(みやま)を歩く。大阪・京都・兵庫の2府1県にまたがるこの山域は、宝塚の我が家からロ ードで駆ければ3時間もかからない内に山頂に立つことができるが、公共の交通機関を利用するととんで もなく遠い文字通り僻遠の地である。 深山山頂だけを目的とするならファミリー牧場近くからハイキング道を辿るか、頂上に立つ雨量レーダー ドームへの簡易舗装路を使えば簡単にその比類なき大展望を得ることもできようが、それではこの山域の 良さを知ることにはならない。今日のメンバー達もそんなコースでは納得しないだろう。そこでプランニ ングしたのが表題のコースというわけである。 週末になると天気が下り坂になる。そんな中、待ち合わせ場所のJR大阪駅に集まってくれたのは、昨秋 の氷ノ山以来半年ぶりの参加で今年の納山会参加資格(当会のローカルルール)をようやく獲得したコン パス姫、今日も顔中マスクの怪しいスタイルで歩くのかミセスF、そして今年ここまで全て出場、ヤブ山 中毒に加えMTB中毒にも罹患した?トレックF代の3人。 8:30の新快速で京都駅に向かう。深山高原に広がる“クマザサの海”を堪能しよう、と案内に書いた ら、そんなとこに海があるんですか?と車中でいきなりコンパス姫のボケが炸裂する。 京都駅で山陰本線に乗り換える。乗換時間はわずかに5分。なにしろ京都駅の山陰線ホームの長さは日本 一、しかもその一番先に止まっている電車まで人ごみを掻き分けダッシュ。何とか乗り込むことができホ ッと一息(連絡の特急の到着が遅れていて走ることはなかった・・・)。 あとは嵯峨野、保津峡と旅行気分に浸りながら園部駅で下車(9時55分)、京都交通のバス(季節運行) に乗り換えて終点奥るり渓に向かう。車窓から眺める満開のコバノミツバツツジが美しい。10時46分 奥るり渓バス停到着。 バスを降りるとポツリと雨が降ってきた。昼頃から雨とはいっていたが、もうちょっと我慢をして欲しい。 願いが通じたのかすぐに雨は止む。支度を済ませて11時ちょうど出発、琉璃渓GC前を通り、天引林道 をおぐらタワ(Ca605m)へ向かう。 自転車では何度も通ったことのある道だが歩いてみると長い。そうこうしているうちに強い雨が降ってき た。全員に雨具を着けるように指示。と、ここでコンパス姫、カッパを忘れてきたことに気づく。 「傘は持ってきたんですけどー」・・・ま、確かにそれも必要だがどうやってヤブの中で使うんだ。今日は全 員装備を持っているから雨になっても大丈夫だと考えていたのだが、忘れてくることまで想定していなか った。 結局、そうこうしているうちに雨は止んだので大事には至らずおぐらタワに。ここでまたまた予定外のこ とが発生。おぐらタワからこぐらタワまでは門からゴルフ場の中を歩いてショートカットを狙っていたの だが、ゴルフ場の門は背の高いフェンスに変わり、おまけに鍵がかけられている。いくらなんでも強引に 登って中に入るわけにはいかない。見つかれば言い分けのしようがない。 仕方なくおぐらタワからヤブを漕いで山の中に入り、ゴルフ場の境界に設けられた電流柵とシカ除けネッ トの間を通って雷雨時の退避所の裏からゴルフ場内に“瞬間的”に入りこぐらタワへ、そしてゴルファー 達の姿が近くなってきたところで再び柵を越え741標高点ピークの北西から同ピークの南側に続く林道 に入る。
Gメン登場?
雨は止んでいるが非常に蒸し暑い。おまけにこんな林道、車が上がれるの?というくらいの傾斜、メンバ −全員、一気に汗が噴出しF代の口数が減る。それでも足を前に出していれば登りつくというもので次第 に傾斜も緩み、道の両脇にクマザサが現れ出す。 「これですね。“クマザサの海”っていうのは」とF代、 「何の。今にわかる」 11時56分、林道終点に到着。目の前に深山から南のCa770コブ、あたり一面のクマザサの海が広 がる。見たこともない景色に3人も感動する。おおまかにコースを説明、 「ダイブするぞー」と声をかけてクマザサの草原を横断開始。途端に後ろでキャーキャー悲鳴とも歓声と もつかぬ声が上がる。彼女達の身長ではいきなり溺れてしまうくらいの“海”だったのだ。雨模様で表情 も曇がちだった3人の表情が一気に弾ける。『溺れる3人』、『ダイブするミセスF』、前回の『怪しい 女』に続く第2弾『危ない女』(=これは残念ながら非公開)などデジカメの出番がここから連発だ。 何度も現れるササヤブの巨大迷路にメンバー達のテンションは上がりっぱなし。面白いことにササが深い ところと浅いところが交互に絶妙のタイミングで現れるので、緩急をつけたジェットコースターのような 味わいがある。
ダイブするミセスF溺れる?三人
少しでもトレースを外れるとササの圧力に体が跳ね返される。どこを突いたの、ここにあたったのと大は しゃぎである。クマザサの葉の色と同じような色のウインドブレーカーを着ているコンパス姫は顔と手だ けが浮いたように見えるし、後に続くミセスFのフードの動きを見て最後尾のF代の位置を判断する、と いった具合だ。 企画した本人が驚くほど予想外にウケたクマザサ横断を終えて、Ca770コブ北の鞍部に着く(12時 17分)。首に巻いていたミセスFのタオルは真っ黒、使ってもいないうちに雑巾になったと興奮気味に 叫んでいる。よっぽど気に入ったのかコンパス姫、「帰りもここ通るんですかあ」・・・ってそんなわけない だろ。 ここからはハイキング道、“平凡な山道”に物足りない様子のまま12時35分、深山山頂に到着。791 m、北摂最高峰である。全方位が楽しめる大展望は雲がかかって100%、とはいかないが、それでも 周囲に広がる山また山の風景に感動することしきり。 雨が降り出してこないうちに食事を摂ることにする。われわれの他にはハイカーが1組だけの静かな山頂だ。 吹きっ晒しなので寒い。何を勘違いしたか飲み物を凍らせて持ってきた者が若干1名、氷が融けないと言っ ている。今日の気温じゃあ当分融けないんじゃない? 寒いので結局15分ほどで食事+オヤツタイムを終え、深山宮の横を巻いて北尾根の縦走にかかる。ここか らは“道”もわかりやすいのでF代に先頭を任せて最後尾から“写真班”に徹する。
北尾根に踏み出すアセビの花
元気よく歩き出したF代、5分ほど行ったところで、急に悲鳴を上げて、あらぬ方向を指差しながら叫ぶ。 何か出たらしい。その表情があまりに恐怖に引きつっていたので、後続の3人はわけがわからず、『クマ? 』、『イノシシ?』、『白骨?』と各々見たくないものを想像する(『白骨』は言わずと知れた私だ)。 よく聞いてみると何のことはない1mほどのヘビだったらしい。あほくさ・・・と思ったが本人にとっては大事 件だったようで、ヒザに力が入らずヘナチョコ歩きに変わってしまうは、トレースはずしまくりでヤブの中 に突っ込んでいくは、F代よれよれになる。 13時15分、舩谷山(730m)山頂到着。ここが2府1県の境界と伝え、3府県にまたがって記念撮影、 再びメンバーを先導して北尾根を歩く。最初に訪れた頃はテープもなく静かな山道だったが、今では色とり どりのテープに加え、ご丁寧な説明まで書いてあって、誰が歩いても間違いようのないただの山道に成り下 がってしまった感がある。親切心から目印をつけるのは結構なことだが、大きなお世話ということもあるの で考えもの。第一、山主に断りもなくつけるものではないだろう。
舩谷山山頂526ピーク
で、間違いようのないまま526標高点ピークに達する(13時50分)。ここも周囲の低木が刈り取られ 雰囲気が変わっている。ここで少憩を摂り舩谷山から深山が見渡せる蛇岩の上でポーズを取り合って記念撮 影をする。今日はマスクもせずに元気なミセスFが異様にハイだ。 さて、次は満燈山を目指す。右手に植林帯を見ながら細い“吊り尾根”を渡ってシカ除けネットを何度かま たいで急斜面を登りきると満燈山山頂(567.8m、14時15分)、いよいよ雨雲に包まれてきたよう なので、少し戻ってガヨの谷林道に下る(14時35分)。
蛇岩でポーズ満燈山
植林帯の急斜面の下りも慣れたようで簡単にクリアする。さすがにレギュラーメンバー達だ。後は長い林道 歩き。途中でF代がシカの頭骨を見つける。立派な角を生やした若いオス鹿のようである。 「標本かと思いましたよー」とF代。山の中に標本は落ちていない。みんな“本物”だ。 さらに林道歩きは続く。20分ほど歩いて天引林道に合流。ここからは舗装路になる。霧のような雨が降る 中、琉璃渓口バス停まで今日の行程を振り返りながら歩く。周囲にはまだまだ満開のサクラの木があってわ れわれの目を楽しませてくれる。 15時30分、バス停に着いてみれば次のバスまでは1時間以上。東に歩いて3分ほどのところにある八幡 神社で雨をしのぎながら寛ぐ。モミの巨木が素晴らしいが3人にはあまり興味が無かったと見え、すぐにオ ヤツタイムに。デジカメで撮った写真を眺めながらハイになった今日の行程を振り返っていると1時間はあ っという間、1日に5本しかないバスに乗り遅れないようにそそくさとバス停に向かった。 2003年4月27日(日)京都丹波/吉尾山(2.5万図 胡麻) 吉尾山は京都府丹波町、山陰本線下山駅のすぐ南西側に位置する392mの低山である。先週バスで園部か ら深山に向かった時、最近園部方面を走っていないことを思い出し、この吉尾山を入れて周回コースを設定 することに。 午前5時34分出発。勿論ロードだ。今日は晴れると天気予報はいってたがどんよりと重苦しい雲が垂れ込 めている。おまけに肌寒い。でも日中23℃まで上がるというので半袖のジャージで走り出す。 中山寺の手前でポツリとくる。大丈夫か?不安な気持ちを引きずったまま川西能勢口を回り、県道川西篠山 線を北上する。銀橋の手前で猛烈なスピードで走ってきた兄ちゃんに抜かれる。緩い登りとはいえ34km /hを出して走っている自分を軽く抜いていくのだから凄い走り屋だ。 雲は晴れるどころか北に向かうに従ってだんだん重苦しくなっていく。若干の向い風はあるものの泉郷峠、 天王峠と今日の目的地である吉尾山より標高の高い峠を越え、福住のコンビニで食料調達(7時38分)、 板坂峠を越えて瑞穂町を北上、保井谷手前で東に折れ、無名の峠を越えて京都丹波の名峰三峠山の勇姿を左 手に見ながら走るうちに知野辺に到着する(8時42分)。 広場の横から山の方に向かって林道が通じている。山側に溜池らしい堰堤も見える。ここが登り口のようだ。 簡易舗装路の林道はすぐに地道の林道に変わり、林道右手にNHKのケーブル埋設の標識が立つ山道が現れ る(8時47分)。 ここが登山口である。谷を挟んで吉尾山を西側尾根からぐるっと回り込んで登る道である。ロードをデポし 支度を済ませて登りにかかる(8時50分)。
登山口登山道から新緑の木立越しに吉尾山
2、3箇所倒木を跨ぐポイントが現れるが全般に快適なハイキング道といっていい道である。下りに使えば MTBかっ飛びコ−スか。瑞々しい新緑の雑木を楽しみながらゆっくり登る。10分ほどで西のCa360 山との鞍部に達する。360山の方にも踏跡が付いている。 地形図に岩マークが付いているとおり大岩が木々の奥に見え隠れしている。興味をそそるコースである。が、 今日は擬木階段を東に登る。山頂手前に下山雨量観測所の施設が現れる。国土交通省福知山工事事務所が設 置したと書いてある。そこから20mも歩かないうちにこんどはNHK丹波テレビ中継塔が現れる。吉尾山 山頂である(9時04分)。 中継塔の施設の周りは木々が伐採され、ワラビの群生地になっている。すぐ北側に同じくらいの高さのコブ が見えている。踏跡程度の道をヤブを掻き分けて進むこと4分ほどでコブに着く。こちらは展望も登頂標も 何も無い静かな山頂である。
NHKの中継塔が立つ吉尾山山頂吉尾山山頂から日吉・美山町界の山々を眺める
また中継塔の下まで戻ってきて軽食タイムとする。ここでスポーツドリンクを自転車のボトルケージに入れ たままだったことを思い出す。最近どうも飲み物を忘れる。こんな時季だからいいようなものの夏場だった ら大変だ。仕方なく飲み物なしでサンドイッチを頬張り、しばらく展望を楽しんで下山にかかる。
山陰本線下山駅質美から三峠山
登山道脇に咲くスミレの花を撮ったりしながら下ってもわずか10分ほどの行程、すぐに登山口に戻りつく。 ここでたっぷり水分補給を行い、ゆっくりと下山駅前を流して走る(9時50分)。ようやく青空がのぞい てきた。帰りはR27、追風を受けて初夏の日差しの下、快走すれば観音峠もあっという間、園部からR4 77に入り、柊峠を越えて能勢経由で帰ってくれば12時過ぎには家に帰りつくことができた。 (本日の走行距離 142km) 2003年4月29日(火)篠山/岩ケ谷〜大谷山(2.5万図 篠山) 篠山は旧丹南町味間地区、大国寺の背後に連なる山々を歩く。中一日でどれくらい快復しているか自信がな い上に昼前から南寄りの強風になるとの予報、よってトータル100kmコースでプランニングする。 午前5時40分出発。今日もロードだ。朝から快晴、気温12℃といささか低めだが日中は23℃まで上が るとの予想に半袖ジャージで走る。寒けりゃペダルをガンガン回せば温まるというもの。思ったほど悪くな いタイムで赤坂峠を通過する。 と、いきなり初めての光景が。そうなのだ。一昨日の27日に西宮山口JCTが完成、阪神高速北神戸線が 全通したのだ。開通直前も走ってはいたが、信号機が設置され道路標識も整備されると、どこへ入ったらい いのと、感覚が狂ってしまう。おまけに有馬病院の横も交差点が出来て何だか落着かない。12年間走りな れた道が一気に変わってしまうとは・・・。 ま、そんな目新しい変化もあったが後はいつものR176。三田、古市(気温11℃)を通過、篠山盆地に 入り、途中コンビニで食料調達などしながら7時30分、茶どころ味間に入る。 取り付きを大国寺の東北東約300mの地形図、神社マークに求めて田んぼの間の地道を進む。神社自体は 見えないが、山を背負って2基の石燈篭が見える。石燈篭の背後にシカ除けフェンスの扉が朝日に反射して いる。きっと山の中に道が続いているに違いない。 扉を開けて自転車を中に入れ鍵を掛けて支度を済ませ鬱蒼とした杉木立の中を進む(7時38分)。ものの 2分と歩かないうちに木製の小さな鳥居と小さな祠が現れる。右手の石碑には「御霊神社旧跡」と書かれて ある。 続いていると思った道はここで行き止まり。しかし枝尾根までは標高差10mもない。植林帯の中を登ると ヤブの中にかすかな踏跡、更に行けば境界の赤いプラ杭が現れはっきりとした山道になる。 山道は西に曲がり地形図の『大国寺』の『大』という字の方に登って行く。麓から登ってくる道と2つばか り合流する。急坂を登ると目の前にコンクリートの壁が現れる。村の給水施設のようだが、上面をススキや 雑草が覆っていてなんだかよくわからない。
御霊神社旧跡より登山開始主稜線に乗る
この施設の背後あたりは踏跡が怪しくなるが、すぐにCa320コブ、東西に伸びる主稜線に出る(7時5 3分)。シカ除けフェンスが東西に張り巡らされている。え、ここからこんな味気ない山道が続くのか、と ちょっとがっかりする。 しかし、フェンスはすぐに南の方に下がっていく。扉を開けて西に踏み出せば快適な雑木尾根歩きへと変わ る。8時03分、4等三角点に到達。点名岩ケ谷356.4mである。すぐ背後には一山を成しているCa 400山があるのに全く何の変哲もない平坦な尾根道の上に三角点が埋まっている。
岩ケ谷4等三角点
三角点の写真を撮って先を進む。道は北西の400m山を巻いているのだろうかと思ったが、東側に回り込 みながら400m山の山頂を通っている。8時08分400m山。展望のない雑木に包まれた山頂である。 ここからは南西に標高を60mほど落とす。鞍部に着くと南からはっきりとした道が上がってきている。4 06標高点山の方に向って明瞭な道が続く。こちらは今までの道とは違って明らかに人の手で削って作った 道で、406m山の東斜面はジグザグに道が切って登り易いようになっている。 そんなわけで難なく406m山山頂に立てるかと思えば、意外にも道は山頂のすぐ南を巻いて平行に。MT Bなら高速コースといきたい道である。せっかく来たのだから406山のピークも踏んでおきたい。西側か らあるかなきかの踏跡を辿ってピークに立つ(8時21分)。ここも雑木に囲まれて展望なし。
406山頂上の様子大谷山山頂
少憩の後、大谷山に向かう。このあたりは標高400m前後の平坦な尾根が続く。ところどころ手入れの悪 い植林の枝がうるさいところがあるが、全般に歩き易い道である。緩い登りが続き始めたら大谷山への最後 の登り、8時43分植林帯の中にさきほどのよりは立派な三角点を見つける。大谷山山頂である。 標高438.6m、西向きの三角点は3等だ。三角点の周りだけがやや小広くなっている。アカマツを主に した木々に囲まれこれまた展望はなし。ウグイスの声を聴きながら軽食休憩を摂る。展望は無いが静かない い山頂である。西の山南町界の方に道は続いている。 10分ほど休んで歩き始める。道なりに歩いているうちに自然に道は左カーブ、いつしか山南町界を南に進 んでいる。篠山・山南境界も歩き易いがこのまま行けば小峠に出てしまう。少しでも舗装路の歩きを減らし たい。 そんなことを考えながら歩いていると最初のCa420コブの手前で左にゆっくり下って行く山道が現れる。 倒木が多そうだがはっきりとした道である。こいつを辿って下って行くことにする。 今ではこんな山道を歩く人もないのだろう。荒れるに任せっぱなしの道で大きな木が何本も道を塞いでいる。 とはいっても今日はMTBを同伴しているわけでなし。障害物競走と割り切ればそれもまたよし、10分も かからないうちに大谷山南麓の林道の横に出る(ここでもシカ除けフェンスの扉の開け閉めがある)(9時 04分)。
林道より大谷山(後ろの山)
林道を下ればすぐに水を張った田んぼが現れる。丹波はもう田植えの時季。振り返れば今下って来た大谷山 が見え隠れ。トノサマガエルの鳴声を聴きながら初夏の日差しに満足感を包み県道をデポ地へとゆっくり戻った。 (本日の走行距離 102km)         織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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