山を駈ける風になれ2003年 6月号
2003年5月4日(日)春日・三和/野瀬峠〜三春峠(2.5万図 宮田)
妙高山から鹿倉山にかけて延びる春日・三和町界の稜線を栗柄峠の北の野瀬峠から登って三春峠までの縦走
を計画する。地形図には府県界に沿って破線路が記されており以前から一度辿ってみたいと思っていたコー
スである。
午前5時35分出発。今日は勿論MTBだ。約2ヶ月ぶりなので走り出しはなかなか重たく感じる。ラクな
ロード(レーサー)でばかり走っているとダメなのはわかっているが、ついスピードが出る軽いロードを選
択してしまう。朝の気温13℃は気持ちがいい。
心配されたほど脚力は錆び付いてはおらず、途中篠山口で食料調達などしながらも7時59分、栗柄峠に着
く。一汗ぬぐって栗柄峠を春日町方面に下る。ワインディングしながらゆっくりと下るこの道は好きな道の
ひとつだったが、最近改良されて一部味気ない道に変わってしまった。
下りきる手前で野瀬方面に折れる。最初に渡った橋の名前は『山ノ神橋』。周囲の風景にマッチしていてい
い。ほぼ平坦な道をどんどん奥に進んで行くと水源涵養保安林の看板が立つ赤土谷と炭焼谷の分岐に着く。
右手の赤土谷へ向う道をとる。
すぐに地道の林道に変わるが地形図にあるような破線の道ではなく2m幅の道がついている。堰堤を過ぎて
も乗車可能な道が続く。このままこの道幅が続くのかとかすかな期待を持ったが峠手前500mというとこ
ろでいつもの植林帯の中のシングルトラックに変わる。折れそうな丸木橋を2度わたり、一気に押し上げる
と野瀬峠に到着(8時41分)。
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野瀬峠への登り | 野瀬峠 |
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雑木の落葉が堆積したフカフカの峠で北に向かってしっかりとしたいい道が下っている。北東の406標高
点の方にも広い道が続いているのが見てとれる。これから向う西の尾根筋はというと、道であったであろう
ところに低木が生えて、前の2つのルートに較べると“いい道”とはいいがたい。それでも難渋しそうなヤ
ブでもないので一息ついてからMTBを担ぎ上げて縦走にかかる。
アカマツを主体とした雑木尾根の中の「押し」が続く。展望はないがいろんな野鳥の囀りが心を和ませてく
れる。ここまで乗車率はゼロ。10mとして続けて乗れる箇所は現れない。小さなコブをいくつか越え、9
時10分南に枝尾根を張り出すCa460コブに着く。赤い境界杭や石の界標が埋まっている。
ここでルートは植林帯の中を少し北に振ってまた西に振りなおす。樹幹越しに本日の行程の最高点である5
12m山が見える。このあたりになって何度か連続乗車の場所が現れる。しかしすぐに倒木や斜めに倒れ掛
かった木に行く手を遮られて「押す」はめに。
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Ca460三叉路の峠 |
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北の方から広い植林帯の尾根が合流してくると、正面左手に急斜面のピークが現れる。下枝が放置されたま
まの歩きにくい斜面を担いで登るとそこは512ピークのすぐ東のコブ(9時25分)、5〜60mほど南
西に行ったところが512標高点ピークである。ここは新緑の雑木が美しい。この山は麓の炭焼谷からは見
えるはずなので名前が付いているかも知れない。ピークには『野126』と刻まれた石標が埋まっている。
展望はないので先に進む。しばらく下りが続く。乗れそうなところは強引に乗って下る。最近雑木の枝を払
ったと見え、打ち捨てられた枝が絡まって走りにくい。でも枝を払ってくれていなければ歩くことすら難渋
するかも知れないと思い直す。
9時45分、小さなコブに登り返す。中央部には石標(『野160』)や赤い杭が埋まり、周囲の木には赤
やピンクのテープが巻きつけてある。3本の木に巻かれた赤テープにはそれぞれ、「野瀬峠、障子越、渋谷
」、「鹿倉山」、「三春峠」と行き先が書かれている。ここが地形図で4本の破線路が交わっているCa4
60分岐ポイントである。
要所にだけテープを巻いて行き先を表示するのは山慣れた人が巻いたものか。(この後も三春峠まで赤テー
プは現れなかった)野瀬峠方面の表示が間違っているのが気になったが(これは野瀬集落へという間違いで
あろう)ご愛嬌。テープに頼りきっていなければ気にはならない。地形図にある北の谷を下る道と西の急斜
面を下る道ははっきりと確認できなかった。
これまた一番ヤブっぽい三春峠方面へMTBを押していく。「押し」というよりも小脇に抱える、担ぐとい
った方が正解かも知れない。松林の中の斜面を登りきるとCa470コブ(9時52分)、この調子で行く
と10時過ぎには三春峠に着くな、と計算する。
しかし、次の490山手前で南側が伐採され展望ポイントが現れ出した途端ペースが落ちる。伐採した木々
を境界の踏跡上に積み上げてくれるものだから非常に歩きにくいのだ。伐採するとすぐにイバラが伸びてく
るのもやっかいだ。
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三春峠手前の490標高点付近から鋸山を眺める | MTB越しに鋸山
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しかし490山手前からは抜群の眺望が広がる。手前の山を越えて正面に険しい姿を見せるのは鋸山、南東
側449標高点の平坦な尾根の背後には西ケ嶽、三嶽の巨大な姿が周囲を圧するように聳えている。イバラ
に絡まりながらもしばし景色を堪能する。
歩きにくい山道は続く。三春峠まであともう少しだというのになかなか距離が進まない。しかし足元に咲く
レンゲツツジの花が美しい。満開の時季までもう少しといったところである。踏跡は一旦南に振って北に振
りなおすように付いている。北に振りなおしたところでようやく峠の近くまでやってきたことを実感、すぐ
に府県界の道路標識を真下に見る崖の上に出た。
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ようやく三春峠の手前まで辿り着きました |
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崖の上から三春峠の写真を1枚撮って峠に下り立つ(10時24分)。峠に設けられた東屋で今日の行程を
振り返りながら軽食を摂る。この峠に来たのは2度目だが、舗装路を上って到達するのと、ヤブ尾根伝いに
着くのとでは充実感が違う。
三和町方面から吹いてくる風は冷たく気持ちがいい。15分近く休憩している間通る車は1台もない。静か
でいい峠だ。結局峠を下り切ってしまうまで車には会わず。新緑が美しい初夏の西多紀連山を眺めながら帰
路に着いた。
(本日の走行距離 133km)
2003年5月10日(土)柏原/大新屋峠〜坊の奥〜丹波の森公苑(2.5万図 柏原)
先週に続いてMTBでヤブ尾根縦走。今日は前々から計画していた柏原市街地の南西に広がる山々を西の大
新屋峠(仮称)から岩マークのある山南町界の尾根を通って丹波の森公苑に下りるコース。
3年ほど前、大新屋峠を北から南に越えたときに丹波の森公苑まで道がついているのを知って、いつかMT
Bで走ってみたいと思っていた。5月も新緑のこの時季を過ぎるとクモの巣だらけになって走りにくくなる。
今ならなんとか走れるのではないか。
今日は朝から快晴との予報に早起き、5時30分に出発する。午前中北寄りの風、午後から南寄りの風にな
るらしい。ということは行きも帰りも向い風ということ。風と抗ってみたところで仕方がない。腹をくくっ
てのんびり走ることに(というか足が重たい)。
朝の気温7℃はかなり肌寒い。半袖ジャージの上にウインドブレーカーを羽織って走る。古市にある国道脇
の温度表示も7℃で変わらず。篠山盆地に入って空気が少し暖かくなってきた。ようやく足も回りだしてき
た。鐘ケ坂の下りでは前方を走るミニバイクをかわして疾走、柏原着7時58分。コンビニで食料を調達し、
丹波悠々の森に(8時15分)。
ここから大新屋峠までの道は雨水が道を抉ったガレガレの道となる。記憶というものは都合のいいようにシ
ョートカットされているようで、ジグザグの峠道に入るとすぐに峠の頂上に着いたように思ったのだがどう
してどうして・・・いい加減担ぐのが嫌になった頃ようやく峠が現れる(8時36分)。
大汗をかいたところで小休止。MTBにまたがって下りに入る。10mも進まないうちに「丹波の森公苑」
方面の標識が現れる。ここからハイキング道なら乗車率は高い?
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大新屋峠 | 高見城山を見ながら進む
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調子よく乗車したまま乗り込んだのはいいが、ハイキング道はすぐに尾根筋への「担ぎ上げ」道へと変わる。
峠から10分ほどですぐ東のCa340コブに着く。ザレた斜面に松の木が生える展望のいいポイントで振
り返ると高見城山から南の487山にかけて新緑の稜線が美しい。
ハイキング道とはいっても踏跡程度の道で東のCa380山の南を巻いて東に続いている。乗車率は高い。
植林に覆われた小さなコブの上に石柱が埋まっている。植林の境界を示す石柱で右は第3地区の、左は石見
神社護持林と記されている。
そんな植林の境界尾根を東へと走る。地形図では340m等高線がべたーっと続く平坦地のように書かれて
いるが、実際は10m未満のアップダウンがあり、倒木も多く、それほど連続乗車はできない。
境界尾根に沿って南に向うようになると植林に変わって気持ちのいい雑木尾根になる。すぐに立派な3等三
角点と境界石柱が並んで立つ坊の奥山頂に着く(9時17分)。木々が生い茂って展望はない。日差しが強
く暑くなってきた。ウインドブレーカーを脱いで、軽食タイムに入る。
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坊の奥山頂 |
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野鳥の種類が豊富なのだろうか。いろんな鳥の囀りの合唱を聴きながらサンドイッチを頬張る。こんな贅沢
な食事は低山ならでは。10分ほど休んだ後南東尾根を下る。
下り切った鞍部にはあきらかに人の手で切り開いた峠道が交錯している(9時35分)。左に下ると室谷の
集落に下りるようである。急斜面をCa320ピークに担ぎ上げる。目の前にに335標高点ピークが岩肌
を見せて聳えている。
またも急降下して335山への登りが始まる。ロープが垂らしてある岩尾根の登りである。標高差がないの
で一気に担ぎ上げて335山山頂に立つ(9時52分)。ここも松が生えるザレ地である。30mほど南に
鉄塔が建っている。北東にはおなじみ向山連山から譲葉山へ続く分水嶺の山々、南には奥野々坂を挟んで高
山からオオ谷といった未登の山々が横たわっている。今日一番のビューポイントだろう。
何枚か写真を撮って先を進む。今日はヤブ尾根とはいえまったくコンパスの出番はない。こまめに標識が現
れるからである。標識を整備するよりも倒木を整備してくれた方がMTBerとしてはありがたいのだが・・・。
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335山からの眺め | 335山から下っていきます
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ザレた尾根を半分ずり落ちるようにしながら東へ下り、またもロープが垂らされた岩尾根を担ぎ上げる。こ
んどの登りは性質が悪い。サルトリイバラが行く手を塞ぐ。木の枝にMTBがひっかからないよう注意しな
がらサルトリイバラを除けて岩場を登らねばならない。が、長年の経験と言おうか意外とあっさり地形図の
Ca330岩マークのあるコブに達する(10時10分)。振り返ると335山から辿って来た稜線が荒々
しく映る。
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Ca330ピークから335山を臨む |
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ここは丹波の森公苑から付けられているハイキングコースのうちの西尾根コースの頂上のようである。東尾
根コースは更に東の377標高点ピークから北西に下る急斜面の尾根筋をいうのだろう。
少しでも乗車できそうなこの西尾根コ−スを使って下山することにする。丹波の森公苑まで1.2kmの行
程。地形図で見る以上に小さな上り返しがたくさん現れるコースで思ったほど乗車率は高くない。
調子よく乗って下っていると中高年ハイカーの夫婦1組と出会う。驚きのリアクションはいつもの通り。で
も彼らはきっとこの公苑まで車でやってきて東尾根コースからMTBで周回しているくらいにしか想像して
いないだろう。宝塚から自転車でそのままやって来ているなんて言っても逆に信じてもらえないだろう。道
を譲って山頂まであと200m程度ですよ、と励まして下って行く。
だんだん乗車率が高くなってきたらゴールが近いということ。シカ除けフェンスが現れお約束の扉が現れる。
鍵をあけてMTBを出し、元通りに閉めて林道を下る。途中から階段状になった林道にいい加減嫌気が差す
頃丹波の森公苑に下り着く(10時43分)。
建物の陰で靴の中に入ったゴミ掃除をする。かなり気温が上がってきた。たっぷりと水分補給を取って丹波
の森公苑を出発する。このまま鐘ケ坂を戻ったのでは面白みに欠ける(上にしんどい)ので見長の交差点か
ら村道を通り奥野々トンネルヘ。南寄りに変わると予想された風は幸いなことに西風。谷川周りで大山下に
向う道では追風に助けられながら帰路に着くことができた。
(本日の走行距離 136km)
2003年5月17日(土)北摂/高んぼ〜高岳(2.5万図 木津、福住)
第19回ヤブ山歩きの会。当初悪天との予報に開催が危ぶまれたが、今年はことヤブ山歩きに関しては運が
強いのか、直前で予報がいい方に変わりこの上ない天気のもと今年6回目の開催にこぎつけることができた。
今日のコ−スは3月下旬に単独で歩いた杉生新田南の広瀬川沿いの尾根から高んぼ(591m標高点ピーク)
を越え、更に先に続く尾根を711ピーク〜高岳山頂〜猪名川不動尊というルートで歩こうというもの。猪
名川不動尊〜高岳山頂は何度も歩いているが、高んぼから711山までは初めて。個人的にはここが非常に
楽しみである。
本日の同行者はコンパス姫とトレックF代のレギュラー2人。川西能勢口7時半の集合時刻にF代が遅刻、
予定の電車を1本乗り遅れるというハプニングもあったが、次の電車でダッシュすれば日生中央で後川上行
きのバスに乗れることは2月のヤブ山歩きの時に経験済み。ちょっと余裕をかませ過ぎてあわやバスに置い
て行かれそうになりはしたもののどうにか事なきを得、8時40分過ぎに登山口最寄のバス停、西軽井沢に
立つ。
ここ西軽井沢バス停は大野山登山のポピュラーなルートの出発点でもある。今日も同じバスに乗り合わせた
ハイカーが一人、大野山に向って歩いていった。われわれの会はすでに“アブノーマル”な状態になってい
るのでそんな一般コ−スには見向きもせずに車道を下り、広瀬川沿いの林道へ入り、進入止めのロープをま
たぎ、砂防ダム横のゲートの隙間をすりぬけ“ここ”と見当を付けたところから尾根に取り付く(9時00分)。
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イテッ・・・ヤブが煩い | 楽しいヤブ山歩き
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3月下旬に来た時よりもかなり葉が生い茂っている。尾根まで登れば踏跡があるのはわかっているが、そこ
まではどれほどヤブっているかわからない。2人には気の毒ながら暫くヤブを漕いでもらうことに。
急斜面に雑木が張り出し、おまけに倒木も多いというハードな状況ながら、2年前の古宝山(宝塚)登山を
思い出しますね、と言いながら登ってくる元気な2人(あの時も同行はこの2人だった)、20分ほどで尾
根に着く。地形図の420m等高線の辺りか。
ここから高んぼ手前の鞍部まではときおりザレ場の展望スポットが現れる緩いアップダウンの道に変わる。
雑木の枝が少々うるさいところもあるが、今日はサバイバル系の2人、会話もはずむうちに高んぼ手前の鞍
部に着く(9時50分)。
さあ、本日一番の激斜面の登りに入る。壁のように見えますねえとはF代、10分の辛抱だと2人に言い聞
かせ、激斜面登りの様子をデジカメに収めようと先に登って待ち構える。まだまだ、と思っているとしっか
りした足取りでF代とコンパス姫が目の前を通過していく。早いやないの。
激斜面を登りきると傾斜は緩くなる。樹幹越しに見える杉生新田の風景を眺めながら10時ちょうどに高ん
ぼ山頂に到着する。ここで小休止。野鳥の囀りを聞きながら水分補給を取る。
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激斜面の登り |
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小休止のあと再び出発する。ここから尾根は南東に向きを変える。一旦緩く下って細い吊り尾根のような地
形のところを歩いたあとだらだらとした登りに転じる。登り切ったところが600m等高線で囲まれた細長
いコブ。コブの南東端が小さな岩場になっている。残念ながら展望はない。
岩の割れ目をすり抜けて先を進む。この尾根は村の境界にもなっており石の杭が等間隔に現れる。目の前に
イノシシの足跡が一直線に続いている。
「誰か登ってはりますねえ」と後ろからF代。
「イノシシに敬語使うなよ。」
彼女はイノシシの足跡とは思っていなかったようである。
今日もF代のマシンガン・トークは絶好調である。最近MTBで体力を付けたか、歩くのも速くなった。お
かげでコンパス姫がボケも飛ばさず静かに歩いている。
地形図のCa680等高線あたりだろうか、前回のヤブ山歩きで登った深山が見渡せるポイントが現れる。
クマザサの海の話をしながら歩いていると行く手にも背丈も没するクマザサのヤブが現れる。予想もしなか
った2回連続のササやぶにまたまた彼女達のテンションが高くなる。イノシシが作った“径”を辿りながら
突破、ヒョイと丸い広場に飛び出した(10時53分)。
711m標高点ピークである。1クラスくらいなら車座になってキャンプファイアーができそうな広さがあ
る。振り返ると大野山の姿が美しい。春霞に少し見づらいが篠山の白髪岳もうっすら見えるという大展望で
ある。
しばし景色を楽しんでここで昼食を摂ることにする。腰掛けるのにちょうどいい大きさの石が転がっている。
木陰こそまったくない広場だが、それほど日差しも強くなくいい気持ちだ。弁当を食べ終えるとオヤツタイ
ム。このまま昼寝でもしたいようなのどかな雰囲気である。お互い写真を撮り合ったりしながら40分ほど
過ごす。
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ササヤブをぬけて711山に出ました | しばし休憩、歓談 |
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11時30分、出発。高岳頂上はあの鉄塔の先だ、と促し再び歩きはじめる。ここからは1.5m幅のハイ
キング道に変わる。今までのヤブから解放され、歩行のスピードも上がる。鉄塔の下をくぐって歩きなれた
北尾根ルートに合流すると更に山道は快適さを増す。
ゆったりとしたアップダウンを繰り返し、短い坂道を登り詰めれば山頂横の鉄塔下(11時50分)、木々
が生い茂って展望もなくなったので三角点のある山頂に移動する。
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高岳山頂に到着 |
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720.8m3等三角点のある高岳山頂にはいろんな山の会の登頂標がぶら下がっている。10年前に初め
て来た時は静かな山頂だと思ったものだが、今はそうでもないようだ。山頂で記念写真を撮って下山にかか
る。
ここからは間違いようのない道、F代に先頭をお願いする。頂上直下の分岐でいきなり間違いそうになるF
代。どうしても真っ直ぐ行ってしまうクセがある。イノシシか・・・。
早速ハイカーが上がってきた。山頂に登った後能勢の山田方面に下りるという。どこから歩いてきたのか訊
かれるが、説明しても理解してもらえるはずもなく、
「ええ、あっちからズーッとヤブを漕いで・・・」と適当に返事しながら下って行く。
と、先頭でF代が悲鳴をあげる。すぐ後ろにいたので理由はわかった。またしてもヘビだ。どうして今まで
1匹も現れなかったのに、F代に変わった途端現れるのか。ヘビと若干距離があったF代、前回のような
“ヒザから下ガクガク状態”は免れる。
でもショックはありあり。一人でズンズン下って行ってしまう場面も。トカゲは道中随分見かけたんだけど
と言うと、
「あれ、トカゲだったんですか。登っている途中、カサカサ音がするので誰かが後ろから来ているのかと何
度も振り返ったんですよ」とコンパス姫が言う。誰があんなヤブ尾根歩くものか。しかもわれわれに追いつ
くスピードで歩いてくるとしたら島田さんくらいのものだ。(あ、失礼)
猪名川不動尊へ下る道は赤土の地面が剥き出しになっており、一部歩きにくいところもある。また、補修さ
れた部分もあったりと随分変わったように思う。登りに使ったら結構しんどかったこのルートも下りに使え
ばあっという間に猪名川不動尊へ(12時35分)。
雨の影響で迫力が増した滝を見物、マイナスイオンをいっぱい吸い込んで戻ろうとしたところでまたしても
F代が「ギャーッ」。本日2匹目のヘビ君との“ご対面”であった。
織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。
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