山を駈ける風になれ2004年 10月号

 
2004年9月25日(土) 加西/善防山〜笠松山縦走 (2.5万図 笠原)
 残暑がいつまでも厳しいこの時季、ヤブ山は暑いし、クモの巣だらけで、ヤブを漕いで登るのはおっくうだ。
そんな時に浮かんだのが姫路と加古川と加西の境にある標記の山域。
1.まだ登ったことがない。2.ハイキングコースが整備されている。3.標高が低い。4.岩山でヤブが深
くない。と4拍子揃ったお手軽な山である。5時44分、アプローチの時間を考えロードで出発する。

スタート時の気温21℃はまずまず涼しい。風も弱く快調にR176を北上する。藍本あたりから北寄りの風が
強くなり向い風になるが、気になるほどでもなく古市へ(7時10分)。ここでR372に入り進路を南西にとる。
目的地までは大回りになるルートだが、不来坂、神山峠を越えればあとは延々下り基調が続く快走路、上鴨川へ
の下りでは追い風も手伝って今年最速のMAX66km/hを記録するとその後も随所で50km/h台を連発、途
中スーパーで食料調達をしながらもほぼ3時間で善防の交差点に着く(8時43分)。

善防山から笠松山へ縦走を考えていたので善防山への登山口を探しながら走るが、適当な場所が見つけられない
まま中学校の前まで来てしまい古法華自然公園前の駐車場に(8時52分)。ここまで79km、思っていたより
遠かった。
ロードはここでデポ。朝の散歩帰りだろうか、地元の老人に善防山の山頂には志方の城山から飛んできた弁慶の
足型の残る岩があると教えてもらう。いつから弁慶は仙人になったのだろうか。でも「弁慶伝説」が出てくると
ころにこの地方らしさを感じる。
古法華自然公園入り口切り通しを通って
ハイキングコースを行く

さて、登路である。駐車場横にある公園の案内板をみるがよくわからない(途中にあった標識を見落としていたこ とが帰りになってわかる)、結局切り通しを越えたところからハイキング道の標識に従って善防山に登ることに。 想像していた通りの展望の岩尾根歩きが続く。200mそこそこの標高とは思えないほどいい眺めである。風は 強いが涼しく秋の山歩きを満喫といった趣き。右手に周回コースを見てなおもまっすぐ進むとやがて丸い岩が現 れ、ひと登りで山頂に着く(9時29分)。
笠松山方面を振り返る善防山山頂

もっと展望のいい山頂を想像していたが何故か山頂部分だけが雑木に覆われており展望がない。山城の址らしく 平坦だが、ヤブの中に大きな岩がゴロゴロと転がっており、あまり長居をしたくない雰囲気である。おまけに昔 この山頂で激しい戦があったとかで、明治の初め頃まで落ち葉の下に人骨が散乱していたという。結局、弁慶の 足跡岩もどれかわからぬまま来た道を戻って笠松山に向かう。 
つり橋を渡って笠松山に向かう笠松山

切り通しの上に架かっているつり橋を渡って大きな1枚岩をよじ登ると左下に古法華寺が見える。右に行けばを 下りずに笠松山に行けたのだが、この時は気付かずに左へ歩き、古法華寺の前へ下りる。何台も車が停まってい てたくさんの人で賑わっている。バーベキューをする場所でもあるのだろうか。 下山途中で手に付いた松脂を洗い、一息ついて笠松山に向かう(9時53分)。ずいぶん暑くなってきた。なぜか 結構足にきている。風通しのよさと展望のよさに救われようやくの思いで急坂を登り笠松山の山頂に着く(10時 07分)。 頂上部分の狭い所謂“山頂らしい山頂”でおまけに設置された展望台の上からは文字通り360度の大展望が開 けている。標高わずか200m少々(笠松山は244.4m)の低山とはいいながら眺望といい歩き応え十分の登 山道といい”播州の低山、侮り難し”といったところ。三角点は展望台の真下にある。これでは本来の三角点の 意味をなさない。
笠松山山頂から善防山方面の眺め笠松山三角点(展望台の下にある)

スペシャルな眺望を肴にサンドイッチを頬張る。これだけたくさんの山が一度に見渡せるというのに周囲の山の 名前がわからない。わかったといえばセントラルパークの大観覧車のみという寂しい状況。 しばらく休憩して下山にかかる。まったく同じコースを辿ったのでは面白くない。途中で『つり橋コース』をと る。登りに使ったルートの一本北側尾根を巡るコースでこれまた展望の岩尾根歩きができる。そのまま歩けば古 法華寺へ下った1枚岩の上へ戻る。つり橋を渡って切り通しへと下る(10時45分)。
下山は一本北の岩尾根を行く

縦走はならなかったが、今日の余力を考えるとちょうどよかったのかも知れない。帰りは覚悟していた向い風、 どうにか滝野社まで戻ってきたところで昼食を摂り、やや元気回復。走行距離が120kmを過ぎたあたりから 快走ペースが戻ってきた。この調子で最後の下り(赤坂峠->宝塚)に突入したい。 ところが下りに入る手前で31トン・トレーラーに抜かれジ・エンド。抜き返すこともできないままトレーラー にぴったりくっつくストーカーのような走りで宝塚に帰りついた。        (本日の走行距離144km)        織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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