山を駈ける風になれ2005年 2月号

 
2005年1月3日(月)北摂/長尾山+中山連山縦走(2.5万図 広根、武田尾) 
2005年新春初走り。ここ数年、大野山で初走りをしていたが、今年は標記のコースをいく。
7時22分、いつもよりゆっくり目に出発する。新年の幕開けはMTBだ。正月休みでベストより5キロも重た
くなった体重が減らせるか。川西能勢口回りで広根、切畑と走り十万辻に向かう。

大晦日に降った雪が残る道をそろりそろりと切畑まで上ればあたり一面雪景色。同じ宝塚市内とは思えぬ風景に
感動しつつ、鳥脇を右折、十万辻へと最後の一上り。トンネル手前の下りに入ったところで氷の上を走って転倒。
初走りで「初ゴケ」とはめでたい?
大峰山登山口

トンネルを抜け左折、ぐるっと回ってトンネルの上を走って大峰山登山口へ(8時55分)。ふだんならお散歩 コースも雪が積もればアドベンチャーコースだ。ほぼ水平なシングルトラックを走って、大峰山登山ルート分岐 (9時10分)で左のハイキングコースを行く。入り口は倒木が連続しているが、越えてしまうと気持ちのいい シングルトラックに変わる。
分岐から長尾山方面もいい道長尾山山頂

いきなり200mの連続乗車区間。分岐が現れたところにMTBをデポし、長尾山(302m)まで歩く。雪の ためともすれば踏跡を見失いがちになりながらも9時35分、長尾山山頂に着く。本年1座目を記録したところ で、いったん戻り、ハイキングコースを下って県道に出る(9時50分)。 道路を渡って橋を渡ればそこが中山連山縦走路の入り口、平坦な道を走って、砂防ダムの下にかかる細い橋を渡 れば、中山への登りに入る。雪道をMTBを担いでジグザグに登っていく。中山は11年前に義父と歩いたこと はあるが、MTBで登るのは初めて。
中山縦走路に入る中山連山尾根道を走る

凍結した雪で滑りそうになりながらも、15分ほど登ればゴルフ場の裏に出、ハイキングコースも水平になり乗 車率が高まる。テクニカルな吊り尾根を走り、泥まみれになりながら、最後の一担ぎで広場の中央に三角点が埋 まる中山山頂に到着(10時33分)。478.0m、この連山の最高地点である。
中山山頂はもうすぐ展望ポイント中山山頂

北に展望が開けている。水分補給をしながらいつもとはちがう雪の北摂の景色を眺めた後、縦走にかかる。フェ ンスで仕切られたハイキングコースは、尾根を縦走している気分に浸りにくいが、下り基調なので乗車率は高い。 1人、2人と先行するハイカーをかわし、するすると下っていく。 お昼が近いのでハイカーの数が増えてくる。10時58分、鉄塔の下をくぐる。尚もアップダウンを繰り返しな がら、小さなピークを登りきるとそこは満願寺西山山頂(361.7m)(11時24分)。ハイキングコース から南に5mほどはずれたところに4等三角点が埋まっている。 ハイカーたちは気がつかないのか、それとも興味がないのか、ひたすらハイキングコース上を歩くばかりで、こ の三角点に立ち寄る人は少ないようだ。
満願寺西山山頂雪もなくなり快走

満願寺西山を過ぎると雪もなくなり、ブレーキの「効き」も戻ってくる。鉄塔を過ぎれば最後は岩場の下り、 「担いで」一気にくだる。下りついたところはふじが丘の住宅地の最奥部。満願寺方面と山本方面への分岐である。 一組の中年の夫婦が休憩中であった。中山を縦走して清荒神へ初詣に行くつもりだが、疲れて一休みしているとい う。なかなかウィットに富んだ会話をされるご夫婦で、行程の無事を祈って別れる。 後は激坂を下って雲雀丘へ。距離は短いが充実した初走りとなった。2005年も楽しく走ろう。  (本日の走行距離 47km) 2005年1月8日(土)篠山/四季山(2.5万図 篠山)  四季山は篠山盆地の南縁、小枕の交差点のすぐ東にぽっこり盛り上がる標高290mの小山である。槙ケ峰を主峰 とする三角定規のような形をした山塊の先が折れて飛び散ったような配置にある山である。 6時48分、ロードで出発する。気温4℃というが、意外と暖かな感じがする。三田回りで走ったのではラクちん ツーリングになり過ぎるので、川西能勢口回りで泉郷峠、後川から曽地奥へ抜ける峠越えで篠山に向かう。 大晦日に降った雪もすっかり融けた県道川西篠山線をひたすら北上するコースはいつものトレーニングコースだが、 杉生で水分調達を行い、杉生新田に着くと(8時26分)雪が舞い始めた。さすがにここまでくると道の両脇に雪 が残っている。 年末に走った時は泉郷峠からの下りが凍結して難渋したが、今日はどうにか乗車したままで下りることができる。 籠坊温泉への道も凍結防止剤のおかげか快調に走れる。後川上を過ぎ、後川奥から峠越えの細い道に入る。 台風による倒木か、雪の重みで倒れたか、道の真ん中を塞ぐ木々をかわしながら半凍結の道を上っていく。いつも より1枚軽いギアで上るのは、トルクをかけるとリア・タイヤが空回りするから。
後川奥と曽地奥を結ぶ峠は
凍結モードで下りが怖〜い

峠に着くと(9時12分)篠山盆地の方から雪が吹き付けてくる。ここから先は凍結防止剤は撒かれていない(凍 結防止剤を撒くような道なら道路を塞いでいる倒木などそのままにしてないか)。道路一面に積もった雪の上を怖 々下る。クシャミをして一度転倒しそうになる。 どうにか曽地奥まで下るともう雪はない。多紀連山の方から吹き付けてくる寒風の中をついて、日置に出、旧道を 経由して小枕に着く(9時53分)。 四季山がすぐ東に見えている。地形図では直径300mの円い形をしており、円錐形の山を想像させるが、小枕か ら眺める四季山は平たく寝そべったような形をしており、慶佐次 盛一氏がその著書の中で山名の由来と記した 「甑立て」はとても連想できない。(北側から見ると円錐形に見える) 登路は知らないが、南西麓の墓地の奥から植林通しで南端の尾根に乗っかる。踏み跡は無いが、ヤブではないので どこでも歩ける。葉っぱが堆積し、歩くと足首まで沈むほどふかふかの絨毯である。 東に向かって歩いているといつの間にか踏跡が現れる。コブを越えると踏跡は北へ。ひと登りで山頂に着いた (10時06分)。わずか8分の登山だ。戦国時代の砦の名残だろうか、段々に平坦面がいくつかある。 展望はないが、西に少し開けたところがあり、盃ケ嶽や麓の市街地が見える。
四季山山頂山頂から篠山市街地方面の眺め

しばらく山頂で憩った後、踏跡を北に辿る。黄色いテープが現れたので、こりゃ麓まで道が続いているのかなと思っ て下り始めるとすぐに植林帯の急斜面で道は消える。転がり落ちそうなほどの斜面なので斜めに巻きながら西へ下る (10時20分)。 ちょっと短か過ぎる山歩きだったが、たまにはこんなこともよかろう。監物橋から篠山城址に入り新年の篠山見物を 楽しんで帰路についた。  (本日の走行距離119km) 2005年1月16日(日)三田/酒垂神社+火燈山(2.5万図 藍本)  昨日の雨も上がり晴れそうな予感。さりとて天気予報では「曇のち雨」と言っているので、三田は波田大師の南西側 に蹲る低山を訪ねるショート・コースにすることに。 どんよりとした雲は残っているが、それほど寒くない。風も無いので走り出すには絶好の状態の中、6時55分、ロ ードで出発する。 いきなり生瀬の旧宿場町を抜ける上りでスピードダウン。なんだか体が重い。こんなことで大丈夫だろうか。案の定、 赤坂峠の上りをいっぱいいっぱいの状態でクリアしたが、下り基調も手伝って徐々に回復、調子に乗って飛ばし過ぎ、 穴口山への登り口を通り過ぎて藍本駅まで走ってしまう(8時14分)。 駅前で水分補給を行った後、酒垂(さかたれ)神社に立ち寄る。酒垂神社は貞観年間(860年〜)悪疫が流行した 時、童子のお告げで山に登った村人が霊窟から滴る酒を発見、これを飲むと疫病が治ったという縁起を持つ神社で、 裏山に酒垂岩がある。この話はこのあたりの低山に詳しい人なら誰でも知っている話。私が興味を持ったのは隋身門 に掛かっている算額の方。
酒垂神社算額

算額とは和算家が自分の作った数学の問題と解答を書いて神社などに奉納した絵馬の事。和算は日本古来の算術で江 戸時代の関孝和が有名。酒垂神社の算額は波田の住人、下垣内市左衛門という人が1811年に奉納したもの(の写 し)である。(実物は市の重文に指定されているそうな)最初は知らずに扇子に日の丸の絵が描いてあると思いなが ら読んでいると円の面積の求め方が書いてあるので算額と解ったという次第。こんな摂丹境の山深い里に200年も 前に算術の名人がいたとは愉快なことである。 さて、再びロードにまたがり相野から湊川女子短大の西側を抜けて穴口山(320m)と火燈山(308.4m)の 鞍部の破線から取り付きを求める(8時40分)。4つ並んでいるため池の3番目の池の東側斜面に山へ入る道があ る。ここから取り付けば南側から穴口山に登れると思ったが、100mほど行ったところに祠が祀ってあるだけで行 き止まり。 4つ目の池から先は凄いササヤブである。たまらず北側の山の斜面に取り付いたが、これまた雑木ヤブ。おまけに昨 日の雨でヤブをくぐる度にびしょ濡れになり、たまらず4つ目の池の先の破線路へエスケープ。するとうだろう、は っきりとした踏跡が現れるではないか。 地形図の破線路は鞍部を目指して谷筋についているが、実際は途中から左の250〜260mの平行尾根へ登ってい る。真西に火燈山を見ながら平坦尾根を行くと、地形図破線路からの道と合流ポイントに出る(9時15分)。赤テ ープが木の幹に巻きつけてある。かなり新しいもののようである。 ここから先はちょっとうるさいくらいに赤テープが現れ、何も考えなくても火燈山に登れてしまう。鉈で道を切り開 き、急斜面にはわざわざ階段状にステップを作ってくれている。なかなかご苦労さんなことだ。もともとの山仕事道 をつないだだけのものだが、随分と助かることは間違いない。
穴口山からの山道が合流、
火燈山が見えてきた
火燈山山頂3等三角点

火燈山へは一旦山の北側をぐるっと回り込んで南西側から登る。9時35分、山頂に到着。苔むした3等三角点が埋 まっている。雑木ヤブで展望はない。しばらく憩って下山にかかる。南南西方向に踏跡が続いている。踏跡はやがて はっきりとした山道になり、竹ヤブの中を抜けて道路に出る(9時58分)。 そこは地形図の“福知山線”と書かれた“線”の下あたり。のんびり歩いてデポ地に戻った。  (本日の走行距離 69km) 2005年1月22日(土)篠山/谷山+篠山盆地周回(2.5万図 篠山)  横浜在住のロード仲間K氏から一緒に篠山を走ろうと誘いを受ける。出張で大阪に来たついでに走るというもの。2 日ほど前からいちだんと寒くなった。K氏の好きな大タワは走れないかも知れない。 6時57分、ロードで出発する。K氏は元ロードの登録選手、MTBでは到底ついていくことはできない。待ち合わ せ時間から逆算すればあと1時間くらい遅く出発してもいいのだが、実は合流する前に1座登っておこうという欲張 りプラン。 谷山は篠山盆地南東部に三角定規(長い方の)のような恰好をした槙ケ峰を主峰とする山地の東端にある401m標 高点ピークの山、北面の谷山地区から登れそうだ。 先週とは打って変わって快調に赤坂峠を越えると、三田を抜け一路北を目指す。新三田を過ぎた辺りから重苦しい冬 の雲が垂れ込め、霰が降ってくる。この分じゃあ、篠山は相当厳しいかも知れない。赤坂峠では1℃だった道路脇の 気温表示が古市では0℃に。雪で真っ白になった篠山に入り、8時50分谷山地区に到着する。
谷山の集落から眺めるお寺の境内はいい感じ・・・

集落を抜けて山側に入るとお寺がある。法福寺。石柱に彫られた文字が読み辛い。境内から多紀連山の方を眺めると 雪雲に覆われ、真っ白な山裾しか見えない。 こんな雪では山に登れないかも知れない。本堂の横にロードをデポして歩き始める。石段の奥に神社があるが、その 手前にある石灯籠の左手に鉄製のパイプを並べた橋を渡る。植林帯の中に踏跡が2方向に付いている。ひとつはジグ ザクに山を登っていくように見える道、もう一つは谷に沿って谷をつめるように付いている道である。 谷沿いの道をつめる。5分ほど歩いたところで、踏跡は対岸に移ったように見えるポイントに出る。左手に、切り出 した材木を山頂から落とすのに使っていたようなえぐれた一直線の“溝”がある。道というよりも“逆落としボブス レーコース(注)”と名づけた方がよさそうだ。 (注:コースを整備してボブスレーをしようなどと思わないように。命の保証はできない) こいつを辿って一気に山頂を目指すことに。もともと凄い急斜面な上に雪が積もっているので、何度も滑る。途中か ら“溝”から離れ、植林帯の急斜面をほとんど四つん這いになりながら登る事10分で急に段差が現れ、平坦面が登 場する。 山城の遺構か。すぐに山頂が平坦な頂上に出た(9時15分)。谷山山頂である。本当に山頂へ一直線で登ってしま った。平坦な山頂は雑木が生い茂り展望はない。東に伸びる尾根筋への踏跡はポールの立っているところから辿れそ うだ。
谷山の山頂です展望ポイントから糯ケ坪方面の眺め

しばらく山頂に憩って下山する。北に向かう尾根の方にも踏跡が続いている。どこまで続いているのか不明だがいけ る所まで行ってみることに。ところがこれが結構続いている。途中、一箇所展望ポイントがあり、四季山の北西にあ る愛宕神社を祀った小山から糯ケ坪方面の眺めがよい。 展望ポイントから少し下ったところで、踏跡は北と南西へ別れる。左後へターンして南西への踏跡を辿る。それは明 らかに植林帯の中に人の手で作られた山道でジグザグに高度を落としている。するすると下れば何と鉄製のパイプを 並べて作った橋のところへ下りてきた(9時30分)。こちらから登れば“逆落としボブスレーコース”を逆走せず ともよかったようだ。 朝方よりも積雪量はやや減ったような気がする。K氏との待ち合わせ時間には十分間に合いそうだ。“かんじき”の ようにごつくなったシューズに付いた雪の塊を落とし、大手前広場に向かってロードを走らせた。  (本日の走行距離116km) F代さんの新春レポートです 2005年1月10日(月) 奈良/春日大社 寒い寒い日、やっと暖かくなってきたので11時半に自宅を出発した。 このズホラが後になって後悔することになる・・・ 殆ど計画性の無いまま、いつもの国道163号線を東へと走る。 いつもの難関、清滝峠に来た。寒いと思い厚着の私、汗タラタラになり途中で一度止ってウィンドブレーカーを脱ぐ。 そしてシフトをいっぱい下げて、ペダルをクルクル回し、ようやく峠へ着く(12時過ぎ)。 いつもは何度も止まって上る坂が、今日は一度で済んだ!嬉しい!!浮かれ調子で峠の標識を写真に収めたら、標高 245mだった。もっともっとあると思ってたのに、何だか少しガックリ。  ここからは暫く快調に下る。頑張ったご褒美(^^) そして軽い下りが続き、更に走るとけいはんなから西大寺に抜ける柘榴の交差点に出るので西大寺方面へ曲がる(12時 30頃)。少し寒くなってきたのでウィンドブレーカーをまた着る。 ここからは通ったことの無い道。不安と思った以上にアップダウンが激しいのと意外に距離があったのとで焦ってきた (-_-;)。やっぱり少し寒い。早く西大寺に着いて欲しいという一心で走って、やっと西大寺。 そして国道308号から369号へ抜ける県道の二条大路南5丁目の交差点へ出た。ヤッターと思ってふと見ると、奈良の名 産「柿の葉すし」の看板が!もちろん買いました!!もうあと少しやっ。後は奈良公園ですし食べるって思って再び走 らせました〜(^^)v(13時30頃) 県道を暫く東へ走ると、朱雀門が見えてきたので、写真を撮った。さらに国道369号を東へ走る。そしたらやっと、鹿を 発見!奈良やー\(^o^)/!!来たんや、私・・・。 早速、東大寺へ。しかし、駐輪所が以外に不便だったので、大仏を目の前にして拝観を断念・・・残念!! (14時14分、距離28.72km) 春日大社で自転車をデポし、参拝へ。この日は丁度、戎さんの日。宮司さんが天狗の面をかぶって踊ってるではないです か。ラッキー! 暫く眺めてたが、ある事に気がつく。既に15時を回ってる、時間が無い!もう帰らなくては・・・鹿せんべいをあげるの も、柿の葉すしを食べるのも我慢して、慌てて帰り道へと走らせる事に(T_T) しかし、エネルギー補給は必要。途中コンビニでおにぎりとホットドリンクを購入してエネルギーを補給する。この時点 でかなり寒く、冷えていた私は生き返った感じ。さー、日の入りまで時間が無い、ヤバい。帰るぞー。 帰りに向かって、冷えてきて、使ってきた足がここで堪えて、かなりキツい。もう、必死。近道は無いかと思ったが、来 た道が一番安心なので、同じルートを使って戻る。行きは下りなのでなんとも無い道が、帰りは上り。 腰、膝が痛いし、もオ、嫌や。とボヤキながらも何とかあと少しというところまで・・・。しかし、最後の清滝峠だけは “勘弁”なので、国道163号線と168号線の交差する北田原大橋の交差点を曲がって北上、磐船街道を通って交野まで遠回 りして、17時20分頃日の入り一杯で帰ることが出来ました。 次からはきちんと段取りをしよう、反省(^^ゞ (本日の走行距離 63.17km)        織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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