山を駈ける風になれ2005年 3月号

 
2005年2月11日(金)道場/鎌倉峡〜百丈岩(2.5万図 武田尾、三田) 
午前9時。JR福知山線道場駅−
久しぶりに懐かしい顔が揃った。1年1ヶ月ぶりのヤブ山歩き。数えて25回目を迎える。昨年は自分の走りを
優先する為、ちょっとお休みしていたが、あちこちから再開要求が起こり、本日に至ったという次第。どうもこ
の“ヤブ山病”は一度嵌ると禁断症状が消えないようである。

さて、そんなわけで“診察室”に集まった“病人”達を紹介しよう。まずは、本当に体調不良で昨日点滴を受け
てきたというコンパス姫(大丈夫かいな)、続いて単身赴任で別居中、久しぶりに夫婦揃ったところで参加はミ
セスF夫妻。そして先月“泣き”の入った初レポート(MTBツーリング)を寄せてくれたトレックF代の4人
である。
まずは駅前のコンビニでおやつを買出し・・・
遠足じゃないっていうの

表題のコースは道場駅の南側にある名所ポイントをつないで歩こうというお手軽コース、久し振りの歩きにはち ょうどこれくらいでいいと思ったのだが・・・ 9時10分、めいめい一別以来の挨拶をかわしながらまずは鎌倉峡入り口のやまびこ茶屋に向かって静かな道を 歩き始める。駅前にある工場の建物を見ていきなりF代が、 「これって、駅ですかね」と訊く。 「何でやねん。駅は今、出てきたところやんか」 「でも、なんか古い建物ですよ」 う〜む。確かに歴史的建造物というか、有形文化財に指定してもよさそうな建物ではある。そういえば昔、生瀬 大橋の近くにあったウィルキンソンの工場の塀に似てなくもない。いつもは自転車で通り過ぎてしまうので見過 ごしていた。いいとこ突いてるかも知れないぞ、F代。 冬枯れの雑木林の中を歩く木漏れ日の道は気持ちがいい。ゆっくり歩いて25分くらいだろうか、やまびこ茶屋 に着く。まずは道場名物百丈岩(ローソク岩)を紹介、記念撮影を撮っていざ鎌倉峡に。
やまびこ茶屋で記念撮影鎌倉峡・・・
まずはこんな感じに見とれる
最初の鎖場で悪戦苦闘・・・
するほどのものかなあ・・・

先導は私。以下、F代、コンパス姫、ミセスF、そしてしんがりを旦那Fに勤めてもらう。わが会初の峡谷歩き に歓声があがる。いきなりロープと鎖場の岩越え。岩登りになると途端にスピードが落ちるF代、岩場登りが得 意のコンパス姫は寒さ対策で着込みすぎ、股が上がらないという冴えない状況、 すでによれよれのミセスFは両脇から旦那Fと私に支えられながら岩場をクリア。酔っ払いを介抱してるんじゃ ないんだから・・・。でも、3年前の宝剣を思い出したとミセスFが絶好調の兆し、ふつうに歩ける場所がある のに鎖を掴んで歩きにくいところを進んでいる。何がなんでも鎖を掴まなくちゃいけないことはないんだけど・・・。 わーわー言ってるうちに渡渉ポイントに着く。去年10月MTBを担いでここを渡った時よりもずいぶん水量が 少ないな、などと思いながら対岸へ飛び移つり後続を待つ。F代、コンパス姫はなんとかクリア、安心したのも つかの間、次の瞬間悲劇は起きる。 ミセスFが“水浴び”をしたのだ。すぐに旦那Fに引き上げられ、事無きを得る。どうやらわざわざ濡れた岩に 足を置いて滑ったようだ。これで弾けたか、ミセスFのテンションは上がりっ放しに。
渡渉ポイント・・・
この2秒後、ミセスFにハプニングが・・・
わざわざハードなルートを行くF代を尻目に
ラクちんルートで先回りするコンパス姫

岩をへつったり巻いたりしながらの渓谷歩きは続く。岩場のへつりでは必ずといっていいほど、F代がコンパス 姫に抜かれる。わざわざハードなライン取りをするF代、と先行者のルートに惑わされずラクなルートを見極め て歩くコンパス姫。なんでそうなるのか。 やまびこ茶屋から1時間ほどで、河原を離れ、高巻き道に抜ける(10時35分)。と思ったらすぐにまた河原 に下る。 「えー、また下りるんですかぁ」と誰からともなく声が。そう、私もMTB担いで通った時は同じように思った ものだ。 でも、ここまでくると渓谷歩きも残り僅か、若干足取りも捗るようになる。 「これ、下流に向かってるんですか?」とF代が訊く。 「何でやねん。水の流れる方向を見てーよ」 どうやら、ゴツゴツした岩が減ってきたから下流にきたと錯覚したらしいが、F代らしいナイスボケで足取りが ちょっと重くなる。 「危険!」と書かれた看板が見えてきたら渓谷歩きも終わり。平田配水場へ山道を登っていく。10時50分、 分岐の峠に着く。ここで小休止。再び歩き出しまず現れる青石古墳を案内する。古墳の中を覗き込んでいたF代、 「あの白いのは何ですか、人骨ですかね」 「あのなあ…」そんなもの残っていたら大変だ。 「でも、人骨みたいに見えますよ」とはコンパス姫。どうしてこうもみんな事件にしたがるのだろうか。ここに 留まっていたら何を言い出すやらわからないので、さっさと先を行く。平田配水場のタンクの下を横切ったとこ ろで、F代から弁当タイムのリクエストがでる。ミセスFもかなりお腹が減っているとかで、セミナーハウスを 抜けた先にある百丈岩展望ポイントの鉄塔下に移動昼食休憩とする(11時15分)。 11時50分、再び行動開始、まずは長い階段を下って朝の出発点近くまで戻り、水久野から幅のある林道に入 る。6年前にMTBで訪れたことはあるが、どこをどう登っていったのか、ほとんど記憶にない。 途中に現れるNo72鉄塔分岐は一旦登ったものの、元に戻って林道を行ったらしぜんに百丈岩に着いたような 記憶があるが定かではない。おまけに鉄塔分岐に「百丈岩−>」と書いてあるものだから、間違いはなかろうと 巡視路階段を延々登る。 登り着いたところはNo72鉄塔。やっぱりこの道は歩いたことがない。F代と喋りながら地図も出さずに歩い ていると、全然違うポイントに出た。確かに鉄塔に沿って歩いていたのでは百丈岩に辿り着けるわけがない。 5分ほど戻ると百丈岩方面への分岐を発見、13時03分、百丈岩に到着する。
百丈岩
(写真ではわからないが、雪が吹き付けている)
F代、そこ危ないんとちゃう?

息を呑むような景色にメンバー全員感動する。北西方向から雪が吹き付けてくる。旦那Fとひとつ西側の岩の上 に立って百丈岩の上に立つ女性陣をデジカメに収める。フラワータウンにあるダイエーが見える。ミセスFは多 田のダイエーと勘違い。道場から多田は見えない。一人水浴びをして方向感覚も濡れてしまったか。 雪が激しくなってきた。いつぞやもこんなことがあったなあ、などと喋りながら静ケ池に着く(13時25分)。 当初、生野ダムから西宮名塩に抜ける予定だったが、この雪と寒さと行程の長さ、何にもまして私自身どうも熱 っぽくなってきたので、みんなに了解を取って「花草の道」を辿って道場駅前に戻った。終わってみれば結構ハ ードな歩きだった。 2005年2月13日(日)西宮北部/生瀬高台〜赤子谷(1万図 宝塚)  一昨日のヤブ山歩きの後半から悪寒に襲われ、昨日1日ダウンしていたが、こんな好天続きに寝ている場合では ないと有馬方面へシングルトラックを走りにいくことに(6時53分)。 熱と頭痛は収まったが、なんとなくふらふらする上に咳が出る。自転車に咳は大敵だ。スタート直後の生瀬市街 地に入る小さな上りで大きく息を吸った途端、咳が止まらなくなり、旧街道筋に出た頃には涙目になってよく前 が見えない状況に。 それでもゴホゴホ言いながら木之元地蔵尊を抜け、西宮名塩まで走っていたが、いつもはフロント・ミドルで上 る上りを喘ぎながらアウターで上っていたりとどうも正常な状況ではなさそう。有馬はあきらめてくるりとター ン、超お手軽シングルトラックを走ることにする。 R176を西宝橋まで戻って右折、生瀬の町に入る手前を右折して生瀬高台へ上る。弓納子川沿いに激上りが続 くがフロント・インナーに落とせば病人でも難なく上れるところがMTBの凄いところ。高雄谷川とクロスする 南西奥がシングルトラックの入り口だ。 「私有地に付き立入禁止」の看板とフェンスが張られているが、フェンスの向こうから近所の住人だろう、犬を 散歩させながらやってくる。住人に倣ってフェンスの横から中に入る。
生瀬高台南西奥・・・ここから入る 正面の塔の立つ山は点名生瀬

最初ブルドーザーで切り開いた広い道はすぐに工事現場で行き止まりになる。まずはちょっと寄り道して正面に 見える鉄塔が建つ185.1m三角点山に登ることにする。気持ちのいい巡視路に導かれて3分ほどで鉄塔の建 つ山頂に着く(7時27分)。 北側に展望が開けている。新神戸No21鉄塔下にMTBを止めて三角点を探す。が、無い。点名「生瀬」とい う三角点があった筈だが、どこにも見当たらない。紛らわしいコンクリートの境界杭はたくさんあるのだが・・・。
山頂から西宮北部の新興住宅地を望む

諦めて山を下り、林道を50mばかり戻る。とそこには細い道ながら蓬莱峡方面に抜けるシングルトラックがあ る。2.5万図では幅3〜5.5mの2条線路で書かれているが、完璧なシングルトラックでどう頑張っても車で は走れない。 ここから600mほぼ全線乗車可能の山道が続く。するすると下り降りると小さな砂防ダム、渡り返すとほぼ平 坦な山道、そして道幅も広くなりガレた道を落ち葉を巻き上げながら下りついたところは赤子谷出合である(7 時45分)。
小さな砂防ダムを渡る 西宝橋.赤子谷出合・・・
お手軽シングルトラックも終わり

緑青が浮いた橋はもう名前すら読みづらくなっているが、一方の欄干には「セイホウバシ」もう一方の欄干には 「西宝橋」と書かれているのがかろうじて読み取れる。今、西宝橋と言えば武庫川に架かる青葉台方面へ行く橋 のことを言うが、どうやらこんなところに元祖西宝橋があったようだ。 赤子谷から先は六甲への登山路、今日は見送って旧商工中金グラウンド横を下って大多田川に出る。体調が悪い 時もそれなりにMTBで山の中をミニ周回できるところがわが家の立地のありがたいところ。さあ、来週はガン ガン走るぞ〜!  (本日の走行距離12km) 2005年2月26日(土)有馬/高丸山(2.5万図 有馬)  久しぶりに長距離を走ろうとロードを引っ張り出し、いざ坂を下ろうとするとハンドルバーがぐらっと下に垂れ 下がりあわや前転するところ。よーくみるとハンドルバーを固定しているステムの先端部分が割れているではな いか。先週走った時は何ともなかったのに・・・。 そんなわけで急遽MTBに乗換え、コースも変更して走り出す(6時25分)。今月は風邪でまともに走れてい ないから何としても走りたい。以前から真冬になったら走ろうと決めていた有馬の古寺山を目指すことに。 いきなり上り坂が辛い。まったくスピードが出ないのは風邪のせいではないことは先週かなりいいタイムで北摂 西半周を走ったことでわかっている。仕事疲れが残っているわけでもないし・・・。食べ過ぎによる体重増か。 まずい。牛歩の歩みで赤坂峠を越えると強い向い風に喘ぎながら、天上橋を西に折れ、更に南に折れて有馬口に 着く(7時25分)。気温0℃。 まずは駅で水分調達をしてから逢山峡に向かう。いつもより水量の多い猪鼻滝を見ながらぐいぐい上っていく。 と、前方で大掛かりな工事中。ダンプやパワーショベルが早朝からけたたましく動き回っている。立入禁止の看 板を無視してここまできたが、どうにもこれ以上は堂々と進入しにくく長尾谷への山道を走ったりなどしていた が、一旦有馬口まで戻り、高丸山に登ることにする。
猪鼻滝(逢山峡)有馬と有野台をつなぐ遊歩道

高丸山は有馬口駅の北東に東西3kmに渡って横たわる山塊の最高点ピーク。カタ越峠の手前から神戸市の“太 陽と緑の道”が高丸山の東を横断して有野台へ伸びていた筈。この遊歩道の最高点から尾根伝いに高丸山にいけ るかも知れない。長い間走っていないうちに神戸電鉄をくぐるトンネルも新しいのができている。トンネルを越 えて200mほど下ったところに“太陽と緑の道”の分岐を見つける(8時43分)。 幅のある地道の林道で、踏み切りの無い線路を跨いで先を進む。小さなアップダウンをこなすと目の前に強烈な 階段が現れる。何だこりゃ。天に向かって一直線に続いている。“天国への階段”か。思わず頭の中を名曲“S tairway To Heaven”のイントロが・・・。(実際はそんなに余裕があるわけではない^^; )
踏み切りの無い線路を跨いで歩くのは久しぶり・・・超キョーレツな階段

これを“遊歩道”と言うのだろうか。と、一人山の中でボヤきつつMTBを担いで登る。たぶん200段くらい はあるのだろう。途中から一段と傾斜が増す地獄のような階段をようやくの思いで登りきったと思ったら、更に もう100段ばかりの階段が待ち構えている。(殺す気か・・・)。 登りきった終点にあるのは配水場の施設(9時00分)。さすがに標高差110mを階段一気登りしただけあっ て眺めは抜群だ。逢ケ山から高尾山方面の眺めがいい。配水場の東に回り込めば有野台への林道が続いている。 ここでMTBがお荷物から移動ツールに変わる。 有野台方面から北摂の山々の展望が開けたところに高丸山への分岐がある(9時04分)。いわゆるシングルト ラックだが、よく整備されていて、乗車率も高い。鉄塔の裏を回りこみ、高丸山を西に見ながら快走が続く。
配水場から裏六甲の山々を眺める
(写真は逢ケ山)
高丸山を眺めながら快走

ちょっと急な下りには黄色いロープまで張ってくれている、が、危険というほどのものではなくMTBなら初級 者向けコースといったところ。軽いアップダウンを2度ばかり過ごし、3度目の登りで標高508.5m3等三 角点の埋まる高丸山山頂に着く(9時19分)。 地元の山の会が木の幹を使って腰掛を作ってくれている。よく整備が行き届いている。毎日登山も行われている ようである。地形図を見ている分には破線路とてなく、ヤブ山を想像していたが、何のよく整備された歩きやす い山である。眼下に六甲北有料道路などが走り車の騒音が山の上にまで聞こえてくるが、それはこの山の罪では ない。
高丸山山頂(508.5m、3等三角点)山頂から北西尾根も乗車率が高い

陽だまりの山頂で暫く休憩をして、更に尾根を西へ進む。「有野台9丁目方面へ」と書かれた山道を辿る。 テクニックを要する箇所もあるが、ここも乗車率が高い。おまけに展望はこれまでよりも更によくなる。途中で、 ハイキングコ−スが2手に分かれる。ここは右を行く。さすがに尾根の末端近くになると急傾斜になり乗車でき なくなる。 するすると下って辿り着いたのは有野台8丁目の公園(9時48分)。なかなかいいコースだった。古寺山には 行けなかったが、代わりにいい山を発見した、というところか。あとは激階段を使わずに登れるルートを見つけ ることができたらいうことなしなのだが・・・。  (本日の走行距離49km)        織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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