山を駈ける風になれ2005年 5月号

 
2005年4月2日(土)六甲/六甲最高峰〜蛇谷北山〜東おたふく山(2.5万図 有馬、宝塚) 
午後から雨との予報に超近場の六甲を走ることにする。今日の目的はまだ走ったことがない芦屋市最高峰、蛇谷
北山(840m)に行くこと。最高峰と言われるとどうしても一度頂上を踏んでおきたくなるのが人情というも
のだ。
しかも六甲最高峰から下りながら山頂を踏もうというマウンテンバイカーらしい“ラクして楽しもう”コース。
延々MTBを担いで登るより、上から下ってきた方がいいに決まっている。どこから上(六甲最高峰)に上がる
か。やっぱり有馬から魚屋道だろう。

5時57分出発。既に空はどんよりと重たい。放射冷却がなかったお蔭で赤坂峠も気温6℃と暖かい。有馬川を
渡ったところで左折、峠堂のコンビニで軽食を調達し、誰も歩いていない朝の温泉街をくるくる走って虫地獄の
ある魚屋道入り口に着く(7時00分)。
オフロードバイクの進入を阻むためか、土砂崩れを防ぐためか、鉄製のカゴに砕石を詰めたブロックが置いてあ
る。MTBなので全く問題なし。今日は足が回るのでいつもなら「押し」て歩くところも強引に乗車したまま上
っていくと、20分ほどで射場山を巻く平坦路を通過、そのあとはどうしても「押し」が増えるが、登山道入り
口から51分で一軒茶屋、57分で六甲最高峰に立つ(7時57分)。
六甲最高峰。今日はなにも見えず

さすがにじっとしていると肌寒い。生憎の曇天で展望ゼロ。有馬から見上げた時は雲の中に隠れていたのでキリ を覚悟していたが、そこまではいかなかったようだ。 さて、今日のメインはここからだ。まずは一旦一軒茶屋まで下って舗装路を走り、石の宝殿(870m)に登る。 既に芦屋市に入っている。そう、ここは芦屋市最高峰より高いのだ。ついでにいうと六甲最高峰と、この石の宝 殿との間にあるトンネルの上のコブ(アンテナが立っている)がもっとも高く890mの等高線が閉じている。 芦屋市最高地点である(ここは西宮市の最高地点でもある)。
蛇谷北山はここから下るええ道・・・

それはさておき、この石の宝殿から松林の中を南に下る山道を下る。ここも意外に乗れる道で楽しいシングルト ラック走りを楽しむことができる。大した登り返しもないまま蛇谷北山山頂に着く(8時20分)。クマザサに 覆われた山だが、樹幹越しに東おたふく山のササ原が見えている。
蛇谷北山山頂蛇谷北山山頂から東おたふく山を眺める

少し喉を潤して土樋割峠へ下る。急斜面の下りと登山道がガレていて乗車率は下がる。ようやく連続して乗れる ようになったと思ったら土樋割峠(8時45分)。 蛇谷沿いの簡易舗装路を通って1組のハイカーがやってきた。峠で一休みしているハイカーを横目に東おたふく 山への登山道に取り付く。小さなコブを越えると小さな登り返し、峠から10分で東おたふく山山頂に着く。
そして東おたふく山

さて、爆走はここから。ササ原の中を南に下る。階段の横の踏み跡を使えば快適なダウンヒル。豪快に飛ばすと 目の前にはササ原の“ミュール”(=ツール・ド・フランドルのコースで有名な石畳の激坂)。猛然と“壁”に 突っ込めばあと2、3mというところで一気のクリアならず。でも、MAX39km/hも出せるシングルトラ ックなんて他にない。
ちょっと休憩

爽快な気分を肴に軽食休憩を取った後、雨ケ峠に向かってもうひとっ走り。雨ケ峠をまっすぐ行けば先月走った 荒地山。北に折れて再び土樋割峠を通過すると、蛇谷を下り、芦有を渡って芦屋川沿いのハイキング道へ。石が ゴロゴロして結構乗りづらいハイキング道を下れば芦屋ゴルフ場への道に合流(9時58分)。合計12.8k mのオフロードは走り応え満点。さあ、来週はサクラを求めて走りにいくか・・・。  (本日の走行距離 51km) 2005年4月9日(土)黒田庄/三角点山(2.5万図 谷川、比延)  三角点山とは面白い名前である。わざわざご丁寧に「点」が付いている。そんなわけで前から登ろうと考えてい たが、今日は絶好の花見日和との予報に、篠山川沿いに川代渓谷のサクラでも眺めながら走ることにする。 5時50分出発。少し肌寒いが日中は気温が上がる予報なので、ウインドブレーカーの下に半袖ジャージでスタ ートする。今日はロードだ。久々に好タイムで赤坂峠(気温5℃。寒い)をクリアすると、どんどんスピードを 上げて快走モードで走っていたが、藍本に入ったところで急に北寄りの向い風が強くなり、ガクンとスピードが 落ちる。 それでもなんとか丹波大山の交差点を曲がり暫くの間、緩い下りでラクさせてもらおうと思っていると「通行止 」の表示が。でも、去年秋の台風で通行止めになった時は「全面通行止め」となっていたので、自転車くらいな らなんとかなるかと走っていったが、クリーンセンターのところで、「全面通行止」に。川代渓谷のサクラが見 られへんやん・・・。おまけに、工事のおっちゃんから、 「昨日までは通れたんやけど、昨日の晩にバリケード張ったから通られへんで」とダメ押し。 しかたなく、丹波大山の交差点まで戻り、R176を北上、鐘ケ坂トンネルから柏原回りで谷川を目指す。余計 な足を使ったのと、これから鐘ケ坂トンネルと奥野々トンネルと2つの峠越えをしなければならないかと思うと 気が重い。 8時23分、谷川に着く。67km。8km余分に走った。でもタイムロスは15分ほど。まずまずか。黒田庄 までは追い風に変わった事も幸いし、8時50分には黒田庄駅前に着き、近くのコンビニで食料調達、ちょっと ややこしい道に戸惑いながらも、福谷公園への道を見つけ、公園にロードをデポ、赤い鳥居のトンネルをくぐっ て、稲荷神社境内南にある登山口を9時08分、出発する。
稲荷神社の赤い鳥居のトンネル

ところがどうしたわけかいきなりコースアウト。シダ藪をかきわけながら道と思しきところを直進、木々が生い 茂り廃道然となるも、ふだんからそういう道を歩いているもんだから、そのまま急斜面を一直線に登るハメにな る。 落ち葉が厚く堆積している急斜面はとにかくよく滑る。雑木藪といっても深い藪ではないのでそれほど手強くは 無いが、急斜面の連続にいい加減足にくる。こんな急斜面だが、どういうわけかかなり古い赤テープが現れたり する。このテープを巻いた主は、登りで巻いたのだろうか、下りで巻いたのだろうか、等と考える。 このままでは愛宕堂も役行者像も見ぬままに頂上一気登りだな、と一人藪の中で苦笑しながら、したたる汗もそ のままにヘロヘロになりながら最後は強烈な藪の洗礼を受けて尾根に飛び出す(9時42分)。 一瞬、頂上かと思ったが、三角点山の山頂はすぐ南東に見えている。地形図を広げて確認する。どうやら山頂の 北西にあるCa410コブのようである。尾根筋にはいい山道が付いている。最初からこんな道を歩いていたら どれだけラクな山歩きだったか。5分ほど休んでから出発。山頂まではそれほどの距離もなく、5分も歩けば山 頂である(9時52分)。
三角点山山頂山頂から石金山方面の眺め

いかにも「頂上」といった感じのする狭く盛り上がった山頂である。中央部に大きく2等三角点の標石(457. 0m)。傍に『三角点山頂』と書いた山名標柱が立っている。標石のすぐ東側の岩の方が1mほど高い。 その岩の上に陣取って軽食を頬張る。もう20℃を超えているのではないかと思うくらい暑い。それにしても噂 に違わず凄い眺めだ。標高差約400mとは思えない高度感がある。 すぐ北側には妙見山から白山への尾根、その向こうにはイタリ山から石金山の山並み、そして更に奥に重畳たる 山並みが連なっている。南と西は播州の知らぬ山々だが、どちらを向いても最高の景色が広がっている。
ヤマザクラの咲く三角点山山腹

十分に景色を堪能したところで下山にかかる。下山は南福谷コースを辿る。しばらくは露岩の多い下りが続く。 落ち着いてきたところで、すぐ南の斜面に満開のヤマザクラが咲いている。見事だ。人の手で植えたサクラでは ないから、どう写真を撮っても、電柱やベンチやゴミ箱が写る心配がない。 下り一本の快適山道はそんなどうでもいい事を考える余裕がでる。地元のこども会が立てた標識が50mごとに 現れる。南尾根ルートは西脇との境界をずっと先まで続いているようだ。コースは途中で南尾根と別れ、西の枝 尾根に入るとすぐに福谷公園へ下る(10時32分)。山頂からは25分だ。やはり距離はあっても「道」を歩 いた方が早いということか。 当初予定では付近の山をもう1座登る予定であったが、激斜面登りで足が残っていない。鹿野町まで下り、上鴨 川へシラ坂トンネル越えで抜ける。今日はつくづくトンネル越えをする日だ。下鴨川から東条湖へ抜けようとし たが、意外と坂道が多く、また戻って平木から今田町へ抜ける。いずれにしても峠越え。調子に乗って前半飛ば しすぎたのが祟ったか。最後は全く別人のような走りで淡々と宝塚への道を辿った。  (本日の走行距離135km) 2005年4月16日(土)氷上/霧山〜権現山〜石生城山(2.5万図 柏原、黒井)  第26回ヤブ山歩き。今日は先月登った霧山から4年前に訪れた石生城山まで分水嶺を歩く企画。標高は低いが 適度なアップダウンもある面白いコ−スだ。 9時15分石生駅改札口前集合と連絡し、7時44分宝塚駅から福知山行き各停に乗り込めば今日の参加メンバ ー達と合流、車窓からどこまでも続くサクラの回廊を楽しみながらやがて列車は石生駅に着く。 本日の参加メンバーを紹介しよう。まずは最近宴会続きで若干オーバー・ウェート気味(?)のコンパス姫、続 いて単身赴任先から昨夜遅くに帰宅、疲れのとれないまま参加は旦那F、そして旦那Fを無理やり引っ張って、 自身もヒノキ花粉症に苦しみながら参加のミセスF、最後は今回、体験参加のラブラブN谷夫妻の5人。 石生駅で紹介を済ませ、仕度を整えて9時15分歩き始める。帯状の高気圧に覆われ絶好のハイキング日和、霧 山登山口のある二宮神社まで県道・村道を喋りながらのんびり歩いていると「意春坊さん」(意春坊さんについ てはたぬきさんの「丹波やまだより」“霧山”の項をご参照)まで行き過ぎ、100mほど戻って二宮神社に着く (10時00分)。 さて、本日の山歩きスタート。いきなり植林帯の中の急登に全員心拍数が上昇、“コースは整備されてる”と言 ったのを“舗装されてる”と勘違いしたミセスN谷から異議申立。そんな山道あるわけないだろう…。 10分も歩けば暗い植林帯を抜け、明るい雑木尾根に。急登は相変らず、暑いくらいの陽気も手伝って汗がどっ と噴出す。満開のコバノミツバツツジのトンネルをくぐりながらぐいぐい標高を稼ぐ山道は、それぞれに“不調 モード”のレギュラー・メンバー達には辛い道、結局終始にこやか、ケロッとしているのは初参加のミセスN谷 である。うーむ、恐るべしミセスN谷…。
登る前は全員にこやかな表情(二宮神社にて)やっと頂上に着いた・・・(コンパス姫)

意外とラク・・・(ミセスN谷)マイペースで頑張りました

前方に大きな岩場が現れ、その横を巻いて登ればやがて西面が切り開かれた霧山山頂に着く(10時40分)。 自転車もやればフルマラソン完走の経験もあるご主人の“てっちゃんN谷”は事前に配布した地形図のコピーを 入念にチェックしている。なかなか勉強熱心だ。 昼食は次の権現山山頂、と告げてそれぞれに呼吸を整えたところで再出発。もう尾根伝いなので辛い登りはない。 珍しくヘロヘロのコンパス姫にも、いつものボケが少しづつ戻ってきた。昼食予定の権現山を指し示すと、マイ クロウェーブの反射板を指して、 「あの看板の立っている山ですね」 「いや、山の上に看板立てても見る人はいないと思うんだけど・・・。」 続いて、 「さっき、地面にシイタケが生えてましたね」 そんなもの生えてたかなあ…。まあ、いいか。 ・・・ 「今、ネコが鳴いてませんでした?」 今度は幻聴が始まったか?・・・ 10分ほどで天王峠からの分水界尾根に合流する。ここでも熱心に現在地をチェックするてっちゃんN谷。ミセ スFは薬が切れたか、白い大きな医療用マスク姿に変身している。アウトドアではかなり怪しい。 本人によれば、気分は「白い巨塔」。ハードな環境におかれるほどハイ・テンションになるのはミセスFだ。 権現山への尾根筋は急坂下りで始まる。先頭で下っていると、後ろからドドドドドッとイノシシが突っ込んでき たかのような足音はコンパス姫(失礼!)、あんまり驚かさないでね。 小さなアップダウンが何度もある。一歩歩くたびにお腹がすく、とはミセスN谷。みなさん早朝起床で申し訳な い。もう少しだから、と言えば、『あと少し』とか『もうちょっと』という私の言葉にも気をつけろ、と過去に 参加した先輩から伝授されて来た由(+_+)
怪しい白マスクの女ヒカゲツツジがきれいだよ

本天王坂を過ぎ、No102鉄塔を過ぎて、振り向くと後続が来ない。コンパス姫と休みがてら待っていると残 りの4人がやってきた。途中の分岐を下りかけていたらしい。でも、私の“ヤブ山歩き”はこんなに早く下山す る筈がない、と再び尾根に戻り歩いてきたそうな。 何だ、地形図を見て修正したんじゃなくて、過去の経験則から修正したのか。 ところどころにヒカゲツツジが群生している。向山連山ほどではないが、ここも結構多い。何故か花は我々に背 を向けて咲いているのでカメラに収めにくい。 マイクロウェーブの反射板の裏を回り込むように通過すると、愛宕社の立つ小広い境内に到着(11時45分)。 木陰に丸太のベンチもある。お待ちかね昼食タイム。旦那Fと境内の南端に突き出た岩に登る。南側は切れ落ち ている。ミセスFも倣って登ったはいいが、足のすくむ高度感に下りるのに難渋している。 「先に食べるでぇ」
お〜い、そこの2人、先に弁当食べるで〜

アカタテハが舞う境内は涼しい風が吹いて気持ちがいい。遥か上空をパラグライダーで大空散歩をしている人も いる。 「手を振ったら下りてくるかなあ」 「見えるわけないよ」 「こんなとこ、下りてきてどうするんだよ。パラグライダー引き摺ってヤブ山下りれるかよ」 しっかりとエネルギー補給と休息を行ったところで後半戦スタートだ(12時45分)。最初こそ急な下りが続 いているが、次第に平坦な山道になり、歩行が捗る。MTBなら間違いなく連続乗車区間というところ。40分 ほどで本日最終目的地、石生城山山頂(198m)に到着する。スミレとワラビがいっぱいだ。霧山と同じく、 ここも戦国時代の山城の址。公園風に整備されて向山連山の好展望台になっている。
石生城山・・・本日の行程もほぼ終わりです

城山を後に南に下れば行者堂。「行者山 121m」の標識があるが、麓との標高差は僅かに20m。階段をと んとんと下れば、朝歩いた道に戻る(14時)。 まだ、時間にも余裕がある。そして何よりも気持ちのいい陽気。水分れ公園までゆっくりとサクラを眺めながら 散策、春の丹波路を満喫した。   2005年4月23日(土)西脇/比延山城址(2.5万図 比延)  比延の城山はJR加古川線比延駅の東にある標高287mの山。旧今田町の黒石ダムから中口山、西光寺山へと 南西に続く山塊の末端部分にある山だが、比延駅側から眺めると三角形をした独立峰のように見える山である。 2週間前に西脇と黒田庄の境にある三角点山を訪れたときに、この山も登るつもりでいたのだが、三角点山で登 山路を間違い体力をロス、本日改めて訪れることにしたものである。 5時39分、ロードで出発する。走り出しはいつも体が重い。すっかり葉桜になった赤坂峠を越え、三田市内に 入ると何故か悉く赤信号にひっかかる。7時08分、気温6℃の古市で水分補給をする。 丹波大山〜谷川間の県道がまだ通行止めかも知れないと、味間から大峠越えで一気に西脇へぬける県道を行く。 大国寺周辺の茶畑を過ぎると本日一番の上り。なにしろ大峠は目的地の比延城山より180mほど標高が高い。 ワインディングの急坂も満開のコバノミツバツツジに和みながらなんとかクリア、7時49分大峠に到着。まだ 満開のサクラを撮って下りに入る。
大峠展望台

黒石ダムまで下って、再び西脇市境の峠へ上り返す。峠を越えるとあとは西脇市街地まで下り一本、向い風をつ いてMAX60km/hで下れば、あっという間に西脇の市街地へ。勢い余ってちょっと行き過ぎ、再びバック して山の西麓にある城山公園に着く(8時28分)。 駐車場横に比延山城址の説明板がある。なんでも赤松氏の一族である本郷氏が南北朝時代に作った山城で、山頂 部分には180mに亘って細長く北郭と南廓が築かれていたという。南郭は室町時代に改修された跡があり、本 郷氏は嘉吉の乱(1441年)で没落。改修は最後の戦に備えたものであったのだろう。山頂まで所要時間は4 0分と書いてある。
登山口はツツジのトンネル比延山城址(南廓)

それはさておき、駐車場の先にグラウンドがあり、その南端が登山口である。登山口にロードをデポし、仕度を 済ませ、“無料貸出し”の杖を借り、歩き始める(8時35分)。 コバノミツバツツジが咲き乱れるトンネルを歩く。足元にはレンゲツツジも咲いている。山道はよく整備されて いる。急傾斜のところにはトラ・ロープも張ってある。拝借した杖が重たい。それでも一歩登る毎に背後の景色 が広がっていく。8時48分、南郭跡に到着する。 「比延山城址」と彫られた石柱が立っているばかりで、砦跡の遺構は認められない。更に先を行けば2分ほどで 岩がごつごつした北郭に到達する。所要時間40分はかなり大げさだ。15分もあれば山頂に着く。
北廓跡大岩壁の上からの展望

4等三角点は岩の先の小広いスペースの中央部に埋まっている。巨大な1枚岩の岸壁の上に位置している。お蔭 で300mにも満たない頂上からの展望は抜群、360度の景観が楽しめる。北に先日登った三角点山、南に数 曽寺アルプス、西は加古川を挟んで播州の山々が春霞にうっすらと浮かんでみえる。 岩の上に腰掛けてお菓子を頬張る。贅沢な時間が流れる。北郭の先からも下山路が付いている。しかし、デポ地 までぐるっと歩かねばならない。今日はピストンで我慢するか、と自らに言い聞かせ、来た道を後にした。   (本日の走行距離 121km) 2005年4月30日(土)氷上/弘浪山(2.5万図 柏原、黒井)  GWが始まった。昨日は敢えて1日休養に努め、5時35分ロードで出発する。ここ2−3日真夏のような天気 が続いている。トラック・ドラフティングを利用して快調に登りきった赤坂峠は16℃、つい1−2週間前まで は寒くて仕方がなかったのに・・・。 というわけで今日のスタイルは完全夏仕様。足の動きをさまたげるものが無い上にやや弱い追い風が吹いている こともあって快調に飛ばし、7時43分にはもう柏原。駅近くのコンビニで食料を調達すると稲継の交差点を左 折、新郷の登山口に着く(8時05分)。 仕度を整え、猪垣の扉を開けて中に入る。最初道路に平行についていた山道はやがて、左へターンしながら植林 帯の中を登っていく。南からの登山路と合流するあたりに「登山路」と書かれた標識が現れる。意外にも整備さ れていることに驚く。 昭和33年まで山中にあった高山寺への参道と思しき道は、しっかりと踏まれた跡が残っているほどよい傾斜の ジグザグ道。やがて雑木の中の気持ちよい道に変わり、登りはじめから20分ほどで展望のよい岩尾根に出る。 弘浪山の北東から南にカーブする尾根である。ここからはしばらく露岩帯の登りとなるが、弘浪山南東尾根越し に特異な風貌を持つ白山の頂上部分が顔を覗かせている。
展望の露岩帯に出る高山寺跡

露岩帯の登りは山の南を巻くように西へ水平に移動、再び植林帯に突入すれば高山寺跡に着く(8時45分)。 弘浪山北のCa490mコブと東のCa450mコブとの鞍部から南西部分一帯にあたる場所である。七堂伽藍 跡の礎石や鐘楼跡の石垣が残っている。また、一段高くなった西奥には巨大なイチョウの木が立っている。 高山寺は天平年間(761年)法道仙人の開基。その後源平の争いや、南北朝期、元亀天正の乱など幾度となく 兵火に見舞われた寺で、その都度再興してきたが、昭和9年の室戸台風による被害のあと、昭和33年ついに麓 の常楽に寺を移築。1,200年の歴史を見守ってきた大イチョウだけが静かに新緑の葉をつけて変わらぬ時を 刻んでいるかのようである。
大イチョウ高山寺由来

さて、高山寺跡で栄枯盛衰を偲んだあと、再び山頂を目指す(8時53分)。鞍部を北に行けば柿柴地区への下 山路、西が山頂コースである。その分岐に「山頂まで40分」の標識が立っている。どう考えても40分もかか る距離ではないが、いきなり急な山道にへこたれそうになる。 いっきに登り詰めたところは頂上北のCa490mコブ、ここからは某学会所有地との境界の鎖が頂上まで続く。 Ca490mコブから2つ目が三角点の埋まる弘浪山山頂である(9時08分)。三角点(4等。520.0m) は最高地点よりも少し南に下ったところにある。
弘浪山山頂より白山を臨む4等三角点のある山頂は周辺の木々が
伐採されて展望がいい

南面が伐採され素晴らしい展望が広がっている。南西にあるCa500mコブ越しに白山を臨む姿は一幅の絵で ある。東から南に目をやれば2週間前登った霧山、春霞にうっすらと石戸山。西は篠ケ峰から南へ続く山並みが 幾重にも重なり合って続いている。 山頂でしばし軽食休憩を摂る。十分に堪能したところで下山にかかる。鞍部まで戻り、柿柴への道を辿る。幅の ある山道だが、刈った下枝が放置されていて歩きにくい。一直線でやや味気ない道だが、その分頂上から40分 もかからずに下山できる。
柿柴へ下る道

村道を歩いてデポ地に戻れば、下界は夏の日差し。強い南風と戦いながら谷川まで南下、道路封鎖が解かれた川 代渓谷沿いの道を走って篠山へ。道路脇の気温表示は30℃。暑さ慣れしていない体にはちとこたえる1日であ った。   (本日の走行距離 143km)     織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

表紙にもどる

『山であそぼっ』にもどる