山を駈ける風になれ2005年 8月号

 
2005年7月9日(土)六甲/連山縦走&周回(2.5万図 宝塚、有馬、神戸首部) 
連山縦走といっても、55kmを歩き通すあのしんどいイベントの行程を行くわけではない。ロードバイクで
逆瀬川から六甲ドライブウェイを小部峠まで走り、箕谷−有馬経由で宝塚まで周回で戻ってくるというプラン。

今年はカラ梅雨かと思っていたら7月に入った途端連日の雨。お蔭で先週39週間ぶりに完全休養の週末を過
ごしたが、2週連続で休むなんて考えられない。幸い、今日は午前中はもちそうなので早い目にと5時30分
スタート、まずは阪急逆瀬川駅前でスポーツドリンクを調達し、5時38分、ヒルクライムのリアル・スタート。

逆瀬川沿いにダラダラ坂を走り始める。六甲は雨雲の中で全く見えない。さしあたっての目標は2年前の9月
に記録した(といってもロードで上ったのは過去1回だけ)一軒茶屋までの1時間01分19秒の更新。前回
は腰痛に悩まされ途中4分ほど休んだので、それさえなければ1時間は切れる筈。
ゆずり葉台あたりまでは軽快に刻んできたが、鷲林寺方面からの県道(82号)とクロスする手前あたりから
足が回らなくなってきた。汗が滴り落ちる。蒸し暑さのせいか、はたまた1週間お休みで足が鈍ったか、それ
とも連日深夜のツール(ド・フランス)観戦のお供に夜食を食べ過ぎて重くなったせいか、単に歳だからか・
・・納得できる原因を求めながらの苦行の上りが続く。

小笠峠方面からの道と合流する手前で遂にインナー×ローにギアを落とす。かなりやばい。12%の坂はまだ
これからだというのに。
小天狗山の北を上る一番の激坂区間は、もうどうしようもないくらいの遅さ。自己記録の更新どころか、こん
な事で山頂に着けるのかどうかも怪しくなってきた。途中2,3回立ち止まって水分補給をし、6時25分芦
有入り口に着く(47分10秒)。
ガスの中の走行なので、いきなり芦有まで来たという感じ。前回はここから元気が出て足もそこそこに回った
ように記憶しているが、今日は全然駄目。カーブNo114、東六甲縦走路と合流、やや下りに入ったところで
ようやく息を吹き返す始末。
隆起準平原の尾根上は西から強い風が吹き付けてくる。向い風をついてラストスパートをかけるも、あともう
少しというところで1時間を超過、6時38分、一軒茶屋に着く。所要時間は1時間0分27秒。
ガスる六甲山頂目の前のテレビ中継塔も見えなくなってきた

トータルの所要時間は前回をかろうじて上回ったが、正味走っている時間では1分半ほど遅い感じ。また気力 のある時にでもリベンジすることにして、とりあえず六項山頂に登る。山頂は強風とガスで非常に寒い。何に も見えない事を確認して一軒茶屋まで下る。 さて、ここから先は雲上の(というか今日はガスの中の)ドライブウェイの快走タイム。道の両脇に咲き誇る アジサイを楽しみながらのんびりサイクリングを楽しむ。 横をかすめていくローリング族さえいなければ静かな山上サイクリングが楽しめるんだがなあ、と思っていた ら六甲山牧場を過ぎたところで警察に捕まって一網打尽になっている。道路の両脇で憮然として立ち尽くす彼 らの前を気持ちよく下っていく。
アジサイ・ロード六甲山牧場前はピンクのアジサイ

石楠花山の南を回り、森林植物園が見えてきたら快適ドライブももう終わり。神戸弘陵高の横を通って小部峠 に着く。六甲連山の分水稜である。箕谷までの下りはMAX64km/hの快走路。道なりに上り返せばそこ は谷上駅前(7時51分)。早くも雨が降り出す中、有馬経由で帰路に着いた。   (本日の走行距離 63km) 2005年7月28日(木)−29日(金)養父/但馬妙見1泊ツーリング (2.5万図 関宮、ワラジヤ・ロードマップ 北近畿)  2005年夏の特別企画、今年は養父市にある但馬妙見山を訪れることに。3年前の木曾駒ケ岳、2年前の唐松岳、 昨年の丹後半島1周と7月最終週の特別企画が定着した感がある。 当初台風7号が接近、ツーリングができるか気をもんだが、足早に関東の方に抜けてくれ、当初予定通り行うこと ができるに至った。 28日午前5時10分。ロードバイクにまたがり自宅を出発する。今日は距離が長いのでゆっくり走りたい。湿度 が低く久しぶりに涼しさを感じる。暑くなる前に少しでも距離を稼いでおきたいと、いつもより早めのスタートを したが、R176の交通量の多さに驚く。 西宮名塩への上りにかかったところで、チェーンが外れる。いきなりトラブル発生。チェーンを掛けなおすのにも のの2−3秒しかかからないとはいえ、自宅を出てまだ3km、今日の長旅を考えればあまり気持ちのいいもので はない。いつもより30秒ほど時間を余分目にかけて赤坂峠を通過、トラック・ドラフティングを利用して加速、 道場、三田と徐々に快走モードに入っていく。何しろ20℃という気温が救いである。篠山盆地に入るとこの時季 珍しい霧にも助けられ、快走のうちに栗柄峠に到着する(7時17分)。 霧が晴れてきた。見上げる西ケ岳の上空に夏の太陽が顔を覗かせる。水分補給をしっかり摂って再び走り出す。鼓 峠を越え、本郷に下り、山間部を一気に走って兎原に(7時45分)。ここでR9に合流、福知山を目指す。 多少のアップダウンはあるとはいえ、基本的には下り基調なので快適な走りが続く。このままの調子で走り続けた ら相当早くに福知山に着くぞ、と思っていたら渋滞に巻き込まれる。福知山に向う朝の通勤ラッシュか。 とはいえ、工業団地あたりまでくると道幅も広くなり、再び快走が始まる。都合のいいことに追い風が吹き始め、 40km/h台中盤の速度を維持したまま東堀の交差点までやってくると、何度も訪れ勝手知ったる福知山の街、 駅前の喫茶店に飛び込んで本日第1回目のモーニング休憩を摂る(8時28分)。 昨年(丹後半島1周)は、この時点で相当暑くて、トーストがなかなか喉を通らなかったのを覚えているが、今年 は普通に食べられる。やはり気温という要素は大きい。ゆっくりと休息を摂って出発する。次は和田山である。 R9に乗り、牧で左折、一路西へと向う。この道を走るのは6年ぶりだ。あの時は強い追い風に助けられた覚えが あるが、今日も追い風基調でいい感じだ。上夜久野に向って上っている筈なのに、ちょっとアップすると30km /hを軽く超えるので、調子がいいのかなと勘違いを起こしそうである。実際はそんなに上っていない。 勘違いだと気がつくのは兵庫県との県境への上りに入った時。暑さも手伝ってヘロヘロになる。ようやくの思いで 上りをパスすると一時の下り。MAX61km/hであっという間に矢名瀬、すぐに和田山市街地に入る。一本柳 交差点手前のファミレスに入り、本日2回目のモーニング休憩を取る(9時57分)。自宅から120km、4時 間47分。 こんなにも早くに2度目の食料補給をするのは、これより北に適当な昼食ポイントが無いから。こういうツーリン グでは早め早めのエネルギー補給が欠かせない。何しろここから先はコンビニも無いときている。他の季節ならい ざ知らず、夏場は冷房の効いたファミレスでドリンク・バーを最大限利用して体の中と外から両面冷却するのがベ ストだ。 昼食を兼ねた食料補給を終え、八鹿方面を目指す。上りのきつそうなR9を避け、円山川リバーサイドラインを走る。 いきなり“ふじっ子”の工場が現れる。塩昆布の匂いが充満している。工場の敷地内を走っているわけではないの にこの匂い。この堤防へご飯を持ってきて食べたらおかずなしでもいけそうだ。早めにR9へ戻ろうと考えていた のにいい調子で走っている内に渡るべき橋を過ぎてしまったようだ。慌てて次に出てきた“舞狂橋”(ぶきょう) という橋を渡ってR9に復帰すると、すぐに八鹿の中心部だったようで、どこで曲がるんだっけと考える間もなく 流れに乗ってしまい、気がつけばハチ北方面・・・。 Uターンして八鹿の中心部に戻り軌道修正する(11時05分)。相当暑くなってきた。早めの水分補給を心がけ ながら但馬妙見方面に向う。案内の標識が無いので判り辛い。バスの停留所名を見ながら、現在地確認をしてもう これで間違いなしというところで初めて「但馬妙見」の案内標識が現れる。 椿色という美しい名前の集落である。ここで道は二手に分かれる。道なりに広い舗装路を行く。炎天下に強烈な上 りが続いている。ギアはみるみる落ちてあっという間にインナー×ローに1枚残しの状態になる。 次の石原の集落で自販機がなければ相当ヤバいことになるなと思いながら集落に辿り着くが、ポンプの収納庫はあ っても自販機らしきものはない。集落を抜け、カーブを一つクリアして一段高くなった道路脇に水道の蛇口発見。 奥にある墓場の水汲み用のものだが、天の恵みと蛇口を捻る。最初こそお湯のような水が出たもののやがて冷たい 水に。頭から水をかぶり、バンダナを水で濡らして、頭に被る。 ちょっと息を吹き返したところで更にカーブを上って行くと“但馬妙見”日光院の山門前に着く(11時25分)。 しかし一番先に目に飛び込んで来たのは道路の反対側にある自販機。こんなところにあるんなら先に言ってよ、と いう感じ。冷たいスポーツドリンクの美味いこと・・・。
但馬妙見日光院。ここで断念・・・

ちょっと落ち着いたところで妙見キャンプ場を目指す。暑さを別にすれば坂道の斜度は六甲ほどではないのでマイ ペースで上ればなんとかなる筈。 ん? 前方に“通行止め”のバリケード・・・。え、係員まで立っている・・・。 何でも今日は大々的な伐採作業をやっていて林道を木材が塞いでいるとの事。自転車も歩きも駄目という。係員さ えいなけりゃ、と思ったがどうにもならない。押し問答している最中にも2台ほど車で登山にやってきたハイカー が追い返されている。 今日は三草神社の方の登山道も全面通行止めとの事。何と運の悪い・・・。係員の方はここまで自転車でやってき た私が珍しいのか、自転車に乗ると腹がへっ込むか、とか健康にいいか、などと質問してくるが、宝塚から140 kmも走ってきてそれはないだろうという思いでいっぱいなので返事も適当、日光院まで下って木陰で作戦を練り 直す。 といっても持参の2.5万図は「関宮」だけ。ワラジヤの10万図はロードマップなのでどうにもならない。時間 的には余裕があるが、さりとてこれから別の山に向うのは無理。明日、帰りがけに青垣町のカブト鉢に登ることに して今日はこのまま宿泊予定地の和田山までぶらぶらツーリングをすることに決める。 カブト鉢(Ca480m)は今月16日に登る予定で向ったものの、氷上の稲継を過ぎたあたりから兵庫北部に残 っていた梅雨前線に捕まってしまい、叩きつけるような雨のため、青垣手前でUターンしたばかりなのだ。こんな 形でリベンジするとは・・・。 気力が抜ければ猛暑がどっと襲ってくる。あとで知ったがこの時和田山方面の気温は35℃。おまけに今までの追 い風がこんどは強烈な向い風に変る。とはいえ、のんびり走っても日光院から和田山までは23km。13時前に は和田山に着いてしまう。 和田山観光でもしようと駅前の観光マップを探しに行くも、それらしきものなし。昔は駅周辺にレンガ造りの倉庫 が並んでいた記憶があったが、それもなし。いやそれ以上に昔の中心地だった駅周辺は金融機関の撤退などで空き 店舗が目立ち、寂れ果てた状況。 走っていても熱風しかこないので、結局、適当に時間を潰して早めに予約していたビジネスホテルにチェック・イ ン、消化不良の第1日目行程を終える。 明けて7月29日、天気予報はものの見事にいい方にはずれ朝から青空がのぞいている。しかし朝から28℃もあ る上にかなり湿度が高い。なるべく早くに出立をと言う事で朝食もそこそこに済ませ、7時12分スタートする。 今日は当初予定に無かった青垣町佐治の南にあるカブト鉢を登る。岩屋山山塊の東のはずれにある山である。 和田山から青垣は近い。遠阪峠を越えれば20kmほどである。丹波最高峰粟鹿山が悠然と目の前に聳えている。 粟鹿神社を右手に見送り、徐々に勾配がきつくなると有料道路(トンネル)と旧道の分岐が現れる。 勿論、旧道の峠越えを行く。カーブNoを1、2・・・と徐々にカウントアップしながらパスしていく。ダンプの 通行も結構多い。湿度が高く蒸し風呂状態、早くにインナー×ローに落としゆっくり上っている。和田山の町を見 下ろす展望台が現れる。展望台が現れると峠の頂上間近との感があるが、この峠はまだまだ上りが続く。 峠の頂上手前にはホテルが建っていて、そこから老人が20人ほど手に手にスティックを持って道を渡っている。 朝から高原ゲートボールらしい。7時45分どうにか遠阪峠に到達する。ここからは丹波の国である。スポーツド リンクで喉を潤し、一気に下る。
遠阪峠。いかにも国境の峠という佇まい

下りは短いが佐治までは長い。おまけに向い風ときているので思うようにスピードがあがらない。8時09分旧青 垣町役場前に到着する。登山口を探す。何とかいう神社からハイキングコースがあるのは覚えているが、地形図を 持っていないので、その神社がどの辺にあるのかわからない。 それでも、地形から判断して見当を付けた細い道を入っていくと、八柱神社と書かれた鳥居の横に出た。こんな名 前だったかも知れない。
青垣・八柱神社。登山口、あった

鳥居を潜ってなかに入っていくと、『あたご山登山道』の文字が・・・。当たりだ。 苔むした石段を登るとすぐに平坦地に出る。土台の石組みが残っているところを見ると、ここに愛宕さんを祭った 祠があったものと思われる。ハイキングコースは更に奥へと続いている。植林帯の中の歩きやすい道である。フレ ッシュな状態での山歩きなら何の問題もないだろうが、今日はかなり足にきている。おまけにこの蒸し暑さときて は片手にぶら下げているペットボトル1本だけで大丈夫だろうかと不安にさえなる。 コースは「丹波少年自然の家」が整備したもので、急斜面の尾根筋をほぼ一直線に登るようにつけられている。2 −3度もう頂上かと騙されるポイントが現れるが、登りつくと頂上はまだまだ先である。 右手に斜面が抉れたようなところを通過すると頂上はすぐそこ。ハイキングコースは頂上部のすぐ南側を巻いて竜 王山の方に向っている。途中で分岐する山道に分け入ればすぐカブト鉢頂上に着く(9時03分)。
カブト鉢山頂。ハチがぶんぶん、蒸し暑く即退散・・・

雑木に覆われて展望は無い。足元をたくさんのハチが飛んでいてとても寛げた雰囲気ではない。頂上部から少し離 れたところに移動して頂上付近をデジカメに収め、そそくさと下山にかかる。ところどころ風の通り道になってい る箇所があり救われる。登りとあまり変らないくらいの時間をかけて下山する。 今日は佐治の街並みを鑑賞している余裕もない。水分補給をしながら暫し休憩、9時45分佐治の町を出発する。 向い風に悩まされながらもなんとか足は回っている。10時55分には谷川駅前まで戻ってこれた。 風向きが変り西寄りの風になった。雨が近いのかも知れないが追い風はありがたい。途中昼食を入れて自宅まで2 時間半(60km)。予定が変更になりながらもなんとかツーリングが出来たことを感謝しながら家路についた。   (今回の走行距離 276km)     織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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