山を駈ける風になれ2005年 10月号

 
2005年9月10日(土)北摂/母子周辺の低山巡り(2.5万図 篠山) 
今日は行動時間に制限がある。さりとてどこかへ走りに行かずにはおれない。先週に引き続いて2週連続でトレ
ーニングコースを周回するのも芸がない。
そんなわけで、久しぶりに“北摂のチベット”母子へ“巡礼の旅”に出るのも悪くないかと思い立つ。時季が時
季なので、あまりヤブが深くなさそうな低山でも訪れてみようかとやや弱腰の動機も混じった状態で午前5時3
1分、ロードで走り出す。

川西能勢口回りでいつもの県道を北上、杉生で水分補給を摂り、杉生新田から久しぶりに西峠を越える。下りで
最速68km/h、ジョギングしている人を横目に67km/hでカーブに入る。スピードを維持したまま後川
上を通過(7時12分)、後川奥に向う。
上りにかかるとガクンと減速。後川奥を過ぎ、最後の民家を過ぎるあたりから勾配がきつくなるところで牛歩ペ
ースになる。ようやくの思いで一つ目のカーブをクリアすれば、50メートルほど前方にローディー発見。しか
も今まで休息していたのか、ロードにまたがって坂を上り始める様子。
いい目標物が出来た。お蔭で何度も現れるカーブが気になることもなくお地蔵さんの立つ母子林道分岐に着く(
7時34分)。但し足の方はすでに売り切れ状態。前方を走るローディーには20mほど及ばず。
ここは林道の下から吹き上げてくる風が冷たくていつも気持ちがいい。さすがにこの高さになるとすでに秋の気
配を感じる。
”北摂のチベット”母子です

少し休んでから永沢寺前に移動、自販機でドリンクを調達して西へ走り、突き当りを柴田ファーム(南)に折れ る。この林道の西側の山域はまとまった山が無く、あいまいな地形をしている。地形図の557m標高から西に 伸びている林道に入り(7時50分)、終点からCa610mコブに登る(8時00分)。 地形図では林道は1本だが、実際は茶畑の中に林道が沢山分岐しており、Ca610コブを越えて南にも続いて いる。山頂部は母子特産の茶畑、東に扶養ケ岳、峰ケ畑の勇姿が望めるいい展望スペースである。
Ca610山山頂の茶畑より峰ケ畑同じく扶養ケ岳

もと来た道を戻って、川を渡り、標高561.5m三角点(点名:中山)を目指す。ここも林道がうねうねと走 り、とりとめのない地形をしている。何年か前、お茶の摘み取り時季に訪れたことがあるが、草深くて山頂に立 ちながら、三角点は発見できなかった(三国岳がいい角度で見えた)。 今日はルートを変えて再挑戦だ。それはそうと畑の中の林道はやたらとヘビが多い。マムシ、シマヘビ、ヤマカ シ、カラスヘビと種類も豊富、自然が豊かでいい。前回北側の林道から登ったので、今回は南側から登ってみた が、更にヤブが深くてまたも辿り着けず。結局、茶畑鑑賞に終わって戻ってくる。
561.5m中山山頂付近も茶畑です久しぶりに堂々としたアオダイショウ君です

まだいけそうだ。三国岳の北東にある三角点を目指す。走り出してびっくり、地形図に無い広い道が付けられて いる。おまけに鉄塔も立って、手持ちの地形図とは様相が全く異なっている。林道の最奥部まで行って尾根筋を 辿ればいいのだろうが、そこまでの時間的余裕は無い。 あきらめて林道を戻る。アオダイショウがのんびりひなたぼっこをしている。結構大きい。1.5m以上はある だろう。せっかくだから、じっとしているアオダイショウ君をカメラに収めて帰路についた。   (本日の走行距離 99km) 2005年9月17日(土)西脇/西脇公園後背の低山縦走(2.5万図 中村町、西脇)  先週に引き続き無名の低山を歩く。今日は西脇公園の西側に南北に連なる低山を歩いてみようと5時38分、ロ ードで出発する。随分涼しくなった。赤坂峠は20℃の気温表示ながら、あまり汗をかくこともなく、いいペー スで走れる。 三田を過ぎると沿道にヒガンバナの鮮やかな赤が目に飛び込んでくる。猛暑であっても冷夏であってもお彼岸の 頃になるとかならず咲くのに感心する。涼しい上に無風という絶好の条件に各ポイントを自己最速ペースでクリ ア、何と谷川駅前には7時45分に着いてしまった。
本日の訪問予定地が見えてきました緯度橋です

谷川駅で水分補給を摂り、加古川沿いに黒田庄を抜け、緯度橋を渡る(8時20分)。“日本のへそ”西脇市な らではのネーミング。厳密に言えば北緯35度線よりも50mほど南にずれている。どうせなら北緯35度丁度 に橋をつけたらよかったのに。 そんなことはともかく、これから歩く山並みがこの橋の上からよく見える。目的地を再確認して、坂本、大野と 集落を抜け、レトロな感じがなんともぬくもりを感じる西脇小学校の校舎を眺めながら登り口に決めていた観音 寺に着く(8時32分)。 幼稚園を併設しているようで、園児を車で送ってきたお母さん達の車に混じって境内にロードで乗りつけ、本堂 の裏手に停め、仕度をして済ませてお稲荷さんの赤い鳥居から西側の尾根に取り付く(8時35分)。 西国33番だか四国88箇所だか霊場巡りの石仏が並んでいるが、これを辿ってもお寺の西側を周回するだけだ。 尾根に登ると展望のいい岩場がある。地形図の破線の道に合流する。ハイキング・コースとして整備されている ようで、眺めもいいし歩きやすい。それにしても暑くなってきた。南向きの岩場はまだこの時季快適な場所とは いえない。 岩場から10分ほどで寺の裏山のピーク(Ca230m)に着く。「火の用心」の標識と共に、散策コースの案内 表示がある。直進すれば東回りで観音寺に戻れるようだ。縦走するので北に下る。
縦走路と観音寺裏山周回路の分岐258山山頂です

北側の斜面は日陰で涼しい。古ぼけた手すりも残っている。昔から市民の憩いのハイキング・コースだったのか も知れない。一旦下って登り返すとNo4鉄塔、更に登ると258m標高点ピークに着く(9時10分)。 山頂展望台と標識にはあるが、木々が生い茂って絶景とは言い難い。アップダウンがあるせいで結構歩いた気に なるが、さきほどのピークから10分しか歩いていない。ここからふもとの西林寺に下りる道が分岐している。 喉を潤して先へ行く。下りかけのところにNo3鉄塔、次の260.6m山(坂本城址)まで山道がうねうねと 続く様子が一望できる。道幅も広く季節が良ければ気持ちのいいハイキングができそうだ。MTBなら尚いいか も知れない。 西脇公園への分岐を右に見て、No2鉄塔を左手に見ながら急階段をいっきに登れば山頂に東屋が建つ260. 6mピークだ(9時23分)。東屋の10mほど北に3等三角点標石が埋まっている。傍らにハギの花が咲いて いる。『ながめの路』というらしい。“眺め”か“長め”か。汗だくで気分は“長め”。
東屋と3等三角点歩いてきたコースを振り返る
とても200m程度の山とは思えません

ここには主郭、南北30m、東西14mの小規模な城郭があったようで、設立年代を特定する決め手のあるもの はないようであるが、戦国時代以前のもののようである。地元の土豪津万満京が、後に北播磨に勢力を張った在 田氏の領地境を監視するための城だったと西脇市教育委員会は説明している。 地形図の破線はそのまま北へ延びているが、そうすると延々と舗装路を歩いて西脇公園に下らなければならない。 いい加減暑さで参っていたので山頂から西脇公園へ下るコースを取る。10分ほどで公園に下り着いた(9時40分)。 帰りは西脇市内を抜け、滝野社から県道17号で三田方面へ。朝は無風だったのに東寄りの風が強くなっている 。最後の50kmは殆ど向い風。おまけに気温も30℃を超えて大変。前半の走りが別人のようなツーリングとなった。   (本日の走行距離130km) 織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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