山を駈ける風になれ2006年 1月号
2005年12月10日(土)北神戸/大蔵山〜ナダレ尾山(2.5万図 有馬)
神戸市北区、深谷から大池へ抜ける『太陽と緑の道』ハイキングコースを走りながら、コース沿いにある表記
の山々を訪ねることにする。加古川、姫路方面に走る度、深谷の県道脇にあるハイキングコースの標識が気に
なっていた。走るならこの時季がもっともよさそうだ。
6時31分出発。今日は勿論MTB。軽快に飛び出したもののどういうわけか全くスピードが上がらない。体
調は悪くない。先週21週ぶりに走るのを休んだからか、はたまたロードにばかり乗っているので、MTBの
重さに対応できなくなったからか、等と納得できる原因を探しながら、赤坂峠を記録的な遅さで通過、下りに
入ってもスピードが出ぬまま天上橋まで走ると、近くのコンビニで食料を調達する。(帰宅後ウェート・オー
バー(+3kg)が原因と判明。でも何で重くなったのかは不明)
それはともかく、7時31分よたよたと深谷に到着する。一息ついて小さな集落の中を走り、細い舗装路を南
に向う。道は次第に傾斜を増し、やがて地道の林道へと変っていく。一見落ち葉の絨毯道だが、その下は砕石
が厚く敷き詰められており、走りにくい事この上ない。
途中まで頑張っていたが、いい加減疲れてきたので「押し」て進むことに。押して歩いても歩きにくい道であ
る。堰堤を横目に見ながら進むと小さな池が現れる(7時48分)。地形図にも載っている池だが、水量はか
なり少ない。
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小さな池。このすぐ先に大倉山への登り口がある |
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大蔵山への取り付きはこの池を少し過ぎたところ、と見当を付けていたが、上手い具合に登り口を発見。登り
始めこそ枯れた雨水の通り道のような道も、やがてしっかりと踏まれた山道に変る。西に稜線が見えたところ
で、一旦南西(左手)に回り込み、稜線に乗っかってから北に向う。
北風が顔に冷たく吹き付けるようになると頂上である(8時00分)。登り始めてから6−7分というところ
か。北東に北摂の山が見えるほかは、潅木に遮られ、見えそうでみえない頂上である。三角点は2等。最近は
4等ばかりを見ているせいか、2等三角点が立派に見える。
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大倉山山頂 見えそうで見えない展望 | 山の中でこんな光景に出くわすのは違和感が・・・ |
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先は長い。ハイキングコースに戻る。やがて頂上部の広い稜線に出る。更に広い運動場のような地形が現れる。
MTBのタイヤが踏みしめる霜柱の向こうに、鹿見山の中継アンテナが見える。このあたりから俄然乗車率が
高くなる。
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乗車率アップの山道 |
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乗車率が高くなると行程も捗る。屏風谷方面の分岐を右手に見送り、476m標高点方面へ快走、南東方向に
下って、Ca510山に上り返す(8時41分)。不必要とも思える幅広い道はところどころ、オフロードバ
イクかジープによって深く抉られ、その度に曲芸まがいの走りを強いられる。
林道が大きくヘアピンカーブするところは、地形図の90度直角に南へ折れるポイント。標高を稼ぎながらも
快走区間が続く。林道脇の景色も雑木林、植林帯と交互に現れて飽きる事がない。広い道幅のハイキング道も
538山の北を巻く辺りになると、谷側が崩落したスリリングな場所が現れ、シングルトラックの様相を呈し
てくる。
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538山の北を巻く | ナダレ尾山山頂 |
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進路が南に向き始め、やや上りに入ったらナダレ尾山は近い。右手に廃道然とした微妙な分岐を見つけ、暫く
トレースするが、山の北側を平行に巻く様子。再びハイキング道に戻るとすぐに正しいナダレ尾山分岐が見つ
かる。
MTBを担ぎ、一気に頂上に登る(9時14分)。山頂は雑木に囲まれ展望は無い。中央部に4等三角点が埋
まっている。登頂標も2〜3枚架かっている。ここで軽食休憩を摂る。朝方に比べ少し気温が上がってきたよ
うな気がする。頂上から南に踏跡は続いているが、ラクに山の中を走りたいのでハイキング道に戻り、南へ走
れば連続乗車のまま天下辻に到着(9時35分)。
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天下辻。4つ辻になっている |
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“この先工事中通行止め”の説明を読んでいるうちに、何を間違えたのか、南西に走るところを、東に下って
しまい、気がつけば住宅地の裏手に(9時45分)。
久しぶりに7kmの山道走。流れる汗も心地よく、住宅地の中を下っていくと、古々山峠の上に出た。
(本日の走行距離 51km)
2005年12月10日(土)有馬/名所案内(2.5万図 有馬・宝塚)
ナダレ尾山からの帰りにカタ峠を越えて有馬に入る。自宅から直線距離で10kmのところにある有馬は天下
の名湯。山歩きの疲れを癒すのもよし。以下にMTBでくるくるっと回った有馬を紹介したい。
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太閤橋(リニューアルで橋の名前が太古橋から変った) |
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ねね橋 |
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妬(うわなり)泉源 |
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銀の湯 |
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念仏寺 |
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極楽泉源 |
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温泉公園下の石標(右六甲山とりぢごくへ と読める) 右の道はタンサン坂に
通じる
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愛宕山頂上下にある天狗岩 天狗が降り立つにはちとしょぼい・・・ |
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2005年12月25日(土)北摂/雪景色探訪(2.5万図 木津、福住他)
20年ぶりの寒波とかで、北摂にも大雪が帰ってきた。ようやく自宅から走り出せるようになったので、雪景
色を楽しむことにする。
朝から快晴、今日は穏やかな天気になるという。その分放射冷却が効いて目玉が凍るくらい寒い。午前6時4
2分出発。川西へ向う途中、ローディーを一人かわす。彼はこの寒い中何処へ向うのだろう。寒さのせいか、
全く調子が上がらないまま1時間23分もかかって杉生に到着。
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杉生 |
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自販機で温かい飲み物を飲んで、杉生新田へ向う。問題はここからだ。どこまで走れるか。
進むに従って道路脇の積雪が多くなる。西軽井沢を過ぎると杉生新田への最後の上り。ついに道全体が雪で覆
われる。
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杉生新田への上り |
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幅23ミリのノーマルタイヤだが、まだまだ十分上れる。8時34分ようやく杉生新田に到着する。辺り一面
の銀世界。朝日に輝いて眩しい。
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杉生新田 |
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続いて泉郷峠に向う。積雪量は一段と増え、ついに「押し」に。
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泉郷峠へ向う |
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そして、泉郷峠。
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泉郷峠 |
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篠山側に下るとこんな感じ。これだけ積雪があれば、スタンドがなくても、自転車を雪の中に突き刺して写真
を撮ることができる。
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籠坊への下り |
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ブレーキは全く効かない。ブレーキシューの周りに出来た雪玉が凍っている。結局、押したまま峠を下り、再
びロードにまたがる。徐行運転が続く。長時間同じ姿勢で体のあちこちが痛い。ふだん見慣れた景色も白い衣
をまとうと素晴らしい景色に一変する。
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後川上へ向う羽束川沿いの道 |
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後川上から羽束川に沿って、ひたすら南下する。木器から香下峠に向うと、ここでもまだこの積雪。
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一の谷地蔵尊 |
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最後の雪道区間は宝塚の長谷から猪名川の万善への下り。氷に乗り上げて転倒のおまけつき。ふー、雪道は疲
れる(T_T)
(本日の走行距離 96km)
2005年12月30日(金)能勢/鷹爪山、栗栖山(2.5万図 妙見山)
2005年の走り納めは、能勢の無名の低山を訪ねるシリーズ第4弾。超1級の寒波も一休み、少し暖かさが
戻ったとはいえ、ここ数年暖冬続きだっただけに早朝のスタートは辛いものがある。以前ならこんな日は甲子
園からフェリーに乗って淡路島を走りに行ったものだが、今はそれもできない。
6時47分、少し明るくなってきた中、ロードで出発する。先週のような雪が無いだけ、スムーズに走れるが、
気温が低いので、筋肉が温まらずスピードが出ない。川西能勢口回りで県道を北上、紫合から阿古谷へ向う。
阿古谷小の前を過ぎると雪景色が迫ってくる。
足が回らないままどうにか稲荷坂を越え今西に入る(8時06分)。水分補給の後、奥能勢に向って走る予定
だったが、雪でドロドロになりそうなので、鷹爪山に登ることに予定を変更し、月峰寺を訪れる(8時28分)。
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剣尾山月峰寺 |
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その昔剣尾山の山頂に在ったという月峰寺。MTBで北摂通いを始めて13年になろうかというのに、月峰寺
を訪ねるのは初めてである。創建は推古時代というから恐ろしく古い寺だが、山上から現在の場所に移ってき
たのは江戸時代初期である。
本堂も新しく取り立てて言う事もないが、本堂横の6体の石仏(阿弥陀仏)は1体の大きさが120センチも
あり威圧感すら漂う見事なものである。文安4年(1447年)の銘が入ったものがあり、室町期に造られた
石仏が6体完全な形で残っていることに感動を覚える。
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阿弥陀仏勢揃い |
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石仏鑑賞を終え、背後の鷹爪山に向う。城山と呼ばれている山である。登り口は城山台住宅地から。とんでも
ない急斜面に別荘のような住宅地が点在している。バブル期にでも分譲したのであろう。登るにつれて廃墟と
化した家が多くなる。
最後の最後で10m進んで4m上がるくらいの急坂が待ち構えている。斜度40%? 登りきったところにロ
グハウス風の廃墟がある。眺望は抜群だが、毎日こんな急斜面歩けやしない。一体この家にどのくらいの期間、
人が住んでいたのだろうかと思わず考えてしまった。
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山頂直下にある無住のログハウス |
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それはさておき、鷹爪山へは住宅地の一番奥にある貯水槽の横から登る(8時55分)。あるかなしかの踏跡
を辿れば左手から木の階段が上がってくるのと合流する。一体このハイキングコースはどこから来ているのだ
ろう。と思う間もなく山頂に達する(9時14分)。
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突然左手下から最近整備された ような遊歩道が上がってくる
| 433m標高点山頂 |
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シカが4頭走り去っていく。頂上部は平坦で城跡であったことを窺わせる。更にすぐ奥に、より少し高い平坦
地が現れる。ここが433m標高点のあるポイントらしい。南側に移動すると他にも一段高くなった平坦地が
現れる。ここに428.1m4等三角点が埋まっている。普通の山城なら本丸にあたるような場所が3箇所も
あるのは珍しい。
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428.1m三角点のある山頂部 |
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時間に余裕があったので、どこか簡単に登れそうな近隣の低山を探しながら走っていると栗栖山の山頂にTV
中継塔が数本立っているのを発見する。登り口を見つければ山頂まで簡単に辿れそうだ。
南麓にある洞雲寺に行くと(9時40分)奥に向って林道が続いている。これで山頂に登ったも同然だ。落ち
葉の堆積する林道を進んでいけば、関西セルラー、J−phoneと中継塔が続き、山道を50mほど歩けば
NHK西能勢テレビ中継放送所。フェンスの前に4等三角点が埋まっている(322.4m)(9時56分)。
頂上手前の若い植林帯の間から三草山、竜王山の堂々とした姿を見ることができるポイントがある。気温も上
がり気持ちのいい日溜り歩きを楽しみ、中山峠を越えて家路についた。
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栗栖山山頂 | 三草山と竜王山 |
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(本日の走行距離 81km)
織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。
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