山を駈ける風になれ2006年 8月号

 
2006年7月15日(土)多可/黒木山 (2.5万図 中村町) 
黒木山(393.2m)は旧中町の糀花ダムの西側に南北に連なる低山の主峰。
“丹波のたぬき”さんのレポートを拝見すると、ハイキング道が整備されていて、この時季クモの巣に
悩まされることなく簡単に山頂に立てそう。頂上からの景色もよさそうだし、ダム湖から涼しげな風も
期待出来るのではないかということで午前5時22分、ロードにまたがって出発する。

この時間で既に赤坂峠の道路脇の気温表示は24℃を指している。今日は暑さとの戦いになりそうだ。
とはいうものの、そこは空冷効果が期待できる自転車、このくらいの温度なら問題はない。おまけに藍
本−古市間は霧の中の走行でラクちん、快調に走りついで7時31分谷川駅前に到着する。
駅前では自転車を組み立てている若い兄ちゃんがいる。話を聞くと輪行の練習を兼ねて加古川からやっ
て来たとか。ここで組み立てて加古川までサイクリングするのだという。初心者なので加古川線に沿っ
て走るのだとか。
激励をして一足お先に西へ向かう。黒田から中央橋を渡り、トンネルを抜けて安田へ。雲に覆われた翠
明湖方面を目指して一直線の道を走り、茂利からお寺の横を通って湖畔に出る(8時18分)。
蒸し暑い霧が立ち込める翠明湖

ダム湖一帯が蒸し風呂のようになっている。未明まで雨が降っていたようで、上空からの太陽熱で水蒸 気が立ち上り、風が無いのでじっとしていると汗がとめどなく流れる。手元に残っている水は350cc。 とても十分な量とはいえない。 翠大橋を渡り、ダム湖ノ西岸を走って『なか・やちよの森公園』に着く。以前来た時にこんな施設あっ たかなと思いながら、ヒマワリ畑の横にロードをデポ、ちょうど水飲み場があったので頭から水をかぶ ってハイキング道を歩き始める(8時37分)。
ヒマワリ畑の横にデポ主稜線に出る。頂上まではあと少し

『C2のんびりファミリーコース』を歩いて山頂を目指す。傾斜も緩くまさにファミリー向きではある が、こんな湿度の高い日に歩けば、風の通らない地獄のような道になる。それでもすぐに尾根筋に出る が、ここも霧のため視界不良、無風で蒸し風呂状態に変わりない。 ハイキング道の両脇に生えている木の幹を揺さぶれば、頭上から冷たい雨水が落ちてくるので、それで 体をリフレッシュさせながら、ほうほうのていで山頂に着く(9時00分)。
黒木山山頂視界ゼロ。不快指数100

山頂には東屋が建っている。どかっと腰を下ろし、サンドイッチを頬張るも喉に詰まる。視界は相変ら ずゼロ、風もゼロ、ペットボトルの残りも限りなくゼロに近い。登山口からの僅か230mの標高差が こんなに辛く感じたのは久しぶりだ。 登る前は大亀岩まで行こうと思っていたが、既にその気力無く元来た道を辿って下山する(9時31分)。 さきほどの水のみ場で頭から水をかぶり、カラになったペットボトルに水を詰めて公園をあとにする。 ペットボトルの水は途中で全身にかけるためのもの。湿度が高いので、効果は少ないがそれでもないよ りはまし。篠山まで戻ってくると更に気温は上昇、休憩して水分補給の回数が増える。しっかり昼食も 摂りながら走ったので、バテることはなかったが、いくら走っても熱風。自宅まで残り10km、赤坂 峠頂上の気温表示は34℃を指していた。 (本日の走行距離158km) 2006年7月22日(土)能勢/吉野名所案内 (2.5万図 福住)  “マイ・サイクルフィールド紹介シリーズ”。第2回。 今日は能勢北東端の吉野地区を訪ねる。吉野といえば能勢街道吉野の関があったところで有名だが、サイ クルフィールド、MTBフィールドとしても興味深いところが多い。 午前5時25分、いつものようにロードで出発、と思いきやリア・タイヤがパンクしていて急遽MTBを 引っ張り出して出発する。いつもの軽やかな走りとはいかないが、どこでも走れるという安心感がある。 出発して10分、中山駅付近を走っていると背後から来た車の中から私の名前を呼ぶ声が。横に並んだ車 の中を覗き込むと、昔京都地区の支店で一緒だった同僚のW君。彼はゴルフだとか。ご苦労さんなことだ。 転がり抵抗が大きいので、どこでバテるかと思ったが、結構いいタイムで杉生に到着、ここからペースを ゆっくり落とし、中山峠、名月峠を越え、下田尻から奥田橋に到着、吉野地区に入る(7時37分)
旧能勢街道

R477と別れ釈迦ケ嶽の麓に沿うようについている道が旧能勢街道。草深い細い道で旧街道筋の面影は あまり残っていない。
能勢酒造

その名のとおり、元は酒造メーカーだったが、35年ほど前に酒造業からミネラル・ウォーター・メーカ ーに転向した。天然のミネラルソーダが有名。このあたりの湧き水は美味しいのだろう。
柊峠(吉野の関)

ひいらぎ峠。摂津と丹波の国境。ここに吉野の関所があった。この峠にヒイラギの木があり、丹波側には トゲがあり、摂津側には無かった。大江山の鬼をこの柊に隠れて防いだという伝承が残っている。
能勢変電所

変電所が紹介したいわけではなく、ひいらぎ峠から変電所への上りはなかなか上り応えがあってまだ走っ たことの無いサイクリストには是非お勧めしたい道。途中右手にある月谷池付近には吉野城があったとい う。変電所まで上りきれば景色もよくあとは下るだけ。奥田橋方面への下りは道幅も広く高速で下ること ができる。この日もMTBながらMAX60km/hをマーク。クルマなんか走っていないし気分は最高。
広ケ嶽山頂から吉野の集落
(背後は小和田山)の眺め
広ケ嶽頂上付近の様子

広ケ嶽は能勢クリーンヒルの南南西約300mにある、標高460mの等高線が閉じた出っ張り。今は麓 に下りている福龍寺別当法堂坊がこの山頂にあった。「堂とこ」とも呼ばれている。歌垣山の北東の54 5山からも行けるが、クリーンヒルの南の鞍部からも関電の巡視路を辿って登れる。 所要時間はわずか10分弱。登り口に渡してある木橋はヌルヌルで要注意。どうやっても渡れないので飛 び越えた。山頂はNo2鉄塔が建っているが、寺が建っていただけあって平坦地はかなり広い。 冬場ならMTBで歌垣山方面へ走るのも面白いかも知れない。 (本日の走行距離90km) 織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

表紙にもどる

『山であそぼっ』にもどる