山を駈ける風になれ2007年 6月号

 
2007年5月3日(木)山崎/長水山(2.5万図 山崎)
“2007年春の特別企画”と勝手に命名して、昨年に続き宍粟市方面の山まで一泊ツーリングをする。長水
山は宍粟市の中心、山崎の北北西約4kmに位置する標高584.4mの山で、山頂に室町初期に赤松則祐が
築いた山城があったことでも有名な山である。

GW後半4連休も好天からのスタートということで、午前5時23分元気良くロードで出発する。気温12℃、
半袖ジャージでは若干寒いが、少しでも荷物は少なくしたいので我慢。
ゆっくり走ったつもりが好タイムで赤坂峠をクリアすると、その勢いのまま走り続け、昨年5月の一泊ツーリ
ング時よりも3分速いタイムで淡河を通過、加古川の上荘橋で県道65号線に入り、高御位山の北側を回って、
同5分速いタイムで姫路城前に(8時00分)。

コンビニの駐車場で軽食休憩を摂る。店員の若い兄ちゃんが荷物を運びながらやってきて、「自転車に乗って
走っている人って、一体どれくらいの距離を走っているのだろうか、以前から疑問に思っていたんですよ」と
話しかけてくる。誰でも気軽に話しかけてくれるところが自転車ツーリングのいいところ。

10分ほど休憩して再び走り出す。夢前川を渡ってR29に乗り一路北上。南西の風は追い風になってラクに
走れる。安志峠を越えれば山崎。道の駅山崎で本日2度目の休憩(9時35分)、地図で目的地を確認、生谷
から県道を宇野まで走り、登山口に決めていた伊水小前に到着(9時58分)。
伊水小学校登山口一ノ門跡石碑

校門の奥に登山路の標識が見える。プール横にロードをデポして登り始める(10時05分)。すぐに右から 上がってくる林道と合流する。この道が大手口ルートらしい。“旧蹟一ノ門”の石標、山頂まで“13丁”の 町石と続いて現れ、次に木の階段道に変わる。 階段は延々と続く。どこまで続くんだと一人ぼやきながら登っていると右手にうぐいすの滝が現れる(10時 18分)。残念ながら水はちょろちょろ、写真を撮っても滝とはわからない状態である。階段は自分の歩幅で 歩けないから辛い。カウントダウンしていく町石だけが登山の励みだ。
うぐいすの滝延々木の階段が続く
(結局尾根合流まで続いた)

結局尾根筋に乗るまで階段は続いている。尾根筋に出れば頂上までは僅か。やがて一軒の家が見えてくると、 山城の跡を偲ばせる石垣が現れ、今は信徳寺が建つ本堂前の境内に着く。本堂横の鉄製の階段を上がれば、不 動明王像の立つ長水山山頂に到着する(10時45分)。
長水山山頂の不動明王不動明王の後に2等三角点が埋まっている
山頂から北の山々石垣の跡が古城を偲ばせる

北に絶景が広がっている。昨年登った黒尾山方面の山がゆったりとした姿を見せている。春霞で視界はきかな いものの、十分に素晴らしい景色が堪能できる。不動明王の後に埋まっている2等三角点にタッチして階段を 降り、信徳寺本堂の入口に腰掛けて境内に植えてある新緑のモミジ越しに下界の風景を楽しむ。堂内には長水 城址の由来を書いた説明板がある。
山頂尾根を南東に下る新緑のシャワー1

下山は南東尾根コースを行く。コナラとアベマキを主にした気持ちのいい尾根筋歩きが楽しめる。途中、北東 に姿のいい646山を眺められるビューポイントも現れる。何度も立ち止まりながら新緑の山歩きを堪能して いたら階段コースよりも時間がかかってしまった。
展望ポイントから646山新緑のシャワー2
下山は下町コ−スで古池横に下山フジとキリの花で山の斜面はムラサキ色

やがて下町コース分岐に到着(11時25分)。“健脚コ−ス”と補記されている。足に自信は無いが下るの だから問題はなかろう。20分ほどで東屋のある池の辺に下山。さて山崎の町へ出て昼飯でも食べるとするか。 年に一度の播州路ツーリングはなかなかいいものだ。        (本日の走行距離 140km、全行程235km) 2007年5月19日(土)北摂/石堂ケ岡〜最勝ケ峰(2.5万図 広根、高槻) MTBで低山を走るのもぼつぼつ小休止の時季になってきた。“お休み”に入る前に久しぶりに箕面の山を訪れ る。せっかく箕面へ行くのだからついでに箕面山系の最高点にして数少ない1等三角点のある石堂ケ岡へも足を 伸ばすことに・・・。 夜半に降っていた雨もすっかり上がった5時49分ウグイスの声に送られて自宅を出発する。川西能勢口を過ぎ、 猪名川を渡ると五月山連山が迫ってくる。明ケ田尾の方はまだガスに包まれているようである。 木部でR423に入り、余野川沿いを上っていく。工事が原因で箕面の滝の水が涸れてしまったという箕面グリ ーンロードのトンネルを横目にみながら更に進み、金石橋(6時52分)で右折、高山に(7時07分)。 ここまでの主要時間はロードで走った時より3分ほど遅いだけ。金石橋−高山間2.5km(標高差140m) に至ってはMTBの方が速い。
高山

いつもならここで足を休められる下りになるが今日はまだまだ上りが続く。北摂霊園への上りが待っている。高 山の集落の中を抜けて途中から霊園に合流する道は一車線路、前輪が浮きそうなくらいの激坂が現れる道である。 右手から広い道が合流してくれば北摂霊園。まだまだ上りは続くが、そんな感覚もマヒしてしまった足は快調に クルクル回り続け北摂霊園を通過する。ここで「斜度10%」の上りの標識が突然現れる。今更何を、という感 じで更に進めば茨木高原GCへ。 ゴルフ場に向かうクルマが2−3台追い越していく。多分彼らは「何でこんなところを自転車で上っているんだ ?」と思っていることだろう。 2度目の門をくぐればクラブハウス前(7時30分)。案内係が次々到着するゴルファー達を誘導している。一 言断りを入れて石堂ケ岡1等三角点を拝みに行く。 クラブハウス前を回りこむと右手に小さな岡が現れる。すぐにこれだとわかる。給水施設のようなものがある。 高低差10m弱。登り口から簡易舗装の小道を進み、突き当たりをそのまま直進すれば森の中にそこだけポッカ リ空いた空間が現れる。真中にふだん見慣れた三角点よりも一回り大きい1等三角点が“鎮座”している。
ここから登る。所要時間1分石堂ケ岡1等三角点

石堂ケ岡(680.1m)である。登山口からの所要時間1分。7時32分。高山を出てから正味22分で着く とは思ってもみなかった。ここは茨木市の最高峰(だと思う)である。今は周囲を木々が覆い展望は望めないが、 昔は旗振り山であったという。 ゴルフ場ができる前はどんな形をした山だったのだろうか。しかしフェアウェイからの眺望はもの凄い、の一言。 旗振り山であったことが納得できる。 さて、ゴルフ場にお邪魔ばかりもしていられないので、次の目的地箕面の最勝ケ峰へ。ゴルフ場を出ると再び北 口から霊園に入る。北口から眺める霊園の光景はまるでミニ“マチュピチュ”。雨雲が低いのと八天の森にある 小山が雰囲気を醸し出している。
ミニ・マチュピチュ?!八天の森横から東海自然歩道へ落ち葉ふかふかで気持ちいい自然歩道

モニュメント前で左に折れるとすぐに「東海自然歩道」の入口が現れる(7時38分)。さあ地道走りが始まる。 霊園内の道路と平行するように走っていた自然歩道はやがて離れるが、道幅は広く軽く20km/h以上だせる 初心者コースである。
ガスる石堂ケ岡方面天然の枯山水のような場所も現れる

西へ向かう尾根筋の分岐を過ぎ、南に下っていく。No24,25と2基の鉄塔が並ぶ横を過ぎ、走りたいのに 走れない階段を担いで下り、再び登り返すと最勝ケ峰山頂に着く(8時15分)。厳密には山頂部は宮内庁管轄 の開成皇子の墓があり、立ち入ることはできない。
最勝ケ峰山頂(開成皇子の墓)爆走山道もところどころある

当初はここで再び分岐に戻り、553山のある鉄塔尾根の破線路を走る予定だったが、葉っぱに付いた水滴でズ ブ濡れになりそうなのでそのまま政ノ茶屋に向かうことに変更する。墓所を巻いて木製の渡り廊下状の道が付け られている。雨のあとだけに転ばないように慎重にクリア、アップダウンを繰り返しながら徐々に標高を下げて いく。
ぎふちょう橋から箕面ダム方面を臨むビジターセンターへ下りて来ました

R423を跨ぐ橋(ぎふちょう橋)にさしかかる。眼下をローディーがゆっくりと上っていくのが見える。もう ここまで来ると自然歩道コースは終わりに近い。5分もかからないうちに政ノ茶屋に到着(8時45分)。舗装 路に出るとあとは箕面駅方面に向けてカッ飛び。コーナーで屯するサル達を追い立てながら下っていると箕面駅 前はあっという間だった。        (本日の走行距離  54km) 2007年5月27日(日)北摂/深山〜暮坂峠〜大槌峠周回(2.5万図 福住他) サイクリングには最も適した5月、上旬のツーリングに続いてどこか遠くまで走りたいと考えていたが、天気と モチベーションとが上手く噛み合わず、久しぶりに深山から能勢方面を巡ることにする。 連日ジロ・ディ・イタリアの生放送を観ているものだから早朝出発は体が重い。でも気分は現在マリア・ローザ のディルーカ。午前5時36分自宅をスタート、どういうわけかいいペースをキープ、杉生では今のロードバイ クに変えてからの所要時間の最短を記録する。 その後ややペースダウンしながらも涼しい空気に後押しされるように泉郷峠、天王と過ぎ、はらがたわトンネル 手前を左折、岡牧場を横目にみながら峠手前を深山方面へ折れて上る。斜度は一段と増す。 一旦傾斜は落ち着くが、雨量レーダー専用道路分岐手前で再び激坂に。ここまでいい加減上ってきているだけに この上りはモルティローロにもゾンコラン(注)にも感じられる。それでもフロント・トリプルのお蔭でどうに か上りきると管理専用道路の門の前に(7時49分)。 (注)モルティローロ。ゾンコラン。:共にジロ・ディ・イタリアでよく頂上ゴールに設定される有名な激坂。
雨量レーダー管理道路入口初めて三角点に触れることができた深山山頂

ひと息ついて門の横から頂上を目指す。山頂に続く稜線が見えてくればあと少し、意外と早くに雨量レーダーの 建物が現れ山頂に到着(8時02分)。 来るたびに少しづつ変化している山頂だが、今回は何と拝殿に入れるようになっているではないか。それは即ち これまで触れることができなかった三角点にタッチできるということを意味している。 山主が深山宮を整備する過程で三角点の石柱を移動させた為、3等三角点では無くなってしまったが、初登頂か ら15年目にして初めて触れることができたことは感慨深いものがある。
黄砂で視界がきかない弥十郎が精一杯

さて、いつもなら360度の大展望が望みのままの深山だが、今日は黄砂のため視界が全く利かない。篠山方面 は弥十郎ケ嶽がせいぜいで多紀連山は全く見えない。残念。しばらく憩って下山する。 岡牧場まで戻り、峠を越えると今日一番の下り。土ケ畑から畑野へはご機嫌な下りが続く。畑野(8時40分) で右折、能勢の宿野へ。才の神手前を左折して九十九折りを上れば暮坂峠(8時53分)、山内から旧能勢街道 を通って柊峠でUターン、奥田橋から倉垣、地黄、野間中と南下すれば大槌峠への上り、ここにきてガクンとス ピードが落ちながらどうにか大槌峠を越える。妙見山ケーブル下までくればあと少し。 ここに来て走りに集中するあまりツーレポ用の写真を撮るのを忘れていたのに気がつくがどうしようもない。結 局そのままいい調子で走り切って帰宅した。        (本日の走行距離  98km) 織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。

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