山を駈ける風になれ2008年 2月号
2008年1月3日(木)能勢/ナルタキ山(2.5万図 木津、妙見山)
2008年新春初走り。今年は能勢のナルタキ山からスタートすることに。ナルタキ山は高岳の東約1kmの
ポイントから南東へ延びる尾根に位置する山である。15年前MTBに乗り始めた頃高岳山頂からこの山に向
かおうとして分岐が判らず登頂を果たせなかった山でもある。
7時01分、辺りが十分明るくなったところでロードで出発する。いつものことながら正月明けは体が重たい。
川西能勢口から県道を北上、杉生で水分補給を行い、中山峠を越えて能勢に入り山田に下る(8時30分)。
山田から農道・林道を伝って谷奥を詰め、稜線に出ようという計画である。
まずは府道から少し入ったところにある湯小屋の森(注1)に御参りをし、12代と21代の竹本義太夫の墓、
庚申塚を見ながら谷を北に上っていく。
水道施設の建物の横にロードをデポし歩きで林道を登り始める(9時00分)。地形図では庚申塚を過ぎて1
kmもすれば破線の道になるが、実際はずっとダブトラの林道が続いている。5分ほど歩けば堰堤に。更に5
分ほど行けば新しい堰堤工事現場に着く。
林道は途絶えるどころか幅も広くなり、やがてジグザグになり谷筋から東に離れてナルタキ山への尾根筋に乗
り、標高630m地点を越えて山の北側を回って続いている。北側は積雪が残っている。MTBと思しきタイ
ヤ痕がついている。
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どこまで続くんや、この林道 | 林道最高部から深山 | 北面に回ると雪が残っている |
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一体何のために、と言いたくなる林道。山辺方面へも石堂方面へも延びている。この山はどうなろうとしてい
るのだろう。深山や剣尾山の眺めが抜群にいいのが皮肉だ。
ナルタキ山への分岐まで戻り、尾根筋を山頂目指して歩く。林道からわずか1分で山頂に着く。(9時38分)。
標高650m、登頂標が1枚架かっている。取り立てて特徴の無い山であるが、能勢の雑木山らしいしっとりと
した趣きがある。
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ナルタキ山 | ナルタキ山山頂 |
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尾根に沿って南東方向に踏跡が続いている。落ち葉ふかふかの気持ちのいい小径を辿る。少し平坦な箇所が現れ
ちょっと登り返したところが618m標高点ポイントである。このまま快適な尾根道歩きをしたいところだが、
ロードをデポした場所まで戻るのが面倒。急斜面を西に駆け下り林道へ出る。
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尾根には気持ちのいい踏跡が | 南方面の眺め。三草山 肉眼では左奥に梅田の高層ビル群も見える |
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南方面に三草山が優美な姿を見せている。雑木林に暖かな日差しが差し込んできた。15年越しのナルタキ山訪
問は意外な林道歩きで簡単に果たせてしまった。山肌を削る林道工事はどこまで続くのだろうか。のどかな風景
を見せる山田の里は何事もなかったかのように静まりかえっていた。
(本日の走行距離 74km)
注1:湯小屋の森
岐尼神社の御旅所。この付近に鉱泉が湧出していたことから効能があるとされ、かつて山田村の神事がとり行なわ
れる時、この湯小屋の森で精進潔斎をし、水を浴び沐浴したり、産後の湯ごもりをしたところとも言われている。
2008年1月6日(日)北摂/能勢山田~石堂~其ノ谷(2.5万図 木津、妙見山)
新年第2回目の走りは1月3日の続き“北摂の展望台”高岳山塊を行く。
走り初めの際、ナルタキ山直下で林道が左右に分岐し、南に林道が付いていたのが気になって再び訪れることに決
める。もし林道が完成していれば昨年2月に高岳から其ノ谷経由で下った時に東から合流してきた林道とつながっ
ている筈。今日の相棒は勿論MTBである。
6時50分に自宅を出発、3日と同じルートで中山峠を越えて能勢山田に向かう。たまにMTBに乗ると足が重く
てしようがないが、ゆっくりマイペースと割り切って杉生まで北上(8時20分)、水分補給を摂りボトルケージ
にアップルティーのペットボトルを差し込んで、半凍結の中山峠を越え、山田に下って農道を詰め、簡易舗装路の
林道を上り詰めてナルタキ山山頂直下の林道分岐に着く(9時12分)。
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林道はここで左右に分岐する |
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新春3日はここに着いたのが9時25分だったから歩いて林道を上るより、MTBで乗って上がった方が早いとい
うことのようである。さてこの地点で大体標高600~610m。ここから700mピーク南尾根から派生する枝
尾根にほぼ平行に付いている林道を走り始める。
やや下り基調でラクラクの快走路。おまけに南に三草、竜王、堂床の三座を眺めながら走れる絶景の林道走りが楽
しめる。“北摂の展望台”ならぬ“北摂のパノラマ・ハイウェイ”に思いは複雑である。この林道を歩くのは退屈、
MTBで楽しむのにはちょうどいい。
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皮肉なことに展望は抜群(左:三草、右:竜王) | 石堂が見えてきた |
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カーブを繰り返す内に700mピーク南尾根横断ポイントに着く(9時25分)。すぐ南にピークを盛り上げるの
が石堂だろう。事前に予想していたとおりである。MTBを停めて石堂に向かう。距離にして300m、歩き始め
てものの3分で4等三角点の埋まる石堂(点名)(標高591.1m)に着く。
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4等三角点が埋まる石堂山頂 |
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登頂標など一切ない静かな雑木山である。この尾根にははっきりとした踏跡が付いている。この踏跡も林道に寸断
されやがて消えてしまうのかも知れない。再び林道に戻る。それにしても今日も快晴である。高岳の山頂が間近に
見える。
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石堂北面から高岳山頂を臨む | 林道で分断された700山南尾根 |
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再びMTBにまたがって続きを走る。一旦北に反転するが、カーブを繰り返しながら西へと下っていく。林道が大
きく傾き始め簡易舗装路になったらすぐに右手から其ノ谷が合流(9時49分)、昨年の山歩きでにらんだとおり
のポイントへ下りてきた。
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林道は其ノ谷方面へ緩やかに下りながら続く |
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少憩の後、中山峠へ林道をカッ飛んで下る。久しぶりの林道爆走。ちらっと見たスピードメーターは38km/h
を指していた。簡易舗装路の穴ボコをジャンプしながらクリアすれば迫力の激下り。4分で中山峠に到着する。
喉を潤そうとボトルケージからペットボトルを抜けば、グラスに注いだビールのよう。ぐっと飲み干して続いて杉
生へのダウンヒルを楽しめば、すっかり体も軽くなり春を思わせる陽気も相俟ってケイデンスも上がって快走のう
ちに帰宅した。
(本日の走行距離 81km)
2008年1月19日(土)北摂/見比峠~中手山(2.5万図 藍本)
中手山は三田北部、小野の交差点の北約1kmにある山である。昨年千丈寺湖周辺を何度か走った時に気になって
いた山で、今日はいつもの北摂周回トレーニングを兼ねて訪ねることに。
午前6時53分、この冬一番の寒気が居座っているという割にはさほど寒くない中をロードで出発。川西能勢口回
りで泉郷峠目がけて北上するのだが、どういうわけか信号にひっかかりまくりペースが上がらない。おまけにコー
ス上1ヶ所しかない踏み切り(能勢電)までひっかかるという念の入りよう(?)でどうにか杉生に到着(8時1
1分)、水分補給をして北上を続ける。
ここからはさすがに違う。それまで全く見られなかった積雪が道路脇に現れる。杉生新田を過ぎ、泉郷峠を越える
と積雪は一気に増す。気温-4℃、積雪5cm、路面凍結。これでは乗って下れない。「押し」て峠を下る。今年
は凍結区間が長く、後川上まで乗ったり、押したりを繰り返す。なんだかこの区間で随分時間が経過したように感
じる。
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泉郷峠下り。走れましぇ~ん | 籠坊温泉徐行で通過 |
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後川上を過ぎ、再び乗れるようになると追い風も相俟って、気持ちよく下り、見比峠を一気に越えて小野まで下る
(9時51分)。さてどこから登ろうか、周辺をうろうろ、間違えて天満神社に立ち寄るボケもかましながら、南
麓の聖徳寺に(10時12分)。
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小野交差点付近から中手山全景 |
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墓地の奥を覗くと山の中に踏跡がある。ロードをデポして落ち葉で滑りやすい斜面を登り始める。登り始めて5分
で尾根に飛び出す。祠がある。小学校の方角から道が登ってきているようである。先を行く。また5分ほどで祠の
ある小広いスペースに到着する。祠の中に祀られているのは役行者である。ツーリングの無事を祈って更に山頂を
目指す。
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祠。あとで金比羅さんと判る | 役行者の祠 |
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もう今では地元の人も歩かなくなったとみえ、倒木・イバラヤブが多くなる。所々歩きやすいところも現れる径、
最後の一登りで石垣が組上げられた山頂に着く(10時43分)。山頂は二段ほどの構造になっていて明らかに人
の手が加えられた跡がある。
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中手山山頂 | 4等三角点は山頂より少し低いところにある
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最高部より少し低いところに三角点が埋まっている。4等。点名「南中手」433.3mである。落葉したイバラ
の赤い実が体を寄せ合うように固まってついている。静かな山頂である。南の少し開けたところから有馬富士がよ
く見える。日陰の斜面に少し雪が残っている程度で陽だまりは暖かい。
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快晴なら瀬戸内海が見えるらしい | 小学校の敷地内に下りてきました |
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山頂で暫く憩った後下山する。さきほどの祠のところまで戻り、麓から登ってきている道を使って下る。フィール
ドアスレチックもどきの遊具を横目にみながら階段を下っていくと、『カブトムシの宿』と書かれた小屋の裏に出、
小野小学校の敷地内に下りてしまった。不審者と間違われない内に退散する。
デポしたロードを回収するため寺に戻ると住職が境内に出ておられ、日本最古の仏画といわれる国の重文『釈迦十
六善神像』をみせて頂いたり、曹洞宗のお寺なので、道元と以降の曹洞宗の流れなどのお話を1時間近く伺う。
住職との話の中で今登ってきた山の名前が「中手山」という名前であること知る。山頂の石組みは昔山頂で狼煙を
上げていたことと関係があるようだ。昔は山頂から瀬戸内海が見えたそうで、最初に見た祠は海に関係のある金比
羅さんを祀っていたものであることも知る。
すぐ南に見える花山院の山頂でも狼煙をあげていたようで、海から山々を伝って狼煙で情報を伝えていたようであ
るとのことであった。旗振り山の話を思い出す。こういう貴重な情報は何かの形で後世に伝えていかねばならない。
沢山のお話を伺って帰路についた。
(本日の走行距離107km)
織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。
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