山を駈ける風になれ2008年 4月号
2008年3月2日(日)篠山/当野406山(2.5万図 篠山)
当野406山は仮称。山名は知らない。R176を北上する時、篠山盆地に入る手前に小さいながらも独立した
山塊が現れる。天神川が武庫川に合流するところから始まり、R372の南で終わる2.5kmの山塊、最も高
いところで標高わずか406mの低山である。
三田側から篠山に向かう時、一番最初に現れるこの山、どういうわけかこの山に関するレポートを見たことがな
い。全くのヤブ山なのだろうか。東の当野側から見ると山頂に無線中継塔が林立しているのが見える。というこ
とはどこかに登路がある筈だ。でもできることなら味気ない林道は歩きたくない。
6時21分、穏やかな天気の中をスタートする。気温は-2℃だが日中は気温が上がりそうな予感、久しぶりに
足もよく回り、いつもの水分補給ポイント古市に着く(7時48分)。霧が深い。
 |
丹波の朝霧 |
---|
国道を北上しながらチェックする。一ヶ所山の中に向かっている林道を発見、あれだろうか。とりあえずぐるっ
と回ってもう少しチェックをしてみたい。一旦山を離れ、南矢代から栗栖野にターンする。愛宕山から中尾の峰
が丹波の朝霧に包まれて幻想的な光景を見せる。
栗栖野からR372を波賀野に向かう。酒蔵を過ぎたところでいい感じの農道が山の方に続いているのを発見す
る。長年の低山歩きの経験か、この農道が臭いと自分を呼び止める何かを感じ、ロードを押して山の中に分け入
っていく。
すぐに行き止まりとなるが、右手斜面に明らかに登れそうなスペースが空いており、その先に見える尾根に乗れ
ば径がありそうな感じである。ロードをデポして登り始める(8時08分)。
地形図の「波賀野」と「鳥居マーク」の間の枝尾根である。刈った下枝で滑る植林帯の急斜面を登ると一旦落ち
着き踏跡が現れる。山の中はガスっている。更に再び勾配は増すが、人の手で作られたしっかりとした道になり
東西に走る主稜線の鞍部に出る(8時26分)。
 |
 |
 |
尾根筋にはいい道が(靄っているのはガス) | 鞍部に着く | 雲海(柏野山と海見山) |
---|
主稜線にもしっかりとしたいい小径が続いている。西に向かう。両サイドに広がる雲海が雑木林越しに見える。
雲上の尾根歩きである。小径も軽快だし全身で春を感じながら幸せな山歩きが続く。
370mコブで主稜線は南西にカーブ。少し下り、一気に登り返すと無線中継塔施設の建つ山頂に飛び出す。
 |
 |
 |
雲海(海見山) | 雲海(白髪岳~松尾山) | 雲海(北方向) |
---|
施設のお蔭で抜群の展望が臨める山頂である。この山自体が海の中に浮いているような雲海が広がっている。南
東は柏野山との間が深い海峡のよう。海見山も今日は海に浮かぶ島である。388標高点の先には、これまた普
段お目にかかれない雲海を挟んで虚空蔵山、和田寺山。北西の白髪岳と松尾山からトンガリ山、西寺山も雲海の
彼方に浮かんでいる。
 |
 |
山頂の標石 | 雲海(虚空蔵山方面) |
---|
雲海も鏡のようにベタなものでなく、適度に波立って躍動感のある雲海である。この時季にこんな見事な雲海を
見ることができるとは思ってもみなかったので感動もひとしお。暫し流れ行く雲海を眺めながら山頂で至福のひ
とときを過ごした。
(本日の走行距離 82km)
2008年3月8日(土)西宮/北山ダム~北山池(2.5万図 宝塚)
ようやく春がやって来た。今日は穏やかな陽気になるという。今日は朝のうちしか時間がとれないので先月に続
いて“西宮自転車散歩”をすることにしよう。
今日のコースは甲山の南西にある北山ダムから南に延びる地形図の破線路を夙川まで下る。小刻みなアップダウ
ンはあるが、全体に下り基調で楽しめそうだ。
6時36分、MTBで出発する。県道を阪急仁川駅まで南下し、仁川からは川沿いに西へ。斜度20%はあろう
かという激坂を上って五ケ山古墳を抜け、関学道を通って神呪寺に(7時00分)。“自転車散歩”にしては少
しハードかも知れないが距離が無いのであっという間である。
神呪寺から北山ダム(正式には北山貯水池)は目と鼻の先。いつもは鷲林寺方面へ走るのだが貯水池の南岸を回
って突き当たりに着く(7時10分)。
 |
 |
北山ダム | 何のことはない案内板の横に入口があった |
---|
貯水池の管理棟があって行き止まりになっている。石段の上にお堂がある。その裏か?と登れば水分地蔵という
自然石を祀ったお堂があるだけでそこも行き止まりである。地形図の破線路はどこだ、とダム湖の案内板を見て
いると、案内板の横から奥に向かって道が付いているではないか。もっと細い道を想像していたので逆に気付か
ず15分もロスをしてしまう。
 |
 |
 |
錆びた鉄塔は味わいがある | 快走路スタート | ええ感じです |
---|
破線路の入口にハイキングコースの案内図がある。北山緑化植物園に繋がっているようである。まずは270m
標高点の真下にある鉄塔に寄り道してシングルトラックのハイキングコースを南下する。
東六甲特有の風化花崗岩の中を行く快走路である。すぐに分岐が現れる。右へ行けば近道とあるので左の遠路を
行く。ますます快適な道になる。適度にテクニカルで面白い。道の上にせり出した大岩が現れる。岩の上に攀じ
登ると梅田の高層ビル群が春霞に包まれ、大阪湾がきらきら輝いているのが見える。
 |
 |
更にええ感じ | 岩の上からは大阪湾が光ってみえます |
---|
時間があったらゆっくりしたいところだがそうもいかないので先を行く。何度か分岐が現れるが左・左と取ると
最も山道を長く走ることが出来る。コースの両側には次々と風化して丸くなった巨岩が現れる。
 |
 |
分岐を北山池方面(左)へ | 北山池 |
---|
石段が現れて担いで下ると北山池に出る(7時55分)。池は南北に3つに分かれて続いている。池の東側を南
に下る。この辺りから「担ぎ」が多くなり乗車率は下がる。思い切って石段を乗って下るとひときわ大きな岩の
下に着く。
 |
この辺りから乗車率は下がります |
---|
ここを走ると、この山道を南下して夙川を渡った先にある甑岩神社のご神体の巨大な磐座も同じ岩石帯の続きで
あることがよく判る。
石段が多くなってきた。殆ど乗れないまま担いで下っていくと、もうそこは夙川。対岸は甑岩町である(8時1
0分)。山の中で写真を撮りながら走っていたので思いのほか時間がかかってしまった。
先月訪れた名次町まで下って、越水丘陵の下を東に走り、旧西国街道-旧西宮街道を辿りながら帰路についた。
(本日の走行距離 27km)
2008年3月9日(日)北摂/西半周周回(2.5万図 福住他)
今年は雪が多く、天王(能勢)折り返しの周回トレーニングが出来ない。ちょっと様子見をかねて走る。
6時20分ロードで出発。天気がいい分冷え込みがきつく真冬のような冷たさ。日中は15℃まで上がるという。
こういう時はウエアの選択が難しい。川西能勢口を回り県道を北上する。弱いながらも向い風、あまりペースは
上がらない。
紫合を過ぎると新しい道が開通している。小さな起伏が2回もあり旧道の方が走りやすいかなという感じ。沿道
に勿論雪は無く杉生に着く(7時34分)。水分補給をして杉生新田への上りにかかる。
 |
最初の積雪ポイント(籠坊温泉入口手前にて) |
---|
向い風が強くなる。どうにか杉生新田に着き泉郷峠を越えるとさすがに雪は現れるが、道路上は乾いている。こ
れなら問題はないなと思って下っていると、最初の積雪ポイントが現れる。
続いて天王に向かう。どうにか走れていたが、徐々に道路上に凍結している面積が増えてくる。そして遂に“決
定的”な状況が・・・。
 |
 |
本日はここまで | 杉林に春を見た籠坊の里 |
---|
まだ天王は遠い。あっさりターンして籠坊方面へ。雪の積もった畑の向こうに花粉をいっぱい付けた杉林が見え
る。ホオジロの囀りも“イッピツケジョ・・”とあと一歩。籠坊にも春は着実に訪れている。そんなことを思い
ながら氷柱峠から小柿に向かって駆け下った。
(本日の走行距離102km)
2008年3月15日(土)北近畿/福知山~綾部周回(5万図 福知山、綾部他)
寒かった先週までとは一変、ここ1週間4月並みの陽気が続く。サイクリング・シーズン本番到来に備え、長距
離走をこなしておきたいということで表記の長距離サイクリングを行なう。
午前6時11分、いつもより薄めの春仕様のウエアで走り出す。少し速めに走らないと寒い。それもその筈、赤
坂峠の気温は3℃、三田に入ると2℃にまで下がる。それでも気持ちのいい青空が広がり、気分は上々。
四ツ辻を過ぎて波田八幡への上りに差し掛かる頃から空を南西から北東に真っ二つに分けるかのような大きな雲
が現れ、曇り空の下のサイクリングに変わる。
今日は距離が長いのでじっくりマイペースを刻んで走る。古市(7時40分)、栗柄峠(8時22分)、兎原(
8時50分)と走り継いで、9時29分福知山市街地の入口、東畑の交差点に着く。いつもとほぼ同じペースで
ある。
 |
福知山に着きました |
---|
足も疲れてきたのでここで予定通り1回目の食料補給を摂る。福知山城を見ながら北に折れ、音無瀬橋を渡って
すぐのところにあるMストップに入る(9時45分)。このコンビニは店内に食べるスペースが設けてあるので
寒い時や暑い時にはサイクリストにはありがたい。
食料補給も完了したところで再び走り出す。ここから進行方向は東。川北で南に折れ、戸田橋を渡ると中丹広域
農道という広い道路が通っている。府道8号線を走るより道もいいし、交通量も少ないし、何よりも信号が殆ど
無いので快適である。
 |
山家方面へ右折 |
---|
10時12分、綾部市に入る。この広域農道は市街地を大きく北に回りこみながら、やがてR27に合流する。
この辺りのR27は道路が狭く交通量が多くあまり快適な走りができない。西原で由良川の左岸に渡る(10時
45分)。
 |
由良川の左岸へ渡る |
---|
橋の上から見る対岸の和木町の景色が鄙びていていい。橋の下流れる由良川の水量は豊富である。交通量は限り
なくゼロに近く、眺めもいい。平行して走る山陰本線の単線がまた旅情を演出してくれる。難点といえばアップ
ダウンが多いこと。いい加減足にくる。
なにしろ今年はこれまで最長でも110kmしか走ったことがない。立木駅を過ぎたあたりで本日の走行距離が
110kmを超える。行けるところまで左岸を走るつもりでいたら、R27の方が左岸にやってきて合流、格段
に走りやすくなり、助かったと思ったら、道の駅まで現れて更に助かる(11時20分)。
水分補給の後、再び走り出す。風は東。ここから南に向かう上に、上りといえば観音峠くらいのもの。12時0
0分、R9と再び合流、12時17分、観音峠を越えて、12時25分園部の中心部に戻ってくる。日差しが戻
る。暑い。
ここからはホームグラウンド、13時12分柊峠手前で160kmを越える。風も追い風に変わり、ラクに35
km/h前後で南下できる。バリバリに走っている若い兄ちゃんが挨拶をして抜いて行く。もう170km近い。
無理なことはせず体力温存で一庫ダムを過ぎ川西に入り本日2回目の食料補給も済ませる。
“追い風体力温存作戦”が奏功したか。180kmを超えてからいつもより速いペースで川西市内、宝塚市内を
駆け抜け、14時57分満足の長距離サイクリングを走り終えることができた。
(本日の走行距離196km)
2008年3月22日(土)北摂/十万辻~西谷地区周回(2.5万図 武田尾・木津)
朝のうちだけ時間がとれるので近場を走る。宝塚北部に広がる西谷地区に春の空気でも吸いにいくとしようか。
西谷へは十万辻を越えれば自宅から30分とかからない。
6時05分ロードで出発する。朝から快晴。日中は4月中旬並みの気温になるというが、朝はやや冷え込んでい
る。少し寒いかなという恰好でスタートしたが、生瀬東の交差点からJRの高架をくぐれば、いきなり斜度11
%の直線の上り坂、すぐに体は温まる。
 |
朝日を浴びる狐坂 |
---|
22分少々で十万辻のバス停を通過すれば十万辻トンネル(標高360m)。ここからは山村の原風景が広がる
切畑から西谷地区へと道は展開していく。玉瀬、大原野と過ぎ、下佐曽利まで北上したところで、前方に狐坂(
名、334.7m)が朝日を浴びて光っている。
狐坂はまだ登ったことがない。ちょっと立ち寄ってみよう。南麓にある神社にロードをデポする(6時58分)。
こういう山は神社の裏手から山道が通じているものだが、予想に反して神社の裏手はフェンスで囲まれており、
フェンスの向こうにもそれらしき道は見えない。仕方なく神社の前の道に出、西に歩けば、あぜ道の奥に農道が
見える。
これに間違いなさそうだ。道端に小さな石仏が祀られている。風化しているのと知識不足でよく判らないが道祖
神のように二体並んだ石仏である。朝からいいものを見た。
 |
登り口に祀られていた小さな石仏 |
---|
これでルートは正解だな、と思って歩くとすぐにぬかるんだ廃田が現れ、その先は竹薮でジ・エンド。仕方なく
竹藪を少し東に移動し、歩き易そうなところを選んで、雑木藪の斜面を西に無理やり登り、山頂から南南西に伸
びる尾根の上に出る。
この辺の山に多いシダの生い茂る尾根道にははっきりとした踏跡がついている。そして何よりも蛍光ピンクの留
め置きリボン(?)がところどころ木の枝にぶら下げられていて、これを辿ると難なく山頂に着く(7時25分)。
 |
尾根筋はこんな感じだが、道筋ははっきり判る |
---|
ヤブっているので背をかがめて歩かないといけない頂上部である。三角点を求めて周囲を歩き回るが見つからな
い。シダの下に隠れたか、と思いつつ腰を伸ばせば、木の幹に巻かれた白い留め置きテープに『△->』(正確
には△の真ん中に『・』がある)の書き込みが・・・。
こんなに親切丁寧なヤブ山も珍しい。指示通り頂上部の西端に行ってみると地面すれすれに4等三角点が埋まっ
ている。この三角点が「狐坂」である。
 |
 |
予想もしなかった眺望 大船山、右は寺山・広照寺山
| 狐坂4等三角点 |
---|
そして予想もしなかったのは眺望。北西正面には堂々たる姿の大船山。手前右肩には寺山と広照寺山が形良く重
なり、北に目を転じれば大野山、西には羽束山など北摂の名峰が一望のもとに見渡せる。朝からヤブを掻き分け
登った甲斐があったというものだ。
あんまりのんびりもしていられない。一旦さきほどの最高部に戻り、尾根筋を南南西に辿りながら下っていくと、
やがて山腹を巻くように付けられた林道の痕のような道になり、最後に強烈な竹薮を抜けたら、最初に行き止ま
りだと思ったポイントへ出た(7時50分)。何だ最初に強引に突っ込めばその先に道はあったというわけであ
る。
再び舗装路を走り始める。もう少し走る時間はありそうだ。ヒメオドリコソウが満開の畑を見ながら西谷地区を
ぐるぐる走り、体に春の空気をいっぱい吸って帰路についた。
(本日の走行距離 67km)
織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。
表紙にもどる
『山であそぼっ』にもどる