山を駈ける風になれ2008年 7月号
2008年6月7日(土)北摂/青原峠~アサメ山(2.5万図 福住、篠山)
青原峠は三田の母子と篠山の後川奥を分ける標高約520mの峠である。今日はここから摂丹旧国界尾根を北の
アサメ山まで訪ねる計画を立てる。「アサメ山」は三国岳東北東約1kmの稜線沿いのコブにある三角点の点名
である。
午前5時26分、ロードで出発する。午前4時半には薄明るくなるこの時季、野鳥達が一斉に囀り始めるので、
しぜんに目が覚めてしまい、必然的に出発時間が早くなる(決して年齢によるものでないと自分では思っている
)。
いつものように川西能勢口回り県道を北上する。足自体の調子は今ひとつだが、走りは快調である。広根を過ぎ
たところで、クイックステップのチーム名にアルカンシェルの入ったジャージを着たローディーをパス(注:「
アルカンシェル」は自転車世界選手権覇者のみに次回世界選手権までの間着用が許される虹色の線が入ったジャ
ージ。去年のロードの世界チャンピオンはベルギーのクイックステップに所属するパオロ・ベッティーニ)、快
調な足取りのまま杉生新田から西峠をクリア(7時03分)、MAX66km/hでいっきに下り、後川下から
後川奥へと再び上りに入る。
後川奥に入ったところで犬が飛び出してきて、遊び相手を見つけたかのように自転車の前を走り始める。スピー
ドを上げると犬も更にスピードを上げる。後ろを振り返って早く追いついて来い、と言わんばかりだ。いかんせ
ん相手は4つ足、おまけに急坂の上りときている。“猪名川のベッティーニ”には勝てても“後川の犬”には勝
てない。
犬は最初の堰堤が現れる辺りで遊びを止めてわが家に帰る。淡々と走って石仏が見守る青原峠に着く(7時29
分)。
 |
青原峠 |
---|
いつもはここでひと息ついて永沢寺方面へ走っていくのだが、今日はここにロードをデポ、北側にある山道に分
け入る。
地形図の市境に付けられた破線の道である。ここから尾根筋を外さないように歩けばいい。この尾根筋は佐曽利
カルデラの外輪山にあたる部分でもある。はじめ北東に進んでいた切り開きは北西に反転し、584コブを過ぎ
ると下り基調になる。正確に外輪山の上を辿りたいところだが、茶畑の横の林道に変わり、480m最低鞍部に
下り着く(7時56分)。
 |
 |
 |
480鞍部。茶畑の横を部分的に歩く | 550山に向かう |
右:篠山側、左:三田側 最も狭い?外輪山の上を歩く |
---|
すぐ西まで舗装路が延びてきている。茶畑の横から再び山の中に入る。シカ除けロープ沿いの切り開きを登り5
50コブに。北に下って鉄塔の下をくぐり、植林帯の巻き道を篠山側に巻いて再び稜線と合流すると、前方に基
本測量の白いポールと松葉に埋まったアサメ山4等三角点(527.8m)に着く。最高部は更に10mほど進
んだところである(8時10分)。
 |
 |
アサメ山(4等三角点) | アサメ山山頂部 |
---|
アサメ山から先もまだ明確な切り開きの道は続いている。驚いたことに登頂標が1枚架かっている。北摂にはい
ろんな山歩きをする人がいるものである。彼はこの外輪山稜線をずっと歩き通したのであろうか。
さて、このまま行けるところまでいってみたい気もするが、ロードをデポした場所からだんだん遠くなるので、
本日は予定通りここから西に踏跡を辿って茶畑に下りる。三角点から直線距離にして100mあるだろうかとい
うところに最奥の茶畑がある。
 |
 |
アサメ山を振り返る | 母子大池方面へ |
---|
梅雨の晴れ間の母子は涼やかな風で気持ちがいい。広い舗装路と長い林道歩きで青原峠に戻った後は、永沢寺-
母子から青野川沿いの道を爆走。三田市街地回りで帰路に着いた。
(本日の走行距離100km)
2008年6月14日(土)能勢/篠口峠~ゲホー山(2.5万図 妙見山)
久しぶりに能勢の無名の低山を訪ねる。梅雨に入ってから中休みが続く。おまけに北から高気圧が張り出してき
て、湿度も低くとても過ごしやすい。今日はあまり時間がとれないので、峠からすぐにピストンできるまだ訪れ
たことの無い低山ということで、表記の山をチョイスする。
午前5時25分、ロードで出発する。少し肌寒いくらいの気温である。先週を上回る好タイムで川西能勢口を通
過すると県道を北上、そのままの勢いで杉生に到着(6時37分)、水分補給休憩の後、これまたいいペースで
中山峠をクリア(6時49分)、気持ちよく下って栗栖に着く。
例年6月が最もいいタイムが出る。きっと気温が高からず低からず、最も筋肉がよく動かせるからであろう。
更に東へ走って大路次川沿いに府道を北上、天神橋から本日一番の上りをこなして暮坂峠に着く(7時16分)。
予定より大幅に早い。南東方向に開けた景色を眺めながら少し休憩、篠口峠に向かう。
 |
 |
暮坂峠 | 篠口峠 |
---|
篠口峠はすぐに地道の草深い林道に変わるので、ロードの場合は「押し」ていかないといけない。7時27分篠
口峠。暮坂峠から実質1kmほどしか離れていないので時間はかからない。峠から北へは踏跡があるが、南側は
明確な踏跡が無い。
それでも適当に登っていくと村の境界を示す赤いプラ杭が現れる。山頂方向へは途中から少し南西に振る感じに
なる。倒木と片付けられていない伐採木が多く、結構歩きにくい。倒木を踏み越えながら登り着くともう頂上で
ある(7時36分)。
 |
 |
ゲホー山山頂 | 山頂から大平山、剣尾山方面 |
---|
山頂には4等三角点が埋まっている。標高339.1m、点名「和田」、ゲホー山である。「ゲホー」は字名で
ある。ゲボ山の名前もある。「ゲホー」「ゲボ」とはどういう意味なのだろう。山の西斜面から南斜面にかけて
古墳群が広がっている。これらの古墳群がある字は東山。山内地区から見るとこの山は東に位置するので「東山」
という名前もあるのかも知れない。その辺のところも確認したいと思って現地に赴いたが、朝早くて誰もいない。
伐採して放置された枯れ枝でひっかき傷を作りながら篠口峠へ戻り、舗装路に出て山内地区まで戻る(7時50
分)。
熊谷次郎直実が平敦盛の首を洗ったといわれる首洗い井戸にも訪れる予定だったが、代わりに畑の中に残る旧道
を流していて見つけたかわいい石仏に心和むツーリングとなった。
 |
旧道の民家の裏手で見つけました |
---|
(本日の走行距離 83km)
2008年6月22日(日)豊中/待兼山(2.5万図 伊丹)
梅雨本番、土曜も日曜も朝から雨。予定していたK氏との久々のツーリングも中止、今週末は完全休養になって
しまいそうだなと半ば諦めかけていたら、昼前から雨が上がって薄日が時々差すようになってきた。
近場で箕面の山にもでも行こうかと登り口を確認するために2.5万図「伊丹」を開く。ふだんあまり手にする
ことがない「伊丹」は新品同様で「傷み」がない。寒いオヤジギャグはさておき、地形図中央やや右上の「待兼
山」という文字が目に止まる。
「待兼山」といえば、小学校低学年の頃、ワニの化石が見つかったという“事件”があったところとして私の記
憶にしっかりと残っている。「丹波竜」の発見までは、この「マチカネワニ」が兵庫・大阪近辺で最も有名な化
石であったといっても過言ではない。
万葉集だったか何かの和歌にもその名が詠まれていたようにも記憶しているが、場所がどこにあるのかは全く知
らなかった。改めて見れば阪急石橋の駅から500mも離れていないではないか。傍は何度も通っているのに全
く気付かなかったのは標高76.9m、ちょっとした森にしか見えなかったからであろう。でも今日のような次
いつまた雨雲が来るかわからない時にはもってこいの訪問場所である。
11時46分、早めの昼食を終え、ロードで出発する。中山付近で早くも雨が降ってくるが、大した降りにはな
らず、やがて雨も上がった頃、R176と旧171がクロスする交差点に着く。この交差点を左折、細い道をゆ
るゆると上れば、某旧帝大の正門へ。駐輪場を横目に見ながらそのまま緩い坂を上り切ったところに弓道場があ
る(12時26分)。
弓道場の前の簡易舗装路を進むと門が閉じられたフェンスが2ヵ所現れるが、いずれもフェンスの切れ目から先
に進めるので問題はない。そして低いササ藪の中の小径を道なりに軽く登るとそこだけが小さな広場のようにな
った待兼山山頂に着く(12時30分)。中央に三角点が埋まっている。意外なほどに何の表示も無い。
 |
待兼山山頂の三角点 |
---|
風が吹くと周囲の木から雨のしずくがバラバラと落ちてくる。ヤブ蚊も煩いので早々に退散、小径を西側に下り、
南に折れて出てきたところは総合学術博物館・待兼山修学館の前。建物の看板にもマチカネワニをあしらったマ
ークが付いている。
 |
博物館のマークにもワニが・・・ |
---|
フェンスで仕切られた駐輪場内をうろつきながらようやく正門前に出る。西の空がまた暗くなってきた。急いで
帰ろう。
(本日の走行距離 27km)
2008年6月28日(土)北摂/中山峠~逢坂峠~柊峠~堀越峠~野間峠
(2.5万図 妙見山、法貴)
週末になると天気が崩れるパターンが続いている。梅雨なのだからといえばそれまでだが、出来れば週末だけは
晴れて欲しい、というのがアウトドア派共通の思いだろう。
さて、今日は午前中は何とか天気がもちそうとの予報、長距離は無理でも100kmくらいなら大丈夫だろうと
いうことで、表記の峠越え5連発に挑戦する。
午前5時33分、ロードで出発する。久しぶりに快走した先々週のような体の軽さはないが、川西能勢口をそこ
そこのタイムで回るといつものコースを北へ取る。広根の坂を下り、猪名川町役場前辺りで前方を走るローディ
ーの姿発見、紫合の交差点の手前で追いつき、一声掛けて一気にかわす。
この辺から俄然ペースが上がり、最初の水分補給ポイント杉生に先々週のタイムを上回る記録的な速さで到着す
る(6時43分)。
水分補給をしていると3分遅れで先ほどかわしたローディーが杉生の交差点を通過していく。手を上げて挨拶を
交わし、再びロードにまたがって中山峠を目指す。中山峠は変電所の前で一旦下りになり、あとは3段構えで斜
度を上げて頂上に達する。
最初ということもあり、淡々と通過(6時57分)、長い緩い下りを楽しみ栗栖に。大里-中宿野と走って本日
2つ目の逢坂峠の上りにかかる。
 |
逢坂峠下り |
---|
逢坂峠は頂上部手前で急になる以外はクリ林の中をマイペースで走ることができる峠である。気温21℃気持ち
よく小刻みに連続するコ-ナーを下る。先々週登ったゲホー山を見ながら清正公堂前を左折、奥田橋で旧道を走
って本日3つ目の柊峠へ。
ここは越えずにターンしてR477(旧能勢街道)を南下、倉垣橋の交差点で本日2度目の水分補給休憩を摂る
(7時40分)。
さて、本日4つ目の堀越峠の上りにかかる。北摂の数ある峠の中で個人的には最もきついと感じる峠が、西側か
ら登る堀越峠だ。距離こそ1.16kmと短いが標高差132m、平均斜度11.4%の坂は勾配が緩くなる部
分も殆ど無いまま峠へと続いている。
蒸し暑さも手伝ってヘロヘロ状態で堀越峠に着く(7時49分)。もう(峠は)いい。杉原方面へ下る。ちょっ
と杉原地区を寄り道していこうと集落の中に続く細い道を入っていくとお堂の前に(7時56分)。
 |
杉原城址に建つお堂 |
---|
『杉原城址』の説明板がある。今から450年前頃この馳に山城が築かれていたようである。山の中に入ったと
ころに八幡社があり、そこには本郭・土塁・堀切などの遺構が残っているようだが、山の中に入る準備をして来
なかったので諦める。
どこかこの付近でお手軽に三角点を踏めるところがないだろうかと地形図を広げる。直線距離にして1kmほど
のところに420.2m『西別院南』(点名)がある。養鶏場の北側に付いている実線の道を行けばそのまま鞍
部まで行けそう、あとは100mほど尾根筋を歩けばか。
これは超お手軽だ。自転車に跨り西別院南に向かう分岐を探して走る。と調子よく下りすぎて気が付けば養鶏場
の入口へ。再びバックして分岐を見つけ、急な坂を下って橋を渡り、急坂を上り返すと、今は使われていないよ
うな薄気味悪い資材置き場に突き当って道は無くなる。地形図では建物マークの北側に実線の道が東に向かって
続いているが、それらしき場所は木が植えられていて道は無くなっている。
せっかくここまで来たのだから訪ねてみたい。アプローチを山の東側の卍マークに求め、一旦府道に戻ってぐる
っと南側を回って、山の東側に移動する。
 |
麓のお寺から見た西別院南 |
---|
集落の中を北に走る。お堂が現れる。お堂の横に山に向かう道が付いている。突き当たりに階段があり、その上
に配水施設がある。あそこまで上がれば尾根筋に辿り着けそうだ。ロードをデポし(8時30分)、柵を乗り越
えて階段を登る。
 |
登り口は階段 |
---|
下条配水池というらしい。案の定、施設の横から山の中に踏跡がある。枯れた倒木が多くて歩きにくいがすぐに
尾根に出る。地形図の破線の鞍部より若干南である。
尾根筋も枯れた倒木だらけで歩きにくいが、ほぼ平坦で進む内に歩き易くなり、そのまま4等三角点の埋まる山
頂に着く(8時40分)。こんな山でも登頂標が1枚架かっている。若干南北に縦長だが、砦があったような雰
囲気を残している。
 |
 |
尾根筋はかなり荒れている | 西別院南Ⅳ三角点 |
---|
立ち止まっているとヤブ蚊に喰われるので元来た方角へ戻る。ちょっと行き過ぎて地形図の破線が横断する鞍部
に出る。古い留め置きテープも残されている。しかしヤブが煩そうなので、登ってきた場所まで戻り、配水池横
からデポ地に戻る(8時55分)。
寄り道を済ませたところで、再び走り出す。もうあとは一路南下するだけだと思っていたら、ゴルフ場への上り
が結構辛い。前半調子よく走りすぎて足を使い果たしたか。鴻応山の雄大な斜面を左手に見ながらR423に合
流する。
妙見口の交差点を野間峠方面に向かうロードバイクに乗った2人組を見つける。本当はこのままR423を池田
まで下る予定だったのに、信号が青に変わったら彼らを追っている。我ながら元気だ。
 |
野間隋道 |
---|
100mほど前を走る2人組の後ろ姿がだんだん大きくなってくる。錦山荘の辺りから坂はきつくなる。どうや
ら大学生のようだ。妙見山分岐の手前で1人をかわしてトンネルの前で写真を撮っていたらかわした青年がやっ
て来た。亀岡から来て能勢から峠越えで亀岡に帰るという。トンネルを抜けた先で待つもう一人の青年にも挨拶
して先に峠を下る。
本日5つ目の峠越え。後ろからクルマが追ってきたが、カーブの連続する峠では自転車の方が速い。野間中まで
あっという間に下りきると、ようやく峠越えから解放。あとははずみで帰路についた。
(本日の走行距離100km)
織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。
表紙にもどる
『山であそぼっ』にもどる