山を駈ける風になれ2013年 8月号
2013年7月6日(土)北摂/29度目の大野山 (2.5万図 木津・福住)
蒸し暑い季節が今年もやってきた。日中は暑い低山も朝の内に登れば涼しいだろうと阪神間最高峰
の大野山 に上ることにする。数えて29回目の大野山ヒルクライム。以前は年に何度も訪れたもの
だが、最近は年1回のペースだ。
午前4時49分自宅を出発。これだけ早いと7時過ぎには大野山 の山頂に立てるだろう。日本海に
停滞する梅雨前線に向かって南西の強風が吹き荒れている。
スタートして5分ほどの間は、高層マンションに当たって巻き起こるビル風に悩まされて思うよう
に走れなかったが、清荒神を過ぎた辺りから完璧な追い風に変わり、面白いように加速、気が付け
ば自己最速の16分44秒で川西能勢口の交差点を左折する。
わが家から阪急宝塚駅前まで1.1kmの所要時間は約2分だから、云わば宝塚−川西能勢口間を
14分台半ばで走ったことになる。追い風参考ながら阪急宝塚線の急行より速いということか。県
道を北上しても追い風基調は続く。このコースを走って20年以上になるが、こんなほぼ追い風を
受けて走るのは初めてだ。
6時01分、杉生に到着。勿論所要時間は自己最速。しかも殆ど足を使っていない。コンビニの裏
手に掛けてある温度計の目盛りは29℃を指している。蒸し暑い。水分補給を摂って大野山に向か
って走り出す。
ここから4kmは向い風区間に変わるが、ここまで足を使っていなかったので淡々とペースを刻ん
で上ることができる。柏原で2度目の水分補給を摂ってアルプスランドへのヒルクライム開始だ。
薄暗い林道はゴーゴーと物凄い唸りを上げている。山に不慣れな人だったらこの状況は心細いかも
しれない。それよりも相変わらずこの上りは辛い。ただ一つの救いはこの風でいつもは纏わりつい
てくる虫がいないことだ。
標高600m地点を過ぎると雨雲の中に入って水冷効果が得られるようになる。ガスっていて何も
見えないが、これもよく見慣れた風景の一つ。最後のカーブをクリアすればアルプスランド、今日
から「アジサイ祭り」が始まるようだ。最後の担ぎ上げで山頂に到着(6時57分)。
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何にも見えない大野山 山頂 |
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直下のアジサイ園すら見えないほどのガスが流れている。方位盤をテーブル代わりに水分補給を摂
る。火照った体に冷たい風が気持ちいい。一息ついたところで少し下ってアジサイを眺める。オフ
ホワイトのアジサイが涼し気だ。
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今日からアジサイ祭りのようです |
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しばらく辺りを散策したところで下りに入る。ゴルフ場入口からの下りは北摂屈指のハイスピード
コースだが、今日ばかりは下から強烈な風が吹き上げて来てスピードが出ない。
それでも柏原から杉生への下りでは追い風区間に入り爆走。その後もどれだけ向い風に苦しめられ
るかと思ったが、意外にも走れて珍しく風を楽しめた土曜の午前となった。
(今回の総走行距離 95km)
2013年7月13日(土)南丹八木/筏森山 (2.5万図 殿田・亀岡)
連日の猛暑に3連休どこへ行こうかと考える気力も失せそう。先週同様せめて朝の内だけでも涼し
い所を走りたい。余野からR423を走って亀岡盆地に出、まだ訪ねたことの無い旧八木町の筏森
山(295m)を登るプランを実行することに。
午前5時03分出発。寝苦しい夜だった。27℃という気温以上に湿度の高さが体に堪える。旧R
176を東に走り、西本町を左折、木部でR423に入る。ここから余野川沿いを止々呂美〜余野
と走るコースは渓流を見ながら標高を稼いでいく涼感コースだが、今朝に限ってはどこまで走って
も道路脇の気温表示は24℃を指したまま。汗を滴らせながらの上りが続く。
それでも府境を越え、亀岡市内標高400mの山間部を快走する区間ともなれば、生き返る心地、
ちょうど1時間半で下り終えると、R9を北上する。
3連休の初日だからだろうか。いつもより交通量は多め。中国道の渋滞情報も、わずか4kmほど
国道を走っている間に7kmから13kmに伸びている。みんなと同じことをしようとするから混
雑してしんどい思いをする。月読橋で桂川の左岸に移って北上すれば、交通量はほぼゼロ。ストレ
スもゼロだ。
西側に筏森山塊が迫る池上の集落に着く。池上院の案内を探して左折、農道を走って池上院に着く
(7時11分)。
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池上院に到着 |
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凛とした静寂の中に佇むお寺の景色も、こう湿度が高いと違って見えるから不思議だ。山門の前の
ゲートボール場に自転車をデポし、お寺の北側を山の中に向かう林道幅の地道を歩けば、すぐに
『聖天宮へ』という案内標識が現れ、参道を辿れば山頂まで誘ってくれる。
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登り始めるとすぐに灯篭が・・・ |
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登り始めるとすぐに石灯籠が一基。中央に「山神」右に「蔵王権現」と彫ってあるのは読めるが、
左の文字は読めそうで読めない。登り始めて10分ほどで尾根筋に出ると、筏森山本峰への急登。
小さな鳥居をくぐり、階段を登れば聖天宮の祠。その背後にももう一つ祠がある。こちらは『筏森
神社』と書かれている。お参りする。
やまあそ注:毘那夜迦天(ビナヤキャテン)と読み、歓喜天のこと(石灯籠には歓喜天の文字がありますね)。
大日の化身とも言われるので聖天の文字が用いられる。聖天宮の中に何があるのか!これは見るべき。
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筏森神社 | 同じく聖天宮 |
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さて三角点のある山頂は、神社の祠の背後10mほどのところだが、聖天宮の手前を右に分岐する
小径を辿って回り込む方が歩きやすそう。と歩いていくと、何と山の北側から幅広の林道が三角点
の3mほど傍まで上がってきている。山頂到着(7時29分)。
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筏森山山頂に到着 |
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アプローチを林道側に求めれば虫に悩まされずに山頂に着く事が出来ただろうが、山頂直下に祠が
2つも祀ってあることには気付かなかっただろう。やはり多くの村人たちが信仰心を持って登った
参道を辿ってこそ低山の価値がある。
頂上で10分ほど休憩する。木々に覆われて展望は無い。風も通らずじっとしていると蒸し暑い。
登りとほぼ同じ時間をかけて下山、自転車を回収して走り出す(7時50分)。
大汗をかいたので水分が欲しい。こんな時に限ってなかなか自販機が見つからない。吉富駅手前で
再びR9に乗る。反対車線側に何か所か自販機は現れるが、走行車線側には現れない。結局園部本
町までやってきてしまい、いつものコンビニでブランチ休憩を取る(8時15分)。
店内の冷房でしっかり体も冷やしたところで帰路につく。船阪あたりから時折り強烈な南風が吹き
つけてくる。柊峠を越えてしばらくは同じように南から強い風が吹いていたが、徐々に南に下るに
つれて向い風の影響は感じなくなる。きっと北の方で小さな熱雷が発生しているのかも知れない。
それよりも喉の渇きの方が切実な問題。結局帰路は55kmの間に1.5リットルも飲んでしまっ
た。
自宅近くまで戻ってくるとわが家の裏山上空を報道ヘリが2機旋回を繰り返している。結局4時間
近くも上空を飛んでいた理由を知ったのは、その日の夕刊だった。
(今回の総走行距離115km)
2013年7月27日(土)氷上/独鈷の滝涼み (2.5万図 黒井)
熱帯夜が続く。わが家でこれだから大阪市内に住む人などはもっと大変だろう。暑いときには滝を
訪ねるのがいい。見た目に涼しく、触れて冷たく、マイナスイオンも浴びて心身共にリフレッシュ
・・・。近場だと箕面の滝、最明寺滝などがあるが、そこそこ距離があって世間ずれしていない香
良の独鈷の滝を訪ねる事に決める。
午前4時53分出発。連日暑いと疲れが取れにくいせいか赤坂峠の上りが重い。走る内に徐々に調
子は戻ってくるが、近くの山も霞むほどの湿度の高さで、気温22℃(篠山盆地)ほどには涼しく
感じない。
鐘ケ坂トンネルを越えて氷上に下っても蒸し風呂のような中の走行は変わらず。桟敷を越えたあた
りでクラブ活動だろうか、登校の中学生達とすれ違う。元気に挨拶をしてくれるので、こちらもつ
られて元気よく返す。体育会系は気持ちがいい。
香良病院の前を通り、岩滝寺に着く(7時43分)。独鈷の滝を訪ねるのは何年ぶりだろう。滝の
入口手前には柵が廻らせてあり扉が閉まっている。前来た時は、こんなのあったろうか。恥ずかし
ながら全く記憶にない。
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無心になれる・・・独鈷の滝 |
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扉を開けて中に入り、石段を登って滝壺の前に立つ(7時48分)。聞こえるのは滝の流れ落ちる
音と森に木霊すヒグラシの鳴き声のみ。無心の時間が流れる。
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剣豪の修行場所にはいいかも知れない |
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マイナスイオンをしっかり浴びたところで帰路につく。途中、石生では水分れ公園で今日、水分れ
まつり開催を知らせる案内を目にしたが、暑くなる前に帰りたい。
帰りは黒井から栗柄峠回り。栗柄峠への上り途中から雲が切れて暑い夏の太陽が顔を出し始める。
どこで水分補給をしようかと篠山盆地を抜けた辺りを走っていると、後ろから元気のいいサイクリ
ストが現れ、一言二言喋って前に出る。
先方は一緒に行こうとでもいうのか、時々振り返ってくれる。まあ、まだ朝だから既に120km
も走っている人間がいるとは思わないのがふつう。先に行ってくれと合図を返して休憩ポイントへ。
強く照りつけていた日差しも三田手前で雲の中に隠れ、少し息を吹き返す。それにしても独鈷の滝
の涼しさは、完全にもうどこかへ飛んで行ってしまった。やっぱり滝巡りは近場に留めておくのが
正解かも知れない。
(今回の総走行距離157km)
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