山を駈ける風になれ2001年3月号
2月4日(日) 三田/烏ガ岳(2.5万図 木津)
12月にトライして果たせなかった三田の切詰峠の北にある烏ガ岳へリトライ。本来なら天気のいい
昨日登る筈だったのだが、金曜日の晩から出ていた低温注意報に怖気づいて走りを日曜日に変更する。
6時40分自宅を出発、川西能勢口回りで北上する。途中いつも立ち寄る屏風岩のお店に入ると奥さ
んがいらっしゃったので「最近ご主人おみかけしませんね」と話かけると昨年末にお亡くなりになった
との事。まだお若くて元気のいい「おやじさん」だっただけに俄には信じられなかったが、よく私のこ
とを話しておられたと聞いて、残念な思いが募る。いろいろお訊きしたいことはあったが、まだ悲しみ
から癒されていない奥さんの表情を見てこれ以上訊くのも憚られる状況だったので、ただただご冥福を
お祈りして店を出る。
さてMTB山行に戻る。木津から簡易舗装の林道を通って上佐曽利に抜け、大坂峠、切詰峠と越えて
市之瀬から上槻瀬へ抜ける山道に入る(8時35分)。猪除けのネットを乗り越え倒木の多いガレた道
を進んでいたが、前回歩けた道が水の流れ道に変わっており、途中でMTBをデポ。次々現れる分岐を
「左、左、左」と行って、8時59分、前回断念した南側鞍部の手前に到着する。大きな倒木を回りこ
んでみると微かに踏跡が続いている。赤い布まで現れ9時05分難なく鞍部に着く。
さて、ここからは尾根伝いに一直線に頂上を目指すだけだ。あるかなきかの踏跡は途中に現れる大岩
あたりで判然としなくなるが、岩尾根はヤブに悩まされることもなくグイグイと標高を稼いでいく。頂
上直下で一旦傾斜が緩くなり、最後にヤブ漕ぎの急登をこなすといかにも先鋒らしい頂上に着いた、と
思った瞬間あれっという感じに包まれる。静かに3等三角点だけが埋まっていると思った山頂に立派な
ベンチが設置されているではないか(9時18分)。
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切詰バス停より烏が岳 | 烏が岳山頂 |
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頂上付近はきれいに整備されている。ヤブ山だと思って登ってみたら反対側からハイキングコースが
伸びてきていたという状況だ。山頂で軽食を摂っている間も何でこんな山が整備されているのか合点が
いかず、9時30分、先を知りたくて山頂北東側にあるCa500ピーク目指して歩き出す。
今までのヤブ漕ぎは何だったのかというほどの快適な道が続き、ピーク手前には「展望台コース」、
「水辺コース」の標識まで立てられている。どうやら最近、東麓の上槻瀬からハイキングコースを作っ
たものと思われる。Ca500ピークには朽ちた祠があり、少し下ったところに興醒めな展望図とベン
チが設置されている。展望図には、目の前に大きく立ちはだかる特徴的な山容を持つ羽束山が描かれて
おらず、ニュータウンの解説に終始したような俯瞰になっている。
一体何を考えているんだと憤慨しながら、東尾根を下る。最初木の階段がやたらと多い歩きにくい道
だったが、傾斜が緩む頃には快適なハイスピード・シングルトラックの連続コースに変わりMTBをデ
ポしてきたのが悔やまれる道になる。未練たらたら下ってくるとつくしの里へ続く里山体験の森に下り
てきた。今日も各地から里山体験をしようという人達が大勢車で乗りつけてきて焚き火にあたっている。
車などに頼らず自力で走ってこないと本当の里山の魅力は味わえないよ、と心の内で思いながら山をあ
とにした。 (本日の走行距離 69km)
2月11日(日)山南/テンロク〜妙見山(2.5万図 谷川)
以前から温めていたプランだが、なかなか実行に移せなかったのが表題のコース。今日は思いきって
ロードで現地に向かうことに。6時35分、自宅を出発。6時現在2℃はそう寒くもなくロードは快調
に走る。赤坂峠を平均時速23.1km/hとこの時季過去最高速度でクリアすると快晴無風にも助け
られてどんどんスピ−ドアップ、途中篠山のコンビニで食料補給をしたにも拘らず8時53分谷川駅に
到着する。
こんなに足がラクなのも珍しい。調子のいい内にと休憩もとらずに走り出し、9時10分首切り地蔵
尊に到着、ロードをデポする。ここからは歩きで大樅峠を目指す。林道を歩き出すや前方に親子連れの
シカを発見。林道をゆっくりとトレース、276標高点の先に大樅峠への旧道を認めたが、歩き易い林
道を辿る。再び山道とクロスする辺りから大樅峠を目指そうとしたが、峠への登り口が見つからない。
自転車が無い分気楽なもので適当に山の中に入りズンズンと登っていく。
初め西を向いていたガレた沢伝いの登りは途中から険しい登りと変わり、方向も北西へと向かう様子。
このままではテンロクに直登してしまう。途中沢が左右から合流する辺りで、左の沢を巻きながら登る
方針に転換、急斜面を四つんばいになりながら登り、9時58分大樅峠からの尾根筋に乗る。Ca54
0辺りか。尾根筋は狭いが切り開きがある。頂上手前は木々が伐採されていて南面の眺望が開ける。6
00mラインに乗ったところで西に曲がり、切り倒したまま放置されて歩きにくい稜線を辿り、10時
10分、3等三角点が埋まるテンロク頂上に到着する。
見晴しがきかない上に日陰で雪も残って寒いのですぐに妙見山への縦走に移る。頂上から西への下り
口はヤブっていてちょっとわかりにくいが、10mも歩けば踏跡が現れる。ここを通るのは獣くらいか。
腰を屈めて進めば結構歩けるのだが、立って歩くとヤブと挌闘となる。それでもすっかり葉が落ちた雑
木藪の日溜り尾根筋歩きで気分は最高だ。南西の門柳山方面の展望が開けるところもある。
テンロク頂上から20分少々でCa445鞍部、大きなヌタ場に溜まった水が凍っている。491ピ
ークに登り返し南西から北西に進路を転換するところに赤いプラ杭、更に15mほど歩いたところに手
持ちの地形図には載っていない4等三角点が現れる。ここで一旦下り、10分ほど登り返すとCa54
0ピーク、東にテンロクが堂々とした姿を見せる。すぐ西側を南北に走っている地形図の破線はどれか
よく分からないまま最後の登りに入る。テンロク付近ではそれほどでもなかった残雪が辺り一面に広が
り、滑って歩きにくくなる。
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妙見山山頂 |
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11時15分、妙見山の展望台、一番東の630ピークに到着する。妙見山はピークが3つあり、こ
の東のコブ付近は綺麗に伐採されそこいらに点在する石に腰掛けて休むのにいい。テンロクから丁度1
時間、ポカポカ陽気の中で軽食休憩を取る。このまま昼寝をしたいような気分だ。15分ほど休んで三
角点のある妙見山頂までジョギング、登頂ノートに名前を書きタワまで10分、林道終点まで10分で
下るとあとは長い長い舗装路歩き。12時50分首切り地蔵のデポ地に辿りつくとロードにまたがり爆
走モードに。西からの強い風にも助けられ快走に快走を重ねる。15時29分自宅に帰り着いてみると
100km超のコースでは過去最も速い平均速度を記録。ガッツポーズでのゴールと相成った。
(本日の走行距離 130km)
2月17日(土)能勢/野間山(2.5万図 妙見山)
2.5万図「妙見山」は能勢の地形の特徴がよく現われた地図で他に類を見ない地形図と言っても過
言ではない。すなわち小さいが深い谷を持った山と図福いっぱいに点在する小盆地、そしてそれらをつ
なぐ峠…。「山また山」の地形図は珍しくもないが、1枚の地形図に名前が記載されている峠が12も
ある(大堂越を含む)のはちょっと他にないのではないか。これとて吉野の関で有名な柊峠や古丹州街
道の大部峠、稲荷坂を含んでいない数字なのである。
峠の多さはそれらが結ぶ集落の多さを表すことにほかならないが、これらの多くは先の小盆地の上に
存在している。北摂、特に能勢方面に多いこの点在する小盆地がどのようにして成立したのかは不明だ
が、その礫層より北摂山地が隆起する前、大阪層群が堆積した200〜300万年前頃に出来たものと
いわれている。
今日はそうした能勢の古道、峠をつないで野間山を目指すことに。6時30分自宅を出発、川西能勢
口、紫合を経て阿古谷へ。気温−5℃、温度計を見るんじゃなかったと後悔する。少憩の後急坂を登り
右手、大部峠からの山道が合流するところで北側に道を求める。古丹州街道の続きを行ってみようとい
うわけだ(7時46分)。
笹薮がひどいが尾根筋に道が続いている。一段高くなったクリ畑の中で道がなくなる。一旦下って溜
池の辺りに出、また笹薮の中を通って北東の溜池まで走り地形図の破線に合流、北上する。初め台場ク
ヌギの森が現れ、続いて猛烈な笹薮地帯に変わる。MTBのハンドルバーよりも狭い道だが、しっかり
と続いている。無理に乗車すればなんとか走れるがすぐに笹薮に絡まって押し戻されてしまう。
ようやく稲荷坂へ続く道路が笹薮越しに見えてきた。このわずかな距離を1時間近くも挌闘している。
あとわずかとなったところで建設資材を置いた会社の塀に行く手を阻まれる。藪の中を強行突破して塀
の隙間から会社の敷地内に入る。なんとかこれで道に出られると安堵したのも束の間、入り込んだ場所
は門が閉じられていて出られない。塀の高さは3m。ここまで来ながらなんてことだ。MTBを置いて
塀の隙間から再び外に出て藪を掻き分けていくと右手にカギの掛っていない扉を発見。ここから敷地内
に入りこみMTBを取り出しどうにか脱出完了。8時56分、もう一仕事終えたという感じだ。全身に
びっしりついたひっつきむしを取り払いMTBに跨る。稲荷坂手前から府民牧場の裏山の南を回りこむ
林道を走り一庫大路次川沿いの舗装路に出る。
続いてはR173と合流する清水橋から平通に入り坂井峠を目指す。手持ちの地形図では舗装路が途
中で切れ、破線の道が峠を跨いでいるが、今は全線舗装路になっている。峠越えの味わいはなく、ただ
辛いだけの上りだが、眺望は抜群だ。三草山の全景を西に見て峠を越える。下りついたところは下田尻
だ(9時15分)。
次の峠は仏坂(ほとけざか)峠。上田尻と倉垣とつなぐ峠だ。こちらは冬枯れの能勢の山間をしっと
りと上る簡易舗装路。これぞ日本の山里といった風情をカメラに収める。途中出会ったお婆さんからこ
の坂はきついよと言われた通り意外と上りがこたえる。9時30分峠到着。南側に古びた石碑が2つ。
一つは「南無妙法蓮華経」、年号は読み取れない。雰囲気満点の峠である。しばらく休憩、凍結した路
面に注意しながら地黄に下る。野間山へは野間まで南下した後野間峠を経由して行くのが近道だが、倉
垣から堀越峠を越えて亀岡の西別院町回りを選択。
いいかげん藪漕ぎと峠越えの連続でへばっているところへ堀越峠越えは辛いものがある。その上ダン
プが脇をすり抜けながら排気ガスを撒き散らして上っていくので始末が悪い。9時55分歩いているの
と変わらないくらいのスピードで堀越峠を通過、杉原までらくちんの下りで亀岡市に入る。ここからは
一昨年の暮、鴻応山に登った時と同じ道を辿って豊能町牧に(10時15分)。
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能勢の山里 仏坂峠へ向かう途中 | 鴻応山 |
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ここから集落の中を山腹に沿ってついている道を西へ行く。この辺りは標高400mあるので山頂と
の標高差は小さい。野間山から南北に紅白の大鉄塔が伸びているのが見える。途中高岳(地形図では無
名、555.8m)への破線の道を見送り北西の谷に続いている破線の道目指して走っていると西に向
かって急勾配で登っている簡易舗装路を発見。そこにいたおじさんにこの先は行けるかと尋ねると、
「登ったことはないが行けるだろう」といい加減な応え。「行ける」に賭けてMTBを押し上げる。
すぐにシカ除けのネットが現れる。くぐって尚も進むと谷沿いに道がついている。かなり荒れた道だ
が、元は軽トラが入っていたであろう道幅がある。東斜面だというのに谷が深いせいか積雪が結構ある。
轍の後を水が流れる足場の悪い箇所もあるが、「担ぎ」でどんどん谷を詰めていくと鉄塔工事の作業現
場に飛びだし、尚も登ると尾根筋に出、間もなく野間山山頂(616m)に到着(10時58分)。
まさに直登コースだったのだ。東には鴻応山が見事な三角錐の山容を見せている。南側は光明山、妙
見山が霞んで見える。足元には雪が残っているが、日差しはもう春だ。しばらく休んで能勢・豊能町界
を北に向かう。町界は尾根筋に沿って切り開きがあり、雪上走りが楽しめる。小さな登り返しは乗車し
たままクリアできる。ただ、手持ちの地形図には載っていない鉄塔への分岐が次々現れ何度もミスコー
スを繰り返してしまう。
牧から北西に伸びる破線(途中で切れている)の延長線上に当たる稜線付近で町界は藪になる。ちょ
っと雑木が密集した藪でMTBを担いで進むのは容易なことではなさそうだ。仕方なく北北西に伸びる
支尾根に続く踏跡を辿る。いきなり道がぷっつりと切れているように見えるところがあるが、強引に下
ればやはり合っていたようで、11時50分野間川の支流に出、堰堤の横に続く林道を通って小さな池
に着く。ほっと一息ついたところで無性に腹が減ってきた。高岳山頂の日当たりのいい場所で食べるつ
もりだったのに山の北斜面の深い谷底のようなところでの食事となってしまった。食べながら震えがき
そうなくらい寒いので早々に退散、林道を走りついで野間大原まで下ってくると後は勝手知った能勢の
道。野間中から野間の大ケヤキを横目に見ながら帰路に着いた。
(本日の走行距離 81km)
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