山を駈ける風になれ2004年 9月号
2004年8月14日(土)六甲/涼雲台〜ダイヤモンドポイント〜シュラインロード(2.5万図 宝塚、有馬)
涼を求めて六甲へ。今日はMTBで六甲山上のドライブウェイからノースロード、シュラインロード、逢山峡
と走り継いで有馬口まで山道ダウンヒルを楽しむことに。距離にして約9km、標高差500mを下る。テク
ニック要らずの快走コースだ。
5時28分、寝苦しくて睡眠不足気味の重たい体を引き摺って出発。ダウンヒルを楽しむためにはまず登らね
ばならない。今日はR176で赤坂峠を越え、天上橋手前で有馬川沿いに有馬へ向うルートを取る。これが一
番ラクだから。
6時17分、有馬温泉太閤橋に到着。蓬莱峡経由コースよりも8km長いが、所要時間は3分ほど余分にかか
るだけ。水分補給をして少憩の後、早朝から足湯を楽しむ浴衣姿の観光客の前を駆け上がり、鳥地獄、虫地獄
前へ。魚屋道を使って一気に山頂を目指すのは2月の走りと同じ。
7時25分、一軒茶屋に着く。オヤジさんが自販機の詰め替えをやっている。
「ここは空気が違うからねえ」とオヤジさんがいうように山上は涼しい。20℃を切っている。しばらく喋っ
て極楽茶屋跡まで雲上のツーリングを楽しむ。今日は下から雲が湧き上がってきている。
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静かな魚屋道 | 極楽茶屋跡、凌雲台コース分岐 |
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ここで、舗装路を離れ、六甲縦走路を涼雲台方面へと登る。目的は六甲山系で2番目に高いところに立つため
である。
六甲の最高地点は1等三角点のある931.3mの最高峰だが、ここ以外に900mを超えているところはわ
ずかに2ヶ所、しかもいずれも申し訳程度に900mラインを僅かに超えているだけである。
1ヶ所は地形図の「西お多福山」の文字のすぐ北側にあるコブ。最高峰から500mと離れていないので実際
の標高はいざ知らず、独立性が低いという個人的な判断で却下。
もう1ヶ所は同じく地形図の「六甲山町」の文字のすぐ上。こちらは更にアンテナ・マークが重なって判りづ
らい小さな900mポイントである。しかし、凌雲台を中心とする西六甲の最高地点ということでは2番目に
高い場所と呼ぶに相応しいかもしれない。
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六甲で2番目に高いところ |
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とまあ、ごちゃごちゃ言ってはみたものの、極楽茶屋跡とは標高差にして50m、ものの5分もかからずにア
ンテナの立つ900mポイントに着く(7時50分)。木々に囲まれ展望はなく樹幹越しに最高峰の見える小
さめの岩が3つ4つあるだけの場所である。今の『山と高原地図 六甲・摩耶』には記載がないが、手持ちの
93年発行版には901.8mと標高が記載されている。
この近くには雲ケ岩889.3mの三角点があるのだが、六甲天文館の敷地内にあり、閉館時間中の今、中に
入ることはできない。天文館の敷地の南側のハイキングコースを走って展望台へMTBを乗りつける。『回る
十国展望台』の跡だ。面影は残っているがもう回らない。
駐車場を逆走(ったってこんな早朝、誰もいない)して山上道路に戻り、記念碑台公園まで走る。
記念碑台公園(8時06分)も広い展望台になっている。六甲の歴史を語る上で欠かせないアーサー・グルー
ムの胸像とベンチの間に796.0m4等三角点がある。その名も「記念碑台」。見上げるともう秋の空だ。
ここにいると下界のヒートアイランドぶりを忘れてしまいそうだ。
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記念碑台(グルーム像、六甲山ホテルも見える) | ダイヤモンドポント |
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道路に戻り丁字ケ辻で右折、続いてダイヤモンドポイントに向う。簡易舗装の道である。小さな坂をクリアす
ると突然前方視界が開ける。ダイヤモンドポイントである(8時24分)。唐櫃、大池の街を挟んで正面に北
神戸の山々が見える眺望ポイント、神戸の街を見下ろす展望ポイントは多いが北神戸の展望が臨めるところは
意外とない。
せっかくここまで来たのだから水晶山(710m)にも寄っていくことにする。が、道がわからない。『地獄
谷西尾根』と書いた札は下がっているのだが・・・と、よーく考えてみたら水晶山は地獄谷西尾根にあるんじ
ゃないか(地形図には水晶山の東の谷に「地獄谷」の文字がある)。
我ながら大ボケだ。ピストンなのでMTBはダイヤモンドポイントにデポ、クマザサの深い山道を上り下りす
ること4分で水晶山山頂に(8時36分)。
展望はなく中央に小さな岩があるだけで、登頂プレートがなかったら通り過ぎてしまいそうな山頂である。山
頂をデジカメに収めてデポ地に戻り、来た道を少し戻って左折、ノースロードに入る。
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水晶山山頂 | 麗しのノースロードを走る |
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しっかり踏み固められた地道の水平道、道幅も広く、高速で走り抜けられる笑いがとまらないコースだ(止ま
らない分、写真も撮れない)。3度4度と小川に架かった橋を渡り返し、ガンガン走るとシュラインロード分
岐だ(9時00分)。
シュラインロードは文字通り「石仏の道」、MTBならではの階段下りをやっているとまず現れるのが行者堂。
石灯籠を従えた祠には4体の石仏が祀られている。北麓にある四鬼家の守り神とか。
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行者堂にて | シュラインロード |
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更に階段下りは続く。初めこそ気にならない程度の段差だったが、そのうち徐々に段差も大きくなり連続しは
じめ、ややうんざり。目の前の階段下りに集中しなければならず、両脇の石仏に目をやるヒマもない。
「行者の東」という725.8mの三角点に立ち寄るつもりだったが、いつの間にか通り過ぎてドライブウェ
イに出てしまう(9時26分)。ドライバーが怪訝な顔をして上がっていく。心配しなくても有料道路は走ら
ないよ。
水分補給をして鳥居をくぐって下る。100mほどで逢山峡からの林道に合流する。はじめ地道の林道だった
逢山峡沿いの道が簡易舗装路になってくれば6月に逢ケ山を訪れた分岐もすぐに現れる。あとは渓谷沿いの道
を森林浴+マイナスイオン・ダウンヒル。新鮮な空気をいっぱい吸い込んで有馬口方面に向った。
(本日の走行距離 58km)
2004年8月21日(土)氷上・春日/由良坂〜亀の座〜天王坂 (2.5万図 黒井)
ヤブのうるさいこの時季、歩きやすそうなのは送電線が走っている尾根筋。しかもショート・コースでまだ歩
いたことのないところということで表題のコースを歩くことに決める。姿のいい霧山にも立ち寄りたいところ
だが、それはまたの機会にして今日は由良坂と天王坂を繋ぐ分水嶺歩きだ。
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春日町側から亀の座 |
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今朝も涼しい。ようやく猛暑の夏も終わりを告げたか。朝曇の中、5時33分ロードで出発する。涼しく感じ
るはずだ。赤坂峠は19℃しかない。こんな調子が続いてくれたら快調に飛ばせるのだが。
やや向い風の中をまずまずのペースで走り、7時42分柏原にある喫茶店でゆっくりモーニングを食べ、8時
27分春日町牛河内の浄光寺に着く。寺横の池のハスが見事である。支度を整えて由良坂に向って歩き始める。
由良坂へは寺の前の破線路を西に向う。かなり道幅の広い緩やかな道はササやシダに覆われ、長らく人が歩い
たことの無い様子。しばらく進むと道の真ん中に雑木が生い茂る廃道状態に。どう歩いても歩きにくいのでジ
グザグ道を適当にショートカットしながら登っていく。
どういうわけか同じような幅のある道がいくつも現われる。下りに使うと絶対迷いそうだ。一体どういう構造
になっているのだろうか。じっくり調べてみたい感じ。
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由良坂へは浄光寺の前を西へ行く | 由良坂 |
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8時48分、由良坂に着く。北の南由良方面からの方が道はよかったみたいだ。崩れそうなやわらかい急斜面
を適当によじ登ると、右手から巡視路の階段が現れる。もう少しだけ北へ歩けば苦労せずに済んだようだがち
ょっとくらい筋肉を使ってやるのもいいだろう。
関電の巡視路に乗っかってしまえばあとはラクラク道、右手に伐採地が現れると氷上の安全山、水山方面が一
望できるビューポイント、No107鉄塔を過ぎ、「氷上高年低山会」が整備した「分水嶺の道」を進んで亀
の座山頂に到着(9時06分)。
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展望ポイントから安全山、鳴尾山、水山、岩屋山。 安全山の後ろに見える三角の山は方須張山。
| 氷上町側からは「分水嶺の道」として 山道が整備されている |
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亀の座山頂(4等三角点) | NO108鉄塔から五大山、愛宕山方面 |
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標高318.4m、4等三角点のある山頂には標識が整備されている。点名の「長見」は南麓の集落名、「亀
の座」はこの山の住所。別名「五郎兵衛」はさてどんな由来があるのやら。
巡視路は山頂の少し北を巻いている。雑木に覆われて展望なし。暫くここで休憩しようとすると足にチクッ。
また蚊にさされたかと叩こうとすればアブだ。なかなか攻撃的なアブで追い払っても何度も攻めてくる。うっ
とうしいので先を行くことに。
大きく下って登り返したところがNo108鉄塔の立つ展望地。北に愛宕山、五大山、南に天王坂、向山連山
が見渡せる。少憩の後再び歩き出す。なんとも歩き易い分水嶺の尾根道である。更にここの面白い点は右側
(北)に降った雨は瀬戸内海へ、左側(南)に降った雨は日本海へ注ぐという事。ちょっとした地形のいたず
らである。
そんなことをしながら282標高点を越え天王坂への下りにかかる。天王坂は過去何回か自転車で通過したこ
とがあるが、確か峠の両側はセメントで固められた崖だった。まさか最後に峠道へジャンプということもある
まい。
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天王坂 |
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そんな心配は杞憂に終わる南側へソフトランディングの山道、下り着いたところにも標識が整備されていた。
天王坂直下にあるという大石りくの碑を今日もまた見ることなく、すっかり真夏の太陽が戻った春日路を牛河
内へと歩いた。
(本日の走行距離141km)
2004年8月29日(日)北摂/広根〜切畑〜大原野〜万善 (2.5万図 広根、武田尾、木津)
豊かな自然が残る宝塚北部を中心としたエリアをF代と走る。誰かさんにそそのかされて昨年MTBを購入、
密かにトレーニングを積んできた(?)F代だが、ひょんなことから話がまとまり、本日北摂自転車デビュー
を迎える。
F代といえば迷言、珍言数知れず、道が曲がっていようが真っ直ぐ進むというヤブ山歩きメンバーきっての元気
娘。とはいえ、今回は初ツーリングということで、全線オンロードのショートコースにしつつ、北摂の魅力が楽
しめる標記コースを設定する。
日本の南海上を進む非常に強い勢力の台風16号の影響で、朝から南東の風が吹き荒れる中での初ツーリングと
なった。少しコースタイムをゆっくり目にとった方がいいかも知れない。
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出発準備完了 |
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阪急豊中駅前でF代と合流する。彼女の“愛車”はトレック4500(MTB)。今日は文字通り“トレックF
代”である。約1年ぶりの挨拶もそこそこに川西能勢口までの“リエゾン”区間を走り始める(7時05分)。
F代に前を走ってもらう。ゲストに北摂の風景を楽しんでもらうためと、後ろの方が指示が出し易いのと、彼女
のペースを掴み易いため。ロードなのでよもや振り切られることはないと思うが・・・。
F代、いきなりハイペースで走り出す。追風も手伝って赤信号も構わず突っ走っている。いきなり猪突猛進モー
ドに入ってしまった。ガンガン飛ばすのはいいが、赤信号は止まって欲しい。かなり張り切っている。MAX3
7km/hで走るF代。
「いやー兵庫県に入りましたねえ」と喜んでいる。
いいペースを維持し続け、7時24分には川西能勢口に着いてしまった。この分だとコースタイムの修正は不要
かも知れない。
少憩の後、リアル・スタート。北上する県道川西篠山線は最初のうちこそ、市街地の中を行くが、すぐに右手に
猪名川が迫る能勢電の鉄橋の下をくぐったり、多田神社の赤い橋を見ながら走る変化に富んだ道になり、移瀬を
過ぎると夏でも涼しい猪名川渓谷沿いの道、そして石道温泉前を通り、六石山の西をぐるっと回り込む広根へ上
り坂に差し掛かる。
写真を撮るため先行して広根でF代の到着を待つ。なかなか現れないと思っていたら、トラックと道を譲り合い
していたとか・・・。
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広根に到着 |
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広根で地形図を広げてコース概略を説明する。
「ダイソーで地図買ったんですけど、『出合橋』や『万善』が載ってなくてどこ走るのかなと思ってたんですよ」
はF代。そりゃ、ま、そうだろう。(しかも彼女が買ったのは『大阪府』の地図。今日走るエリアは何とか入って
はいる・・・)
ここまで来ると北摂らしい風景に変る。少し休憩を取って切畑へ向う。交通量も少なく安心して走れる道に変る。
銀山分岐を右手に見送りニュータウンの交差点を過ぎると猪渕、以前は集落の中を抜ける細い道だったが、何年か
前にバイパス路が出来た。勾配が一定なので走り易い分、趣は無くなった。
猪渕を過ぎると両側から山が迫る谷沿いの道と変る。相変わらずいいペースで走るF代。ここまで頑張るとは正直
思わなかった。野尻川にかかる橋を過ぎたあたりからいよいよ勾配は急になる。坂がきつくなると降りて押してい
たらしいが、フロントをインナーに落としてゆっくり走るようアドバイスをする。
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切畑への上り | まだまだ上りは続く |
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ここからわずかだが、斜度10%近い激坂区間に入る。MTBのように軽いギアのないロード、F代と同じ速さで
走っていると上れなくなるので先行してフォト・シーンを狙う。ヘロヘロだと言いながらF代がやってきた。声を
掛けるとマシンガントークが返ってくる。まだ余裕があるとみた。
ようやく本日一番の急勾配を上り終え、切畑の交差点に到着(8時33分)。休憩を取る。
予想していたよりかなり早い。ふだん自宅近くの清滝峠で練習しているという成果の現われか。頑張ったあとには
ご褒美の下り、出合橋まで渓流沿いのワインディング・ロードを行く。
「こんな長い下り、走ったことないですわー」と喜ぶF代。喜び過ぎてカーブを曲がり切れずコースアウトしかか
る。30km/h程度の低速でコースアウトは珍しい。先に下って出合橋で待つ(8時45分)。
すぐに下ってくる。ここで再び上り区間に入る。玉瀬から大原野へ進路を取る。ここも距離は短いが結構きつい坂
ではある。
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今度は玉瀬への上り |
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「ツール・ド・フランスの選手達はこんな坂簡単に上るんでしょうね」と気分はツールの山岳ステージに入ったよ
うである。
上り切ったら長い下りが待っているからと元気付ける。時々ギア・チェンジを間違え、重い方にシフトして悲鳴を
上げている。それでも何のかんのいいながら乗車したまま玉瀬辻への上りもこなし大原野へ。
この辺は景色を楽しみながらのポタリング・コース、やや下り気味の道をF代がガシガシ踏みながら走っていく。
長谷に入ると進行方向は東、向い風が強くなる。それでも下りに入ると元気が戻ってくるF代、何やらしきりに喋
っているが、後ろを走っているこちらの耳には風の音しか聞こえない。適当に相槌をうつ。
ゴルフ場前を通り緩い下りに入る。ゆっくり走っているつもりでも転り抵抗の小さいロード、F代のMTBにくっ
つきそうになるので先行してF代を待って万善の「道の駅」に到着する(9時17分)。
予想外の早いペースに予定をしていた「道の駅」での食事も、店が開いてなかったらどうしようかと心配されたが、
9時からの営業ということでこれもOK、大休止を取る。
川西能勢口までは下り基調の15km、向い風もあってさすがにラストはバテたかスピードは落ちたが終始しっか
りとしたペダリングで50kmを走りきり、次回のオフロードコース・デビューに期待の脹らむ走りを披露してく
れたF代であった。
(本日の走行距離77km、川西能勢口からの周回コース=44km)
織田(おりた)さんへのメールはbabrx800@jttk.zaq.ne.jpまで・・・。
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